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更新日:2026.03.24 / 掲載日:2018.08.29
車検切れでも名義変更はできる?必要な手続きや書類、方法を解説

知人や親族から譲渡したり買い取ったりした車は、所有者が変わるため名義変更が必要です。しかし、車検切れの車は名義変更にいくつかの手続きが必要となります。この記事では、車検切れの普通自動車、軽自動車、バイクそれぞれの名義変更について、必要な書類と費用、具体的な手順、注意点について解説します。
1. 車検切れの車は名義変更できるのか
車検が切れてしまった車の名義変更ができるかは、持っている車の種類によって異なります。
(1) 車検切れの普通自動車は名義変更できない
車検が切れている普通自動車は、名義変更手続きを原則として行うことができません。道路運送車両法により、車検が切れている車は名義変更ができないと定められています。
(2) 普通自動車でも移転抹消登録からの名義変更は可能
なお、車検が切れてしまった普通自動車を名義変更したい場合、車検を通す以外に「移転抹消登録」を行うという方法があります。
移転抹消登録とは、自動車の名義変更(移転登録)と廃車手続き(抹消登録)を同時に行う手続きのことです。所有者が変わる場合や、車検切れの車を廃車する際の手間を省く場合に利用されます。
(3) 軽自動車やバイクは車検切れでも名義変更ができる
普通自動車とは異なり、軽自動車は車検切れの状態であっても名義変更の手続きが可能です。バイクの場合も、排気量によって手続きが異なりますが、車検切れでも名義変更が可能です。
ただし、いずれのケースでも車検切れのままでは公道を走行できない点に注意しましょう。新しい所有者が軽自動車・バイクを使用するには、必ず車検を受ける必要があります。
2. 車検切れした車の名義変更で必要な書類と費用

車検切れの車でも、名義変更は可能ですが、手続きを進める前にいくつかの書類と費用を準備する必要があります。
(1) 普通自動車の場合
車検切れの普通自動車を名義変更する場合、一旦車検に通すか移転抹消登録を行う必要があります。
①車検を通してから名義変更を行う場合
車検切れした普通自動車を名義変更する場合は、まずは車検を受けてから行うのが一般的です。なお、名義変更では以下の書類が必要です。
・車検証(有効期限内のもの)
・譲渡証明書(旧所有者の実印が押されているもの)
・新所有者、旧所有者それぞれの実印の印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)
・車庫証明書(発行から1か月以内のもの)
・ナンバープレート
・手数料納付書
・自動車税・自動車取得税申告書
・申請書(第1号様式)
・委任状(新所有者と旧所有者の実印が押されているもの)
手数料納付書と自動車税・自動車取得税申告書、申請書(第1号様式)は、名義変更をする当日に新所有者の管轄地域の運輸支局で取得できます。委任状は、新所有者と前所有者のどちらが手続きを行う場合にも必要です。行政書士など専門業者に手続きを代行してもらう場合も、委任状は必須です。
名義変更にかかる費用は、合計で約4,000〜5,000円で、主な内訳は以下の通りです。
・移転登録手数料の印紙代:約500円
・車庫証明書の取得費用:約2,000円
・車を使用する管轄地域が変わる場合のナンバープレート代:約1,500円
・申請用紙の代金:約100円
・印鑑証明書の発行費用:約300円
行政書士など業者に名義変更の代行を依頼する場合は、依頼内容で変動しますが約1万〜6万円の費用が別途必要です。なお、売買が伴う譲渡で名義変更をする場合は、環境性能割が別途かかります。2026年度税制改正大綱により、環境性能割は2026年3月31日で廃止されるため、この時期の前後で名義変更を行う場合はタイミングに注意しましょう。
②移転抹消登録で名義変更をする場合
移転抹消登録を行う場合、以下の書類を用意して住んでいる地域の運輸支局で手続きを行います。
・車検証
・譲渡証明書(旧所有者の実印が押されたもの)
・新所有者、旧所有者それぞれの実印の印鑑証明書(3ヶ月以内に発行したもの)
・委任状(旧所有者、新所有者の実印が押されたもの。OCR申請書に実印が押されていれば不要)
・旧所有者の住民票等または登記事項証明書等 (3ヶ月以内のもので、車検証記載の住所・氏名等が印鑑証明書と異なる場合に必要)
・新所有者の住民票等または登記事項証明書等 (3ヶ月以内のもので、新所有者と新使用者が異なる場合に必要)
・ナンバープレート
・手数料納付書
・OCR申請書(第1号様式)
・OCR申請書(第3号様式の2)
手数料納付書とOCR申請書は、名義変更当日に運輸支局で購入できます。
移転抹消登録は、普通自動車の場合850円(移転登録500円+抹消登録350円相当)がかかります。
(2) 軽自動車の場合
車検切れの軽自動車を名義変更する場合、必要な書類は以下の通りです。
・車検証の原本(有効期限内)
・住民票の写し、印鑑証明書(3ヶ月以内に発行したもの)
