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更新日:2023.01.26 / 掲載日:2023.01.26
高速道路で車が故障したらどうする?対処法や電話すべき緊急連絡先・注意点などを解説
車が突然故障して走れなくなってしまったら、誰しも慌ててしまうでしょう。しかもその場所が高速道路だった場合、より慎重にかつ迅速に対処しなければ、さらなるトラブルにつながりかねません。
この記事では、車が高速道路で故障した際に慌てず安全に対処できるよう、その手順や電話連絡すべきところについて詳しく解説していきます。
とはいえ、一般道よりかなり速い速度で車が走行している高速道路では、起こりやすい故障の箇所やその原因も少々異なってきます。そして、発生した故障によっても取るべき対処法が変わってきます。
そのため、どんな故障が起きやすいかをあらかじめ知っておき、予防を心掛けることも大切です。

まずは、実際に高速道路上でよく起きている車の故障にはどのようなものがあるのか、高速道路を管理しているNEXCO東日本の調査をもとに、その代表例を挙げてみましょう。
高速走行によって大きな負荷がタイヤにかかる高速道路では、走行中タイヤが急に破裂してしまうバーストが一般道より多く発生するため、注意が必要です。
バーストは、タイヤの経年劣化によるひび割れの悪化や空気圧不足などによって発生します。発生した車の操縦安定性が著しく低下するのはもとより、破損したタイヤの破片が後続車の走行を妨げ、事故を誘発する可能性もあるので大変危険です。
タイヤのトラブルを未然に防ぐには、タイヤの点検を実施することに尽きます。高速道路を走行する前は、ひび割れの有無や空気圧の過不足を必ずチェックしましょう。
なお、一般道ならスペアタイヤに交換する手もありますが、高速道路で行うと事故を誘発する危険があるため、ロードサービスなどに救援を依頼してください。
これは、渋滞時の過放電または長時間や長距離の走行による過充電によって発生します。いずれも、PAなどでいったんエンジンを切り、その後再始動しないことで初めて異常に気が付く場合がほとんどです。
始動点火系統不良は、以下のような前兆が出る場合もあります。
・ハンドルやブレーキが急に重くなる
・パワーウィンドウの動きが遅くなる
・ヘッドライトが暗くなる
こういった前兆を察知した際は、最寄りのPAなどに避難し、JAFやロードサービスなどへ救援を依頼したほうがいいでしょう。
また、バッテリーやオルタネーターが正常かどうかは、ガソリンスタンドやカー用品店などでいつでも点検してもらえます。高速道路を走行する予定がある場合は、バッテリーの残電圧やオルタネーターの発電量を事前に点検しておくと安心です。
高速走行中にオーバーヒートが発生すると、エンジンの回転数が上がらずスピードが出せなくなり、最終的には走行不能になるため事故を誘発しかねません。
また、最悪の場合はエンジンの異常発熱による車両火災に発展する可能性もあるため大変危険です。
ただし、オーバーヒートは徐々に症状が悪化する故障なので、以下のような前兆が段階的に起こります。
・回転数が安定しない
・いつものように加速しない
・エンジンから白煙が出る
・警告灯が点灯する など
このような前兆が出ている時点で安全な場所に車を止め、エンジンの熱を冷ましてあげれば、最寄りのPAあたりまでならなんとか走行できる場合もあります。
しかし、根本的な原因を解消しない限り、再びオーバーヒートする可能性が高いため、長距離にわたっての高速走行は断念したほうが無難です。
もちろん、高速道路には一定間隔で燃料を補給できるガソリンスタンドが設置されています。ただし、区間によっては150km以上ガソリンスタンドが存在しない所もあるため、該当区間を走行する際は注意が必要です。
また、事故や天候の急激な悪化による予期せぬ渋滞なども、ガス欠が発生する要因となっています。ガス欠すると寒さや暑さをしのぐエアコンも使えないほか、動かない大きな障害物となって他車の走行を著しく妨げてしまいます。
高速道路を走行する際には、予期せぬ渋滞に巻き込まれてしまうことも想定し、燃料を満タンにしておきましょう。
なお、高速道路や自動車専用道路でガス欠を起こした場合は、道路交通法違反として違反点数の付加と反則金の対象となります。

