ドライブ
更新日:2019.07.26 / 掲載日:2019.07.26
サングラスで運転は危ない?違反になるのか

グーネット編集チーム
日差しが眩しい状態でクルマを運転することは、事故の原因にもなりかねません。そこで、日差し対策として、サングラスをかけて運転をしている方もいらっしゃるかと思います。
しかし、サングラスは光をカットしてくれる半面視界が暗くなるため、サングラスをかけての運転が不安な方や、そもそもサングラスをかけての運転は違反にならないのかなどの心配している方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、サングラスをかけることのメリットに触れつつ、サングラスを着用しながらの運転は危ないのかどうか、サングラスを着用しての運転は違反になるのかについて解説していきます。
運転中にサングラスをかけることのメリットとは
運転中にサングラスをかけることのメリットには、日差しなどの不意に差し込む光が目に入るのを防ぐだけではなく、メガネのように直接身に付けているからこそ得られる利点もあります。
サングラスをかけることのメリットとしては、以下が挙げられます。
・眩しい日差しを和らげる
・クルマに備え付けられている非透過性のサンバイザーと異なり、視界を妨げることはない
・ケースから取り出してかけるだけなので手軽である
・トンネルや交差点を曲がって、不意に日差しが出てきても慌てることがない
・運転に集中できる
・標識や信号が見やすい
・紫外線から目を守り、目の疲れを緩和してくれる
日差しなどの光が直接目に入るのを防ぐ方法として、サングラスを着用して対処する以外にも、クルマに標準装備されているサンバイザーを使用するという方法があります。
サンバイザーは前方だけでなく、横方向にも可動できるため、手軽に日差しを遮蔽することができる便利な快適装備です。
しかし、サンバイザーを使用すると視野が狭まるため、信号や標識を見落としてしまうなど、少なからず安全な走行に支障をきたしてしまう可能性もあります。また、フロントガラスの上部を覆うような状態で使用することになるため、圧迫感を感じる方も少なくありません。
その点、サングラスは視野を確保しつつ、不意の日差しなどが直接目に入るのを防ぎ、慌てることなく運転をすることができます。また、サングラスは直接身に付けるものであるため、特別な動作が不要で運転に集中できることや、紫外線から目を守ってくれるなどの利点も、サングラスを使用することの特徴的なメリットと言えるでしょう。
運転中にサングラスをするのは危ないのか?注意点とは

グーネット編集チーム
運転中にサングラスをかけることは、日中の日差しなどの光に対してとても有効ですが、注意すべき点も存在します。
基本的に、サングラスはカラーレンズを使用し太陽光を和らげるという単純な構造のものが多いので、中には運転に不向きなタイプもあります。例えば、濃色のレンズであれば、直射日光に対しては有効かもしれませんが、アンダーバス(立体交差式地下道)やトンネルなどの日陰で暗い場所では余計に光を遮ってしまい、サングラスをかけたままでは暗くて前が見えないという場合もあります。もちろん夜間の運転においても同じことが言え、直射日光以外では標識や信号も見にくいなど弊害も考えられます。
サングラスのカラーレンズの色の濃さは透過率で表されています。その中で、運転の妨げにならない、運転に適した透過率のレンズを使用したサングラスを着用するようにしましょう。
サングラスをかけての運転は違反になるのか?
「運転中にサングラスをかけた」ということだけで、交通違反になることはありません。
ただし、前述した様に、あまりにも濃色なサングラスによって標識や信号が正しく認識できていないなどの運転の妨げになっているという取り締まりを受けた場合は安全運転義務違反となる可能性があります。
運転中に使用するサングラスにおいては、光の透過率を確認することが重要です。日本工業規格(JIS)において昼間と夜間運転に対するサングラスの透過率が明記されています。2018年10月のJIS改定では、以下のように、サングラスの運転における使用規制が定められています。
昼間運転時または路上での使用規制
視感透過率8%以下のレンズの運転用、路上での使用の禁止
夜間運転時または路上での使用規制
視感透過率75%未満のレンズの薄暮または夜間時における運転用、路上での使用の禁止
もちろん、このJISによる利用規制に沿わないサングラスの利用をしたからといって、法律的な罰則が科されることはありません。しかしながら、安全な運転をするための参考としてサングラスはJISによる利用規制に適合しているかを確認した上で購入することをおすすめします。
運転に適したサングラスとは?
では、運転に適したサングラスとはどういった仕様のものでしょうか。前述の通り、透過率に関しては、JISで明確に規定が設けられているので参考にしてください。運転に適した運転用のサングラスには、以下のような種類・仕様があります。
紫外線を和らげ、目の疲れの軽減を目的としてUVカット機能付レンズ
紫外線をカットすることで、目への負担を減らし、長距離ドライブで目の疲れを軽減します。紫外線透過率の高いレンズを選ぶと、目の負担が軽減します。
特定の帯域(可視光線透過率)をカットし、標識や信号などを見やすくする偏光レンズ
乱反射を抑え、ギラギラのないクリアな視界を確保します。日本人の目には可視光線透過率が25~45%程度のレンズがおすすめと言われています。
信号の色、周囲の風景を見やすくした色のレンズ
運転に向いているレンズカラーはグリーン系、ブラウン系、グレー系と言われています。
・グリーン系
赤成分(長波長領域)、青成分(短波長領域)をカット。光の波長を平均化し、自然でソフトな見え方が特徴。
・ブラウン系
青成分(短波長領域)をカット。ヘイズカット効果により、遠景を見やすくする効果が特徴。
・グレー系
すべての波長帯において、光量を抑える(防眩)効果があり、バランス良い色調の変化が少ない自然な見え方が特徴。
運転用サングラスの選び方
さまざまなサングラスがある中、自分の用途や目的に応じて選ぶと良いでしょう。
紫外線から目を守る
UVカット機能の付いたレンズがおすすめです。日中の運転が多く、目が疲れやすい方に最適です。しかしながら、最近のクルマはフロントガラスやフロントサイドガラスに予めUVカット機能が施されている機種があるので、効果を感じにくい場合もあります。
ギラツキを抑え、クリアな視界を確保
特定の帯域の可視光線透過率を調整し、天候に左右されず平均的で自然な見え方のする偏光レンズは人気の高いサングラスです。信号や標識も見えやすく、アンダーパスやトンネルを走行中もそのまま外さずに着用できるタイプがおすすめです。
自然な装着感
サングラスとしての機能はもとより、かけ心地の良いものを選びましょう。顔にフィットし、軽量なタイプは長時間の装着にも最適です。
フレームの太さやデザイン
飽きのこない、自分にマッチしたデザインのものを選びましょう。また、フレームの太いタイプやレンズの大きさによっては視界を妨げる原因にもなるので注意しましょう。
信頼がおけるショップで購入する
普段から眼鏡をかけている方はご存知だと思いますが、人それぞれ顔かたちや耳の位置、鼻の形状も異なります。実際に手に取りながら、自分にフィットするタイプを選び、かけ心地に合わせて、きめ細かく調整をしてくれるスタッフのいる店舗で購入すると安心感も高いでしょう。
サングラスは、日差しから目を守り、眩しさやギラギラ、乱反射などを抑えてくれる、ドライブに欠かせないアイテムとしておすすめです。しかしながら、眩しさを抑える目的だけで色の濃いサングラスを選んでしまうと、トンネルやアンダーパスで前が見えなくなるばかりか、事故の原因にもなり大変危険です。
運転がしやすくなるレンズを選び、ファッション効果も高いので、目的や用途に合わせたサングラスを着用してみてはいかがでしょうか。