車のエンタメ
更新日:2024.12.10 / 掲載日:2024.12.10

コネクトサービス大集合

2024年クルマの最前線を振り返る! 何が起きてる!? ドライブアプリの拡張機能

2024年も数多くのクルマが発売されたが、その多くに採用されていたのがコネクテッド機能だ。え、その前にコネクテッド機能っていったいなんなのさ? ということで、まだ愛車に同機能を導入していない人のため、2024年のクルマの最前線ともいえる「コネクテッド」について紹介していこう。

構成・文/フォッケウルフ 撮影/我妻慶一
(掲載されている内容はグー本誌 2024年12月発売号掲載の内容です)

・自動地図更新
・アプリ連携
・車内Wi-Fi
・リモート操作
・緊急トラブルサポート

身近になってきた車内通信システム

 スマホを持つことが当たり前になった昨今、そのスマホが運転を助け、あるいはクルマがスマホの機能を助けることを知っているだろうか。
 上に集合している5人のヒーロー、もとい5つの機能は、コネクトサービス、コネクテッド機能が実現する、主だったメンバーだ。どれもあれば絶対に運転の助けになるし、一度使ってみれば手放せなくなるものばかり。いつの間にか身近になったこれらコネクテッド機能は、どのようにして現在のような状態になったのか、そして身近な機能については実際に試してみたい。レッツ、コネクト!

コネクテッドカーはもう選べる!? つながるクルマの境界線

コネクテッド機能が一般化してきたといっても、「ローマは1日にして成らず」である。
過去に登場してきた主なコネクテッドカーを眺めながら、今現在、自分が入手できるであろうコネクテッド機能について考えたい。

困難を乗り越えて進化を遂げてきた
 自動車は、初めて人類の前に姿を現してから現在まで、止まらぬ進化を続けている。黒いままのタイヤや形状を変えていないワイパーのような存在もあるが、サスペンションは巧みに進化し、パワーユニットを見てみれば、モーターが内燃機関の次の座をねらっている。
 そして車内にその目を向けてみれば、そこには車外以上の長足の進歩が見られる。これは「クルマのデジタル化」ともいえるかもしれないが、さまざまなデジタル機器、システムとの協調で、乗員の快適性や効率性が高められている。
 まずはスマホとの連携だ。クルマのディスプレイがスマホそのままの表示に変わり、シームレスな操作ができるようになったり、音楽再生や通話、ナビ機能まで、より安心・快適に楽しめるようになった。また、車内Wi—Fiを搭載したことで、逆にスマホが使いやすくなっている。
 スマホ連携はわかりやすいひとつの機能だが、そのほかにもクルマと人とをつなげてくれる機能はさまざまなものが用意されてきた。その進化は決して簡単な道のりではなかったようだが、全社からコネクテッド機能が出揃った現在、スマホの進化と普及がここ20年で一気に進んだように、クルマのコネクテッド機能も一気に普及が進む可能性が高い。

1998 コンパスリンク
情報センターのオペレーターによるカーナビの設定を実現した、日産のテレマティクスサービス。翌1999年には、ウェブ情報サービス「オートコンパスリンク」も実現している。

1998 インターナビ
トヨタに負けじと、ほぼ同じ頃にネットワークカーナビを実現したのがホンダだ。情報を獲得するため、通信端末として携帯電話ではなくモデム内蔵の通信キットを使用している。

2002 カーウイングス
コンパスリンクの機能やシステムを生かした日産の新たなるテレマティクスサービスで、オンデマンドVICSによるリアルタイム渋滞情報を用いた最短ルート検索を実現した。

2013 日産コネクト
カーウイングスから続く情報センターと連携した通信機能やアプリから車両を各種操作できる機能などを持つ。通信機能は車両購入後10年間は基本サービス無料となっていた。

