中古車購入チェックポイント
更新日:2022.09.27 / 掲載日:2022.09.27
保証期間中に中古車が故障した場合はどうすればいい?対処方法を解説
中古車は文字通り新しい車ではないため、どんなに整備された状態で購入したとしても故障する可能性があります。もし保証期間中に故障してしまった場合はどうすればいいのでしょう?
この記事では、保証期間中に中古車が故障した時の対応方法と故障しやすい箇所について説明します。また、保証には落とし穴もあるので紹介していきます。

中古車の保証は、故障した車がその保証の範囲内であればメーカーなどで修理対応してくれることです。
中古車の保証には、主に3つの種類があります。
・メーカーの保証
・中古車販売店の保証
・中古車検索サイトの保証
メーカーの保証は、新車での保証が切れていない場合に保証の継承手続きをすることで継続できます。
メーカー保証が切れている場合は、中古車販売店や中古車検索サイトの保証をつけることができるでしょう。
なお、中古車には購入時についてくる「無料保証」と任意でつける「有償保証」があります。
また、保証と保険はそれぞれ役割が異なるので注意が必要です。保証は車を普段使用していて生じる不具合や故障について、保険は事故や災害による損害に対して適用されます。
・保証対象の部品と対象外の部品はどこか
・修理する際の費用の上限、また免責事項があるか
・2回目以降の修理の保証はどうなるか
・保証範囲内に走行距離の制限があるか
・保証期間はどれくらいにするか
車の保証期間は、初年度登録からの経過年数と、その車に自分が何年ほど乗る予定なのかによって変わってくるでしょう。しかし、故障が生じやすいのは車を購入してから6ヶ月ほどなので、最低でも6ヶ月以上は保証をつけておくのがおすすめです。
保証の中には「騙し」と言えるようなものも存在しますので注意が必要です。例えば以下のような内容があります。
・保証を受ける条件が購入したお店まで車を持っていくこと
・無料なのは部品代のみで作業代は有料
・保証の対象となっている部品がエンジンとミッションのみ
・具体的な保証部分の記載がない など
中古車はある程度の期間使用されているため、新車よりもどうしても部品が劣化しており、もし故障により修理が必要となった場合、高額な修理代を請求される可能性があります。
運悪く状態の良くない車を購入してしまった場合は修理代がかさんでしまって安く車を購入した意味がなくなってしまう可能性もあります。
さらに、保証がないからと車の不具合をそのままにしておくと、人の命に関わるような大事故に繋がることもあります。
中古であっても、むしろ中古だからこそ保証をつけておくのは自分のためにも重要なことです。

車が故障してしまった場合、まずは保証期間内かを確認してください。もし期間内であった場合、どのように対応すればいいのでしょう?
以下で詳しく説明していきます。
また、購入する前に受けた説明と矛盾点がなかったか思い出してみてください。業者には中古車を販売する際、価格だけでなく保証や修復歴の有無、走行距離などの表示を行うことが自動車公正取引協議会により義務づけられています。
エンジン、トランスミッション、ブレーキやステアリング機構のような車の走行機能に関わる部分については、保証の範囲内になっていることが多いでしょう。
保証の範囲に通常含まれていないものとして、エンジンオイル、ミッションオイル、タイヤ、ブレーキパッド、ワイパーなどの消耗品に加え、車体のキズやサビなどが挙げられます。
中古車を購入したディーラーや中古車販売店に保証の範囲内の故障であれば無償で修理してもらえます。保証の範囲内か不明な故障の場合も、お店に確認してみましょう。
なお、不具合発生が保証の期間中であれば、修理完了が保証期間を過ぎてしまったとしても無償で修理してもらうことができます。

