車のエンタメ
更新日:2018.11.14 / 掲載日:2018.07.09
名車の中の名車、メルセデス E500 ブラバスのポテンシャル

玄人筋の間では非常に人気の高い、メルセデス・ベンツE500をご存知でしょうか。W124と呼ばれるミディアムクラスの、人気の高いネオクラシックベンツをベースにポルシェが深く関わったしたハイパフォーマンスのスーパーセダンです。メルセデスとポルシェのジョイントで作られ、開発も生産もポルシェが担当というなんとも素敵なモデル。歴史に残るクルマといえるでしょう。
そして、「ブラバス E500 6.5」は、そんなモデルをベースに職人の手によってチューニングされた珠玉のスペシャルモデルです。エンジン排気量は標準の5.0Lから6.5Lにアップされ、出力はなんと450馬力! 最高速度285キロというスーパーセダン。450馬力は今でこそ高性能車としては驚かない出力ですが、このクルマが現役だった90年代前半には驚異的なスペックだったのです。日本車で超ハイパワーといわれたスカイラインシリーズのスカイラインGT-Rだって、当時のモデルは280馬力でしたからね。今回は、まさにセダンの形をした超高性能スポーツカー、名車ブラバスE500 6.5の雄姿をご覧いただきましょう。

おやおや? ひとめで超高性能だとわかる激しいスタイルかと思いきや、意外にも演出は控えめですね。張り出したフェンダーなど、一般的なW124に比べるとワイルドな姿(これは標準E500も同じ)ですが、エアロパーツはあまり派手ではありません。言われなければモンスターマシンだとは気づかないレベルです。ちなみにベース車両のE500は「500E」と呼ばれる前期型とあわせて、1990年から1994年にかけて1万479台が生産されたそうです。

リヤスタイルもシンプル。ちょっとドレスアップしたセダンかな? くらいの感じです。例えるなら、スペシャルチューンでパワーを1.5倍にまで引き上げたGT-Rのエンジン、それをあえてノーマルのスカイラインに積んだようなものです。

ブラバスが改造したV8エンジン。スゴイのは、まるでノーマル車のようにエンジンルームに収まっていること。ここまでキレイにエンジンを収めるところにブラバスの美意識を感じます。

タイヤはフロントが245/40R18。リヤが285 / 35R18。この時代に18インチなんて、とてつもなく贅沢です。国産のスポーツモデルでも、当時は16インチとか17インチでした。
こんなクルマが似合うひとは、素敵な大人の方なのでしょう。今日見ても納得させられる質感のある仕上げはさすがです。ブラバス E500 6.5はなかなかお目にかかれませんが、ベースのE500(こちらも十分スペシャルモデルですが)が、高い人気を誇っているのもわかります。