・車両番号標(管轄の軽自動車検査協会が変更となる場合のみ必要)
・ナンバープレート(ナンバーに変更がある場合に必要)
・希望番号の予約済証(希望ナンバーがある場合のみ必要)
・自動車検査証変更記録申請書(軽第1号様式)
・申請依頼書(使用者に変更がある場合のみ必要)
軽自動車の名義変更では、住民票や印鑑証明書などの取得で費用が発生する以外に、費用はかかりません。ただし、新しいナンバープレートを発行してもらう場合には、約1,500〜10,000円の料金が発生します。
また普通自動車と同様に、売買が伴う譲渡で名義変更をする場合は、環境性能割が別途かかります。
(3) バイクの場合
バイクの名義変更は、排気量によって必要な書類が異なります。
①125cc以下のバイク(原付)の場合
原付を名義変更するのに必要な書類は以下の通りです。名義変更は基本的に無料で行えます。なお、原付は車検がないため車検証は不要です。
・廃車証明書
・譲渡証明書(前の所有者の署名と捺印があるもの)
・軽自動車税申告(報告)書兼標識交付申請書(役所で受け取るか国土交通省のウェブサイトからダウンロード)
・新しい所有者の身分証明書(運転免許証など)
・新所有者の印鑑(認印でも可)
②125cc超〜250cc以下のバイク(軽二輪)の場合
軽二輪を名義変更する場合、必要な書類は以下の通りです。軽二輪にも車検がないため、車検証は不要です。
・譲渡証明書(前所有者の署名と捺印があるもの)
・新所有者の住民票(発行から3ヶ月以内のもの)
・軽自動車届出済証
・軽自動車税申告書
・新所有者の印鑑(認印でも可)
・申請書(軽二輪第1号様式)
・自賠責保険証明書
・ナンバープレートおよびナンバープレート代
自賠責保険証明書とナンバープレートは、管轄区域外から転入する場合やナンバーを変更する場合で必要となります。代理人が届出をする場合は、新所有者の印鑑が押された委任状を用意してください。
軽二輪の名義変更の費用は1,000円ほどで、内訳は以下の通りです。
・軽自動車届出済証記入申請書:約100円
・住民票:約300円
・ナンバープレート代:約500円(ナンバーを変更する場合)
③250cc超のバイク(小型二輪)の場合
小型二輪の名義変更で必要な書類は以下の通りです。
・車検証(有効期限が切れていても必要)
・譲渡証明書(前所有者の署名と捺印があるもの)
・新所有者の住民票(発行から3ヶ月以内のもの)
・申請書(第1号様式)
・軽自動車税申告書
・手数料納付書
・新所有者の印鑑(認印でも可)
代理人が届出をする場合は、新所有者の印鑑が押された委任状を用意してください。
小型二輪の名義変更の費用も、軽二輪と同じで1,000円ほどです。ただし、名義変更後に車検が必要となるため、車検費用がかかる点に注意しましょう。
3. 車検切れの車を名義変更する手順

車検切れの車を名義変更する際の手順は、車の種類によって異なります。ここでは、普通自動車、軽自動車、バイクに分けて、それぞれの一般的な流れを解説します。
(1) 普通自動車の場合
車検切れの普通自動車の名義変更は、車検を受けてからの名義変更と移転抹消登録のいずれかで行います。
①車検を受けてからの名義変更の手順
車検を受けた後の名義変更は、以下の手順で行います。
1. 必要書類をそろえて、新所有者の管轄地域の運輸支局へ行く
2. 窓口で手数料納付書・申請書を入手する
3. 手数料分の印紙を購入する
4. 申請書を作成・提出する
5. 新しい車検証が交付される
6. 自動車税・自動車取得税を申告する
7. 交付窓口に古いナンバープレートと新しい車検証を渡す(管轄地域が変わる場合のみ)
8. 新しいナンバープレート受け取る
②移転抹消登録による名義変更の手順
「移転抹消登録」での名義変更は、以下の手順で行います。
1. 運輸支局の窓口で申請書を入手する
2. 登録手数料印紙を購入して申請書に貼り付ける
3. ナンバープレートを返納する
4. 申請書に必要事項を記入して、他の書類と合わせて提出する
5. 新しい車検証と登録識別情報等通知書が交付される
(2) 軽自動車の場合
軽自動車の場合、名義変更を行う場合は軽自動車検査協会で手続きをすることになります。主な手順は以下の通りです。
1. 軽自動車検査協会で、申請に必要な書類を入手する
2. 先ほどの書類に必要事項を記入して整備確認窓口に提出する
3. ナンバープレートを返却する(ナンバー変更を伴う場合)
4. 軽自動車検査協会窓口に持参した書類一式を提出する
5. 地方税申告窓口で税金を申告・納付する(ナンバー変更を伴う場合)
6. 新しいナンバーが交付される(ナンバー変更を伴う場合)
(3) バイクの場合
バイクの名義変更は、排気量ごとに次の手順で行います。
①125cc以下(原付)の場合
1. 前所有者が住所登録を行っている役所にて廃車手続きをしてナンバープレートを返納し、廃車証明書と譲渡証明書を発行してもらう(譲渡証明書は国土交通省のウェブサイトでもダウンロード可能)
2. 前所有者から廃車証明書と譲渡証明書を受け取り、役所に書類を提出する
3. 新所有者に、新しいナンバープレートと登録証(標識交付証明書)が交付される