中古車を購入した後によく見られる故障や不具合にはどういったものがあるのでしょう?
故障しやすい箇所をあらかじめ知っておけば、購入する前にチェックできますし、どのような保証をつけておくべきかも判断する助けになります。
ここからは、どういった故障や不具合があるのか詳しく紹介していきます。
故障の前には通常、何かしらランプやメーターの異常があるものです。車に乗る際には気をつけておきましょう。
エンジンを冷却するラジエーターだけの修理でも8万円ほどかかります。
エンジンの故障によるオーバーホール(分解して清掃や交換をすること)やエンジンの取り換えになった場合、自費だと20万円~100万円ほどの高額な修理代となってしまいます。
保証をつけていて期間内であったとしても、エンジンオイルの交換などのメンテナンスを怠っていたり、車を改造していたりする場合は保証されないケースもあるので注意しましょう。
夏の冷房と冬の暖房は仕組みが異なっています。冷房はエアコンガスを循環により液体から気体にすることで熱を奪いますが、暖房はエンジンの熱を利用する仕組みです。
一般的に不具合が生じやすいのは冷房ですが、エアコンコンプレッサーを交換する場合、自費だと10万円前後を見ておく必要があります。
中古車を購入する際には購入時期や保証の有無を問わず、冷房・暖房どちらも問題なく作動するか確認しておきましょう。
燃費が悪くなる、加速が鈍くなってくる、焦げたオイルのような臭いなどが感じられるといった場合はATによるトラブルかもしれません。
ATの故障の場合、ATのオーバーホールや交換、オートマチックトランスミッションフルードの交換をすることになるでしょう。自分で支払う場合には20万円以上かかることもあります。
このような異臭は故障ではないため、保証の範囲外です。気になる場合にはフロアマットを洗ったり消臭スプレーを使ったりするなど、自費で対策する必要があります。
中古車を購入する時期が春や秋などエアコンを使わない時期だと忘れがちかもしれませんが、購入する前にエアコンの吹き出し口から異臭がしないか確認することをおすすめします。
・パワーウィンドウ
電動で窓を開閉するものです。換気やパーキングチケットの受け取りなど使用頻度もそれなりにあるため故障しやすく、自費だと5万円ほどの修理代になります。
・パワースライドドア
電動でスライドドアを開閉するものです。こちらも乗り降りの際に毎回使用するため故障する可能性があり、自費での修理だと10万~20万円ほどかかります。
・カーナビゲーション
使用する回数の多い電装品であるため、その分故障が起きる可能性も高くなります。自己負担での修理や交換をすると少なくとも10万円前後かかります。
中古車である以上、新車よりも様々な部分で故障や不具合の起きる可能性が高くなっていますが、適切な保証をつけておけば無償で対応してもらうことができます。

基本的には中古車を返品することはできないでしょう。その理由は、すでに別の誰かに使用されていた車なので、販売店に車の不具合の責任があるということが証明しづらいからです。
クーリングオフが中古車では適用されないことも、返品をさらに困難なものにしています。
しかし、条件を満たした場合には返品ができるケースもあります。ここからは、その返品できるケースについて説明していきます。
ただし、返品保証を利用するためには条件が設けられています。下記に返品保証の条件の一例を挙げておきます。販売店によって条件は異なりますが、参考として確認しておきましょう。
・納車後100日以内である
・車検証の名義人が納車時と同じである
・走行距離が納車後1万km以内である
・納車後に事故を起こしたり、5cm四方のキズが新たについたりしていない
・レースなど、通常以外の使用をしていない
・納車時についていた付属品がついている
・車の本体価格の5%のサービス利用料を購入者が負担する
・返品の際の送料を購入者が負担する など
修復歴とは、車のフレーム(骨格)の損傷を修復したことを指します。
修復歴の有無の表示は、自動車公正取引協議会の自動車公正競争規約により義務となっています。そのため、修復歴車であることを説明されずに購入した中古車については返品が可能となるのです。
ただし、フレーム以外の修理を行った車は「修理歴車」と呼ばれ、この場合には返品は認められませんので注意しましょう。
なお、販売店によっては修復歴車を「事故車」と呼ぶこともあるため、不明点は販売店に確認することが必要です。
契約不適合責任とは、民法で定められており、瑕疵担保責任に代わり2020年4月より施行されました。契約書の記載とは異なる商品を誤解により購入した場合に、買い主が無償での修理や損害賠償の請求、契約解除を販売店に要求できるものです。
契約不適合責任に該当するか不明な場合には、弁護士などに相談しましょう。
消費者契約法第4条1項1号や民法第95条に基づき、事実ではない説明により契約した場合には契約を取り消すことができます。契約の取り消しは、気づいてから半年以内、契約後5年以内と消費者契約法で定められています。
しかし、現在はメーター巻き戻しへの対策が強化されており、よほどの悪徳業者でない限りはこのようなケースに当たることは少ないでしょう。
メーターの巻き戻しが行われていないかどうかは、車検証を見ることで判断できます。車検証には走行距離の最大値が記載されていますので、現在のメーターで表示されている走行距離と見比べれば一目瞭然です。