燃料を満タンにしておけばかなりの確率で防げるガス欠はともかく、その他の故障やトラブルはいくら対策を講じていても不可抗力によって起こってしまうことがあります。
そこでここからは、高速道路で故障が発生した際に取るべき行動の手順を見ていきましょう。
このような危険な道路状況になることを防ぐため、高速道路には路肩のほか、おおむね200m間隔(トンネル内では750m間隔)で非常駐車帯が設置されています。
高速道路上で故障が発生した際は、ハザードを点灯し路肩あるいは非常駐車帯に車を停車しましょう。
なお、故障の程度が軽いまたはその前兆を察知でき、一定距離の走行が可能な場合は、SAやPAまで移動したほうが自らも周囲の車もより安全です。
三角停止版は、夜間ライトを浴びると赤い光を放つ反射板がついており、高速道路上でやむなく駐停車する場合は必ず設置するよう義務付けられています。設置義務を怠ると違反点数の付加・反則金の対象となりますが、積載義務はありません。
一方、発炎筒は炎の灯によって危険を知らせるアイテムで、車への装備が法令で義務付けられています。装備していない場合や使用期限が切れている場合は車検を通過することができません。
いずれも、故障している車両から50m以上後方(見通しが悪い場合はさらに後方)に置くよう定められています。移動・設置する際は周囲を走っている車に十分注意しましょう。
故障した車の中や周囲にいると、後続車が追突した場合に巻き込まれてしまったり、車を避けようとした後続車に轢かれてしまったりする可能性があります。
なお、ここでいう「安全な場所」とは、後続車の追突に巻き込まれにくい、故障車が停車位置より後方、かつガードレールの外側の場所を指します。
一方、高速道路上で車が故障した場合は、複数の関連機関に電話連絡・通報する必要があります。
しかし、自分と同乗者の安全確保と可能な範囲で救命活動、並びに二次災害防止措置をすることが最優先です。どこに、なぜ連絡すべきかは後述しますが、電話連絡はこれらを全て済ませ、気持ちが落ち着いてからでも十分間に合います。

高速道路で車が故障した時は、関連機関に連絡すべきと前述しましたが、いったいどこに電話すればいいのでしょう?
ここからは、ケース別に主な連絡先を紹介します。
加害者として事故を起こしたにも関わらず、警察への連絡を怠った場合は、道路交通法違反として3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金に処される可能性があります。
また、仮に被害者(もらい事故や追突)であったとしても、交通事故証明書が発行されず、保険金請求がスムーズに進まなかったり、のちに体に痛みが出ても保険対象外になったりすることがあります。
加えて、単独事故でガードレールやフェンスなどを破損した場合も、警察を呼ばずに立ち去れば当て逃げになります。
要救護者がいるのに救急やレスキューに連絡しなかった場合は、救護義務違反(ひき逃げ)として処罰される可能性もあるので、けが人などの確認は必ず行いましょう。
道路緊急ダイヤルは、道路の穴や路肩の崩壊などの道路損傷、落下物や路面の汚れなど、道路の異常を発見した際の連絡先です。
故障車も高速道路の安全な通行を妨げる異常に含まれるため、安全確保のための指示や緊急先への連絡などを24時間体制で行ってくれます。
なお、道路緊急ダイヤルへ連絡する際は、故障車のある場所を特定するため、道路名・進行方向(上り・下り・キロポスト・周辺の施設)を事前に確認しておき、正確に伝えるようにしましょう。
紹介したよくある故障のうち、パンクやバーストならスペアタイヤへの交換、バッテリー上りならジャンピングなど、自分でも対処することができます。
しかし、PAやSAならともかく、高速道路上でこれらの作業を素人が行うと大変危険なため、JAFやロードサービスなどの専門家に救援を依頼したほうが安心です。
また、故障車が自走できない状態の場合、一般道路なら知人の車などにけん引してもらう方法もあります。しかし、高速道路の場合は、たとえプロの修理業者であっても、警察の指示なしでは故障車をけん引することができません。
その理由は、けん引の制限速度が高速道路の最低速度に達していないからです。そのため、レッカー車や積載車を持っている業者に車の移動を依頼することになります。

