車検・点検・メンテナンス
更新日:2024.01.17 / 掲載日:2018.10.10
【グー連載コラム】What’s車検
クルマの健康診断が車検。好調を維持するために欠かせないですが、思わぬ落とし穴があることも。車検を問題なくパスするためのポイントを伝授
(掲載されている内容はグー本誌2018年11月号の内容です)
【今月のテーマ】車種によってもポイントは異なる! ミニバンならではの車検の注意点とは!?
大きなボディが一番のポイント
車種による違いに合わせポイントを押さえた整備
年式によって基準が違ったりすることはあるが、車検というのは車種による区別はない。基本的に検査される項目は同じだ。そうなると、車検に向けて行う整備も同じになるのは当然ではある。
しかし、実際に点検して整備する際は車種によって異なる場合もある。例えばスポーツカーなら、足まわりへの負担が大きいので、ガタが出ていないか…など。今回取り上げるミニバンの場合も、重点的に見ておきたい特有のポイントはいくつかある。たとえばタイヤの減りに偏りがあったり、足まわりのヘタリなど、他車種より早いこともありうる。 いずれにしても、ミニバンに限らず、車種の特性にあった車検整備というのは大切になってくるのだ。
【ミニバンのポイント1】 ミニバンというのはタイヤにとってシビア
内側と外側で硬さを変えるなどしてしっかり感を出したのが、ミニバン専用タイヤ。
内外の減りを均等にしてくれるだけでも、将来的に車検整備をセーブすることにつながる。もちろん安全性も高めてくれる。
上で紹介したように、ミニバンは車高の低いセダンなどとは違った特性を持ち、タイヤへの負担が大きい。しかもただ負担が大きいだけでなく、重心が高いということはコーナーでは内側よりもタイヤの外側に負荷がかかるということになる。実際、長くはき続けたタイヤを見ると、内側と外側で減り方がかなり違うことがある。片べりがひどく、一部でも溝がない場合は車検をパスできない。ミニバン専用タイヤを選択するのもオススメだ。
【ミニバンのポイント2】 車高が高いだけに、光軸のズレは迷惑増大
自分で目安的にズレを見るのは信号で止まったときに、前のクルマのどこを照らしているかで判断。リヤウインドより下を照らしているなら問題なし。
基本的に車高が高いミニバンだけに、必然的にライトの取り付け位置も高くなる。そうなると、光軸のちょっとしたズレでも上のほうを照らしてしまい、前走車や対向車に迷惑をかけやすい。もちろん、車検整備時は光軸の検査に向けて測定と調整を行うので、不具合は解消されて車検も問題なく通るが、範囲内に調整して車検にパスしていても対向車にパッシングされたりする場合は、改めて下方向に調節してもらうのも手だ。
【ミニバンのポイント3】 リヤまわりを重点的にチェックしよう!
四角くて、リヤまわりをうまくのぞき込めないことから、運転席に座って顔を出してもかなり見にくい。誰かに確認してもらうといいだろう。
リヤのワイパーはそもそも点検が疎かになりがちな箇所である。フロント同様にゴムの状態を見て、裂けていたりしたら、交換しておこう。
ランプ類の点灯やワイパーの作動は車検で確認される点だ。当然、点かなかったり、動かなければパスできず、直さなくてはならない。ブレーキランプが切れていればバックした際に壁に映る光りで気が付いたりするが、ミニバンの場合、四角いボディ形状もあって、確認しにくい。また、リヤワイパーの拭きムラも同様に気が付きにくいが、ミニバンの場合はセダンなどに比べ、リヤワイパーを使う頻度が多くなるので、とくに注意したい。
その他の車種は!?
走りに特化したスポーツカーであれば、タイヤの消耗自体が早いうえに、前後で減りの差がけっこうあるため、ちゃんと確認したい。駆動系のガタなども要注意。また、ブレーキの使用頻度が高いともいえるので、ブレーキのマメな点検も行いたい。セダンやコンパクトカーは車種特有の点検ポイントが少ないと言っていい。
Profile
自動車ライター
近藤暁史
自動車専門誌所属時代から、新車レポートだけでなく、メンテナンスやお手入れ系についても精力的に取材・執筆。実際に自らも車検を通したり、修理をするなど、実践派のライター。