コーティング・クリーニング
更新日:2025.06.11 / 掲載日:2025.06.11
車のコーティングとは?必要性や種類、メンテナンス方法を網羅的に解説

車のコーティングとは、美しさと耐久性を保つために、ボディ表面に保護膜を形成する重要な施工です。紫外線や汚れから愛車を守ってくれるため、洗車の手間を減らせます。さらに、将来的な売却時には査定額アップも期待できるなど、メリットの多いメンテナンスです。
この記事では、コーティングの基本知識から種類ごとの特徴、施工の流れ、業者の選び方、そして長持ちさせるためのメンテナンス方法までを丁寧に解説します。
この記事を読むことで「自分の車に合ったコーティング」「プロに依頼すべきか」といった判断ができるようになります。ぜひ最後までご覧いただき、愛車の美しさを長く保ちましょう。
1. 車のコーティングとは?
(1) コーティングとは

コーティングとは、特殊な液剤を車体に塗布することで、外装を保護し、美しさや耐久性を高める施工のことです。
車のボディやフロントガラスなどに施工することで、新車のような輝きを長く保てる、汚れが落としやすくなる、売却時の査定額が上がるなどのメリットがあります。
詳細は後述いたしますが、コーティングにはさまざまな種類があり、それぞれ効果・持続期間・費用が異なります。
そのため、施工する際は、車の使用環境や予算に応じて最適なコーティングを選ぶことが大切です。
(2) コーティングとワックスの違い
車の外装を保護する方法には、大きく分けて「コーティング」と「ワックス」の2種類があります。それぞれメリットとデメリットがあるため、特性を理解したうえで、重視するポイントに応じて選びましょう。
コーティングは、特殊な液剤を塗装面に塗布して、強力な被膜を形成する施工です。この被膜は耐久性が高く、長期間にわたって効果を発揮するのが特徴です。
紫外線や雨風、砂ぼこりなどの外的要因から車体を守り、美しい状態を長く保てます。ただし、施工には専門的な技術と設備が必要になるため、プロの業者に依頼するのが一般的です。そのぶん、ワックスに比べて費用は高くなります。
一方、ワックスはロウ(蝋)を主成分とした製品で、塗装面に薄い保護膜を形成します。コーティングに比べて耐久性は劣るものの、手軽に施工できるのが最大の特徴です。
市販のワックス剤とスポンジさえあれば、自宅でも簡単に作業できます。費用もコーティングに比べて安価なため、気軽に試せるのも魅力です。ただし、ワックスの効果は短期間しか持続しないため、こまめなメンテナンスが必要になります。
2. なぜ車のコーティングが必要なの?

車のコーティングは、愛車の美しさや価値を長く保つための必須メンテナンスです。
新車のような輝きをキープできるだけでなく、日頃のお手入れが楽になり、将来的に売却するときにも有利に働きます。
(1) 車の美観を保てる
コーティングは、紫外線や酸性雨、塩分、砂ぼこりなど、塗装を劣化させるさまざまな外的要因から、しっかりと車を守ってくれます。
その結果、色あせやツヤの低下を防ぎ、美しい状態を長くキープしてくれるのです。
一方で、コーティングしていない車はこれらのダメージを受けやすく、時間が経つにつれて輝きが失われ、くすんだ印象になってしまいます。
(2) 拭き取りやすく洗車の手間を省ける
コーティングには、優れた撥水効果があります。
被膜が水をはじくため、雨ジミや泥汚れが付きにくく、たとえ汚れても簡単に拭き取れます。その結果、洗車の回数や時間を大幅に減らせるため、面倒な手間からも解放されるのです。
さらに、洗車後の拭き取りによる摩擦も軽減されるため、コーティング自体の寿命も長くなるというメリットがあります。
(3) 査定額が上がりやすくなる
コーティング済みの車は、外装の傷や汚れがつきにくくなるため、見た目の美しさを長く保てます。中古車市場では「見た目の印象」が価格に大きく影響するため、状態のよい車として評価されやすく、査定額のアップを期待できるのです。
また、査定する側にとっても、外装の修復などにかかる手間が少ない車は、その分コストを抑えられるため、高めの価格をつけやすくなります。