保証をつける際、購入しようとしている中古車によって、適切な保証内容は異なってきます。では、どのような保証をつけると良いのでしょう?
以下で詳しく説明していきます。
中古車の平均保有年数は5年程度ですが、その場合の望ましい保証期間を紹介していきます。
・初年度登録から2年以内の中古車を購入した場合
メーカー保証を継承しつつ、3年程度は保証をつけることが望ましいと言えます。なぜなら、売却することを前提としてメンテナンスがおろそかになっていたり、初回の車検を通していないことも考えられるためです。
・初度登録から2年~4年以内の中古車を購入した場合
2、3年程度の保証をつけることがおすすめです。2年以内の車の場合と同様、売却を前提として車検の前にメンテナンスを行っていない可能性があります。
・初年度登録から4年~6年以内の中古車を購入した場合
1、2年ほどの保証期間が望ましいですが、もしある程度長く乗り続けるつもりなら、保証も長めにつけておいた方が安心です。中古車は4年以上経過してくると故障や不具合が新車の時よりも起こりやすくなります。
・初年度登録から6年以上の中古車を購入した場合
6ヶ月~1年ほどの保証期間をつけるのがおすすめです。
新車の平均保有年数は7年ほどなので、初年度登録から6年以上経過している中古車は、かなり年数が経過してきているため摩耗や劣化による故障が起きやすいことを理解しておく必要があります。
そのため、もしそれほど長い期間乗ることを考えていないのであれば、購入してから故障の起こりやすい6ヶ月~1年ほどの保証期間をつけると良いでしょう。
他にもあると助かる保証範囲としてはオイル・内外の付属品・消耗品があります。消耗品は保証されるものもあれば、されないものもあるので確認が必要です。
中古車販売店や中古車検索サイトの保証の場合、保証範囲に差があるため、自分が購入しようとしているお店の保証がどうなっているのかよく確認することが大切です。
また、部品は無償でも工賃がかかったり、自損事故の場合にには保証されなかったりするケースもあるので、こちらも併せてチェックしましょう。

できるだけ故障の少ない中古車を選ぶには、実際に試乗するなどして自分の目で確かめることが大切です。
それ以外にも確認すべきポイントがいくつかありますので紹介していきます。
・修復歴がないこと
修復歴があると修復歴がない車よりも故障する可能性は高いと言えます。
・点検記録簿がちゃんとあること
定期的にメンテナンスされている車はそうでない車よりも不具合の生じる可能性は低いでしょう。
・普段よく目にする車種だと〇
修理費用がかからない車は長い間使用する人が多いため、必然的に普段よく見かけることになるでしょう。そういった車は故障しにくいと言えます。
・車検の残り期間が長くないこと
車検の残り期間が長い場合、車検を通すために必要な整備箇所が多いことからわざと放置されている可能性があります。
・車の外装や内装のサビやシートベルトに変色がないこと
サビやシートベルトを引き出したときに変色がある中古車は、水没車の可能性があります。
・ボンネットから異音がしないこと
エンジンをかけた時より、エンジンの回転数が上がってからのほうが音が大きくなる場合、エンジンに問題があるかもしれません。
この記事では、保証期間中に中古車が故障した時の対応方法と故障しやすい箇所について説明します。また、保証には落とし穴もあるので紹介していきます。
中古車の保証とは?

