パーツ取付・交換
更新日:2025.09.19 / 掲載日:2021.01.01
車高調とは?仕組みや種類、メリット・デメリットまで網羅的に解説

車高調(車高調整式サスペンション)は、車の車高や乗り心地を自由に調整できるパーツです。車の見た目を変えたい人はもちろん、走行性能や乗り心地を重視する人にも人気があります。
ただし、車高調の種類や仕組みは複雑で、選び方を間違えると扱いにくさや不具合の原因になることも。そのため、導入前に基本的な知識をおさえておくことが大切です。
この記事では、車高調の仕組み・種類・メリット・デメリットから、調整方法・費用・寿命の目安までわかりやすく解説します。
1. 車高調とは
車高調とは、「車高調整式サスペンション」の略称で、車の車高を自在に調整できるサスペンションユニットのことを指します。
純正のサスペンションと異なり、ドライバーの好みや使用目的に応じて、車高や乗り心地を細かくセッティングできるのが最大の特徴です。
見た目や乗り味の変化を手軽に体感できることから、初心者でも導入しやすいカスタムパーツとして注目されています。
ここからは、車高調の代表的な種類や、それ以外のローダウンパーツ(ダウンサスやエアサス)との違いについて見ていきましょう。
(1) 車高調の種類
車高調にはいくつかの方式があり、主に「Cリング式」「ネジ式」「全長調整式(フルタップ式)」の3種類に分かれます。
それぞれの特徴や調整方法、導入のしやすさが異なるため、以下に各タイプの違いをわかりやすくまとめました。
| 種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| Cリング式 | ショック本体の溝にC型リングをはめ込み、車高を段階的に変更するシンプルな構造 | 価格がもっとも安く、構造が単純。初期投資を抑えたい人に向いている | 調整幅が限られ、ミリ単位での細かな設定が難しい。調整するにはサスペンションの脱着が必要で、手間がかかる |
| ネジ式 | スプリング下部のロアシートの位置を変更させ、車高を変える | 調整が比較的簡単で、製品価格も抑えめ。構造がわかりやすく初心者にも導入しやすい | 車高を下げすぎるとストローク量が減って乗り心地が悪化。過度な負荷でショックの寿命が縮まることもある |
| 全長調整式 | ショック本体の下部(ロアブラケット)を回転させて上下に動かすことで、車高を調整できる構造 | 乗り心地や性能に影響を与えずに車高を自在に変えられる。調整幅も広く、高い自由度を実現できる | 構造が複雑で部品点数も多いため、価格が高め。極端な調整はサスペンション性能や干渉リスクに注意が必要 |
(2) ダウンサスやエアサスとの違い
車高を下げたい場合、車高調のほかにも「ダウンサス」や「エアサス」という選択肢があります。
それぞれの特徴を理解しておくことで、最適な方法を選びやすくなります。
ダウンサス(ローダウンスプリング)
純正のコイルスプリングを短いものに交換して、車高を下げる方法です。スプリングだけを交換するので、コストも安く見た目も変わりますが、車高の調整はできません。また、スプリングのストローク量が減るため乗り心地が悪くなる傾向があります。
エアサス(エアサスペンション)
コイルスプリングの代わりに空気の入ったエアバッグで車高を調整するサスペンションです。リモコンなどでエアバッグ内の空気圧を調整することで瞬時に車高を変えられるのが特徴で、カスタムカーなどに好まれます。ただし、費用が高く構造の複雑さから、メンテナンス性や信頼性に不安を抱える人も多い。
車高調(全長式車高調)
ショック本体のロアブラケットの調整によりミリ単位で車高の調整ができ、減衰力の調整もできるため、見た目・走行性能・快適性のバランスを取るには最適な選択肢です。
このように、それぞれに異なる長所と短所がありますが、細かい調整と機能性を重視するなら、車高調がもっともバランスの取れた選択肢といえるでしょう。
2. 車高調のメリットとデメリット

車高調の導入を検討するうえで大切なのが、メリットとデメリットの両方を正しく理解しておくことです。
車高調にはメリットが複数ある一方で、「車高調 やめとけ」といった否定的な意見を目にして不安になる人も少なくありません。
