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更新日:2023.09.09 / 掲載日:2023.03.01

低速走行時に車のエンジンからカラカラ音がする原因について解説

車にエンジンをかけて走行している限り、エンジンはもちろんその他の部位から作動音や駆動音がするのは当たり前の現象です。

しかし、ドライバーの耳にはっきりと「カラカラ」という音が聞こえる場合は、エンジンやその他の部品に何かしらの故障・不具合が発生している可能性があります。

そのため、どの部分に故障・不具合が発生しているかを早急に突き止めて正しく対処することが大切です。

そこで今回は、低速走行時などに車からカラカラという音がする場合の原因や対処法について詳しく解説していきます。

車からいつどのような時にカラカラ音がするのか観察しよう

車がどんな状況の時にどんなカラカラ音がするかによって、その原因も対処法も異なります。

まずは、いつどのような時にカラカラ音がするか、耳を澄ませてよく観察しましょう。

カラカラ音がし始めたり、それが収まったりするタイミングなどを把握すれば、どこを重点的に点検すべきか絞り込めます。また、修理などにどの程度費用がかかるかも予想できます。

エンジン始動直後や低速時にカラカラ音がする場合

車は止まっている状態から走り出す時、最も大きな力(トルク)が必要です。しかし、エンジン始動直後や低速走行時は回転数が低く安定していないため、最も異音や異常が発生しやすい状況だと言えます。

そんなエンジン始動直後や低速走行時にカラカラ音がする場合は、次のようなことが主な原因として考えられます。

原因①プーリーorベアリングの劣化・破損

車には、オルタネーター・パワステポンプ・エアコンポンプ・ウォーターポンプなどといった「補機」と呼ばれる部品がついています。

これらの補機によって、エンジンからベルトを通して伝えられた回転力を受け取っている部品が「プーリー」です。

プーリーには「ベアリング」が内蔵されていて、いずれかのプーリー・ベアリングが摩耗・劣化・破損した場合、回転軸がブレて「カタカタ」という金属音が発生することがあります。

ただし不具合の程度が軽い場合、エンジンの回転数が上がる(高速走行になる)とブレが解消されカタカタという音が小さくなり、ドライバーには聞こえないことがあります。

プーリー・ベアリングの役割

ベルトの案内役であるプーリーは滑車のような形をしており、金属製で耐久性は高いです。しかし、常にベルトと接触しているため、摩擦によって摩耗するとベルトの保持力が低下し、ベルトの張りが緩んでカタカタと音が出る場合があります。

プーリーは通常6万~10万kmは持つと言われていますが、劣化したベルトを使い続けていたり、ベルトの張りが強すぎたりした場合は寿命が縮まってしまう可能性があります。

一方、べアリングはプーリーの回転を滑らかにするための軸受けです。「ころ」と呼ばれる球または円柱が内蔵されています。

べアリング自体は摩擦を逃がす構造になっていることもあって壊れにくい部品で、その寿命は10万km程度とされています。

ただし、内部にあるグリースが劣化したり、漏れて潤滑性が失われたりするとプーリーの回転に合わせ、カラカラ・ゴロゴロなどといった金属音が出てくる場合があります。

プーリー・ベアリングが劣化・破損した時の対処法

カラカラ音がしている程度の段階であれば、プーリー・ベアリングは劣化しつつもエンジンの回転力を補機類に伝えている状態です。

しかし、カラカラという音を放置してプーリー・ベアリングが完全に故障した場合、またはそれが原因でベルトが破損・脱落した場合、対応する補機類も一切作動しなくなります。