高速道路上で車が故障し、いざ関連機関に電話しようと思っても、携帯電話を忘れていたり、充電が切れていて電話ができなかったりすることもあるかもしれません。
そんな時は、高速道路の路肩や非常駐車帯に電話のマークや「SOS」と表示された非常電話が設置されているので、それを活用しましょう。
本線上では1kmおき、トンネル内では200mおきに設置されています。受話器を取って「故障」「事故」「救急」「火災」という4つのボタンを選んで押すだけなので、使用法はいたって簡単です。
すぐに各道路の管制センターの担当部署につながり、担当者が緊急先への通報など然るべき対応をしてくれます。

次に、高速道路で故障が発生した際、これだけは注意してほしい内容を3つ紹介します。
車を置き去りにするのは不安かもしれませんが、故障した車を無理に移動させるとかえって事故のリスクが広がってしまいます。特に、動かない車体を人力で押しての移動は絶対にしないでください。
また、周囲に故障発生を知らせるため、三角停止版や発炎筒を設置する際や避難場所や非常電話への移動中も、足元や走行車両には十分注意してください。
発生した事故や故障を警察などの関連機関が連携し迅速に処理することで、高速道路の機能は保たれています。そのため、事故を伴う故障はもちろんそうではない場合であっても、自分の力だけで対処しようと考えないようにしましょう。
関連機関へ必ず電話連絡し、その指示を仰ぐようにしてください。

最後に、高速道路を走行中に故障している車を見かけた時、トラブルに巻き込まれないためにどんなことを心掛けておくべきか紹介します。
基本的には速やかに通過すべきですが、状況や警察などの指示によっては、安全を確保するため最低速度を下回る速度で徐行することもあります。その場合は、ハザードを点けて故障車並びに徐行車の存在を周囲の交通に伝え、追突事故を避ける手助けをしましょう。
また、高速道路では停車車両の存在自体が事故を誘発し、現場が混乱する原因にもなります。そのため、手助けしたい気持ちがあっても速やかにその場を通過したほうが、安全で措置がスムーズになります。
また、SAやPAでは情報ターミナルや携帯電話でも確認ができます。出発前に確認し、適正なルート選択と余裕のあるドライブスケジュールを立てれば、安全かつスムーズに高速道路を走行できます。
この記事では、車が高速道路で故障した際に慌てず安全に対処できるよう、その手順や電話連絡すべきところについて詳しく解説していきます。
この記事の目次
焦りは禁物!高速道路で車が故障した時の正しい対処法
高速道路上で車が故障して走行不能になっていると、それが障害物となり、後続車を巻き込む大事故につながりかねません。そのため、焦らずに安全面に配慮して正しく対処する必要があります。とはいえ、一般道よりかなり速い速度で車が走行している高速道路では、起こりやすい故障の箇所やその原因も少々異なってきます。そして、発生した故障によっても取るべき対処法が変わってきます。
そのため、どんな故障が起きやすいかをあらかじめ知っておき、予防を心掛けることも大切です。
高速道路で発生しやすい車の故障やトラブルについて

