新車試乗レポート
更新日:2021.03.31 / 掲載日:2021.03.31

MITSUBISHI eKクロスシリーズ “ハイグレード軽カー”のススメ

日本カー・オブ・ザ・イヤー部門賞(2020-2021「K CAR オブ・ザ・イヤー」)を受賞するなど評価の高いeKシリーズは、安価な移動手段としての軽自動車枠にはおさまらない“ハイグレード軽カー”だ。今回は同シリーズの中でも特に個性あふれる「クロス」を例に、その魅力を再評価してみた。

ミツビシの最新SUVデザインと伝統のレジャー適性が融合

【左】eKクロス T(FF) ●車両本体価格:168万8500円 ●ボディカラー:サンドイエローメタリック ×ホワイトソリッド/【右】eKクロス スペース T(FF) ●車両本体価格:185万9000円 ●ボディカラー: オリーブグリーンメタリック×ホワイトソリッド

遊びの幅を拡げてくれる、個性的で頼もしい相棒だ

 クルマ選びの基本として、使う人とクルマの目的意識の共有が重要だと考えている。だからといって一芸名人的な嗜好に陥るのもリスクが大きい。そこにある「目的」の背景はあくまでも「現実」であり、中庸の妙というか、用途に沿ったウェルバランスも欠かせない。

 eKクロスとeKクロス スペースの目的意識がどこに向けられているかは、デリカD:5やエクリプス クロスと同様のフェイスデザインが雄弁である。今風の分類ならSUV系統となるが、アウトドアレジャー特化型ではなく、ミツビシの得意なジャンルであるRV(レクリエーショナル・ヴィークル)と見るのが正当だろう。

 レジャー用途向けなのは外観だけではない。むしろ外観はレジャー用途向けのポテンシャルの高さを分かりやすく見せているに過ぎない。注目すべきはキャビンスペースだ。特にeKクロス スペースは1BOX型ミニバンに匹敵する室内高を利して、見晴らしよく悠々とした居心地と多彩な積載性を実現。eKクロス共々、後席にロングスライド機構を備えて4名乗車時の荷室容量もクラス最大級だ。

 さらに駆動方式を問わず全車にHDCとグリップコントロールを標準採用。本格SUVとくらべればプラスαレベルかもしれないが、悪路踏破性よりもアウトドアレジャーのサポートを重視した備えとして心強いものだ。また、ベーシックグレード以外は先進安全&運転支援機能を備えたマイパイロットをOP設定。アウトドアレジャーやロングツーリングへの適性向上は遊びの幅を拡げたいユーザーには大きなアドバンテージである。

icon MITSUBISHI eKクロス/ eKクロススペース

●価格:146万3000~182万500円/ 165万5500~199万1000円

ハイト&スーパーハイトのアクティブ軽

 ハイト系のeKワゴン、スーパーハイト系のeKスペースは、優れた使い勝手やパワフルな走り、そして「マイパイロット」をはじめとする先進的な安全運転支援機能を特徴とする、高付加価値型の軽カーだ。フロントフェイスコンセプト「ダイナミックシールド」を採用するeKクロスシリーズは、ひと目で“三菱”だとわかる個性がより際立つモデルとなっている。

走りがハイグレード!!

キレのある加速、親切装備も標準

 ひとつの視点は加速性能重視のパワートレーン。素早いダウンシフトで高回転を用い、加速の切れがいい。ターボ車なら4名乗車+荷物で高速域も伸びやかだ。もうひとつは悪路対応。滑りやすい路面でも安心の降坂を確保するHDCやブレーキを用いてLSD同様の機能を発揮するグリップコントロールを標準搭載する。2WD車にも採用しているのも好感が持てる。

エンジンはマイルドハイブリッドシステム搭載の659cc3気筒。NA(自然吸気)は52PS/6.1kg・m、ターボは64PS/10.2kg・m。ミッションは全車CVTだ。

空転輪をブレーキ制御するグリップコントロール(左)や急な下り坂で低速を維持するヒルディセントコントロール(HDC)を搭載。

居心地がハイグレード!!

キャビンも荷室も余裕の広さ、シートアレンジで使い分けも自由

 eKクロス スペースと並べるとコンパクトに見えるeKクロスのキャビンでも室内高は1270mmに達する。長身の男性でも頭上膝前ともにゆったり。後席スライドを最前位置にセットしてもなお大人4名乗車に対応し、荷室容量はクラス最大級。プレミアム感あふれる内装でくつろぐのも、荷物満載でレジャーも可能。TPOに応じた多用途性が見所だ。

クラス最大級のロングスライド

広々した室内もeKの特徴だ。eKクロススペース(写真)のリヤシートは320mmものスライド量を誇る(eKクロスは170mm)。

機能的でカジュアルな雰囲気のインパネ。ナビはOPで、ナビ取付パッケージが標準(レス仕様も選択可能)。

荷室アレンジ自在!

ともにスクエアな荷室開口部を持ち、リヤシートは肩口のレバーで荷室からもワンタッチで倒せる。後席スライドは荷室アレンジにも貢献。

先進性がハイグレード!!

先進安全装備を標準装着、マイパイロットも選べる

 ミリ波レーダーとカメラを併用したマイパイロットは、レーダーの路面反射波を2台前の車両まで監視。衝突回避機能やACCの速度/車間距離制御、LKAの走行ライン制御も同系システムではトップレベル。オートマチックハイビーム付LEDヘッドライトを標準設定とするなど、タウン&ツーリングの両面でプレミアムクラス相応の装備を採用している。

先進安全ドライブサポート 「マイパイロット」

前車追従式のアダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線維持支援機能(LKA)を組み合わせたマイパイロット(メーカーOP)がドライバーの疲労を軽減。

見通しスッキリ 「ALH」

自動ハイビームを標準装備。eKクロススペースは部分遮光が可能なアダプティブLEDヘッドライト(ALH)をOP設定する。

2台先も検知する「PFCW」

標準装備の先進安全装備「三菱e-Assist」には前方衝突予測警報(PFCW)が含まれる。ミリ波レーダーで2台先の状況変化を検知し、減速が必要だと判断するとブザーや画面表示でいち早く知らせてくれる。

icon MITSUBISHI eKワゴン/ eKスペース

  • ●eKワゴン ●価格:132万5500~154万円

  • ●eKスペース ●価格:139万9200~176万7700円

毎日の暮らしに映えるモダンなデザイン

 基本メカニズムはクロスと共通だが、力強さが際立つクロスとは異なり、親しみやすさやおしゃれなイメージを表現。なお、eKワゴンにはターボ車の設定がない。

●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
●協力:三菱自動車工業株式会社
●問い合わせ先:0120-324-860 (三菱自動車 お客様相談センター)

提供元:月刊自家用車

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