3. 車のコーティングの種類
車のコーティングは、主に以下のような種類があります。
1. ポリマーコーティング
2. フッ素コーティング
3. ガラスコーティング
4. ガラス系コーティング
5. セラミックコーティング
順に解説します。
(1) ポリマーコーティング
ポリマーコーティングは、ポリマー樹脂の被膜によって車を保護するタイプです。
価格が安く、短時間で施工できるのが魅力です。ワックスよりも効果が長持ちするうえに、自分でも手軽に施工できるタイプも増えています。
ただし、紫外線や熱に弱く、油汚れがつきやすいという弱点があるため、キズや汚れをしっかり防ぎたい人にはやや物足りなく感じるかもしれません。
(2) フッ素コーティング
フッ素コーティングは、フッ素樹脂の被膜で車を保護するタイプです。
撥水性が高く、雨や水たまりを走行した後でも、ボディが汚れにくくなります。
ガラス面にも施工できるため、フロントガラスの視界確保にも役立ちます。
ただし、コーティング膜がやわらかく、キズがつきやすい点には注意が必要です。洗車時は、研磨剤入りのカーシャンプーを避け、中性タイプの使用がおすすめです。
(3) ガラスコーティング
ガラスコーティングは、ガラス成分100%の被膜で車を保護する高性能なタイプになります。
耐久性や撥水性、傷への強さ、ツヤの出やすさなど、総合的な性能の高さが特徴です。汚れもつきにくく、美しい状態を長期間キープできます。
ただし、施工には高い技術が必要なため、業者に依頼するのが一般的です。施工費用も高くなります。
(4) ガラス系コーティング
ガラス系コーティングは、ガラス成分に加えて、フッ素やシリコンなどの有機物を含んだタイプです。ガラス成分100%ではありません。
耐久性や持続時間はガラスコーティングに劣りますが、そのぶん費用は抑えられます。
(5) セラミックコーティング
セラミックコーティングは、金属や酸素、窒素、炭素などの化合物で形成されたタイプになります。
非常に高い耐久性と、美しいツヤを備えた最新のコーティング方法です。小さなキズが熱で自己修復する機能や、重ね塗りによって耐スクラッチ性を高められるなど、ほかのコーティングにはない特徴があります。
ただし、ムラになりやすく、施工費用が高額という点がデメリットです。
(6) 各コーティングの比較表
以下の表は、ここまでで紹介したコーティングの特徴、持続期間、料金、施工時間の目安をまとめたものです。
種類 | 特徴 | 持続時間 | 料金 | 施工時間 |
---|---|---|---|---|
ワックス | ・手軽に取り扱える ・効果時間が短い | 1カ月 | 1,000〜3,000円 | 1時間 |
ポリマーコーティング | ・安価で施工時間が短い ・本格的な汚れや傷にあまり耐性がない | 3カ月 | 1〜3万円 | 3時間 |
フッ素コーティング | ・撥水性に優れている ・傷への耐性が低い | 3~6カ月 | 3万円〜 | 3時間 |
ガラスコーティング | ・耐久性や撥水性に優れている ・高価で施工時間が長い | 3~5年 | 5〜15万円 | 1日 |
ガラス系コーティング | ガラスコーティングより性能は劣るものの、その分安く済む | 6カ月〜1年 | 5〜7万円 | 6時間 |
セラミックコーティング | ・耐久性に優れている ・塗布面に光沢をもたらす ・高価で施工時間が長い | 5~7年 | 15〜20万円 | 1日〜2日 |
なお、持続時間や料金については、使用するコーティング剤や車の状態、業者によって変動します。施工時間は下地処理が簡易的な場合の目安で、状況により追加の時間が必要になります。
4. 車のコーティングの流れ

車のコーティングは、いくつもの手順を踏んで、時間をかけて丁寧に仕上げられます。
一般的なコーティングの流れは、以下のとおりです。
(1) 車両の洗車
まず、洗車で車体表面の汚れを落とします。この際、塗装へのダメージを抑えるため、プロが使用する専用の洗剤を使うのが一般的です。
(2) 塗装面の処理
