オートサロン
更新日:2022.12.20 / 掲載日:2022.01.14

【東京オートサロン2022】圧倒的人気だったアウトドア系。「タフ」+「実用的」がキーワード

アウトドアでの使い勝手の良さを想像させるパーツがトレンド

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス

 カスタムカーの祭典である東京オートサロンをスポーツカーやVIPカーだけが主役だったのも、昔の話。昨今のSUV人気を受け、SUVのカスタムカーが急増中。しかもカスタムのポイントは、最低地上高を高めたハイリフト化や悪路に特化したマッドタイヤ、ボディを小傷から守るプロテクションモールなどで武装したワイルドなヘビーデューティー仕上げのものがほとんどで、ベース車も本格的4WDを備えたSUVばかり……。タフなクルマが好まれる時代なのだ。しかもアウトドアブームの影響もあり、単にカッコイイだけではなく、使い勝手の良さを意識した作り込みがされている。その特徴のひとつが、マストアイテムになっているルーフラック。これまでは荷物の固定が簡単なバスケットタイプが主流だったが、駐車場事情や風切り音を抑制できるフラットタイプも人気に。そこにお洒落なデザインの収納ボックスを組み合わるのが流行りなのだ。

 花形となる車種は、メルセデス・ベンツGクラスやジープ・ラングラーなどの憧れの高級クロカンで、大ヒット中のランドローバー・ディフェンダーも注目株。また昨年に全面刷新され、納期が数年待ちとなっているトヨタ ランドクルーザー300の姿も、会場内のあちらこちらで見受けられた。新ランクルもカスタム派には、タフでスポーティなGRが支持されているようだ。

 もちろん、日本が誇る最も身近なクロカン、スズキジムニーもカスタムベースとして大人気。初代や2代目を意識した昭和テイストのものから、Gクラスやディフェンダーなどの大型クロカンをモチーフとしたコミカルなデザインのものまでと幅広い。もちろん、悪路に特化した本格的な仕上げのものも少なくない。これだけの多くの楽しみ方ができる万能さも、ジムニーが多くの人に愛される理由のひとつといえるだろう。

スーパーカーも多数登場。なかなか見ることのできない超高級スポーツを間近にできる

 オートサロンに花を添えるのが、世界のスーパーカーたちだ。フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、メルセデスAMG、ポルシェなどがズラリと並ぶ姿は、まさに圧巻。しかもその中には、度肝を抜くほどの大胆なカスタムが施されているものの少なくない。その雄姿が拝めるのも、東京オートサロンの醍醐味といえるだろう。スーパーな存在といえば、FIA世界ラリー選手権(WRC)「フォーラムエイト・ラリージャパン2022」のブースに飾られた世界で活躍したラリーマシンの展示も凄い。ペター・ソルベルグがステアリングを握り、2006年から2007年の序盤の3戦までを戦った「SUBARUインプレッサWRC2006」や2005年のラリージャパンにも参戦した最初で最後の三菱ワークスマシンである「ランサーWRC05」など日本を代表するラリーカーを展示されている。

低コストなのに効果抜群! 目の錯覚を利用する部分ラッピングの提案

 会場内では、新たなカスタムの提案も多く発見することが出来た。そのひとつが「ARDE」が提供する「BLACK DIVIDE」だ。ボディカラーを変更する手法のひとつとして、近年、専用シートによるボディラッピングが人気となっているが、「BLACK DIVIDE」もそのひとつ。ただボディ全体の色をがらりと変更するのではなく、ルーフや前後バンパー、ボディサイドなどにアクセントとしてブラックのラッピングを施すことで、クルマ本来のスタイリングの美しさを強調するのが狙い。黒色による引き締め効果で、視覚的に重心の低さの強調やデザインの抑揚が際立てる。まるでボディパーツを変更したかのように映るほど変化をラッピングのみで表現できるのだ。もちろん、ラッピングなので、加工した部分を戻すことも可能。全体のラッピング施工と比べ、価格を抑えることが出来るのもメリットのひとつ。ブースには、「ホンダS660」、「トヨタGRヤリス」、「トヨタGR86」のデモカーが展示されていた。

軽だからこそできた思い切りのいいアウトドア向けカスタム

 急速な盛り上がりを見せているのが、軽自動車のカスタム。これまではジムニーが王道であったが、急拡大を見せているのが軽トラックや軽バンをモチーフとしたものだ。キャンプや別荘など郊外で過ごす時間を楽しむ人たちが、自然を親しむギアとして、軽トラックや軽バンに注目。元々の機動性の高さを活かしつつ、自分好みにスタイルや機能を進化させているのだ。軽商用車は、農地や山林などでも使われるため、本格的な4WDシステムも搭載されている。それを活かし、悪路走破性を高めるハイリフトなどのカスタムを実施。趣味の相棒でもあるため、実用然としたスタイルではなく、見た目も重視され、クロカン風に仕立てられているものも多い。ただ軽がベースなので、どんなに迫力満点に仕上げても愛嬌が感じられるのも魅力。きっとオーナーにとって、軽カスタムカーはペット感覚なのだろう。カスタム向けに提案されるパーツたちもアウトドアユースを意識したものが多く、益々、車中泊旅やクルマを活用したキャンプなどのニーズは高まっていくことだろう。

ダンロップが新作高性能タイヤ「SP SPORT MAXX 060+」を初公開

 ドレスアップやチューニングに欠かせないパーツのひとつがタイヤ。各ブースを彩るチューニングカーやカスタムカーの足元も飾るのも、美しい黒のタイヤたちだ。もちろん、タイヤメーカーも、「ブリヂストン」、「ヨコハマタイヤ」、「トーヨータイヤ」、「ダンロップ」といった国内大手を中心に様々なブランドが出展。その中で今年1月に発表されたばかりのダンロップの新商品「SP SPORT MAXX 060+」に注目したい。国内外のスポーツカーにも多く純正採用されるスポーツタイヤ「SP SPORT MAXX」シリーズの最新作で、新材料「サステナブルシリカ分散剤」と、剛性分布を最適化した新開発の非対称パターンを採用することで、従来品の「050+」と比較し、大幅に耐摩耗性を向上させながら、スポーツタイヤに求められる高速安定性能・コーナリング性能・ウエット性能を高次元で両立させたシリーズのフラッグシップだ。全面的な進化を視覚的にも訴えるべく、サイドウォールデザインも変更され、ドレスアップ効果も高めている。特にショルダー部が滑らかなデザインとなったことで質感が高められたのも嬉しいところだ。

ブリヂストンブースでは今シーズンから参戦する新型ZのGTマシンを展示

 ブリヂストンブースでは、スポーツカーやモータースポーツ向けの「POTENZA」やラグジュアリーカー向けの「REGNO」、プレミアムSUV向けのALENZAなど幅広い商品の展示に加え、2022年シーズンのSUPER GTのGT500クラス参戦予定の新型Zを展示。今年発売予定の新型日産フェアレディZの低いシルエットが見事に反映されたボディは、カラーリングを施さずとも迫力満点。この車両は、「チームインパル」の車両で、もうすぐトレードマークであるカルソニックブルーに染められるだろう。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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