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車検・点検・メンテナンス
更新日:2019.08.15 / 掲載日:2019.08.15

走れR-2 「ボンネットの補修その5」の巻

無計画に切り取ってしまったボンネットの補修はまだまだ続く。5回目となる今回は中央の欠損部分とライトまわりの製作。今回こそは完成させる予定なのだが、どうなることやら……。

「ボンネットの補修その5」の巻

スバルR-2は昭和44年8月、ロングセラーだったスバル360の後継車種として誕生。走りのよさから当時はハードミニと呼ばれていた。

 今月も引き続きボンネットの補修です。去年の冬に補修を開始したので、もう10か月近くが経過しているのにもかかわらず完成しておりません。誠に申し訳ございません、今回も完成しません!
 さて、前回までにボンネット後端部の左右、先端裏側の補強パネル、先端部の左右と補修が終わり、かなり形になってきた。今回は先端部、補修した左右パネルの間にできた隙間と、ヘッドライト周辺のアーチ部分を作る。
 先端部の外側パネルは、ゆるやかにカーブしているので、一度にすべてを作ることできなかったため、左右別々に製作した。この時も作りやすさを優先したので中央部分に隙間ができてしまった。まずはこの隙間を埋める作業を始めようと思う。隙間が空いているのは中央部分で、幅は約5cm。まぁ、このくらいなら簡単だろうと始めてみるが、右パネルのカーブと左パネルのカーブが微妙に異なっているので、なんだかしっくりこない。まずはこの隙間にぴったりハマるパネルを作り、はめ込んだ状態ですでに取り付けたパネル側をハンマーで叩いて、しっくりくるように修正した。このまま溶接したら確実に歪みが出てしまうが、とりあえずくっつけてから叩いて修正することにした。先端部は下の部分が折り曲げられているが、折り曲げ部分の幅も左右で異なっていたので、ここも歪んでしまった。行き当たりばったりの作業ではあったが、なんとかボンネットらしい形にはなった。まぁ、形だけなんだけれども。

先端部の中央にあった隙間を埋める

隙間……。右のパネル、左のパネルを別々に作ったためにできた中央の隙間。この5cm程度の隙間を埋めていく。

いつものように0.8mmの亜鉛めっき鋼板を大体のサイズで切り出す。

そして現物合わせでパネルを作っていく。

今回は型紙を用意しない。

先端部はパネルが後ろに折り曲げられているので、まずは適当にL字に曲げる。

それから、サイズを修正していく。

ボンネットの先端部はゆるやかにラウンドしているので、それに合わせてパネルを曲げる。

形ができたらフランジを作る。

何度も修正を繰り返して、隙間にぴったりハマるパネルが完成した。若干のズレがあるが、溶接してから修正しよう。

いつも通り、MIG溶接機で溶接。一応パネルが歪まないように点付けしたが、溶接する前からパネルは曲がっているのだけれどね。

溶接が済んだら表面をディスクサンダーで削って平らにする。ついでに以前溶接した部分もあまりに汚いので削り取った。

一応隙間は埋まった。パネルの前側はいいのだが、下の折り曲げた部分は左右の高さが異なっていたので歪んでしまった。

欠損したアーチ部分はタイラップを使って再現

 スバルR-2のボンネットはヘッドライトの上3分の1に覆い被さるようなデザインになっている。ボンネットの左右はヘッドライトの形に合わせてアーチ状になっているのだが、そのアーチ部分も大胆にカットしてしまったので、元の形がいまいち分からない。左側はアーチ部分が比較的多く元のパネルが残っていたが、下数センチは欠損している。なので、新しく作った先端のパネル、折り返し部分とこのアーチ部分はどんな形で繋がっていたのかはもう分からない。なんとなく繋がるように想像しながらパーツを作るしかないだろう。
 まずは新しく作った先端のパネルを、ヘッドライトに合わせてアーチ状にカットする必要がある。元となる古いパネルも残っていないので、残っている部分の曲線から想像してカットしなければならない。自然なアールになるようにカットしたいので、タイラップを使い、端をテープで固定して残っているアーチ部分に合わせて曲げていく。ぴったりとアーチに沿わせて作ったタイラップの曲線は、その延長線上にカットするべきアーチができるはず。そのアーチに合わせて油性ペンでマーキングして、そのラインに合わせてカットした。
 アーチと先端部を繋ぐ部分は工作用紙を使ってぴったり合うような型紙を何度も作って、それに合わせてパネルを切り出し、パッチを製作。なんとか繋ぎ合わせることができたが、ちょっと違和感。

ヘッドライトに合わせたアーチが難しい

R-2のボンネットは左右の端がヘッドライトに被さるようなデザインになっている。新しく取り付けたパネルを丸くカットしなくては。

ヘッドライト部分を丸くカットするために、残っている部分のアーチにタイラップを沿わせて、その延長線上をマーキングした。

赤ペンでマーキングした部分に合わせて、エアソーでカットする。きれいに丸く切れないので、少し内側をカットして修正する。

小さめにカットしたので、マーキングに合わせてディスクサンダーでパネルを削り、ベルトサンダーで切り取った部分を整えた。

欠損した部分のパネル作りは、元の形状が全く分からないので、工作用紙を使って現物合わせで型紙を製作する。

大まかにマーキングしながら計測したサイズに工作用紙を切り出す。何度も失敗しながらこの作業を繰り返した。

この紙片を欠損部に当てながら欠損した隙間部分が埋まるように、折り曲げたり切ったりしながら型紙が出来上がった。

作った型紙を亜鉛めっき鋼板パネルに当てながら型取りをする。

そして、少し大きめに鈑金バサミでカットする。

型紙で作った通りに折り曲げ、削って形を整えたが、曲げた角度がきつくて欠損部分にぴったりとはハマらない。やり直し!

