中古車購入ガイド
更新日:2023.01.17 / 掲載日:2023.01.13
【個性派3列シート車】デリカD:5やCX-8の人気車の相場をチェック!

3列シート車といえば、トールサイズの箱型ミニバンが現在のトレンド。全席の空間にゆとりがあるこれらのクルマは、実用性を重視するなら優先的にチョイスすべきモデルだ。しかし、年に数回しか3列目を使わないのであれば、もっと個性に振ったモデルを選ぶ方が楽しい。今回は、個性派3列シート車を4台ピックアップし、中古車相場を探ってみた。
3列シート車ってどんなクルマ?
文字通り、室内にシートが3列備わるクルマ。基本的にミニバンが多いが、必ずしも箱型とは限らない。一部の大型SUVには3列シートが備わることもあり、探してみると意外と多いことがわかる。乗車定員は7名~8名のモデルが一般的だが、商用バンなどはそれ以上乗れるものも存在する。3列目のシートは、多くの場合シート面積が小さめで、大人が長時間座るのが厳しい場合もあるから、誰がどの席に座るかを事前に決めておくことも大切。
三菱 デリカD:5

2007年1月に登場した3列シートミニバンがデリカD:5。前身のデリカスペースギアと同じく、オフロード性能も持ち合わせているのが大きな特徴。全長4730mm、全幅1795mm、全高1870mmのボディサイズ(Gプレミアム)は、トヨタ ヴォクシーや日産 セレナと比べるとひとまわりほど大きい。電子制御4WD、ASC(アクティブ・スタビリティ・コントロール)、210mmの最低地上高など、パジェロで培ったオフロード技術もフィードバックされ、積雪地帯などでも重宝する。当初設定されたパワートレインは、2.4L 直4ガソリン+CVTの4WD車のみだったが、遅れてFF車も販売されている。また、後に2.0L 直4ガソリン、2.3L 直4ディーゼルターボも設定され、バリエーションを拡大していった。
2007年から15年にわたり生産されてきたモデルゆえ、中古車物件は充実している。ただし、4割弱の物件が走行距離8万km以上の多走行車となっており、クルマ選びは注意が必要だ。幾度もマイナーチェンジが行われてきたが、2019年2月にフロントフェイスが大幅にデザイン変更を受けた。これ以降の物件は最低でも300万円以上の予算が必要で、ほとんど値落ちしていない。一方、初期型は100万円以下の物件が多く、幅広い価格帯に分布している。ボリュームが多いのは2017年式以降となっており、比較的新しい年式の車両が買いやすい。しかし、2019年のデザインリニューアル以降は高値なので、ねらい目は2017年式~2018年式あたり。こちらの年式ならば200万円台の予算から探すことができ、物件も豊富なのでおすすめ。なお、2017年式~2018年式は半数近くがディーゼルで、パワートレインにこだわった選び方も可能となっている。
トヨタ プリウスα

2011年5月に登場したハイブリッドカーがプリウスα。3代目プリウスをベースに、全長を拡大し室内空間を広くしたのが特徴である。2列シート仕様のほか、7名乗車の3列シート仕様を設定したのもトピックとなっており、プラスαの実用性が備わる。パワートレインは、3代目プリウス譲りのリダクション機構付きTHS IIを搭載。排気量は1.8Lで、JC08モード燃費は26.2km/Lを実現している。3列目シートのスペースは決して広くはないが、いざという時に便利なクルマだ。
販売期間が2011年~2021年と10年間にも及び、物件数はそれなりに豊富。グレードはスタンダードな「S」系、上級装備を充実させた「G」系に分けられ、それぞれにスポーティな内外装を持つ「ツーリングセレクション」が選べる。中古車平均価格は、「S」系が121万円、「G」系が122万円と、ほとんど差がないため、装備が充実した後者をねらってみるのもよい。100万円以下の物件も充実し、低予算で買える3列シート車の筆頭だ。
マツダ CX-8

マツダ CX-8は、3列シートを備えたボディと上質な走りが売りの最上級SUVである。外観はCX-5との共通項が多いが、全長4900mm、全幅1840mm、全高1730mmの大柄なボディサイズは、室内にゆとりと快適性を生み出している。ミニバンの生産を終了したマツダにとって、希少な3列シート車でもある。パワートレインは、2017年12月の発売当初2.2L 直4ディーゼルターボが搭載されたが、翌年6月には2.5L 直4ガソリンおよび同ガソリンターボが設定されている。駆動方式は、FFと4WDから選択可能。
登場から5年が経過し、物件数はかなり増えている。2022年12月現在、グーネットで検索すると1100台以上もヒットし、物件選びの幅が広くなったといっていい。しかし、中古車平均価格は312万円と極端な値下がりはみられない。パワートレインは、ディーゼルが最も多く、全体の8割を占めている。中古車平均価格は、ディーゼルが313万円、ガソリンが302万円と前者のほうがやや高め。なお、最も多いグレードは、レザー内装の「XD Lパッケージ」となっている。いずれのグレードも、200万円台前半の予算は確保しておきたい。
トヨタ エスクァイア

2014年10月にデビューした5ナンバーミニバンがトヨタ エスクァイア。ノアやヴォクシーと同じメカニズムを持ちながら、内外装をより上質に仕立てた特別感が売りのモデルだ。ラグジュアリーミニバンの多くは3ナンバーの大型なボディだが、エスクァイアはノアやヴォクシーとほぼ同じサイズなので、取りまわしも楽。それでいながら、3列目の快適性も優秀なのが特徴である。エクステリアは、中世ヨーロッパをイメージした縦基調のフロントグリルをはじめ、メッキ加飾をふんだんに用いて高級感をアップ。インテリアは、インパネからドアトリムに合成皮革を採用するなど、ワンランク上の上質感を表現している。パワートレインは、2.0L 直4と1.8L 直4ハイブリッドから選択可能。
中古車は、ノア/ヴォクシーより少ないものの、物件数自体は豊富。ガソリン、ハイブリッドとも同程度の物件が流通しているが、最も多いのが「ハイブリッドGi」。こちらのグレードのインテリアには、本革と黒木目調加飾が施されている。一方、エントリーグレードの「Xi」系は、パワートレイン問わず物件が控えめ。全体の中古車平均価格は255万円で、コンディションのよい車両は今でも350万円以上の価格が付けられている。一方、価格の下限は150万円前後となっている。
※中古車平均価格は2022年12月時点のデータ。
まとめ

普段はあまり使わないが、あれば便利な3列シートのクルマは中古車でも人気が高い。売れ筋はトヨタ ノア/ヴォクシー、日産 セレナ、さらにトヨタ アルファード/ヴェルファイアなどの正統派ミニバン。しかし、オフロード性能やデザイン性、ラグジュアリー性を追求した個性派モデルも存在するから、ライフスタイルや趣向によってクルマ選びの視野を広げていくことが大切。購入の際は、各シートのスペースなどをチェックしておこう。

ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。