例えば、パワステベルトプーリーの場合はハンドルが重くなり、オルタネーターベルトプーリーの場合は発電とバッテリへの充電ができなくなります。

いずれの場合も安全・快適な走行に支障をきたすため、異音が発生しているうちに点検や交換を行いましょう。

プーリー・ベアリングの修理・交換費用

損傷の程度が軽い場合、ベルトの張り直しや新品への交換、ベアリングのグリースアップなどでカタカタという音が収まることもあります。

ただし、それでも症状が改善しないほどプーリー・ベアリングが損傷している場合はそれぞれを新品に交換しなければなりません。

プーリーの部品代は4,000円~6,000円程度ですが、交換するための工賃は車種やプーリーの場所(対応する補機)によって大きく異なり、安くて7,000円~1万円程度、高い場合は3万~5万円以上かかることもあります。

一方、補機類のベアリング修理相場はというと、例えばオルタネーターのベアリングで部品代と工賃を合わせると総額1万5,000円~3万円ほどとなります。その他の補機類のベアリングも同じぐらいの金額です。

原因②バルブクリアランスが広がっている

低速走行時に小さなカタカタ音がエンジンルームからする場合、疑われるのがいわゆる「タペット音」と呼ばれるものです。

タペット音とは、吸気や排気を行っているバルブとそれを動かすカムシャフトとの間にある隙間(クリアランス)が、経年使用などによって規定値より広がると聞こえてくる「カタカタ」「カチカチ」などといった異音のことです。

広がった隙間から音が漏れてドライバーの耳に届いているだけで、クリアランスが正常であったとしてもバルブが動いている限り実はカタカタ音自体は発生しています。

また、これも高速回転になってエンジンが温まってくると関連部位が熱で膨張してクリアランスが狭まるため、音が気にならなくなることがあります。

バルブクリアランスが必要な理由

車のエンジンはヘッドカバー・シリンダーヘッド・シリンダーブロックという3つの部位に分かれています。

分かりやすく言うと「ハンバーガー」のように組み合わさっている形です。

そして、バルブはこのうちシリンダーヘッドという部位に取り付けられています。バルブ周り(動弁系)のパーツのほとんどは金属製で、エンジンが温まるとわずかに膨張します。

そして、エンジンは各部品が冷えている状態で組み立てられますが、その際に隙間なくびっちりと組み立ててしまうと、熱で膨張した部品同士が接触して損傷したり、動作が狂ったりしかねません。そのため、綿密な計算の上で適切な隙間(バルブクリアランス)が設けられています。

バルブクリアランスが広がった時の対処法

車のエンジンが動いている限りバルブも絶えず上下運動しているため、バルブ自体もその周りの部品も少しずつ摩耗していきます。また、振動などで接続部分も緩んでいくため、バルブクリアランスは年々わずかに広がっていきます。

故障ではなくエンジンの老化現象に近いため、多少であればカタカタ音がしたとしても走行に大きな支障はなく、軽度のうちは放置して問題ありません。

また、エンジンオイルの粘度を上げたり、添加剤を入れたりすることによって音が軽減されるケースもあります。

ただ、ディーラーや修理工場などの専門家に依頼すれば、バルブクリアランスの調整も可能です。調整によってクリアランスを狭めれば、カタカタという音が解消され、エンジン性能向上を図ることもできます。

バルブクリアランス調整の方法は車種によって様々です。費用も依頼先によって変わります。行きつけの修理工場などにお願いすれば、1万~3万円程度(一般的な直列4気筒エンジンの場合)で請け負ってくれることもあります。

加速時にカラカラ音がする場合

ここまでで、エンジンからのカラカラ音は低速走行時によく起きることを説明してきました。

ここからは、加速した時にカラカラ音が鳴り出す、もしくはエンジン回転数が上がってもカラカラ音が鳴りやまない場合、どのような原因が考えられるのか解説していきます。

加速時のカラカラ音はノッキングが発生している可能性大

加速するとカラカラ音が鳴り始め、低速走行になると鳴りやむ場合は、高い確率でエンジンの「ノッキング」が原因と考えられます。

ノッキングとは、エンジンが扉を叩くような金属音を発する現象全般を指す自動車用語です。打撃音が直接的に「カタカタ」「カンカン」「キンキン」などといった音が聞こえることもあります。

