車検・点検・メンテナンス
更新日:2024.01.17 / 掲載日:2018.08.10
【グー連載コラム】What’s車検

クルマの健康診断が車検。好調を維持するために欠かせないですが、思わぬ落とし穴があることも。車検を問題なくパスするためのポイントを伝授
(掲載されている内容はグー本誌2018年9月号の内容です)
【今月のテーマ】燃費にも大いに関係 純正指定を守ってクルマの初期化を!

そもそも純正部品ってなんなの?
クルマを開発する際にも使われるパーツ
文字通りでは新車のときに付いているパーツということになるのだが、エンジンを含めて開発時に使われているもので、性能、そして耐久性という点で車両とのマッチングは非常にいい。燃費にシビアな昨今、その重要性は増すばかりである。
純正と社外の大きな違いはリスクがどれだけあるか
以前は純正パーツというのはさまざまなリスクを抑えるべく、性能を抑え気味にしてあった。社外品はその点がシビアでないため、交換すると性能が上がったりした。マフラーなどが良い例だろう。
しかし最近では燃費を最大限に引き出すために、純正パーツでも高い効率を誇っていたりする。もちろん純正だけに安全マージンは確保されているので、安心して使用できる。たとえばエンジンではパワーだけでなく、燃費もさまざまな過酷なテストを経て実用化されるが、その際に使われているのは純正オイルだ。
社外品を否定はしないが、純正を基準にして、それに準じた安心感があるか。そのうえでさらに高い性能が望めるかなどを考えて選ぼう。
【CHECK 1】エンジンまわり
Wが付いているのが低温時で、付いていないのが高温時。注意するのは高温時で、純正指定より大きいと抵抗が増えて、本来の燃費が発揮されなくなる。
取扱説明書に表記されている、ドーナッツマークと呼ばれる認証表示があれば社外品でも純正同様に使用可。
エンジンまわりで一番関係してくるのがオイルだ。ひと口にオイルと言っても、粘度と規格が関係してくる。前者は0W-20といった表示で、後者はSNなど。これらは世界的なもので、エンジンの性能を最大限に引き出す基本となる。どこでどんなオイルに交換したか定かではない場合など、純正オイルにして初期化してやるといい。
【CHECK 2】足まわり
タイヤサイズというのはサイドの部分に書いてある。わかって変更するならいいが、無闇に替えてはダメ。
規格化されていないが溝形状によって違う。排水性などに関わるため、純正と大きく替えるのは避けたい。
某タイヤメーカーのCMではないけど、純正タイヤの性能を落とすようなことをしてはダメだ。グリップだけでなく、燃費や乗り心地など、純正タイヤに対する要求は高く、交換する際に価格だけで選ぶと痛い目に遭うことも。ちなみに同じ銘柄やサイズでも市販のリプレイスタイヤと純正装着タイヤは中身が違うことも多い。
【CHECK 3】電気系
スペース的に小さいものが付けられることもあるが、バッテリーのサイズと規格は必ず守るようにする。
アイドリングストップ車専用のバッテリーは価格も高い。かといって普通のバッテリーを付けてはダメ。
電気系で気を付けたいのが、バッテリーだ。サイズはもちろん、最近ではアイドリングストップ用など性能を強化した専用品が増えているので、対応するバッテリーを買わないと所定の性能が発揮されないこともある。ヘッドライトやテールランプの各バルブは規格品なので付く付かないはハッキリとしているので、気にする必要はない。
【保証について】守らないとどうなる?
【保証について】守らないとどうなる?
輸入車ではメンテナンスパックが早くから導入されたこともあって、指定を守らないと保証で対応されないという例がけっこうある。国産の場合も最近はその傾向にあって、著しく性能が低い社外パーツを使ったりすると保証が適応されないこともあるので、要注意だ。ちなみにオイルは公的な規格が適合していれば問題はない。
Profile
自動車ライター
近藤暁史
自動車専門誌所属時代から、新車レポートだけでなく、メンテナンスやお手入れ系についても精力的に取材・執筆。実際に自らも車検を通したり、修理をするなど、実践派のライター。