新車試乗レポート
更新日:2026.05.21 / 掲載日:2026.05.21

コスパ抜群! 新型CX-5ルックスも広さも乗り味もレベルアップ【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 マツダCX-5が三代目に進化した。彼らのラインナップの中ではドル箱モデルだけに注目は大きい。なんたって2025年はグローバルの販売で28%、国内販売で25%をこのクルマが占めていた。要するにマツダを買う人の4台に1台はCX-5。となると、大きく変えられないのは確か。強引にデザイン変更してダメになったモデルは過去に数多く存在する。

3代目はキープコンセプトとしてCX-5らしさを熟成させた

マツダ CX-5 L(4WD)

 よって、デザインはキープコンセプトながら中身を熟成させる手法をとった。これにより、新規購入者はもちろん、従来型からの乗り換えが大きく期待できる。雰囲気は変わらず、そのまま性能アップしたのだから当然だ。スポーティな走りと快適さが同居する。

マツダ CX-5 L(4WD)

 ではその詳細だが、まずはひとつのパワートレインで登場する。e-SKYACTIV G 2.5と呼ばれるもので、2.5L直4ガソリンエンジンにモーターを取り付けたマイルドハイブリッドである。そして2027年にe-SKYACTIV Zが追加される予定。低速域でモーター、高速域で超希薄燃焼させるストロングハイブリッドユニットだ。これは来たるべき排ガス規制に対応するもので、バイオエタノール対応(E10:エタノール10%混合燃料)となる。ちなみに、ディーゼルがないのは規制対応が難しいから。ユーロ7対策は大変そうだ。

上級グレードのインテリア品質はプレミアムブランド級

マツダ CX-5 L(4WD)

 グレードは上から、L、G、Sという設定。違いは装備で、上級グレードの内装はかなりいい。高級感はヨーロッパのプレミアムブランドに近い。素材、カラーなど真摯に研究しているのがわかる。ただ、もったいないと思うのはL、G、Sというグレードの名称。旧態依然とした国産車的で、ワクワク感がない。“プレミアム”とか“スポーツ”とかでいいからワードにした方がいい気がする。メルセデスの“アヴァンギャルド”のように、長く使えば少し変わったワードでも定番化するはずだ。

マツダ CX-5 L(4WD)

 注目ポイントはパッケージングで、スタイリングはこれまで通りスポーティな印象を持つ。エンジン横置きのFFベースでありながらロングノーズを再現しているのは素晴らしい。しかも今回はリアシートに重点が置かれた。リアドアを大きく、かつ開閉角度を広くすることで、乗り降りをしやすくしている。もちろん、室内長も広がりリアシートの足元が広がった。ここはマーケットからのフィードバックを具現化した重要ポイント。従来型を乗っている方は特に、その違いを体感できるだろう。

マツダ CX-5 L(4WD)

19インチタイヤをしっかりと履きこなしている

CX-5 G(2WD)

 では、実際に走らせた印象はというと、これまでとは結構違う気がした。ステアリングフィール、乗り心地などに高級感が出ている。従来型がワイルドに思えるくらい洗練された。

 例えばステアリングだが、ステアリングセンターが正確で狙ったエイペックスにそのまま向かっていける。高速コーナーでは小さな舵角で荷重を移動させられるのが特徴。これまではどちらかと言うと、センター付近は曖昧で切り出してからジワッと手のひらにフィーリングが伝わってきた。そこから気持ちよく切り込む感じだった。

 それが今回は異なる味付けとなった。この辺は好き嫌いだが、個人的には悪くないと思う。もしかしたら運転に不慣れな人はこちらの方が安心できるだろう。

CX-5 G(2WD)

 コーナーでの挙動も新しい。タイトコーナーではロールが深く、高速コーナーではロールを抑える。この時の抑え方が自然だ。これを実現したのはZF社と共同開発したダンパーのチカラ。減衰力を高め接地性を高めている。応答性がよく、車体振動を早くおさめるのが特徴だ。具体的にはダンパーの径を太くすることでそれを可能にした。入力に対し面で抑える感覚だ。このダンパーはCX-5が最初の搭載になるが、今後他のモデルにも採用されることが予定されている。

CX-5 G(2WD)

 そんなダンパーを装備したからなのだろうか、試乗車はすべて19インチのタイヤを装着していた。イメージ的にはフロントシートはいいとしてもリアはゴツゴツするのではと心配してしまうサイズだ。が、実際に実験部の方に運転してもらって座ると、それは取り越し苦労でしかなかった。確かに段差での入力は感じるが、肩透かしに思えるほど快適なのだ。なるほど、新型はリアのスペースを広げたり乗降性を高めたりしただけでなく、乗り心地も真剣に対応したようである。

見た目も走りもひとクラス上の仕上がり

CX-5 G(2WD)

 というのが、新型CX-5のファーストインプレッションだが、今回は値段にも驚かされた。2WDで300万円台前半、4WDで300万円台中盤スタートである。車格的にこの上にラージプラットフォームのCX-60やCX-80があるとはいえ、少し安すぎる気がしないでもない。特に試乗した後でそれを強く感じた。見た目も走りも想定しているクラスよりひとつ上だ。とはいえ、カスタマー目線で言えば安いに越したことはないが。

 いずれにしてもCX-5はマツダらしい仕上がりになっているのは確か。この仕上がりならマーケットの反応が期待できそうだ。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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