タイヤのパンク・バースト
高速道路で起きている車の故障事例で多いのは、パンクやバーストなどといったタイヤのトラブルです。高速走行によって大きな負荷がタイヤにかかる高速道路では、走行中タイヤが急に破裂してしまうバーストが一般道より多く発生するため、注意が必要です。
バーストは、タイヤの経年劣化によるひび割れの悪化や空気圧不足などによって発生します。発生した車の操縦安定性が著しく低下するのはもとより、破損したタイヤの破片が後続車の走行を妨げ、事故を誘発する可能性もあるので大変危険です。
タイヤのトラブルを未然に防ぐには、タイヤの点検を実施することに尽きます。高速道路を走行する前は、ひび割れの有無や空気圧の過不足を必ずチェックしましょう。
なお、一般道ならスペアタイヤに交換する手もありますが、高速道路で行うと事故を誘発する危険があるため、ロードサービスなどに救援を依頼してください。
始動点火系統不良(バッテリー・オルタネーター不良)
タイヤのパンク・バーストの次に多いのが、始動点火系統不良(バッテリー・オルタネーター不良)です。これは、渋滞時の過放電または長時間や長距離の走行による過充電によって発生します。いずれも、PAなどでいったんエンジンを切り、その後再始動しないことで初めて異常に気が付く場合がほとんどです。
始動点火系統不良は、以下のような前兆が出る場合もあります。
・ハンドルやブレーキが急に重くなる
・パワーウィンドウの動きが遅くなる
・ヘッドライトが暗くなる
こういった前兆を察知した際は、最寄りのPAなどに避難し、JAFやロードサービスなどへ救援を依頼したほうがいいでしょう。
また、バッテリーやオルタネーターが正常かどうかは、ガソリンスタンドやカー用品店などでいつでも点検してもらえます。高速道路を走行する予定がある場合は、バッテリーの残電圧やオルタネーターの発電量を事前に点検しておくと安心です。
オーバーヒート
長時間の高速走行では、エンジンに高温の負荷がかかり続けます。そして、冷却水不足やエンジンオイル不足、ウォーターポンプや冷却用ファンモーター・サーモスタットなどの作動不良があった場合、オーバーヒートが発生しやすくなります。高速走行中にオーバーヒートが発生すると、エンジンの回転数が上がらずスピードが出せなくなり、最終的には走行不能になるため事故を誘発しかねません。
また、最悪の場合はエンジンの異常発熱による車両火災に発展する可能性もあるため大変危険です。
ただし、オーバーヒートは徐々に症状が悪化する故障なので、以下のような前兆が段階的に起こります。
・回転数が安定しない
・いつものように加速しない
・エンジンから白煙が出る
・警告灯が点灯する など
このような前兆が出ている時点で安全な場所に車を止め、エンジンの熱を冷ましてあげれば、最寄りのPAあたりまでならなんとか走行できる場合もあります。
しかし、根本的な原因を解消しない限り、再びオーバーヒートする可能性が高いため、長距離にわたっての高速走行は断念したほうが無難です。
ガス欠
車の故障とは言えないものの、場合によっては故障よりたちが悪く、高速道路上でよく発生しているのが、ガス欠によるトラブルです。もちろん、高速道路には一定間隔で燃料を補給できるガソリンスタンドが設置されています。ただし、区間によっては150km以上ガソリンスタンドが存在しない所もあるため、該当区間を走行する際は注意が必要です。
また、事故や天候の急激な悪化による予期せぬ渋滞なども、ガス欠が発生する要因となっています。ガス欠すると寒さや暑さをしのぐエアコンも使えないほか、動かない大きな障害物となって他車の走行を著しく妨げてしまいます。
高速道路を走行する際には、予期せぬ渋滞に巻き込まれてしまうことも想定し、燃料を満タンにしておきましょう。
なお、高速道路や自動車専用道路でガス欠を起こした場合は、道路交通法違反として違反点数の付加と反則金の対象となります。
高速道路で故障が発生した際の手順

