ハイブリッドカーに乗りたい！【輸入車コンシェルジュ】

　1997年にトヨタ プリウスが世界初のハイブリッドカーとして登場して以来、このジャンルは日本車が世界をリードしてきました。日本人としては非常に誇らしい気持ちがある反面で、輸入車ファンとして少々寂しい状況でもありました。今回の相談者もそのひとりです。さらに、日本車のハイブリッドカーにはエコロジー的なキャラクターを強調しすぎると感じていたこともあり、今回の相談となったわけです。
　というわけで、今回リコメンドするのは、輸入車ならではの個性的なスタイルや高級感、そして走り味を備えたハイブリッドモデルです。
　ハイブリッドカーはそのメカニズムの特性上、高速走行よりもストップ&ゴーを繰り返す市街地走行に向いている傾向があります。一方で、高速かつ長距離を走る欧州車にはクリーンディーゼルが存在しており、そのことも本格的な輸入ハイブリッドカーの登場が遅れた背景にあるといえるでしょう。
　しかし電動化への注目が高まりつつある昨今では、輸入車にも魅力的なハイブリッドカーが登場しています。しかも日本車とはコンセプトの異なるプレミアムカーならではのキャラクターと性能を備えたモデルです。今回は、中古車としてもねらい目となっている3台のモデルをご紹介いたします。

　BMWといえば「駆け抜ける歓び」という名キャッチコピーで知られる、走りに強いこだわりを持つブランド。それだけにハイブリッド車の存在を意外に思うかもしれません。ところが、BMWがハイブリッドを手がけたのは2009年と早く、しかもその仕上がりにも彼ら独自の美学が光っているのです。
　世間で言えばハイブリッドはエコの象徴。しかし、BMWはそれを「走りのためのハイブリッド」と解釈。初期モデルは4.4LV8ツインターボにモーターを組み合わせ、0ー100km/h加速4.9秒というモンスターセダンを仕立て上げたのです。
　後期モデル(2012年～2015年)となってからは、ダウンサイジングの流行を受け入れて3L直6ツインターボへとエンジンをスイッチしましたが、それでもライバルよりもハイパワー。さらにHVシステム自体も進化し、モーター走行も実現。右ハンドル仕様の追加や戦略的な価格設定もあって、7シリーズにおける日本市場の主力モデルとして活躍しました。

2014年 BMW アクティブハイブリッド７（８速AT） ●全長×全幅×全高：5080×1900×1475mm ●車両重量：2080kg ●エンジン：直6＋モーター　●最高出力：320ps ／5800rpm ●最大トルク：45.9kgm／1300-4500rpm ●排気量：2979cc ●中古車参考価格：200万円～400万円（09年～15年 全グレード）

　現行モデルの初期にラインアップされていたモデル。ハイブリッドでありながら価格的にはエントリークラスであったこともありスマッシュヒットを記録。V6でありながら、モーターアシストによってまるでV8モデルのような滑らかな加速が味わえる。予算が許すなら非常におすすめできる１台。

2013年 メルセデス・ベンツ S 400 ハイブリッド（７速AT） ●全長×全幅×全高：5120×1900×1495mm ●車両重量：2010kg ●エンジン：V6DOHC＋モーター　●最高出力：306ps ／6500rpm ●最大トルク：37.7kgm／3500-5250rpm ●排気量：3497cc ●中古車参考価格：390万円～800万円（13年～16年 S 400 ハイブリッドのみ）

　大幅なフェイスリフトで話題となった先代後期モデルに存在した3.5LV6エンジン搭載のハイブリッドモデル。モーター走行も可能とする優れたHVシステムを搭載するが、価格や左ハンドルのみだったということもあって中古車はガソリン車に比べて圧倒的に台数が少ないのが泣きどころ。

2014年 メルセデス・ベンツ E 400 ハイブリッド アバンギャルド（７速AT） ●全長×全幅×全高：4880×1855×1455mm ●車両重量：1860kg ●エンジン：V6DOHC＋モーター　●最高出力：309ps ／6500rpm ●最大トルク：37.7kgm／3500-5250rpm ●排気量：3497cc ●中古車参考価格：240万円～400万円（13年～16年 E 400 ハイブリッド アバンギャルドのみ）