故障・修理
更新日:2020.07.28 / 掲載日:2020.07.28

フロントフェンダーが付けられない?! 走れ SUBARU R-2

パネルを叩いて修正したら溶接部分が剥がれてしまった 筆者のR-2はフロントまわりを激しくぶつけたのか、フロントのパネルが歪んでいる。購入当初から錆が気になり、塗装を剥がしてみたら分厚くパテが盛られていて、それを剥がしてみるとパネルが大きく歪んでいることが発覚した。特に左右のフェンダーとの繋ぎ目にはたっぷりとパテが盛られ、ヘッドライトまわりはパテによって形成されていたのだった。なかなかきれいに整形されていたので、そのまま補修すればよかったのかもしれないが、一部分の錆が気になって塗装とパテを剥がしてしまったため、結局全部をやり直すことになった。 前回はフロントパネルの下端の左右、この周囲のパネルがひどく凹み、一部はちぎれてしまっていたので、比較的錆の少ないボディからパネルを切り出し、継ぎ当てして修理を行った。しかし、取り付けたパネルと元々のボディパネルとの角度が異なる(これは溶接したことによる歪みもある)ので、左右のフェンダーを取り付けることができない。まずはこの部分を叩いて、フェンダーがきちんと収まるように補修しなければならない。 新たにパネルを溶接した部分のすぐ上にはトランクルームのパネルがあり、裏側に当て金を入れるのが難しい。この上の部分、ヘッドライト下のパネルは大きく凹んでいるので、ここを修正しないと解決しないような気がする。が、とりあえずフェンダーが取り付けられるようにパネルの下部分などを叩いて、なんとかフェンダーを取り付けることができた。

スバルR-2は昭和44年8月、ロングセラーだったスバル360の後継車種として誕生した2ストローク2気筒360ccの軽自動車。走りのよさから当時はハードミニと呼ばれていた。

フロントフェンダーがつけられない?!

前回は左右下端部を修正したのだが、フェンダーを取り付けてみるとパネルの角度が合わず、取り付けることができなくなってしまった。

溶接部分から下が少し前に出ている。溶接時の歪みもあるが、フェンダーとの角度を見ると、このR-2のパネルが凹んでいるのが分かる。

フェンダーがきちんと装着できるように、パネルを叩いて調整する。パネル裏には当て金が入りにくく、ハンマーで叩くのが難しい。

右側のフェンダーはなんとか取り付けることができたが、きれいに収まった、というには程遠い状態。ヘッドライト下のパネルも修正が必要だ。

フェンダーを収めるために必死にパネルをハンマーで叩き続けていたためか、バンパーの取り付け穴付近の溶接部分が剥がれてしまった。

左側も同じ状況。左右のフェンダーは未補修の中古パーツを手に入れたので、フェンダーに合わせるのが正しいパネルの形状となるはずだ。

ある程度フロントパネルを整形し、ビスでフェンダーを固定した。ヘッドライト下に大きな隙間ができてしまった。

バンパー取り付け穴が歪んでしまったので、鈑金ハンマーの先端を突っ込んで形を整えた。剥がれた部分を叩いて密着させておく。

剥がれた部分だけでなく、前回溶接した部分を改めてやり直し。パネルをしっかり溶着させて、今度こそ剥がれないように。

溶接ワイヤーの量を増やして、しっかり溶かして溶接した。パネルを前後に引っ張ってみても、今度は剥がれる様子はない。

少し盛り過ぎてしまったのでベルトサンダーで削っておく。相変わらず溶接跡が汚いが、剥がれてしまうよりはいいだろう。

ヘッドライト下の部分はフェンダーと隙間が空いてしまうので、どのくらい形状が違うのか中古パネルを近づけてみるものの、よく分からない。

スペアパネルのライト下部分を切り取ってみた。裏側にはインナーフェンダーが溶接されているので、継ぎ接ぎするには難しそうだ。

とりあえずは切り取った部分を並べてみると、筆者のR-2は凹んでいるが、スペアパネルのライト下部分は緩やかに膨らんでいるようだ。

スタッド溶接
凹んだパネルを引っ張り出すために、スタッド溶接機を使ってワッシャーを凹んだパネルに溶接し、これを引っ張ってパネルを復元する。

溶接されたワッシャーの穴にスライドハンマーのフックを引っ掛け、ハンマー部分をスライドさせてパネルを引っ張っていく。力加減が難しい。

パネルは全体的に凹んでいるようで、すべてを補修するのは難しそうだが、フェンダーを指で押せばこのくらいまで隙間は減らせた。

今度は右側だ。しっかり錆を落としておかないと、溶接時に激しく火花が飛び散るだけでなく、ワッシャーがちゃんと溶接されない。

フロントパネルは度重なる補修と錆のせいか、パネル自体が薄くなっているので、溶接したワッシャーがちぎれて穴が開いてしまった。

多少はマシに。これ以上引っ張り出すのは厳しく、フェンダー側を変形させて帳尻を合わせるしかないかも。

凹んだフロントパネルは引っ張り出すしかない フロントパネルの下端部左右の修正が完了し、とりあえずは左右のフロントフェンダーを装着できるようになったが、ぜんぜんしっくりこない。フロントフェンダーをビスで仮留めしてみると、ヘッドライト下の部分が浮いてしまい、大きな隙間ができてしまうのだ。左右のフロントフェンダーはこの車両に取り付けられていたものではなく、補修されていない程度のよい中古パーツを入手しているので、フェンダー側の形状が正しいはず。まぁ、フロントパネル全体が歪んでいるので、ネジ穴の位置も正しいとはいえないんだけれども。ヘッドライト下の部分を指で強く押せばそれなりに隙間は小さくなるので、フェンダー側を加工してしまえばなんとかなりそうな気もするが、それにしてもヘッドライト下が大きく凹んでいるような気がする。 そこで、中古のフロントマスクから左ヘッドライト下部分を切り出し、継ぎ接ぎしてしまったほうが早いような気もするが、切り取ったパネルも裏側は錆だらけだし、それに、この部分は裏側にインナーフェンダーのパネルが溶接されているので、これらを剥がして取り付けるのは面倒。 裏側は手も入らない部分なので、このパネルを引っ張り出すために、スタッド溶接機でワッシャーを溶接して、スライドハンマーでパネルを引っ張り出すことにした。以前にも一度使用したスタッド溶接機はとても古く、以前に本体から煙が出たことがあるので、ちょっと心配。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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