1998 MONET
カーナビのデータを更新するためのネットワークナビとして、トヨタがサービスを開始。交通情報や天気予報なども表示することができ、携帯電話を通信端末として使用した。

2002 G-BOOK
他業種共同プロジェクトにより誕生したWiLLサイファは、通信モジュール端末を内蔵したトヨタの新世代通信サービスG-BOOKを搭載。高速通信を特徴としている。

2005 G-Link
G-BOOKのレクサス版で、同年日本導入されたGS、ISを対象にサービスが開始された。ホスピタリティあふれるオペレーターサービス「レクサスオーナーズデスク」が特徴。

2013 マツダコネクト
マツダのインフォテインメントシステムで、事故や故障などの際にオペレーターが緊急手配してくれるなど、カーナビ連携機能多数。同年発売のアクセラからサービスが開始された。

2014 T-Connect
2002年にG-BOOKで始まったトヨタのサービスは、2005年にG-BOOK ALPHA、2007年にG-BOOK mXと進化し、2014年にT-Connectへ。

2018 カローラスポーツ・クラウン発売
「コネクティッド」を大きく謳って登場したのが、同年に発売されたカローラスポーツとクラウンだった。車載通信機DCMを全車標準搭載し、各種サービスを利用できる。

2019 ダイハツコネクト
ディスプレイオーディオやカーナビをスマホと接続するダイハツのコネクテッドサービス。コールセンターへの自動通知やスマホでの車両の状況確認といったサポート機能を持つ。

2020 ホンダコネクト
車載通信モジュールを使用したホンダの新世代コネクテッド技術。地図の最新データへの更新や緊急時のオペレーターサポートなど、スタンダードなサービスを高品質で利用できる。

2021 スズキコネクト
後発とはなったものの、緊急通報やトラブル時のオペレーターサポートに加え、スマホ連携によるエアコン操作、ドアロック、消灯通知、さらに運転履歴のチェックなどを備える。

2021 三菱コネクト
同年発売のアウトランダーPH
EVから搭載されたコネクテッド機能で、スマホアプリからのエアコン操作や自車状況、充電管理、安心のSOSコールなどが5年間無料で利用できる。

中古車で選べるコネクテッドカー

トヨタ クラウン(先代型)中古車中心相場 270万~340万円
セダン専用モデルとしては最終型であり、2022年には新型が発売されたことから先代型となって入手しやすくなった。トヨタが「コネクティッドカー」をウリにして発売したモデル。

日産 ノート(現行型)中古車中心相場 130万~300万円
すでに現行型の登場から4年が経過し、中古車相場も落ち着いてきたので物件を探しやすい。コネクテッド機能も充実しており、e-POWER搭載車の在庫も充実している。

ホンダ N-BOX(現行型)中古車中心相場 130万~270万円
国内ベストセラーモデルでコネクテッド機能を味わおう。現行型はまだ登場して1年と日が浅いため相場が高いが、コンディションの優れた物件を見つけやすい。予算と相談しよう。

三菱 アウトランダーPHEV 中古車中心相場 440万~530万円
三菱コネクトが採用されたのはこのモデルから。現行型ということで相場は高めだが、初期型はそろそろ下がり始める頃。PHEVとも相性のいいコネクテッド機能を味わいたい。

カーナビ、ドラレコ、Ai-BOXで実現する後付けコネクテッド機能とは?

 2002年に発売されたカロッツェリアの「Air Navi」は、国内初の通信機能内蔵型カーナビとして注目を集めた。地図データはもちろん、交通情報や天気予報、店舗データなどのドライブ情報を更新できた。さらにカロッツェリアは、2006年に「スマートループ」を実現。これはVICS情報を通信で得るオンデマンド型VICSを市販型カーナビで実現したものだった。
 現在では、カーナビのほか、ドラレコ、オーディオシステムなどにコネクテッド機能を追加した製品も発売されており、後付けでもその恩恵にあやかれる。

カロッツェリアは、スマートループなど画期的なシステムを、後付けカーナビに導入してきた。
ディスプレイオーディオやカーナビとスマホを連携させて、車内で動画サービスやアプリを使用できるAi-BOX。

※中古車価格はグーネット 2024年11月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。

日産アリアでトライ!  簡単コネクテッドを使おう

主だったコネクテッド機能の種類がわかってきたところで、今回は一般的になった機能を実際に試してみた。どれも比較的多くのメーカーで採用されているものばかりで、数年落ちの中古車なら装備されている可能性が高い。試してみたい?