また、高速走行時だとノッキングで発生した振動により、カラカラ音が聞こえるケースもあります。ノッキングが発生すると走行中に異常な振動を感じる、加速性能や燃費が低下する、エンストするといったことがあります。最悪の場合、エンジンに重大なダメージが残ってしまうかもしれません。

ノッキングが発生する要因

ノッキングは、本来想定される点火タイミングよりも前に自然燃焼してしまう「プレイグニッション」と、スパークプラグによる発火後に意図しない燃焼が起きてしまう「デトネーション」の2つに分けられます。

プレイグニッションは、点火プラグの熱を逃がす能力が弱いことや、燃焼室内にカーボンがたまりそれが火種となったことが原因で起こります。

デトネーションは、エンジンの異常加熱による燃料の自然発火やピストンで圧縮された混合気による異常爆発などが主な原因となります。

いずれの場合も「燃料の異常燃焼」と言い換えることができるでしょう。

MT車の場合は、上記したような不具合がなくても運転中のギア操作ミスによってノッキングが発生することもあります。

ノッキング発生時の対処法

ノッキング対策として手軽に、かつ効果を期待できるのが車の性能に合ったオクタン価のガソリンを選ぶことです。

特にハイパワーで排気量も多くエンジンが高温・高圧になりやすい「ハイオク仕様」の車にオクタン価が低いレギュラーを入れると、ノッキングが発生しやすくなるので注意しましょう。

また、熱を逃がす能力の高い点火プラグへの交換やピストンにたまったカーボンを取り除く添加剤の投入などによって、ノッキングが収まる場合があります。

「異常燃焼」しにくい状態に保つという意味で、適切なオイル管理やエアエレメントの交換もノッキングの改善や発生の予防につながると考えられています。

ただし、これらの対策を行っても一向に効果が現れない場合は、ノッキング抑制する「ノックセンサー」が故障しているのかもしれません。その場合は、整備工場やディーラーなどで点検や整備を受けましょう。

カラカラ音が聞こえにくい高速時のノッキングには要注意!

ノッキングは、車が停止あるいは低速状態からアクセルを踏み込んだ際、つまり加速時に発生することが多くなります。

ノッキングは燃料が予定よりも早くもしくは遅く燃焼している状態のため、高速になり回転数が上がると燃焼タイミングの早い・遅いの差がほぼなくなります。しかし、高速走行時にもノッキングは起こることもあり、これを「高速ノック」と言います。

この場合、カラカラ音などがエンジン音でかき消されて聞こえにくい上に、低速ノックより不具合の程度が大きく、症状が悪化しエンジン破損に至ることも多いため注意が必要です。

常にカラカラ音がする場合

低速時にしろ加速時にしろ、エンジン内部の故障や異常もしくはその回転を利用して稼働している補機類が原因でカラカラ音がする場合、音の大きさ・高さ・種類などが変化します。

例えば、プーリー・ベアリングの不具合で発生するカラカラ音は、エンジンの回転数が上がると消える(正確には聞こえなくなる)ことが多いです。

カラカラ音が大きくなったり小さくなったり、音の高さが変わってカンカン・キンキン・ガラガラなどといった音に変化します。そのため、常にカラカラ音が一定の大きさで聞こえ、あまり変化がない場合はエンジン内部もしくはその回転力を利用している補機類以外に不具合があると判断できます。

原因①エンジンマウントの劣化・破損

エンジンマウントは、エンジンが動かないように車体に取り付けるためのパーツのことです。

車を走らせている時に「常に小さなカタカタ音が聞こえ、エンジン近くから聞こえている気がする…」という場合は、エンジンマウントが劣化・破損している可能性が高いでしょう。

多くの車のエンジンマウントは、エンジンの振動を吸収し路面からの衝撃を緩和できるようゴムでできています。しかし、経年使用で劣化・破損すると吸収力や緩衝性が低下し、カタカタ音が発生する場合があります。