洗車では落ちない頑固な汚れ、ブレーキダスト(鉄粉が付着して錆びたもの)、鳥の糞、水垢などを専用の道具で除去します。
鉄粉には鉄粉除去剤、水垢には酸性クリーナーが用いられます。さらに、鉄粉の固着がひどい場合は、クレイバーと呼ばれる粘土状のクリーナーで丁寧に除去します。
(3) 下地処理
次は、コーティング剤を塗布する前の重要な工程である、下地処理になります。
ポリッシャーという研磨機を使い、塗装面を滑らかに整え、残った油脂分も除去します。
(4) コーティング剤の塗布
下地処理が終わると、いよいよコーティング剤を塗布します。
コーティング剤は、ポリマーコーティングやガラスコーティング、セラミックコーティングなどのなかから、車の状態や予算に応じて選びます。
(5) 硬化・仕上げ
最後に、塗布したコーティング剤を乾燥させて、硬化するのを待ちます。
硬化時間はコーティング剤の種類や気温、湿度によって変わります。硬化後、塗り残しがないか丁寧に確認し、ムラがあれば専用の溶剤やクロスで丁寧に拭き上げます。
5. 専門業者に車のコーティングを依頼する場合
専門業者にコーティングを依頼するメリット・デメリット、依頼できる業者、業者を選ぶポイントについて解説します。
(1) 専門業者に依頼するメリット・デメリット
車のコーティングを専門業者に依頼する場合、品質や仕上がり、アフターサポートなど多くのメリットがあります。一方で、費用や手間、予約の手続きといった点で、デメリットもあります。
以下の表に、専門業者に依頼する際のメリット・デメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
高品質なコーティング剤を使用できるため、効果が長持ちする | DIYよりも高額になる |
専門的な技術とノウハウを持ったスタッフが施工するため、均一でムラのない美しい仕上がりになる | 数時間から1日以上かかる場合があり、DIYよりも時間がかかる |
施工後の保証や、アフターサービスを受けられるため安心 | 人気店の場合は予約が必要で、すぐに施工してもらえない場合がある |
(2) コーティングを依頼できる業者とその特徴
車のコーティングは専門性が高いため、信頼できる業者に依頼するのが基本です。
業者選びに失敗すると、仕上がりの品質が低かったり、耐久性が悪かったりするなどのトラブルにつながります。
ここでは、カーショップやカーディーラー、コーティング専門店、ガソリンスタンドを紹介します。それぞれの特徴を把握し、ご自身のニーズに合った業者を選びましょう。
① カーショップやカーディーラー
カーショップやカーディーラーでは、車の購入時や点検時にあわせてコーティングを依頼できるため、手間なく利用しやすいのが特徴です。店舗数も多く、身近な存在なのもメリットです。
ただし、施工の技術や使われるコーティング剤の種類は店舗ごとに差があります。
コーティング専門業者と比べると、施工技術や使用するコーティング剤の質が劣るため、コーティングに強いこだわりがある場合は、専門店も検討してみましょう。
② コーティング専門店
コーティング専門店は、その名のとおりコーティングに特化したサービスを提供しています。
専門知識と高い技術力を持つスタッフが施工するため、仕上がりの美しさや耐久性に期待できます。ムラのない美しい仕上がりを求めるなら、コーティング専門店を選ぶとよいでしょう。
ただし、店舗数が少ないため、予約が取りづらいかもしれません。施工時間も長めになりやすいので、時間に余裕を持って依頼しましょう。なお、料金は比較的高額になります。
③ ガソリンスタンド
ガソリンスタンドのなかには、コーティングサービスを提供している店舗もあります。
価格が比較的リーズナブルで、作業も短時間で済むため、手軽にコーティングを試してみたい人、忙しい人に便利な選択肢です。
ただし、施工スタッフの技術や経験によって、仕上がりにばらつきがでます。仕上がりの品質に不安が残ることがあるため、依頼前にスタッフの経験や実績を確認しておくと安心です。
(3) 依頼する専門業者を選ぶポイント
コーティングは見た目だけでなく、車の保護にも関わる大切な施工です。だからこそ、技術と信頼のある業者選びが欠かせません。