ここでは、車高調がもたらすメリットとデメリットをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
(1) 車高調を導入するメリット
車高調のメリットは以下の3つです。
1. 理想の見た目を手に入れられる
2. 減衰力やプリロードの調整で、乗り心地を快適にできる
3. コーナリングやブレーキング時の安定性が向上する
順にご紹介します。
① 理想の見た目を手に入れられる
車高を自由に調整できるため、スタイリッシュなローダウンや、SUVなら迫力あるリフトアップも可能です。ドレスアップ効果が高く、愛車の印象を大きく変えられます。
② 減衰力やプリロードの調整で、乗り心地を快適にできる
減衰力やスプリングのプリロードを変えることで、しなやかな乗り味からキビキビとした足まわりまでセッティングできます。日常使いからスポーツ走行まで、使用環境に応じて乗り心地を快適にできるのが魅力です。
③ コーナリングやブレーキング時の安定性が向上する
サスペンションの性能を活かせば、ロールやノーズダイブを抑えた安定した走行を実現できます。結果として、運転時の安心感や楽しさも高まります。
(2) 車高調を導入するデメリット
車高調のデメリットは以下の3つです。
1. 費用が高くつくことがある
2. セッティング次第では乗り心地が悪化する
3. 車体の損傷や視界・通行制限のリスクがある
順にご紹介します。
① 費用が高くつくことがある
本体価格だけでなく、取り付け工賃やアライメント調整などの追加費用が必要です。とくに車高調の性能や調整機能にこだわると、予算を大きく超えるケースもあります。
② セッティング次第では乗り心地が悪化する
適切な設定ができていないと、純正よりもゴツゴツした乗り味になることがあります。とくにネジ式の場合、車高を極端に下げるとサスペンションのストロークが足りず、路面の凹凸をダイレクトに感じやすくなります。
③ 車体の損傷や視界・通行制限のリスクがある
車高を下げすぎると段差や縁石でバンパーを擦ったり、立体駐車場に入れなかったりと、日常使用で不便を感じる場面があります。一方で、車高を上げすぎると、前方の近距離の視界が狭まり、死角が増えることで安全面に影響することもあるため注意が必要です。
3. 車高調の主な部品
車高調は車の見た目を変化させ、乗り心地を快適にできる便利なパーツですが、その機能は複数の部品によって支えられています。ここでは車高調を構成する主な9つの部品を簡単にご紹介します。
減衰力調整ダイヤル
ショックアブソーバーの上部または下部にあり、硬さ(減衰力)を調整するためのダイヤルです。乗り心地や走行フィーリングを自分好みに設定できます。
アッパーマウント
車体と車高調をつなぐ接続部で、衝撃吸収の役割も兼ねています。タイプによって乗り心地やハンドリング性能に違いが出ます。
スプリング(バネ)
車体の荷重を支える部品です。バネの長さや硬さ(バネレート)によって、車高や乗り心地、走行性能に影響を与えます。
ショックアブソーバー
スプリングの動きを抑えて振動を吸収するダンパーです。内部のオイルやガスの力で揺れを和らげ、安定した走行を実現します。
ダストブーツ
ショックアブソーバーを砂や泥から守るカバーです。破損すると異物が侵入し、性能の低下やオイル漏れの原因になります。
バンプラバー
サスペンションが縮みきったときの衝撃を緩和するクッション材です。底付きによるパーツ損傷や乗り心地の悪化を防ぎます。
スプリングシート
スプリングの上下に設置される受け皿のような部品です。車高やプリロード(初期張力)を調整するために必要な部品です。
ロックシート
スプリングシートの位置を固定するための部品です。緩みを防ぎ、車高や乗り心地の安定性を保ちます。
ロアブラケット
車高調の下部にあり、車体のアームやナックルと接続する部品です。全長調整式タイプでは、このロアブラケットを回すことで車高を変えられます。
それぞれの役割や構造をもう少しくわしく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
4. 車高調の調整方法

全長調整式車高調は、スプリングシートやロックシートを調整することで、車高や乗り心地を自分好みに設定できます。