もう一度型紙作りからやり直して、もう一度亜鉛めっき鋼板をカット。

それにしてもAMガレージの鈑金バサミは切れ味悪いなぁ。

折り曲げる位置を変更して、今度はきっちりと切り出したパネルにもマーキングする。

曲げ部分はゆるやかにカーブしている。

折り曲げる部分はカーブしているので、プライヤーで両側を挟みながら少しずつ曲げることで、カーブを再現した。

ヘッドライト部分はゆるやかにカーブ、パネル下部分はフラットに、それぞれハンマーで叩いて形を整える。

曲げたパネルを欠損部分に当ててみる。高さも曲げの角度も微妙に合わない。削って叩いて当ててみる。これを繰り返す。

左、できた。小さくて曲げづらいパネルをこねくり回して、ようやくぴったりとハマるパネルが完成した。ちょっと大きいのは後で削るから。

パネルが小さいので位置がずれないように気をつけながら溶接。隙間を埋めるように少し肉盛りするような感覚でぼってり溶接。

ヘッドライトまわりのカーブは再現がとても難しい

 左側が完成したら、今度は右側のヘッドライトアーチ部分を作る。右側は左側より多くの部分がカットされているので、アーチの半分くらいが残っていない。この状態から想像で作るのは難しいので、完成した左側から型取りをして作ることにした。左右対称なので、カーブの形は反転となるため、左のカーブ部分に表側から工作用紙を当て、裏側から赤ペンでマーキングした。マーキングした部分を切り取り、切り取った型紙を右側のパネル部に貼り付けて今度はパネルに油性ペンでマーキングする。後で修正を行うため、マーキングしたラインより少し内側をエアソーでカットし、ベルトサンダーで形を整えた。
 お次はアーチ部分の内側のパネルを作る。この部分も左側から型取りをして、工作用紙を反転させて亜鉛めっき鋼板パネルに写し取り、パネルを製作。このパネルはライト部分のアーチに合わせて湾曲しているので、カットしたパネルのアーチにぴったり合わせるのが大変。上を合わせると下がずれたり、なかなかピタッと合うパネルが作れない。
 なんとか両側のヘッドライト部分も完成し、ボンネットの修理は終了! ガレージの奥に押し込まれているR-2のボディを引っ張り出し、ボンネットを合わせてみると……あれ? 閉まらない。どこかが当たっているようだ。しかも全体的に歪んでいるようで、かなり浮いてしまうことが分かった。次号で修正か。

ようやくボンネットが完成した……が!

隙間を埋めて、角部分も再現できるように、少し多めに肉盛り溶接した。

これをディスクサンダーとベルトサンダーで削る。

ようやく左側が完成。アーチ部分下の形状がなんか違和感があるが、後ほど修正することにしよう。

右側はパネルの状態が酷かったので、カットして欠損している部分が多い。

これを想像だけで再現するのは難しい。

ヘッドライト部分のアーチは、左側から型取りすることにした。左右対称なので、裏側からアーチを型紙に写し取った。

カットした型紙を右側のパネルに当て、赤ペンでパネル側にマーキング。ずれないようにマスキングテープで固定している。

マーキングした部分をエアソーでカット。

マーキングしたペンの太さなど、多少のずれを考慮して少し小さくカットして修正。

ヘッドライト部分の内側も、左ヘッドライトを参考に作ることに。

型紙にペンでマーキングして切り出した。

カットした型紙を欠損部分に当て、折り曲げながらぴったり合うように修正。

その型紙を亜鉛めっき鋼板に写し取りカット。

ヘッドライト部分の内側は、アーチに合わせてカーブしているので、叩いて叩いて形を整えていく。

が、なかなか合わない。

作ったパネルを当ててみると、少しサイズが大きく、カーブがずれてしまった。マーキングして、サンダーで削って修正。

欠損部分に当てた状態でクランプし、はみ出しているところをベルトサンダーで削りながら微調整を行った。

ようやくぴったりと収まったので、点付けで溶接。溶接後に表面を削って完成。

割ときれいに完成したのだが……。

ガレージの奥からR-2のボディを引っ張り出し、ボンネットを載せてみた。が、浮いてしまってボンネットが閉まらない。なぜだ。

左右のアーチ部分が大きく、ボディに接触してしまっている。

次回へつづく

ただ、閉まらないのはこれだけが原因ではなさそうだ。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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