故障・修理
更新日:2024.04.30 / 掲載日:2023.08.01

SUBARUサンバーを快走仕様!「車上エンジンオーバーホール大敢行! ピストン組込み」4

これまでにエンジンからピストンを抜き出して分解作業を行った。今回は新ピストンとコンロッドのバランスをとって装着から完成試走を行った。驚くほどのスムーズさで、18万キロ超えのエンジンがほぼニューエンジン並みになって復活!あえてヘッド周りはそのまま組み込んでピストン周りだけでどれだけ改善されたかを検証してみるのだが、やはり細かいトラブルが多発!

■ Photo&Text Masahiro Kan 

SUBARU サンバー 2007年式LE-TV1
SUBARU サンバー 1995年式V-KV3

コンロッドの組み立てとシリンダーへの組み込み

 ピストンピンはさすがFHIと言いたくなるようなフルフローティングタイプだ。

 ピン穴がタイトなので、ピストンを温めて膨張させると簡単に挿入できる。というよりも無理やり圧入しないことが大切。

 80〜100度くらいになればかなり作業はしやすいはずだ。

 ビッグエンド側のメタルは必ずコンロッドとの当たり面を脱脂して、リングが滑って回転してしまうのを防止すること。油まみれになりがちな組み上げ作業だが、この部分だけはしっかり脱脂しておく。

 シリンダーに組込時はリングの合い口を表記の通りしっかりと合わせた状態でピストンインサーターをはめ込み、スカート部分を少し露出させた状態で、シリンダーに軽く入れる。ピストンヘッドをドライバーの柄やプラハンで「コン!」とやるだけで挿入できるだろう。

 力よりも打つスピードが速ければあっという間にピストンはシリンダーに収まってくれる。

組み込み前の準備で、ピストンにビニールを被せ、ネジ部にはクランクに傷がつかないように長めのチューブを差し込んでおく。
ヘッド当たり面はスクレーパーで丹念にガスケットカスを取り除いておく。丁寧に行ってヘッド密着面をきれいに出しておこう。
ヘッドガスケットは当然新品を使用する。再使用はできない。NA用とSC用のメタルがある。これはNA用。11044KA193。
ピストンを各シリンダーに入れる。チューブがクランクに当たるので、挟むようにして、△マークがタイベル側を向くようにする。
ピストンリングの組み付け位置を合わせる。マニュアルに細かい指定があるので、シリンダー挿入直前にしっかり合わせておこう。
ピストンにオイルをたっぷり塗って、スカート部を差し込んだら、リングコンプレッサーを装着して、ピストンヘッドを素早く叩くと入る。
コンロッドキャップは向きを間違えないように差し込んで、軽く手で締まる程度にナットをはめ込んでおく。マーキングは必須。
クランクを下死点にしておくと、そのシリンダーへのピストン装着がラクになる。この時点ではゆっくりクランクを回転させるのがコツ。
車上作業なので床下が暗いのが難点だ。デジタルトルクレンチサポートを使用してみた。始めは1.8kgm位で締めて音で確認。
全シリンダーにピストンが無事収まった。シリンダーにオイルを流してクランクをゆっくり回転させてみる。スムーズな回転だ。
締め付けトルクは2.4kgm±0.3で行う。分割締め付けの方が確実にトルク管理がラクなので、1.8kgmで仮締め→2.4kgmとした。
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