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更新日:2025.12.16 / 掲載日:2018.08.29
タイヤの扁平率とは?見方や計算方法、変えるメリット・デメリットを紹介

タイヤの「扁平率」は、幅に対する高さの比率を示す数値で、走行性能や乗り心地、燃費、外観に大きく関わります。普段は意識しない部分ですが、数値を変えるだけで車の性格は大きく変化します。たとえば扁平率を上げればクッション性や価格面で有利になり、下げればカーブでの安定感やデザイン性が高まるのです。
ただし、それぞれにデメリットもあるため、仕組みや計算方法を理解して選ぶことが大切です。この記事では扁平率の基本から、上げ下げによる特徴、具体的な数値例、変更時の注意点まで整理して解説します。自分に合った最適な扁平率を選ぶ参考にしてください。
1. タイヤの扁平率とは
タイヤ選びでまず理解しておきたいのが「扁平率」です。普段は意識しない数字ですが、走行性能や快適性に直結する重要な要素です。ここでは、扁平率の基本や見方、計算方法についてご紹介しましょう。
(1) 扁平率の意味と表記の見方

タイヤの扁平率とは、タイヤ断面の幅に対する高さの比率をパーセンテージで表したものです。サイドウォールに刻まれているサイズ表記を見れば確認できます。
たとえば「215/50R17 91V」という表示では、最初の「215」がタイヤの幅(mm)を示します。「50」が扁平率で、幅215mmに対して高さが50%、つまり約108mmです。
「R」はラジアル構造、「17」はホイール径が17インチを意味しています。最後の
「91」はロードインデックス(負荷能力)、「V」は速度記号で、どの程度の荷重や最高速度に耐えられるかを表しています。
(2) 扁平率の計算方法を知っておこう
扁平率は多くのタイヤでサイドウォールに刻印されていますが、数値が表記されていない場合もあります。その際は計算式を使えば確認できます。
| 扁平率(%)=断面高さ(H) ÷ 断面幅(W) × 100 |
たとえば幅215mm・断面高さ108mmのタイヤを例にすると、「108 ÷ 215 × 100 = 約50%」となります。このとき「50」が扁平率です。
2. タイヤの扁平率を上げるメリット・デメリット
扁平率を高くするとサイドウォールが厚くなり、快適性や経済性に効果があります。しかし同時に操縦性やデザイン面では不利になることもあります。ここでは具体的な特徴を整理し、数値例を挙げて解説しましょう。
(1) 扁平率を上げるメリット
扁平率を上げると、タイヤのクッション性やコスト、燃費性能に良い影響があります。普段の走行を快適にしたい人や維持費を抑えたい人にとって、大きなメリットとなるでしょう。ここでは代表的な3つの効果を整理します。
① 乗り心地が改善する
扁平率が高いタイヤは厚みがあるため、路面からの衝撃を吸収しやすくなります。段差や凹凸を越えても突き上げ感が抑えられ、車内に伝わる振動も少なくなります。たとえば扁平率を55から60に変更すると、側面の厚みが増す分だけクッション性が向上し、長距離ドライブでも疲労を感じにくくなるのです。
② タイヤ価格が安くなる傾向がある
同じメーカーやブランドで比べると、扁平率が高いタイヤは価格が抑えめです。さらにホイール径を小さくする「インチダウン」と組み合わせれば、購入費用を下げられる場合もあります。たとえば扁平率を60から65と数値を上げていくと、選べるサイズが増える分だけ流通量も多く、結果として価格が手頃になりやすいのです。
③ 燃費性能が向上しやすい
高扁平タイヤは接地面が狭まり、転がり抵抗が小さくなる傾向があります。そのため燃費性能が改善し、ガソリン代の節約につながります。さらに環境への負担を減らせる点もメリットです。
(2) 扁平率を上げるデメリット
扁平率を上げると快適性やコスト面ではメリットがありますが、運転性能やデザイン面では不利な点も出てきます。ここでは代表的なデメリットを3つに分けて解説します。
① コーナリング性能が低下する
サイドウォールが厚くなると柔らかさが増し、カーブでタイヤがたわみやすくなります。その結果、ハンドル操作に対する反応が遅れ、走行中の安定性は落ちやすくなります。とくに高速道路や急ブレーキの場面では不安定さを感じやすく、スポーティな走りを重視する人には不向きです。
