インタビュー
更新日:2026.08.25 / 掲載日:2026.08.25

整備と流通が共に歩む安心・安全なクルマ社会の未来Ι業界人インタビュー

クルマ社会の安心・安全を未来へ 整備と流通が共に歩む信頼への道

〜「法令遵守」「情報開示」そして「人づくり」で挑む業界健全化〜

電子化の加速と深刻な人材不足。自動車業界は今、大きな構造変化の渦中にある。クルマ社会の安心・安全をどう守り、ユーザーからの信頼をどう築いていくのか。

全国の整備事業場を束ねる日本自動車整備振興会連合会(日整連)の島雅之専務理事と、「グーネット」を展開し中古車流通の情報開示をリードしてきたプロトコーポレーションの白木享社長が対談。

法令遵守の徹底、整備の高度化への対応、人材確保、そして整備と流通の連携について、業界健全化への道筋を熱く語り合った。

整備と流通、業界の「現在地」
――整備業界と中古車流通業界の現状を、それぞれどうご覧になっていますか。


自動車整備業界は、10年以上前から続く大きな変化の渦中にあります。

課題は「人手・人材の確保」と、電子化をはじめとする「自動車技術の急速な進化への対応」の2つです。ここにどう向き合うかが業界全体の最重要テーマです。

白木
当社は創業から約49年、正確な情報を伝えることで安心・安全なクルマ社会の実現を目指してきました。

中古車業界も同様に深刻な人材不足に直面しています。加えて自動運転など技術進化は非常に速く、中古車を購入する消費者は慎重になる。だからこそ、信頼できる情報をユーザーに届けることがこれまで以上に重要です。

信頼の土台は「法令遵守」と「継続」
――ひとたびトラブルが起きると、真面目に取り組む大多数の事業者にまで厳しい視線が向けられます。整備業界が信頼され続けるために、業界団体として何を大切にされていますか。


一事業者のトラブルが業界全体に波及しかねないことを常に念頭に置き、極めて重要視しているのが「法令遵守」です。

日整連と各整備振興会では、これを支援する業務マニュアルの作成と研修の実施を大きな柱とし、会員事業者がユーザーへの説明責任を果たせるよう支援しています。

――現場の反響はいかがですか。


一度きりで終わらせず、継続することが何より重要です。各整備振興会から寄せられる改良や追加の意見を反映しながら改善を重ねることで、取り組みは着実に現場へ浸透していきます。

――透明性の高い業界構造をつくるために大切なことは。


実務的には、どの作業にいくらかかるのかを明確に伝え、納得していただくことです。そのために「標準作業点数表」の活用を促しています。

ただ、それ以上に重要なのは「人」です。事業者がプロの自覚を持ち、新技術を理解した上で分かりやすく説明できるよう、研修や実習を継続的に支援することが不可欠です。

白木
消費者が情報を集める力は格段に向上しています。整備手帳や整備記録を販売時に開示することが安心と信頼につながる。

「車検をきちんと受けていれば、より高く売却できる」といった情報も含め、整備というサービスの価値を正しく伝えることが今後さらに重要です。

――ユーザーの意識にも変化を感じますか。

白木
サービス全体で、情報を正確にユーザーへ届けることの重要性が増しています。

外装や内装、エンジンの状態だけでなく、今後はOBD(車載式故障診断装置)の情報など、より詳細な車両情報の開示が一層求められる。メディアとして努力を強化していきます。

OBD・EV時代、整備の高度化にどう向き合うか
――OBD検査が本格化し、ADAS(先進運転支援システム)搭載車やEVも普及しています。整備の高度化にどう対応すべきですか。


従来の「目で見て手で直す」整備では見えない部分を電子的にチェックするのが、スキャンツールを使った検査です。

電子化が進むほど、ユーザーが自分では判断できない部分をプロとして引き受ける整備業界の役割は重くなっています。

――中古車の「見えない品質」はどう伝えるべきでしょうか。

白木
当社では4年前からOBDデータを活用した「グー故障診断」を稼働させ、スキャン実績は直近で約120万回に達しました。

この膨大なデータから、ADASを含めどの装置が重要かが浮き彫りになり、整備専門店のレベルも着実に向上しています。購入時の判断材料としてOBD診断をうまく活用することが重要です。


「人」と「設備」の両方が欠かせないと思います。

人の面では、車種ごとの整備マニュアルや電子整備情報システムである「FAINES」や、定期的な研修で新技術を吸収できる教育の仕組みを構築しています。

設備面では、ADAS調整に必要なエーミング機器やスキャンツールの導入を支援するため、国に要望し補助金を活用できる仕組みづくりを進めています。

白木
今後特に重要なのは輸入車とEVです。EVは検査装置の開発会社との連携で、電池のどのセルが劣化しているかまで詳細に把握できるようになってきました。

消費者の不安を解消するため、診断技術をさらに深化させ、仕組みとして構築していくことが求められます。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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