車のメンテナンス
更新日:2025.08.14 / 掲載日:2025.08.14
スバルが新型ボクサーエンジンを開発中。新時代を象徴するプロトモデルも年内登場へ

スバルが完全新設計の水平対向エンジンを開発していることが明らかになった。2025年6月1日、富士スピードウェイで開催されたスーパー耐久・富士24時間レースの会場にて、同社はこの新型エンジンに関する情報を一部メディア向けに開示した。あわせて、それを搭載した新型車の存在についても言及している。
開発中の新型エンジンは、自然吸気とターボという従来の枠組みを廃し、一本化された構造を採用。現行のFA型・FB型・CB型とは異なる新基軸となるもので、性能向上と構造の共通化による生産効率の最適化を両立させる狙いがある。さらに、E20などのカーボンニュートラル燃料に対応する設計とされており、持続可能性への対応も織り込まれるという。
注目すべきは、この新エンジンを搭載したプロトタイプモデルの存在だ。詳細なスペックや外観は未発表ながら、すでに実車として開発が進行中であり、2025年10月に開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2025(ジャパンモビリティショー)」にて世界初公開される予定とされている。
車両のジャンルについては明言されていないものの、シンメトリカルAWDとの組み合わせを前提とした高性能パッケージになる見通し。スバルが長年培ってきた“走りの本質”を、次の時代にどう受け継ぐか。その問いへのひとつの回答が、このプロトタイプに投影されることになる。編集部では、ハッチバックモデルと予想。今回、新型WRXを彷彿させるCGを作成してみた。
現段階では市販化の時期や販売戦略は明かされていないが、プロトモデルとして提示されるからには、開発の完成度も相応に高いと見るべきだろう。既存のWRXやBRZとは異なる文脈で、ブランドの新たな象徴となる可能性もある。
スバルは電動化を否定しているわけではない。しかし、内燃機関を「終わりの技術」として扱わない姿勢は一貫している。今回の開発も、エンジン技術を“止める”のではなく、“進める”という意思の表れだ。
新型ボクサーエンジンとその搭載車両は、スバルがこの先も個性を貫くという意思を体現する存在となるはずだ。10月のJAPAN MOBILITY SHOWで、その一端がついに明らかになる。