新車試乗レポート
更新日:2026.07.10 / 掲載日:2026.07.10

【KIA PV5】EVバンを根付かせたい、30年先を見据えて本気の日本導入【竹岡 圭】

文●竹岡 圭 写真●KIA

 「KIA」が日本に再上陸? いや本格的に上陸すると言うのが正解かもしれません。少なくとも「KIA PBV(Platform Beyond Vehicle)」が上陸するのは初めてのことです。日本の商社である双日が100%出資し「KIA PBV JAPAN」という会社を設立。EV商用車の日本への導入を始めることになりました。

 ディーラー7カ所(内1カ所直営)、サービス50カ所、コールセンター、ロードサービスを完備するという本格的な導入で、30年先を見据えた日本市場との信頼関係を築きたいという気持ちでやってくるとのこと。これなら安心できますね。

 当面の目標は「EVバンならKIAだよね」と言われるようになること。車種もPV5カーゴ、PV5パッセンジャーを皮切りに、PV5のバリエーションモデルや、もう少し大きなサイズとなるPV7、PV9と展開していく予定だそうです。

まず日本に導入されたのは「PV5」の商用バンと乗用バン

KIA PV5パッセンジャー、PV5カーゴ

 まずやってくるのは「PV5パッセンジャー」と「PV5カーゴ」という2モデルのEVバンになります。

 ボディサイズ的には全長はノア・ヴォクシーくらい、全幅×全高はアルファードくらいと思っていただけるとわかりやすいでしょうか。全長はデリカD:5よりも短いので、今までの日本にはないサイズ感ですが、どっしり構えた力強いディメンションと言ってよさそうです。

 ちなみに、2025年に韓国と欧州で発売が開始されていまして、すでに欧州では韓国メーカーとしては初の「インターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤー」を満場一致で受賞するなど、高評価を得ていると言います。

 PV5は、バッテリー、モーター、サスペンション、車体構造などの複雑なシステムを一元化したモジュール設計を採用した「E-GMP.SJPBVプラットフォーム」が採用されており、低床設計と最適なサスペンションレイアウトにより、動力部品は専用スペースに配置されているため、上屋のレイアウトの自由度が高いのが特徴。トラックや冷凍冷蔵車、福祉車両等々を含め、最大16種類ものバリエーションがあります。まずは、そのうちの2つがやってくるということですね。

乗用仕様のPV5パッセンジャーを試す

KIA PV5パッセンジャー

 そのうちのひとつ「PV5パッセンジャー」に、ひと足早くテストコースで試乗することができました。

 KIAは昔からデザインコンシャスなことで知られていますので、バンといえどもやはり個性的。LEDヘッドランプがバンパー内蔵型になっているという、特徴的な顔つきもそうですが、スカットルの高さに続いて、ウエストラインがかなり低いんです。身長158.5cmの私だと、ドアノブがちょうど肘を曲げたくらいの位置にくるので、とても扱いやすい感じがしました。

 数値的には2列目のサイドステップ高399mm、カーゴ荷室リアステップ419mmということで、運転席のステップ高の発表はなかったのですが、乗り降りはラクチン。ちなみに2列目は、子供でも乗り降りしやすい感じです。

KIA PV5パッセンジャー

 さて、その低いスカットル高とウエストラインのおかげで、とにかく運転席からの視界が感動するほど良好なんです。前方&側面ともに非常によく見えて、側面方向はガードレールが楽勝で見えるくらい。これだけ見えれば、市街地で走るときの安心感が違います。いくらセンサーやカメラがついているとはいっても、目視に勝るものはないですからね。

驚くほどのがっしり感

KIA PV5パッセンジャー

 走り出しも非常にスムーズ。FFモデルで120kW/250Nmというスペックのモーターは、唸りを上げて頑張ってる感もなく、スーッとドライバーの感覚に合うように滑り出してくれます。

 減速時も、回生ブレーキとメカニカルブレーキの協調制御も問題なく、自然な感じ。シート等の調整幅がしっかり取られているため、ドライビングポジションの自由度が高く、私でも違和感なくポジションを取ることができ、最近増えてきた縦長のやや四角いステアリングの操舵フィールも重さを含めて適切で、初対面でも全体的にとても自然に乗ることができました。

KIA PV5パッセンジャー

 とにもかくにも、いちばん驚いたのはボディ剛性の高さ。テストコース内にあえて作ってある、モーグル手前くらいのかなりの凸凹路を通過しても、ミシリともいいません。その際の動きも一体感があり、全体的にガッシリとしていて頼もしさ全開です。

KIA PV5パッセンジャー

航続距離は500km以上で実用性も期待できる

 バッテリー容量は、PV5カーゴではリン酸鉄リチウムバッテリー43.3kWh、NCM(ニッケルコバルトマンガンバッテリー)51.5kWh、NCM 71.2kWhの3種類、PV5パッセンジャーではコバルトマンガンバッテリー51.5kWhと71.2kWhの2つからチョイスできますが、1充電の航続距離は71.2kWh搭載で、PV5カーゴで521km、PV5パッセンジャーで528km。V2HやV2Lにも対応しているとのことなので、かなり実用性の高いものとして期待できそうです。KIAの今後の展開が楽しみですね。

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竹岡 圭(たけおかけい)

ライタープロフィール

竹岡 圭(たけおかけい)

ドキドキワクワクのクルマ選びから、愉しさ満喫のカーライフまでサポートする、幅広い活動を心掛けるモータージャーナリスト。バラエティ番組のMCを務める一方、官公庁の委員等も務める。レーシングチーム圭rallyprojectを主宰し、チームオーナー&ドライバーとしてラリーにも参戦中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)副会長。日本・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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ドキドキワクワクのクルマ選びから、愉しさ満喫のカーライフまでサポートする、幅広い活動を心掛けるモータージャーナリスト。バラエティ番組のMCを務める一方、官公庁の委員等も務める。レーシングチーム圭rallyprojectを主宰し、チームオーナー&ドライバーとしてラリーにも参戦中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)副会長。日本・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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