車の最新技術
更新日:2021.10.18 / 掲載日:2021.10.18
ジャガー・ランドローバー 世界初の技術用いたレザーのデジタルサプライチェーン試験導入
ジャガー・ランドローバーは現地時間の10月12日、サステナブル(持続可能)なレザーサプライチェーンにおける完全な透明性確保のため、試験的に安全なブロックチェーン技術の使用を開始すると発表した。これは世界初の試みで、サプライチェーン・トレーサビリティ・プロバイダーのサーキュラー社(Circulor)、英国のトップレザーメーカーであるブリッジ・オブ・ウィアー社(Bridge of Weir Leather Company)、ノッティンガム大学(University of Nottingham)と提携し、レザーのサプライチェーンにおいてトレーサビリティ(追跡可能)技術を使用するというもの。
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製品のライフサイクル全体で環境および倫理的な影響の低減につなげる
このデジタルサプライチェーンにより、ジャガー・ランドローバーは、コンプライアンスだけでなく、農場から製品化されるまでのすべての段階で、レザー・サプライネットワークのカーボン・フットプリント(足跡)を確認することが可能に。例えば、ブリッジ・オブ・ウィアー社と協力して二酸化炭素(CO2)排出量を最小限に抑えたレザーを追跡することもできるようになるという。これは、製品のライフサイクル全体で環境および倫理的な影響を低減させるという、ジャガー・ランドローバーのコミットメントに基づいた活動であるとしている。
今回導入する技術は、英国政府の研究資金助成機関「Innovate UK」の助成による研究の一環で得た、原材料の「デジタルツイン(※)」を生成するという技術を利用したもので、現実世界とデジタル環境で同時にレザーのサプライチェーン全体を追跡することを可能にした。GPSデータ、生体認証、QRコードを組み合わせてブロックチェーン技術を使用することで、プロセスの各段階でデジタル的側面から検証できるという。
検証プロセスを定義することにより、1枚のレザーが完成するまでのすべての段階で再現可能な青写真を描けるようになり、この手法はファッションや靴など他の業界への応用も期待できるとしている。
「REIMAGINE」戦略の一環 2039年までに排出ガス量の実質ゼロ化めざす
今回のプロジェクトは、サステナビリティに富んだモダン・ラグジュアリーの再構築、ユニークなカスタマー・エクスペリエンスの提供、ポジティブな社会的インパクトの創出を目指すという、ジャガー・ランドローバーの「REIMAGINE」戦略の一環として行う。この戦略において、2039年までに、サプライチェーン、製品、オペレーションのすべてにおいて排出ガス量を実質ゼロにするという目標を掲げており、その実現に向けて各業界の専門家と緊密に連携し、サステナビリティの強化や排出ガス量の削減、そして次世代のテクノロジーやデータ、ソフトウェア開発のリーダーたちと協力関係を築いている。
現在、ラグジュアリー・コンパクトSUV「レンジローバー イヴォーク」のインテリアに採用している天然繊維の「ユーカリメランジテキスタイル」や、「レンジローバー ヴェラール」「i-ペース」で選択可能としている、高い耐久性を持つウール混紡「Kvadratプレミアムテキスタイル」と、1台あたり53本分のリサイクルプラスチックと再生ポリエステルを活用した「Dinamicaスエードクロス」を組み合わせたサステナブル素材などを提供しているのも、同じ戦略に基づいたものだ。
ジャガー・ランドローバーのサプライチェーン担当エグゼクティブ・ディレクターである、デイブ・オーウェンは「ジャガー・ランドローバーでは現在、『REIMAGINE』戦略のもと、透明性とサステナビリティに焦点をあてたサプライチェーンの再構築に取り組んでいます。今回の世界初の試みにより、世界中のレザーサプライチェーンのサステナビリティが大きく改善され、原料の産地から完成車両に至るまでのトレーサビリティが確保されます。これは、2039年までに、サプライチェーン、製品、オペレーションのすべてにおいて排出ガス量を実質ゼロにするための一歩であり、最先端のデジタル技術によってそれを実現していきます」と述べている。
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