ただし、誤った手順で調整すると不具合や事故につながる可能性もあるため、正しい方法を把握しておくことが大切です。
【車高を下げたいときの手順】
1. ブラケット側のロックシートを反時計回りに緩める
2. スプリングシートをロックして固定する
3. ロック後、スプリングシートを時計回りに回して車高を下げる
【車高を上げたいときの手順】
1. ブラケット側のロックシートを反時計回りに緩める
2. スプリングシート側のロックシートを反時計回りに回して調整する
くわしい操作手順や回転方向の注意点については、以下の記事で解説しています。初めての人や不安がある人はぜひ参考にしてください。
また、調整作業に不安がある場合や工具がそろっていない場合は、自分で無理に調整せず、整備のプロに依頼することをおすすめします。
作業ミスによる破損や安全性の低下を避けるためにも、無理のない対応を心がけましょう。
5. 車高調にかかる値段の目安
車高調は性能も見た目もカスタムできる便利なパーツですが、そのぶん導入費やメンテナンス費用が気になるところです。
ここでは、車高調にかかる本体価格や取り付け工賃、維持コストの相場を紹介します。
(1) 車高調本体と取り付け工賃の相場
車高調の値段はピンキリで、以下のように新品・中古品・ブランド別で大きく差があります。
| 種類 | 本体価格の目安(1台分) |
|---|---|
| 安価な汎用品(海外製など) | 約5〜10万円 |
| 国産メーカーのスタンダードモデル | 約8〜15万円 |
| ハイグレードモデル(減衰力調整付きなど) | 約15〜30万円 |
| フルスペック・サーキット仕様モデル | 30万円〜 |
また、車高調の取り付け工賃は、車種や取り付け店舗によって異なりますが、おおよそ15,000〜30,000円が目安です。
さらに、車高を変えることによってヘッドライトの光軸調整やアライメント調整が必要になることもあり、追加で1〜2万円ほどかかるケースもあります。
中古品を活用すれば初期費用を抑えられますが、保証がなかったり、すぐ壊れるリスクもあるため、購入先や状態をよく確認しましょう。
(2) メンテナンス・調整にかかるコスト
車高調は取り付けたら終わりではなく、定期的なメンテナンスや調整が必要です。
主な維持コストの目安は以下のとおりです。
| 内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| ロックシートやネジ部のグリスアップ・清掃 | DIYであれば0円(業者依頼で数千円) |
| アライメント調整(推奨:年1回) | 約1〜2万円 |
| オーバーホール(再使用可な場合) | 1本あたり約1.5〜3万円 |
| 新品への買い替え(寿命時) | 前述の本体価格+工賃 |
6. 車高調の寿命目安や交換サイン
車高調は長期間使用できるパーツですが、走行環境や使い方によって劣化の進行度が異なります。突然の故障やトラブルを避けるためにも、寿命の目安や交換のサインをあらかじめ把握しておきましょう。
ここでは、車高調の一般的な寿命や劣化の症状、交換時期の見極め方をわかりやすく解説します。
(1) 車高調の寿命目安
一般的な車高調の寿命は、走行距離で約3〜4万km、年数でいうと2〜3年程度が目安とされています。これは純正サスペンションと比較するとやや短く、構造上どうしても耐久性が劣るためです。
とくに街乗りメインであれば比較的長持ちしやすい一方、サーキット走行や荒れた路面を頻繁に走る車両では、早期にオイル漏れや異音が発生するケースも見られます。
寿命を延ばすためには、定期的な清掃やグリスアップ、ダストブーツの点検など、日頃のメンテナンスも欠かせません。
(2) 車高調の交換が必要なサイン
以下のような症状が現れたら、車高調の交換またはオーバーホールを検討するタイミングです。
1. 車高調のオイル漏れ
2. 異音の発生
3. 乗り心地の悪化
これらの症状は、車高調が寿命を迎えているサインです。まずは専門業者に車高調の点検を依頼し、点検の結果をもとにオーバーホールや車高調の交換を検討しましょう。
症状の詳細については、下記の記事をご覧ください。
(3) 寿命を延ばすためのポイント
車高調を長く使い続けるためには、定期的なメンテナンスと計画的なオーバーホールが欠かせません。