そこでここからは、高速道路で故障が発生した際に取るべき行動の手順を見ていきましょう。
手順①路肩や非常駐車帯に車を停車する
高速道路では、常に100km近いスピードで多くの車が走行しています。そのため、走行車線上に故障車両があって万が一衝突した場合、人命にかかわる大事故が起きかねません。このような危険な道路状況になることを防ぐため、高速道路には路肩のほか、おおむね200m間隔(トンネル内では750m間隔)で非常駐車帯が設置されています。
高速道路上で故障が発生した際は、ハザードを点灯し路肩あるいは非常駐車帯に車を停車しましょう。
なお、故障の程度が軽いまたはその前兆を察知でき、一定距離の走行が可能な場合は、SAやPAまで移動したほうが自らも周囲の車もより安全です。
手順②周囲に故障を知らせる
高速道路上での故障発生で一番怖いのは、故障車両の発見・回避行動の遅れによる後続車の追突です。そのため、三角停止板や発炎筒といった器材を用い、故障車の存在をできる限り早く広範囲の後続車に知らせましょう。三角停止版は、夜間ライトを浴びると赤い光を放つ反射板がついており、高速道路上でやむなく駐停車する場合は必ず設置するよう義務付けられています。設置義務を怠ると違反点数の付加・反則金の対象となりますが、積載義務はありません。
一方、発炎筒は炎の灯によって危険を知らせるアイテムで、車への装備が法令で義務付けられています。装備していない場合や使用期限が切れている場合は車検を通過することができません。
いずれも、故障している車両から50m以上後方(見通しが悪い場合はさらに後方)に置くよう定められています。移動・設置する際は周囲を走っている車に十分注意しましょう。
手順③車から離れた安全な場所に避難する
次に車から離れた安全な場所に避難しましょう。同乗者がいる場合は一緒に移動してください。故障した車の中や周囲にいると、後続車が追突した場合に巻き込まれてしまったり、車を避けようとした後続車に轢かれてしまったりする可能性があります。
なお、ここでいう「安全な場所」とは、後続車の追突に巻き込まれにくい、故障車が停車位置より後方、かつガードレールの外側の場所を指します。
手順④避難してから「関連機関」に電話連絡をする
一般道で車が故障した時は、車と自分たちの移動手段さえ何とかできれば、「ここに必ず連絡しなければならない」というルールはありません。一方、高速道路上で車が故障した場合は、複数の関連機関に電話連絡・通報する必要があります。
しかし、自分と同乗者の安全確保と可能な範囲で救命活動、並びに二次災害防止措置をすることが最優先です。どこに、なぜ連絡すべきかは後述しますが、電話連絡はこれらを全て済ませ、気持ちが落ち着いてからでも十分間に合います。
電話連絡すべき「関連機関」とは?

ここからは、ケース別に主な連絡先を紹介します。
警察(110番)救急(119番)への通報
これは高速道路であっても、一般道であっても同じことですが、事故による故障の場合は、必ず警察への通報が必要となります。また、けが人がいる場合は救急車や消防車(レスキュー)の依頼も早急に行いましょう。加害者として事故を起こしたにも関わらず、警察への連絡を怠った場合は、道路交通法違反として3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金に処される可能性があります。
また、仮に被害者(もらい事故や追突)であったとしても、交通事故証明書が発行されず、保険金請求がスムーズに進まなかったり、のちに体に痛みが出ても保険対象外になったりすることがあります。
加えて、単独事故でガードレールやフェンスなどを破損した場合も、警察を呼ばずに立ち去れば当て逃げになります。
要救護者がいるのに救急やレスキューに連絡しなかった場合は、救護義務違反(ひき逃げ)として処罰される可能性もあるので、けが人などの確認は必ず行いましょう。
道路緊急ダイヤル(#9910)への連絡
事故を伴わない故障の場合は、道路緊急ダイヤル(#9910)へ連絡しましょう。道路緊急ダイヤルは、道路の穴や路肩の崩壊などの道路損傷、落下物や路面の汚れなど、道路の異常を発見した際の連絡先です。
故障車も高速道路の安全な通行を妨げる異常に含まれるため、安全確保のための指示や緊急先への連絡などを24時間体制で行ってくれます。
なお、道路緊急ダイヤルへ連絡する際は、故障車のある場所を特定するため、道路名・進行方向(上り・下り・キロポスト・周辺の施設)を事前に確認しておき、正確に伝えるようにしましょう。
JAF・ロードサービスへの救援依頼
繰り返しになりますが、高速道路で故障した場合は安全確保と事故防止が最優先です。そのため、自分の車に対する措置は警察や救急など、関連機関の指示のもと、一番最後に行うことになります。紹介したよくある故障のうち、パンクやバーストならスペアタイヤへの交換、バッテリー上りならジャンピングなど、自分でも対処することができます。
しかし、PAやSAならともかく、高速道路上でこれらの作業を素人が行うと大変危険なため、JAFやロードサービスなどの専門家に救援を依頼したほうが安心です。
また、故障車が自走できない状態の場合、一般道路なら知人の車などにけん引してもらう方法もあります。しかし、高速道路の場合は、たとえプロの修理業者であっても、警察の指示なしでは故障車をけん引することができません。
その理由は、けん引の制限速度が高速道路の最低速度に達していないからです。そのため、レッカー車や積載車を持っている業者に車の移動を依頼することになります。
携帯電話がない場合はどうする?