中古車の保証には、主に3つの種類があります。
・メーカーの保証
・中古車販売店の保証
・中古車検索サイトの保証
メーカーの保証は、新車での保証が切れていない場合に保証の継承手続きをすることで継続できます。
メーカー保証が切れている場合は、中古車販売店や中古車検索サイトの保証をつけることができるでしょう。
なお、中古車には購入時についてくる「無料保証」と任意でつける「有償保証」があります。
また、保証と保険はそれぞれ役割が異なるので注意が必要です。保証は車を普段使用していて生じる不具合や故障について、保険は事故や災害による損害に対して適用されます。
中古車の保証の確認ポイント
保証内容は加入するお店によって様々ですが、確認すべきポイントは以下の通りです。・保証対象の部品と対象外の部品はどこか
・修理する際の費用の上限、また免責事項があるか
・2回目以降の修理の保証はどうなるか
・保証範囲内に走行距離の制限があるか
・保証期間はどれくらいにするか
車の保証期間は、初年度登録からの経過年数と、その車に自分が何年ほど乗る予定なのかによって変わってくるでしょう。しかし、故障が生じやすいのは車を購入してから6ヶ月ほどなので、最低でも6ヶ月以上は保証をつけておくのがおすすめです。
保証の中には「騙し」と言えるようなものも存在しますので注意が必要です。例えば以下のような内容があります。
・保証を受ける条件が購入したお店まで車を持っていくこと
・無料なのは部品代のみで作業代は有料
・保証の対象となっている部品がエンジンとミッションのみ
・具体的な保証部分の記載がない など
中古車の保証をつける重要性
中古車に保証をつけると購入時の金額が高くなってしまうため、躊躇する方もいるかもしれません。しかし、それでも保証をつけておくべき理由があります。中古車はある程度の期間使用されているため、新車よりもどうしても部品が劣化しており、もし故障により修理が必要となった場合、高額な修理代を請求される可能性があります。
運悪く状態の良くない車を購入してしまった場合は修理代がかさんでしまって安く車を購入した意味がなくなってしまう可能性もあります。
さらに、保証がないからと車の不具合をそのままにしておくと、人の命に関わるような大事故に繋がることもあります。
中古であっても、むしろ中古だからこそ保証をつけておくのは自分のためにも重要なことです。
保証期間中に車が故障した時の対応

以下で詳しく説明していきます。
証拠を残し、購入した時の状況を確認
中古車に不具合や故障が生じた場合、可能であれば写真や動画を撮るなど、証拠を残しておきましょう。また、購入する前に受けた説明と矛盾点がなかったか思い出してみてください。業者には中古車を販売する際、価格だけでなく保証や修復歴の有無、走行距離などの表示を行うことが自動車公正取引協議会により義務づけられています。
保証の内容を確認し、購入したお店に確認
故障箇所について中古車購入時に説明の不備がなかった場合、次に保証に含まれている部分なのかを確認します。エンジン、トランスミッション、ブレーキやステアリング機構のような車の走行機能に関わる部分については、保証の範囲内になっていることが多いでしょう。
保証の範囲に通常含まれていないものとして、エンジンオイル、ミッションオイル、タイヤ、ブレーキパッド、ワイパーなどの消耗品に加え、車体のキズやサビなどが挙げられます。
中古車を購入したディーラーや中古車販売店に保証の範囲内の故障であれば無償で修理してもらえます。保証の範囲内か不明な故障の場合も、お店に確認してみましょう。
なお、不具合発生が保証の期間中であれば、修理完了が保証期間を過ぎてしまったとしても無償で修理してもらうことができます。
不具合や故障しやすい箇所について

