パーツ取付・交換
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29

GTウイングの効果を発揮させるための取付位置・角度の調整方法

「GTカー」と呼ばれる自動車レースが名前の由来である大型のリアウイングを「GTウイング」と呼びます。最近では一般の車両にもドレスアップパーツとして浸透してきました。このGTウイングにはどのような効果があるのでしょうか?併せて、GTウイングの効果を発揮させるための取付や調整方法について説明します。

GTウイングの働き

見た目も大型でインパクトのある走行性能を高めてくれるGTウイングですが、取付の仕方によっては効果が十分に得られないどころか車に多大な抵抗をかけてしまいます。GTウイングは、取付ける事で車両にダウンフォースを発生させ、車両自体の重心を低くし、主に後輪の地面への動力伝達を大きくする働きがあります。

GTウイングの取付

GTウイングを効果的に取付けるためには、ダウンフォースの発生の仕組み、その大きさ、車両に対しての効果をしっかり把握しなければなりません。それは、その自動車がFRなのか4WDなのか駆動方式によっても違います。単純に考えれば、進行方向に対して角度が大きい方がダウンフォースは大きくなります。しかし、ダウンフォースが大きくなるという事は、進行方向に対しての抵抗が大きくなる事を意味します。いくら後輪が地面に押し付けられても、進行方向に対して抵抗が大きくなってしまうのでは十分な効果は得られません。そして重心が後部に移り過ぎるとハンドリングにも影響してきます。前輪が浮き気味になってしまい、繊細なハンドリングに対して自動車が反応できなくなってしまいます。調整をする際にはそれらをしっかり頭に入れて、バランスの調整をしなければなりません。取付位置に関しても、車体の重心やボディの剛性、ウイング自体の強度も視野に入れて取付ける事が重要です。

GTウイングの仕組みと効果

大きなサイズのGTウイングも、実はダウンフォースを発生させるのはその両翼端の部分です。中央部分は、コクピットの上部をすり抜けてきた空気が乱気流を発生させるのを防ぐために、後部にすばやく逃がす構造となっており、ダウンフォースとはあまり関係がないと言っていいでしょう。それを踏まえると、取付部分はより車体中央に寄っている方が効果は高いと言えます。しかし、あまり中央に寄り過ぎると圧力にウイング自体が耐えられなくなってしまいます。GTウイングによるダウンフォースの力は、約100km/hの走行で40~50kg程度になります。小さな取付部分に子ども一人分の荷重がかかるという事です。ボディが凹んだりしないように補強する事も必要になりますし、それだけのダウンフォースをしっかり車体に伝える取付をしなければなりません。サーキットや高速走行では空力的に効果が得られるパーツですが、取付をしっかり行い調整しないと、かえって抵抗になり、燃費の低下や走行性能に影響を及ぼす可能性があります。GTウイングの取付に際には、専門店や取付のノウハウのあるプロの方に相談し、作業を依頼する事をおすすめします。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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