使用のポイントをプロが解説!

自動車評論家 清水草一
原稿を書くこととクルマを買うことが趣味というベテラン自動車評論家。歳をとっても新しいクルマへの興味は尽きず、心はACCやコネクテッド機能への探究心にあふれている。

POINT 1

乗る前エアコンでいきなり快適ドライブ
 40代以上の世代にとって、乗る前にリモコンエンジンスターターは当たり前だったが、これはエンジンをかけなくてもエアコンだけつけて車内温度を管理できるというもの。ご近所に気を使わなくていいし、操作もスマホをタッチするだけなので超便利だった。

たまに通信ができてないこともあるが、スマホさえあれば家の中でも操作できる。自宅駐車場で充電しながらなら電気残量の心配もなし。

プロの解説
 近年は、家屋用エアコンもスマホによるリモート操作が当たり前になっている。炎天下や極寒の屋外に置かれるクルマは、なおのこと「乗る前エアコン」がありがたい!

POINT 2

ウェブ情報を取り入れた、最速・最新のルート検索
 最新の渋滞や事故、工事などの状況をリアルタイムで入手できるので、最短ルートが表示される。道中のショップやレストランの情報も最新版のものを入手できるし、訪れたら閉店してたなんてこともなし。これこそ車内Wi-Fiによる圧倒的な機能性だ!

スマホと連携することで、先にスマホのマップアプリでチェックしておいたポイントへダイレクトにアクセスすることも可能。

プロの解説
 ナビのルート検索に関しては、スマホの位置情報を活用できるスマホナビが最強だが、狭い道を案内することがあるので、安全を期すタイプには車載ナビのものがオススメだ。

POINT 3

ボイスアシスタントで目を離さずに操作する
 声でエアコンやオーディオの調整などの装備を操る機能は、運転中でも視線を外さず操作できて便利。コネクテッドカーなら、これが電話のようにアシスタント(人間)と会話してカーナビの目的地を自動でセットしてくれる機能まであり。話すのは照れるが便利。

ときおり機械がこちらの音声を上手く読み取ってくれないこともある。ゆっくり話し直していると、自分で操作したくなることも。

プロの解説
 数年前に比べて、音声認識能力は劇的にアップしているが、正直、「ものすごく便利!」と感じたことはない。ただ、ドライバーの個性もあるので、新しいもの好きは活用しよう。

POINT 4

Apple CarPlayやAndroid Autoで直感的な操作ができる
 iPhoneの「Apple CarPlay」やAndroidの「Android Auto」と連携し、スマホ内にある定番アプリがそのまま愛車のディスプレイに映し出される。見慣れたアイコンはやっぱり使いやすく、気安く操作できる。

当然、クルマに乗るまでいじっていた操作の続きになるので、音楽や地図も事前にある程度操作しておくことができる。

プロの解説
 もはやクルマとスマホの連携は当たり前の必須条項。この連携さえあれば、クルマのコネクテッド化は、今のところ必要十分ではないか。そこから先は次元が違ってくる。

POINT 5

EVだからって心配なし! 簡単に充電スポット検索
 航続距離が伸びたとはいえ、やはりEVでの遠出というのは躊躇してしまう人が多い。しかし、充電スポットの簡単検索機能や車外からのスマホでの操作など、コネクテッド機能との親和性は高い。EVはほとんどがコネクテッドカーになっているのもうなずける。

メーカーや車種にもよるが、ポン、ポンといくつかタッチするだけで、必要な充電スポット情報が閲覧できて、目的地設定できる。

プロの解説
 EVユーザーには必須のシステム。近年、特に高速道路のSA・PAに関しては、急速充電スポットの充実ぶりが目覚ましいので、活用すればEVでの遠出はもう怖くない。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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