②125cc超~250cc以下(軽二輪)の場合
1. 前所有者から譲渡証明書を受け取る。前所有者が廃車している場合は軽自動車届出済証返納済確認書も受け取る
2. 運輸支局または自動車検査登録事務所に書類を提出する。ナンバープレートを変更する場合、ナンバープレートを窓口に返納して軽自動車税申告書を受け取り、必要事項を記入し提出する
3. 新しい軽自動車届出済証とナンバープレートが交付される
③250cc超(小型二輪)の場合
1. 前所有者から車検証、自賠責保険証書、ナンバープレート、譲渡証明書を受け取る
2. 運輸支局または自動車検査登録事務所に書類を提出する。ナンバープレートを変更する場合、ナンバープレートを窓口に返納して軽自動車税申告書を受け取り、必要事項を記入して提出する
3. 新しい車検証と新しいナンバープレートが交付される
4. 車検切れの車を移動させる方法
車検切れの車は公道を走行できません。車を車検を受ける場合や運輸支局に持ち込むには、大きく4つの方法があります。
(1) 仮ナンバーを発行する
仮ナンバーは車検場への持ち込みや修理工場への移動など、限定的な用途でのみ発行されるナンバーです。取得には以下の書類を住んでいる地域の役所に提出することが必要です。
・自動車臨時運行許可申請書
・本人確認書類(運転免許証など)
・車検証(原本またはコピー)
・自賠責保険証明書(原本)
・印鑑
(2) 積載車を利用する
積載車は車全体をトラックの荷台に載せるため、タイヤが道路に接地せず「走行」とみなされません。自分で積載車をレンタルするかロードサービス、車検対応の業者に依頼して運んでもらいましょう。
一方で、レッカー車は車両の前輪か後輪を持ち上げ、残りのタイヤを公道に接地させて移動させます。これが「無車検車の走行」と解釈され、違反行為となってしまうので注意してください。
(3) 引き取りサービスに依頼する
車検を受け付けている事業者は、出張引き取りや納車サービスに対応している場合があります。こうしたサービスに依頼することで、業者が仮ナンバー取得や陸送を手配し、自宅などから車を回収して車検後に届けてくれます。
(4) 運輸支局まで押して移動する
バイクの場合、エンジンを切って押す場合は歩行者と同じ扱いとなり、歩道でも移動できます。運輸支局が近い場合は、押して移動するというのも有効です。
5. 車検切れの車を名義変更する際の注意点
車検切れの車を名義変更する際には、いくつか注意すべき点があります。
(1) 名義変更は15日以内に行う
車の名義変更は、所有者が変更になった日から15日以内に行うことが道路運送車両法で義務付けられています。中古車を購入したり譲り受けたりした際は、速やかに名義変更の手続きを行うようにしましょう。
(2) 前の所有者に自動車税の滞納がないか確認する
名義変更をするときは、前所有者に自動車税の滞納がないか確認することも非常に重要です。自動車税が未納だと納税証明書が発行されず、車検が受けられません。車検が受けられなければ、公道を走行できなくなるだけでなく売買自体が進まない原因にもなります。
心配な人は、前所有者と運輸支局に行き自動車税の納付状況を確認して、名義変更後に「自動車税納税証明書」を発行してもらいましょう。
6. 車検切れの車の名義変更に関してよくある質問
(1) 車検切れの車を譲渡するにはどうしたらいいですか?
車検切れの車を譲渡する場合、名義変更の手続きをどのように進めるかが重要になります。
車検切れの普通自動車は名義変更が不可能であるため、まずは車検を受けるか移転抹消の手続きで名義変更をする必要があります。一方で、軽自動車やバイクの場合は、車検切れであっても名義変更が可能です。
(2) 車検切れの車を個人売買することはできますか?
車検切れの車でも、個人売買で譲渡・売却することは可能です。しかし、車検切れの車は公道を走行することができないため、買主は積載車などを手配して車を運送するほか、車検を受ける必要があります。
実際に車検切れの車を売買する際は、こうした不都合があることを買い手に伝え、お互いが納得した上で取り引きするようにしましょう。
(3) 車検切れの状態が5年続いたら抹消されますか?
車検が切れたまま5年が経過すると、陸運局にて強制的に登録を抹消される可能性があります。抹消登録した後に車に乗る場合は、新規登録手続きが必要です。
とはいえ、車検切れして5年経過したらすべての車が確実に自動抹消されるわけではありません。さらに、車検切れした後も抹消登録されるまでは自動車税の請求が続きます。
使用しなくなった車がある場合は、放置するよりもナンバープレートと車検証を返納して登録情報を抹消する「一時抹消登録」をするほうがよいでしょう。
7. 車検についての相談はグーネットピットをご活用ください
車検切れした車の名義変更は、車種によって対応方法が異なります。ただいずれのケースにしても、車の名義変更自体は可能ですが、公道を走るには必ず車検を受ける必要があります。
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