車検・点検・メンテナンス
更新日:2024.01.17 / 掲載日:2019.03.10
【グー連載コラム】What’s車検 (2019年3月)
クルマの健康診断が車検。好調を維持するために欠かせないですが、思わぬ落とし穴があることも。車検を問題なくパスするためのポイントを伝授
(掲載されている内容はグー本誌2019年4月号の内容です)
【今月のテーマ】車検整備は見るだけじゃない! 定期的に愛車を初期化調整も重要なポイント
なんか最近シャキッとしないなぁ…
車検的には問題がないのだろうけど……
車検というのは手間も費用もかかるもので、せっかくなら通すだけでなく、やった感が欲しいというのが正直なところだ。そこでポイントになるのが調整。クルマには調整ができる部分があり、車検的に問題がなくても最適なポイントにすることが可能だ。
せっかく車検整備に出すならシャキッと調整してほしい
車検というのは、3年もしくは2年毎に行われる、クルマの身体検査だ。細かい部分に問題がないか、安全な状態になっているかを法律に基づいて検査するもので、不具合があれば整備して問題ないようにする。
通常、法律的に問題があるかないかというのが問題にされがち。でも、車検に出したら走りや各部の操作がシャキッとして戻ってきたということはないだろうか? これこそ、まさに身体検査プラスアルファの部分で、初期化がなされたということ。勘どころの効いたプロであれば、ただ見るだけでなくて最適な状態にしてくれるというもの。これは自分でできないにしても、頼んでやってもらうことは可能。気持ちよく乗り続けるにはぜひ試してみてほしい。
調整ポイント1:ペダルの踏み代
アクセルとブレーキの踏み心地というのは、人間の感覚にかなり直結している部分だ。もちろん運転フィーリングにも関係している。問題となるのは踏み代で、遊びがあまりに多かったり、踏んだときに奥まで入ってしまうのも違和感がある。走りに問題がなくても、気持ちが悪いし、不安だ。
こうやって調整する
踏み心地改善はブレーキ液を交換する。ペダルの位置自体は根元のネジで調整できる。
調整ポイント2:サイドブレーキの引き代
つねに引っ張ったり戻したりを繰り返すわけではないので、サイドブレーキは上のペダルほど違和感はないが、妙に長い引き代は気持ちが悪いし、本当に利いているのか心配になることもある。サイドブレーキはワイヤーで引っ張るタイプも多く、伸びるとフィーリングも悪化する。
こうやって調整する
場所はクルマによって異なるが、ワイヤーの長さを調整する。ネジを回すだけで可能。
調整ポイント3:ヘッドライトの光軸
夜に暗いところを走っていると、正面が明るくならずにほかの部分を照らしていることがある。また対向車にパッシングを夜だけされることが多いと、ヘッドライトの光軸が狂っている可能性が高い。車検時にチェックされる部分で、問題があれば調整されて正規のラインに戻される。
こうやって調整する
ヘッドライトの裏の調整用のネジを回して上下左右にライト自体を動かして調整する。
消耗品と車検の関係
消耗品で交換するとわかりやすいのが、エンジンマウント。加減速時のギクシャクが減る。
今や洗浄などは不可のエアクリーナーは交換するのが基本。滑らかな吹けが戻ることもある。
ここは調整できるの? テールランプについて
同じランプでもテールランプは調整ができない。光量があまりないので、光軸がハッキリとしていないし、仮に光軸があって狂っていても眩しくないのが実際だ。それよりも、最近増えてる社外LEDにありがちな過度に明るいバルブを入れたり、バックフォグが付いている場合は点けっぱなしにしないように注意したい。
Profile
自動車ライター
近藤暁史
自動車専門誌所属時代から、新車レポートだけでなく、メンテナンスやお手入れ系についても精力的に取材・執筆。実際に自らも車検を通したり、修理をするなど、実践派のライター。