異音やオイル漏れといった寿命のサインが出てからでは、すでに状態が悪化していることも多く、安全性や乗り心地に影響を与えるリスクがあります。
そうしたトラブルを防ぐためにも、サインが出る前の予防的なケアを意識しましょう。
① メンテナンス
車高調のメンテナンスは、「オイル漏れを防げる」「部品の劣化を遅らせる」など寿命を延ばす方法ではなく、ネジ部の錆や固着を防ぐことが目的です。ただし、車高調の機能を長く使うための重要なメンテナンス作業です。
車高調のメンテナンス方法は以下のとおりです。
1. ジャッキアップする
2. ネジ部の砂利や泥を取り除く
3. ロックシートを緩める
4. ネジ部に潤滑剤を噴射する
5. ロックシートを締め、ジャッキダウンする
くわしくは、こちらの記事で解説していますのでご覧ください。
② オーバーホール
車高調を長く使いたい場合、定期的なオーバーホールも重要です。内部のオイルやガスを交換し、消耗部品を交換することで、新品同様の性能を取り戻せます。
推奨されるオーバーホールの目安は、走行距離3〜4万km、または使用から2〜3年程度です。異常が出てからでは修理できないケースもあるため、早めの判断が大切です。
ただし、すべての車高調がオーバーホール可能なわけではありません。以下のようなケースでは対応できない場合があります。
・古いモデルで、部品供給が終了している場合
・本体のネジ部やダンパーが重度に腐食・破損している場合
・メーカー自体がオーバーホールサービスを提供していない場合
このような場合は、寿命を迎えたタイミングで新品への交換を検討する必要があります。
7. 車高調に関するよくある質問

車高調に関してよくある質問を3つご紹介します。
1. 車高調はどう選んだらいい?
2. 車高調を装着していても車検は通る?
3. 車高調はDIYで取り付けられる?
車高調を導入する際の参考になれば幸いです。
(1) 車高調はどう選んだらいい?
車高調を選ぶ際は、以下のポイントをおさえておくと失敗が少なくなります。
1. 車種との適合性の確認
2. 使用目的や走行環境
3. 価格帯
4. 取り扱い店舗
くわしい選び方については、下記の記事で解説しています。

(2) 車高調を装着していても車検は通る?
結論、保安基準を満たしていれば車検は通ります。
とくに注意すべきは「最低地上高9cm」の基準です。最低地上高とは、車体のもっとも低い部分と地面との距離のことを指します。車高を下げすぎると、この基準を下回り車検に通らない可能性があります。装着後には必ず地上高を測定し、保安基準内に収めることが大切です。
地上高の9センチの基準などについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
(3) 車高調はDIYで取り付けられる?
車高調の取り付けは、専門的な知識と工具があればDIYでも可能です。実際に自分で交換しているユーザーも存在します。
しかし、足回りは車の安全性に直結する部分であり、取り付けミスが事故につながるリスクもあるため、少しでも不安がある場合は専門業者へ依頼しましょう。
とくに以下のような人は、DIYではなくプロの整備士に任せたほうが安心です。
1. 車高調の仕組みや構造がよくわからない
2. 専用工具やガレージジャッキを持っていない
3. アライメント調整が必要かどうか判断できない
DIYで取り付ければ費用を節約できますが、失敗のリスクや作業時間を考えると、プロに任せることを強くおすすめします。
8. 車高調に関することはグーネットピットにお任せください
車高調は、車高や乗り心地を好みに合わせてカスタマイズできる便利なパーツです。ただし、選び方や使い方を間違えると、乗り心地の悪化や思わぬトラブルにつながることもあります。
導入を検討する際は、車種との適合性や目的に合った商品を選び、必要に応じて定期的なメンテナンスやオーバーホールも視野に入れておきましょう。
とはいえ、取り付けや調整には専門的な知識と技術が必要です。「自分で作業するのは不安」「信頼できる業者に任せたい」という人は、プロに相談することをおすすめします。
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