故障しやすい箇所をあらかじめ知っておけば、購入する前にチェックできますし、どのような保証をつけておくべきかも判断する助けになります。
ここからは、どういった故障や不具合があるのか詳しく紹介していきます。
エンジン
故障が生じやすい部分として、まずエンジンが挙げられます。オイルや冷却水に関わる故障が多く、循環されない、冷やされないといったケースがあります。故障の前には通常、何かしらランプやメーターの異常があるものです。車に乗る際には気をつけておきましょう。
エンジンを冷却するラジエーターだけの修理でも8万円ほどかかります。
エンジンの故障によるオーバーホール(分解して清掃や交換をすること)やエンジンの取り換えになった場合、自費だと20万円~100万円ほどの高額な修理代となってしまいます。
保証をつけていて期間内であったとしても、エンジンオイルの交換などのメンテナンスを怠っていたり、車を改造していたりする場合は保証されないケースもあるので注意しましょう。
エアコン
エアコンも不具合の起こりやすい部分です。夏の冷房と冬の暖房は仕組みが異なっています。冷房はエアコンガスを循環により液体から気体にすることで熱を奪いますが、暖房はエンジンの熱を利用する仕組みです。
一般的に不具合が生じやすいのは冷房ですが、エアコンコンプレッサーを交換する場合、自費だと10万円前後を見ておく必要があります。
中古車を購入する際には購入時期や保証の有無を問わず、冷房・暖房どちらも問題なく作動するか確認しておきましょう。
オートマチックトランスミッション
オートマチックトランスミッション(AT)は、経年劣化によって故障が起こる可能性のある部分です。燃費が悪くなる、加速が鈍くなってくる、焦げたオイルのような臭いなどが感じられるといった場合はATによるトラブルかもしれません。
ATの故障の場合、ATのオーバーホールや交換、オートマチックトランスミッションフルードの交換をすることになるでしょう。自分で支払う場合には20万円以上かかることもあります。
異音、異臭
いくらか年数の経っている中古車では、たばこやペット、芳香剤のにおいが車にしみついてしまっていることがあります。また、エアコンをつけた時のにおいも気になるかもしれません。このような異臭は故障ではないため、保証の範囲外です。気になる場合にはフロアマットを洗ったり消臭スプレーを使ったりするなど、自費で対策する必要があります。
中古車を購入する時期が春や秋などエアコンを使わない時期だと忘れがちかもしれませんが、購入する前にエアコンの吹き出し口から異臭がしないか確認することをおすすめします。
その他
これまで見てきた箇所以外にも、以下の部品については不具合が起こりやすいので注意しましょう。・パワーウィンドウ
電動で窓を開閉するものです。換気やパーキングチケットの受け取りなど使用頻度もそれなりにあるため故障しやすく、自費だと5万円ほどの修理代になります。
・パワースライドドア
電動でスライドドアを開閉するものです。こちらも乗り降りの際に毎回使用するため故障する可能性があり、自費での修理だと10万~20万円ほどかかります。
・カーナビゲーション
使用する回数の多い電装品であるため、その分故障が起きる可能性も高くなります。自己負担での修理や交換をすると少なくとも10万円前後かかります。
中古車である以上、新車よりも様々な部分で故障や不具合の起きる可能性が高くなっていますが、適切な保証をつけておけば無償で対応してもらうことができます。
中古車の返品ができるケース

クーリングオフが中古車では適用されないことも、返品をさらに困難なものにしています。
しかし、条件を満たした場合には返品ができるケースもあります。ここからは、その返品できるケースについて説明していきます。
保証内容に「返品」が含まれている場合
あまり多いとは言えませんが、中には中古車の返品を保証内容に含んでいる中古車販売店もあります。そのため、万が一のことを考えて中古車を購入する際に返品保証に対応している販売店を選ぶことも検討しましょう。ただし、返品保証を利用するためには条件が設けられています。下記に返品保証の条件の一例を挙げておきます。販売店によって条件は異なりますが、参考として確認しておきましょう。
・納車後100日以内である
・車検証の名義人が納車時と同じである
・走行距離が納車後1万km以内である
・納車後に事故を起こしたり、5cm四方のキズが新たについたりしていない
・レースなど、通常以外の使用をしていない
・納車時についていた付属品がついている
・車の本体価格の5%のサービス利用料を購入者が負担する
・返品の際の送料を購入者が負担する など
修復歴が後から発覚した場合
販売店が中古車の修復歴を隠していた、もしくは気づかずに車を販売して後になって発覚した場合は、中古車といえども返品をすることが可能です。修復歴とは、車のフレーム(骨格)の損傷を修復したことを指します。
修復歴の有無の表示は、自動車公正取引協議会の自動車公正競争規約により義務となっています。そのため、修復歴車であることを説明されずに購入した中古車については返品が可能となるのです。
ただし、フレーム以外の修理を行った車は「修理歴車」と呼ばれ、この場合には返品は認められませんので注意しましょう。
なお、販売店によっては修復歴車を「事故車」と呼ぶこともあるため、不明点は販売店に確認することが必要です。
契約不適合責任に該当していた場合
認められるケースは少ないですが、通常車を使用していて起こるとは考えにくい不具合が発生した場合には、中古車販売店の契約不適合責任を要求できる可能性があります。契約不適合責任とは、民法で定められており、瑕疵担保責任に代わり2020年4月より施行されました。契約書の記載とは異なる商品を誤解により購入した場合に、買い主が無償での修理や損害賠償の請求、契約解除を販売店に要求できるものです。
契約不適合責任に該当するか不明な場合には、弁護士などに相談しましょう。
メーターが巻き戻されていた場合
オドメーター(積算走行距離計)が巻き戻されていた場合にも、返品が可能です。消費者契約法第4条1項1号や民法第95条に基づき、事実ではない説明により契約した場合には契約を取り消すことができます。契約の取り消しは、気づいてから半年以内、契約後5年以内と消費者契約法で定められています。
しかし、現在はメーター巻き戻しへの対策が強化されており、よほどの悪徳業者でない限りはこのようなケースに当たることは少ないでしょう。
メーターの巻き戻しが行われていないかどうかは、車検証を見ることで判断できます。車検証には走行距離の最大値が記載されていますので、現在のメーターで表示されている走行距離と見比べれば一目瞭然です。
保証選びのポイント