依頼する業者を選ぶポイントは以下の6つです。
1. 料金や施工時間を比較する
2. 施工技術や実績をチェックする
3. 他の顧客の声を調べる
4. 保証期間やアフターサービスに注目する
5. 店舗の雰囲気や清潔感を確かめる
6. スタッフの対応をチェックする
くわしくはこちらの記事で紹介しています。
6. 車のコーティング後のメンテナンス方法

車をコーティングしたあとも、その美しさと保護力を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
たとえ高性能なコーティングでも、紫外線や酸性雨、空気中の汚れなどにさらされ続けると、少しずつ効果が薄れてしまいます。コーティング被膜そのものがダメージを受ければ、ボディを守る力も弱まっていくのです。
だからこそ、コーティングしたから安心と油断せず、正しいケアを続けることが大切です。
具体的な方法については、下記の記事でくわしく解説していきます。
7. 車のコーティングに関するよくある質問
車のコーティングに関して、よくある質問にお答えします。
1. 車にコーティングしないほうがいいケースはある?
2. 車のコーティングは定期的に施工する必要がある?
3. 自分で車のコーティングはできる?
順にご紹介します。
(1) 車にコーティングしないほうがいいケースはある?
基本的にコーティングはおすすめしていますが、すべての人に必要とは限りません。
というのも、すぐに車を手放す予定があったり、屋内で保管していてほとんど乗らなかったりする場合は、コストに見合う効果を得にくいからです。
また、塗装がひどく劣化している車にそのまま施工しても、十分な効果を得られません。そういった場合は、まず塗装の修復をすることをおすすめします。
もし判断に迷う場合は、専門業者に相談してみるとよいでしょう。プロの視点から、最適なアドバイスを受けられます。
(2) 車のコーティングは定期的に施工する必要がある?
コーティングは、一度やれば終わりではなく、定期的な施工が基本です。
なぜなら、紫外線・雨・汚れなどの影響で、時間とともに保護効果が徐々に落ちていくからです。
たとえば、ポリマーコーティングは3カ月、ガラスコーティングでも3〜5年ごとに再施工が必要になります。コーティングの種類によっても最適な周期は異なるため、施工時に業者へ確認しておくとよいでしょう。
(3) 自分で車のコーティングはできる?
自分でコーティングすることは十分可能です。
近年は、初心者でもあつかいやすいスプレータイプや簡易コーティング剤が多く販売されています。洗車後にサッと塗るだけで、手軽に施工できるタイプもあります。
ただし、下地処理をきちんとしなければ、ムラになったり、コーティング効果が長続きしなかったりするため注意が必要です。
そのため、仕上がりにこだわりたい人や、作業に不安がある人は、専門業者に依頼するのがよいでしょう。
おすすめのコーティング剤については、以下の記事でくわしく紹介しています。コーティング剤にあった施工手順は、説明書でしっかり確認しましょう。
8. コーティングはグーネットピットにお任せください
車のコーティングは、外装の劣化を防ぎながら、美しいツヤや輝きを保ってくれます。さらに、洗車の手間を減らし、日々のお手入れをグッとラクにしてくれるのも大きな魅力です。
ただし、コーティングは「一度やれば終わり」ではないということは理解しておきましょう。
紫外線・雨・砂ぼこりなど、日常的なダメージを受けるなかで、効果は少しずつ薄れていきます。そのため、定期的な洗車や専用のメンテナンス剤によるお手入れが欠かせません。
しかし、コーティングの種類が豊富でどれを選べばよいかわからない、メンテナンスもプロに依頼したいとお悩みの人は多いのではないでしょうか。
そんなときは、グーネットピットにお任せください。お車の状態やご希望に合わせて、最適なプランをご提案いたします。
施工後のメンテナンスもしっかりサポートいたしますので、まずはお近くの整備工場にお気軽にご相談いただけたら幸いです。