車のエンタメ
更新日:2018.10.23 / 掲載日:2016.04.21
足こぎハイブリッドカーの実力!

スウェーデンのデザイン・エンジニア、ミカエル・キェルマンさんが新しいパーソナルモビリティー「PodRide」を開発。YouTubeに動画を投稿したんだけど、これ、なかなかよさそうじゃないですか。
基本的な構造は足で漕ぐ「自転車」で、25km/hまでの速度域でアシストするモーターがついています。変速機は14段、電気モーターは250wで連続走行60kmまでアシストできるということなので、つまり、PodRideはある意味「電動アシスト付自転車」の進化系なんですね。
見た目はこども用のおもちゃみたいなファニーさがあるんだけど、走りはじめると意外と速い! めっちゃ小回り利くし、キュッて止まるし、リアには小さなラゲッジルームがあるし、ちっちゃなリアカーも連結できる。ヘッドライトやウインカー、リアサスペンション、手動のワイパー、サンバイザー、サイドミラー、ウィンドウデフロスターなども備えていて、けっこう快適そう。
ボディサイズは全長1800×全幅750×全高1450mm。外板(板じゃないけど)素材が撥水加工を施したファブリックなので、車両重量は70kgと手で引っ張れるぐらいに軽量。一般的な自転車とちがってペダルはシート(サドル)の下方ではなくやや前方についていて、操舵とブレーキはいわゆるハンドルではなくシートの左右のレバーを使います。自転車の構造としてはリカンベントとほぼ同じだけど、着座姿勢はリカンベントほど寝た感じにならず椅子に座る感覚に近そう。目線の高さは一般的なセダンとほぼ同じぐらいです。 リカンベントがピンとこない方は、ドイツのメーカー「HP Velotechnik」のサイトを見てくださいね。
自転車文化が発達しているヨーロッパでは、リカンベントをベースにボディやルーフを架装しが「ベロモービル」という文化もあって、最近では電動アシスト付のモデルも登場してます。広い意味ではPodRideもベロモービルの一種なんだけど、ボディをカーボンや強化プラスチック製ではなくてファブリックにしたことで驚異的な軽さに仕上がっていて、タイヤを4輪としたことで安定性も高まっているのが特徴。
一般的なベロモービルはこんな感じです.
自転車好きのミカエルさん、雨の日や冬にもなんとか自転車で出かけられないかと考えてPodRideを製作し、実際に約1年使ってみたところ「これはみんなに乗ってほしい!」と思うようになったそうで、現在は市販化に向けてクラウドファンディングで資金を集めているようです。市販モデルを開発できれば、33万円ぐらいで販売できそう、とのこと。
ちなみに、ヨーロッパではPodRideは自転車扱いになるので免許がなくてもOK。日本では法律的にどのような扱いになるのかはっきりしませんが、「自転車は車道を走る」という原則も浸透していない段階では、残念ながら導入は難しいかもしれませんね。