以下で詳しく説明していきます。
保証期間の選び方
保証期間は、中古車の「初年度登録からの経過年数」と「今後どれくらいの期間乗るか」によって変わってきます。中古車の平均保有年数は5年程度ですが、その場合の望ましい保証期間を紹介していきます。
・初年度登録から2年以内の中古車を購入した場合
メーカー保証を継承しつつ、3年程度は保証をつけることが望ましいと言えます。なぜなら、売却することを前提としてメンテナンスがおろそかになっていたり、初回の車検を通していないことも考えられるためです。
・初度登録から2年~4年以内の中古車を購入した場合
2、3年程度の保証をつけることがおすすめです。2年以内の車の場合と同様、売却を前提として車検の前にメンテナンスを行っていない可能性があります。
・初年度登録から4年~6年以内の中古車を購入した場合
1、2年ほどの保証期間が望ましいですが、もしある程度長く乗り続けるつもりなら、保証も長めにつけておいた方が安心です。中古車は4年以上経過してくると故障や不具合が新車の時よりも起こりやすくなります。
・初年度登録から6年以上の中古車を購入した場合
6ヶ月~1年ほどの保証期間をつけるのがおすすめです。
新車の平均保有年数は7年ほどなので、初年度登録から6年以上経過している中古車は、かなり年数が経過してきているため摩耗や劣化による故障が起きやすいことを理解しておく必要があります。
そのため、もしそれほど長い期間乗ることを考えていないのであれば、購入してから故障の起こりやすい6ヶ月~1年ほどの保証期間をつけると良いでしょう。
保証範囲の選び方
保証範囲として重要なのは、エンジン・ミッション・ブレーキなど、車の運転には欠かせない機関系の部分です。他にもあると助かる保証範囲としてはオイル・内外の付属品・消耗品があります。消耗品は保証されるものもあれば、されないものもあるので確認が必要です。
中古車販売店や中古車検索サイトの保証の場合、保証範囲に差があるため、自分が購入しようとしているお店の保証がどうなっているのかよく確認することが大切です。
また、部品は無償でも工賃がかかったり、自損事故の場合にには保証されなかったりするケースもあるので、こちらも併せてチェックしましょう。
故障の少ない中古車を選ぶためのポイント

それ以外にも確認すべきポイントがいくつかありますので紹介していきます。
・修復歴がないこと
修復歴があると修復歴がない車よりも故障する可能性は高いと言えます。
・点検記録簿がちゃんとあること
定期的にメンテナンスされている車はそうでない車よりも不具合の生じる可能性は低いでしょう。
・普段よく目にする車種だと〇
修理費用がかからない車は長い間使用する人が多いため、必然的に普段よく見かけることになるでしょう。そういった車は故障しにくいと言えます。
・車検の残り期間が長くないこと
車検の残り期間が長い場合、車検を通すために必要な整備箇所が多いことからわざと放置されている可能性があります。
・車の外装や内装のサビやシートベルトに変色がないこと
サビやシートベルトを引き出したときに変色がある中古車は、水没車の可能性があります。
・ボンネットから異音がしないこと
エンジンをかけた時より、エンジンの回転数が上がってからのほうが音が大きくなる場合、エンジンに問題があるかもしれません。
まとめ
①中古車に故障や不具合が生じた場合は、まず可能なら証拠写真を撮り、車を購入した際の状況、保証の内容をチェックした上で購入店に連絡しましょう。
②エンジンやエアコンは、中古車を購入した後に故障しやすい
③保証内容に含まれていれば車の故障時に「返品」することができるが、取扱店はそれほど多くない
④不具合や故障しやすい箇所は、どこなのかを知った上で適切な保証範囲と期間を選ぶことが大切
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