② 高速走行時の安定性が劣る
扁平率が高いタイヤは剛性が低いため、車体が揺れやすくなります。スピードを上げた際や急なレーンチェンジ時には、操縦のレスポンスが鈍く感じられるでしょう。安全性を優先したい人は注意が必要です。
③ 外観がスタイリッシュに見えにくい
低扁平タイヤと比べるとホイールの存在感が薄れ、厚みのあるサイドウォールが目立ちます。近年は低扁平化が主流であるため、高扁平に変更すると外観は落ち着いた印象になります。見た目をスポーティに仕上げたい人にとっては物足りなく感じられるかもしれません。
(3) 具体例:55から60、60から65に変えたとき
扁平率を具体的に変えてみると、その違いが分かりやすくなります。たとえば扁平率を55から60へ変更するとサイドウォールが厚くなり、路面からの衝撃を和らげる効果が高まります。段差を越えたときの突き上げ感は軽減され、乗り心地は明らかに改善されるでしょう。
さらに扁平率を60から65に数値を上げれば、クッション性は一層高まり、舗装状態の悪い道路でも安心して走れます。ただし、数値を大きくするほどハンドル操作への応答性は鈍くなり、カーブでの踏ん張りは弱まります。外観も落ち着いた印象が強くなり、スポーティさを求める人には物足りなく感じられるかもしれません。
3. タイヤの扁平率を下げるメリット・デメリット

低扁平タイヤは走行性能やデザイン性を高めたい人に人気があります。ただし、快適性や維持費に影響する点も多いため、特徴を理解して選ぶことが重要です。ここでは代表的なメリットとデメリットを整理し、具体例も交えて解説します。
(1) 扁平率を下げるメリット
扁平率を下げると運動性能と外観の両面で変化が得られます。スポーツ走行や見た目の印象を重視する人に適した選択肢です。
① カーブでの安定感が高まる
サイドウォールが薄くなることで横方向の変形が抑えられ、カーブを曲がる際の踏ん張りが増します。とくにカーブではしっかりと踏ん張りが効き、走行中の安定感が向上します。
② ブレーキング時の安定感が増す
接地面積が広がるため摩擦力が強まり、急ブレーキでも車体を安定させやすくなります。高速走行時の減速や緊急時の制動に安心感を与える点は大きな利点です。
③ デザイン性が高まる
扁平率を下げるとホイールが大きく見え、足元が引き締まった雰囲気になります。デザイン性の高いホイールを組み合わせれば、ドレスアップ効果も際立ちます。
(2) 扁平率を下げるデメリット
走行性能や外観では確かに大きな魅力がある低扁平タイヤですが、日常の使いやすさや維持費の面では注意点も多くあります。ここでは代表的なデメリットを3つ解説します。
① 乗り心地が悪化する
サイドウォールが薄い分クッション性が低下し、路面の凹凸を感じやすくなります。舗装が荒れた道路や段差を越えたときの衝撃は強く伝わり、長距離運転では疲労につながることもあります。
② 燃費が悪化しやすい
幅広にして扁平を下げたタイヤでは、路面との接地抵抗が増えます。さらにホイールの大径化により重量も増すので、エンジンへの負担が大きくなり燃費が落ちやすいのです。
③ 摩耗やバーストのリスクが高い
低扁平タイヤはサイドウォールが薄く、内部の空気量も少ない構造です。このため、空気圧が変化したときの影響を受けやすく、縁石や段差に当たると大きなダメージにつながります。結果として摩耗の進み方は早くなり、強い衝撃を受ければバーストの危険性も高まります。
(3) 具体例:扁平率45から40に変えたとき
扁平率を45から40に下げると、タイヤのサイドウォールはさらに薄くなります。そのためカーブでの踏ん張りが強まり、ハンドル操作への反応も速くなります。スポーティな走りを重視する人には魅力的な選択肢です。
一方で、クッション性は落ち込み、段差や凹凸からの衝撃を受けやすくなります。外観は精悍でスタイリッシュになりますが、快適性や燃費の悪化につながる点には注意が必要です。どんな道路を走るか、どんな性能を優先するかを考えたうえで判断することが重要です。
4. タイヤの扁平率を変える方法
タイヤの扁平率を上げる方法と、下げる方法をご紹介します。
(1) 扁平率を上げる方法