エンジンマウントの寿命と交換費用

エンジンマウントが劣化した状態のまま放置すると、振動・衝撃による異音がだんだん激しくなります。そして、異音が大きくなるとともにエンジンに加わる衝撃・振動も大きくなり、最終的にはエンジン本体や周辺部品の破損につながるため定期的な交換が必要です。

エンジンマウントの寿命は10年または10万kmと長く、部品代は1個当たり3,000円~4,000円程度です。しかし、複数個(3〜5個)使われているため、部品代だけで少なくとも1万円は必要でしょう。

それに交換する時の工賃が2万~3万円程度加わり、合計で4万円程度の費用がかかってきます。

原因②ボンネットフードのがたつき

エンジン及び関連部品ではないものの、付近から聞こえるため混同しやすいのがボンネットフードの不具合によって発生する異音です。

事故などの衝撃で明らかに外れかかっている場合は、ガタガタと激しい音が出たり、走行中に動いている様子が見えたりするため気が付くでしょう。

一方、経年使用でわずかに建付けが悪くなった程度の場合は、カラカラと小さく乾いた金属音がエンジンルーム付近から聞こえてくることがあります。

ボンネットフードのがたつきはDIY調整できることも

ボンネットフードは、走行中不意に開かないようにロックされていて、同時に数個の「フードストップクッション」という小さな部品で支えられています。

このフードストップクッションは、ゴム製で付け根にネジ山が施されており、手で回せば簡単に出したり引っ込めたりできます。これをどちらかの方向に回し、高さを細かく調整すれば、DIYで十分カタカタ音を軽減することも可能です。

ただし事故による建付け不良などで、がたつきがひどい場合は板金修理が必要になってきます。

マフラーの異常や変形が原因の場合も

エンジンより遠くから(感覚的に言うと足元付近から)カタカタ音が常に聞こえる場合は、マフラーの異常・変形が原因である場合も多いです。

走行中に異音が聞こえなくなる場合は、遮蔽板の劣化や変形による震えが原因でマフラーが車体と接触し、カラカラ音が発生している可能性があります。

一方、走行中も聞こえる場合は、サイレンサーパイプが脱落しているか、マフラー内部に何らかの異物が入っているのかもしれません。

いずれにしろ、マフラーの故障や不具合は走行性能や快適性の低下だけではなく、大気汚染や騒音被害につながります。そのため、速やかに修理工場などで点検を受け、しかるべき修理や整備をするようにしましょう。

車からカラカラ音がしたら早目に点検を受けよう!

カラカラという音がすると言っても、状況によって原因と対処法が異なります。そのため、車のどこに不具合が発生しているか判別するのは難しいかもしれません。また、判別できたとしても素人には対処できないことも多いです。

車からカラカラ音がしたら症状が悪化する前に、修理工場やディーラーなどで点検・修理・整備を受けるようにしましょう。

まとめ

  • ①エンジンからカラカラ音がすると言っても、状況によって原因が異なる
  • ②まずは、車からいつどんな状況で音がするか観察する
  • ③エンジン始動直後・低速時にカラカラ音がする場合は、「プーリーorベアリングの劣化や破損」または「バルブクリアランスの拡大」などが原因と考えられる
  • ④加速時にカラカラ音がする場合は、ノッキングが発生している可能性が高い
  • ⑤常にカタカタ音がし、音に変化もあまりない場合は、「エンジンマウントの劣化や破損」または「ボンネットフードのがたつき」などが疑われる
  • ⑥エンジンより遠く、しかも足元付近からカタカタ音が常に聞こえる場合は、マフラーの異常や変形が原因であることも
  • ⑦状況だけで車のどこに異常があるか判別するのは難しく、対処できないことも多いため、カラカラ音がする場合は症状が悪化する前に修理工場やディーラーなどで点検・修理・整備をしてもらおう
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