新車試乗レポート
更新日:2026.06.13 / 掲載日:2026.06.13
新型CX-5フルチェンジ!〜公道試乗レポート〜
マツダの屋台骨を支えるCX-5が、待望のフルモデルチェンジを実施。3代目となる新型は、走り優先のモデルから、実生活で便利に使い倒せる優等生モデルに進化を遂げた格好だ。誰もが寛げる優しさを手に入れた、新型の魅力をお教えしよう。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久
※本記事の内容は月刊自家用車2026年7月号制作時点(2026年5月中旬)のものです。

3代目は同乗者にも優しい予想以上にいいクルマ!

「走り」から「実用性」へ大きく舵を切った意欲作
セダンに代わって、乗用車のスタンダードポジションになったSUV。近年は悪路対応力の高さに加えて、ステーションワゴンの進化系としても高い評価を集めていて、レジャー&ファミリー志向の実用性も、このカテゴリーの大きなセールスポイントになっている。今回、フルモデルチェンジされる新型CX-5は、従来以上に、この実用性を意識して開発されたモデルだ。
先代CX-5は、改良時にアウトドアキャラを強化したグレードを追加したこともあったが、基本的には「魂動デザイン」と「人馬一体」を中軸に据えた、スポーツマインドをセールスポイントとしていた。ロングノーズの流麗なイメージからも想像できるように、デザインやドライバー志向の走りなどを重視していて、ミドルSUVのライバルたちに比べると、実用性の優先順位は低めといわざるを得なかった。
ところが新型では、そんなイメージは一変した。その大きなポイントになっているのが、パッケージングの変化だ。
新型CX-5の全長とホイールベースは、先代比で115㎜拡大。サイズ的には、ストレッチキャビンを特徴としたCX-8と、先代CX-5の中間的なポジションに収まってくる。このボディサイズ拡大の恩恵は、そのままキャビンスペースに振り当てられていて、特に後席まわりへの恩恵が大きい。後席乗員の膝前スペースや頭上空間に余裕が増したことで、居住性は大きく向上している。
それでいて、全体のプロポーションのバランスを崩していないところが妙味。ボンネットは長く、キャビンはコンパクトに見せるこれまでの魂動デザインとは異なるが、ひと目でマツダのSUVと分かる流麗なスタイリングは健在だ。

後席の揺れを抑えた同乗者に優しいサスチューン
また多くのユーザーにとって、走りがどのように進化したかも気になるポイントになるだろう。
新型はグローバル市場まで見据えた選択と集中の結果もあって、先代で人気を集めていたディーゼル車は廃止されている。2027年には駆動モーターを強化したフルハイブリッド車の導入も発表されているが、現時点では4・8kWモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド車のみとなる。
フルハイブリッド車が主力となっている他社のライバルたちと比べると不安を覚える向きもいるだろうが、成熟が進んだユニットということもあって、癖も少なくバランスにも優れている。走りのダウンシフトを伴う加速では、少々少ラフなトルク立ち上げ感を感じるが、遊星ギヤ式の6速AT変速は滑らかであり、上級クラスの内燃機車を乗り継いできたユーザーでも馴染みやすいだろう。多段変速のリズム感も心地よく、クルマを操るファントゥドライブ感を上手に高めてくれる。
サスまわりは、マツダ車らしい走り応えも考慮した味付け。ただ、新型は同乗者の快適性も配慮した走り味を意識している。
例を挙げれば、走行モードをスポーツモードにセットするとASCにより多少の排気音の上乗せがあるが、騒音は全開加速でも静かなもの。高速走行時の騒音の多くはロードノイズくらいで、それも耳障りではない。
乗り心地に関しても、突き上げの角(衝撃)を減らし、路面当たりを滑らかにしている。ターンイン時の後席まわりの急激な横Gの立ち上がりも抑えられているので、左右に揺すられる感も少ない。後席の乗員は、スペースの拡大だけでなく、コーナリングも含めた乗り心地の改善の面でも、ドライバー以上に新型CX-5の走りの進化を感じられることだろう。

新型CX-5 グレード&価格