そんな時は、高速道路の路肩や非常駐車帯に電話のマークや「SOS」と表示された非常電話が設置されているので、それを活用しましょう。
本線上では1kmおき、トンネル内では200mおきに設置されています。受話器を取って「故障」「事故」「救急」「火災」という4つのボタンを選んで押すだけなので、使用法はいたって簡単です。
すぐに各道路の管制センターの担当部署につながり、担当者が緊急先への通報など然るべき対応をしてくれます。
高速道路で故障が発生した際の注意事項

無理な車の移動は避ける
故障の状態や道路の状況によっては、車がすでに自走できない、または走行すると危険なケースもありえます。そのような場合は、前述した手順①を飛ばして、手順②から進めるといいでしょう。車を置き去りにするのは不安かもしれませんが、故障した車を無理に移動させるとかえって事故のリスクが広がってしまいます。特に、動かない車体を人力で押しての移動は絶対にしないでください。
むやみに歩き回らない
交差点や信号がなく、車が常にハイスピードで走行している高速道路では、一般道より人の発見が遅れてしまいます。そのため、自走不能な場合はもちろん、路肩や非常駐車帯に車を移動できたとしても、車の周りや走行車線上をむやみに歩き回らないようにしましょう。また、周囲に故障発生を知らせるため、三角停止版や発炎筒を設置する際や避難場所や非常電話への移動中も、足元や走行車両には十分注意してください。
関連機関への電話連絡は必ず行う
車が長時間・長距離にわたって高速で走行し、車にかかる負担が増す高速道路において、事故や故障が発生することを完全に防ぐことはできません。発生した事故や故障を警察などの関連機関が連携し迅速に処理することで、高速道路の機能は保たれています。そのため、事故を伴う故障はもちろんそうではない場合であっても、自分の力だけで対処しようと考えないようにしましょう。
関連機関へ必ず電話連絡し、その指示を仰ぐようにしてください。
高速道路で故障車を見かけた時の心構え

周囲の安全に留意して走行する
故障して停車、またはノロノロ運転している車は巨大な障害物であり、そこから人が飛び出てくる可能性もあります。そのため、故障車とすれ違う際は、交差点を通過する時以上に周囲の安全に十分留意しましょう。基本的には速やかに通過すべきですが、状況や警察などの指示によっては、安全を確保するため最低速度を下回る速度で徐行することもあります。その場合は、ハザードを点けて故障車並びに徐行車の存在を周囲の交通に伝え、追突事故を避ける手助けをしましょう。
速やかに通過する
前述した通り、安全を確保するための徐行はやむを得ません。しかし、見物するために不必要な徐行や停車をすると、渋滞を起こしたり、追突事故を誘発したりする可能性もあるため避けましょう。また、高速道路では停車車両の存在自体が事故を誘発し、現場が混乱する原因にもなります。そのため、手助けしたい気持ちがあっても速やかにその場を通過したほうが、安全で措置がスムーズになります。
事前に交通情報を確認することも大切
高速道路上での故障車・事故車の存在や、それを起因とする渋滞・混雑情報は、常にラジオやネットなどで更新されています。また、SAやPAでは情報ターミナルや携帯電話でも確認ができます。出発前に確認し、適正なルート選択と余裕のあるドライブスケジュールを立てれば、安全かつスムーズに高速道路を走行できます。
まとめ
- ①高速道路で車が故障した場合は、焦らず正しい対処を取ることが大切
- ②高速道路で起きやすい故障やトラブルは、「タイヤのパンク・バースト」「始動点火系統不良」「オーバーヒート」「ガス欠」などである
- ③高速道路で故障が発生したら、まず路肩や非常駐車帯に車を停車し、
- 周囲に故障車の存在を知らせて二次被害の予防をする。その後は車から離れて、ガードレールの外など安全な場所に避難する
- ④二次被害の予防・安全確保がすんでから、関係機関への通報・電話連絡を行う
- ⑤電話連絡すべき関係機関は、「110番や119番」「道路緊急ダイヤル(#9910)」「JAFやロードサービス」である
- ⑥携帯電話がない場合は、高速道路に設置されている非常電話を利用する
- ⑦高速道路で故障が発生した際は、無理な車の移動は避けて、むやみに歩き回らないこと
- ⑧高速道路で故障車を見かけた時は、周囲の安全に留意して走行すること
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