扁平率を上げる方法は、以下のとおりです。
① インチダウンで上げる
ホイールのリム径を小さくする「インチダウン」により、外径を維持したままサイドウォールの厚いタイヤを装着します。その結果、扁平率を高くできます。
例えば「215/50R17」(サイドウォール高さ107.5mm)を「195/65R15」(高さ126.8mm)に変更すると、外径はほぼ同じでもリム径は17インチ→15インチへ小さくなり、扁平率は50から65に上がります。
② タイヤ幅を狭める
外径を変えずにタイヤの幅を狭めると、同じ高さでも比率が上がるため扁平率は高くなります。この場合はロードインデックス(耐荷重性能)が変わらないかを確認することが大切です。
たとえば「205/55R16」(幅205mm・高さ112.8mm)の代わりに「195/55R16」(幅195mm・高さ107.3mm)を選ぶと、同じ55でも高さが相対的に高くなるため、実質的に扁平率が上がったのと同じ効果になります。
(2) 扁平率を下げる方法
扁平率を下げる方法は、以下のとおりです。
① セイムリムで下げる
ホイール径を変えずに外径を維持しつつ、断面幅を広げて扁平率を下げる方法です。純正ホイールを使ったまま変更できるのが特徴です。
たとえば、「195/65R15」(高さ126.8mm)を「225/50R15」(高さ112.5mm)に変更すると、リム径は15インチのままですが、幅を広げてサイドウォールを薄くできます。
② インチアップで下げる
リム径を1~2インチ大きくすることで、扁平率の低いタイヤを組み合わせます。外径を変えないように選ぶ必要があります。
たとえば、「195/65R15」(高さ126.8mm)から「215/50R17」(高さ107.5mm)に変えると、外径はほぼ同じながらホイールが強調され、見た目はスポーティになります。
5. タイヤの扁平率を変える際の注意点

タイヤの扁平率を変えるときは、見た目や走行性能の変化だけでなく、安全性や法規面での制約も考慮しなければなりません。ここでは、とくに重要な3つのポイントを整理します。
(1) ロードインデックスを下回らない
タイヤには「ロードインデックス(LI)」という耐荷重性能の指標があります。純正タイヤは車体や乗員、荷物の重量を考慮して設定されているため、交換時にLIが低いものを選ぶと過負荷状態になりかねません。
その結果、高速走行時にサイドウォールが波打つスタンディングウェーブ現象を起こし、最悪の場合はバーストにつながります。必ず純正と同等以上のLIを選びましょう。
(2) 外径を変えないようにする
タイヤの外径が変わると、スピードメーターやオドメーターに誤差が生じます。大きなズレは車検不適合の原因となり、走行中の安全性にも影響します。外径は「(断面幅 × 扁平率 ÷100 ×2)+ リム径」で計算できます。サイズ選びの際はメーカーのタイヤ扁平率早見表を参考にし、外径が大きく変わらないものを選ぶことが大切です。
(3) フェンダー干渉やはみ出しを避ける
扁平率を変えてサイズを調整すると、フェンダーや足回りの部品に接触する可能性があります。また、法規上ホイールやタイヤがフェンダーからはみ出すことは認められていません。
突出が10mm未満なら許容される場合もありますが、あくまでタイヤ部分のみです。ホイールのはみ出しは違反となるため、交換時には必ず装着後のクリアランスを確認しましょう。
6. タイヤのことならグーネットピットにご相談ください
タイヤの扁平率は、乗り心地や燃費、走行性能、外観に直結する大切な数値です。数値を上げればクッション性や経済性に優れ、下げれば応答性やデザイン性に優れます。どちらにも一長一短があるため、自分の用途や走行環境を踏まえて選ぶことが重要です。
さらに、扁平率を変える際にはロードインデックスや外径、フェンダーとの干渉などを必ず確認しましょう。安全性や車検適合に影響する部分であり、軽視すると思わぬトラブルにつながります。
とはいえ、自分で判断するのは難しい場面も多いものです。そんなときは全国の整備工場を検索・予約できる「グーネットピット」を活用してみてください。タイヤ交換やサイズ相談に対応してくれるお近くの店舗を簡単に見つけられます。専門家のアドバイスを参考に、安心して最適な扁平率のタイヤに交換しましょう。