モータースポーツ
更新日:2022.08.22 / 掲載日:2022.08.22
水素エンジンGRヤリス モリゾウがラリー選手権でデモ走行 トヨタ

トヨタは8月21日、ベルギー西部の都市 イープルにて8月19日~21日の3日にわたり開催された世界ラリー選手権(WRC)第9戦で、同社が試験開発中の水素エンジン車「GRヤリス」がデモ走行を実施したと発表した。なお、水素エンジン車が海外の公道を走行するのは初としている。
モリゾウこと豊田章男社長が、イープル・ラリー・ベルギーでテスト走行


GRヤリスは、「イープル・ラリー・ベルギー」2日目(現地時間20日午前)スペシャルステージ(SS)11にて、セーフティーカー(※)の前に走行するテストカーとして走行。全長15キロに及ぶ道幅の狭い農道かつ、周囲は畑や民家などに囲まれており、プロのラリーストにとってもチャレンジングなコースとなった。
※競技開始前にステージの安全を確認するため走行する車両のこと。

ドライバーは、モリゾウこと豊田章男社長が務め、コドライバーは、4度のWRC王者に輝いた経験を持つフィンランド出身のユハ・カンクネン氏が担当。モリゾウドライバーにとっては初めての道かつ、走行前の下見をする間もない走行となったが、カンクネン氏の案内を頼りに無事に走り切ったという。
豊田社長は、「今回、カンクネンさんの好意で運転させていただくことができ、感謝しています。私の運転に合わせて案内してくれたので、気持ちよく走行できました。路面が刻々と変わり、滑るうえに狭いので難しい道でした。ジャパンラリーの道に似ていて、観戦していただけるお客様への対応に向けても良い経験になったと思います。会場にはミライによる電源供給のデモもあり、水素エンジンの走行と合わせて、CN(カーボンニュートラル)の達成に向けた選択肢のひとつとして水素の可能性を欧州でも見ていただけたと思っています」と感謝を述べた。
カンクネン氏は、「アキオの運転はすばらしかった。水素エンジンも非常にトルクがあり、ガソリンエンジン車と変わらない。CO2も出さないということで、モータースポーツはもちろん、一般車の世界でもカーボンニュートラルに向けた選択肢のひとつになると思う」と今後に期待を示した。
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