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更新日:2026.02.21 / 掲載日:2026.02.21
発売30周年を迎えたアクティブムーバー、ホンダ CR-Vヒストリー【名車の生い立ち#23】

2025年10月、ホンダ CR-Vが発売30周年を迎えました。そして2026年2月、海外市場でひと足早くリリースされていた新型が日本でも販売がスタート。ここ最近はライバルのトヨタRAV4やスバル フォレスターも一新され、ミドルクラスSUV市場が再燃しており、新型CR-Vに再び大きな注目が集まっています。そこで今回は、ホンダ CR-Vの30年に渡る歴史を振り返ってみましょう。
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まずは年表でCR-Vをザっとおさらい!
「クリエイティブ・ムーバー」第2弾として登場。乗用車ベースの快適なSUVという新ジャンルを確立し大ヒット。
キープコンセプトながら、居住性と使い勝手を向上。i-VTECエンジン搭載で走りも進化した正統派モデル。
背面スペアタイヤを廃止し、プレミアムな都会派SUVへ変貌。「上品なヨーロピアンスタイル」が特徴。
空力性能と燃費を向上させ、荷室の使い勝手も改善。日常での実用性を徹底的に高めたモデル。
日本市場復活。歴代初のハイブリッドや3列シート車を設定。「グローバルモデル」として大きく成長。
すべてを一新した6代目がFCEV(燃料電池車)として日本再上陸。環境性能と走る喜びを追求した新世代へ。
ホンダのチャレンジ精神が込められた初代CR-V(RD1/2)

1980年代の乗用車といえばセダンが基本形で、当時の自家用車といえば4ドアの3ボックスセダンが当たり前の時代でした。しかし、1990年代に入るとその様相は少しずつ変わっていきます。RV(レクリエーション・ヴィークル)と呼ばれる言葉が一般になり、各メーカーからSUVやミニバンが登場。そんな時代の流れのなか、RV開発に積極的だったのがホンダでした。ホンダは、「クリエイティブ・ムーバー」と称して新型RVを次々とリリース。1994年にプレミアム・ムーバーの「オデッセイ」、そして1995年にはアクティブ・ムーバーの「CR-V」を発売しました。

CR-Vは、車名は「Comfortable(快適な)」と「Runabout(自由に走り回る)」「Vehicle(乗り物)」の頭文字から取ったもの。当時のSUVといえば本格的なオフロード性能を持ったクロスカントリーが一般的でした。しかし、ホンダが目指したのはシティユースでも気軽に使えるカジュアルさ。日常での使い勝手を犠牲にせず、大人5名と荷物を積んで誰もが気持ちよく使えるのが特徴です。ボディサイズは全長4470mm、全幅1750mm、全高1705mmと手頃なサイズ。前年に登場したトヨタ RAV4(5ドア)と比べてもひとまわり大型で、実用性や快適性を重視しました。特に、1750mmという3ナンバーのボディ幅を活かし、フルフラットフロアによるセンターウォークスルー機能を導入したことで、大人5人がゆったり快適に移動できる空間を実現したのがトピックといえます。

パワートレインは、新開発の2.0L 直4を搭載。世界初の4連スリーブブロックを採用し、1.6L並みのエンジンサイズと低燃費(10・15モード燃費11.2km/L)を実現しました。トランスミッションはコラム式の4速ATを搭載。なお、当初は4WDのみの設定でしたが、1998年のマイナーチェンジからFF仕様も選択可能となりました。

なお、ホンダのクリエイティブ・ムーバー戦略はCR-Vに続いて、1996年にはステップワゴンとS-MX、1999年にはラグレイトを投入。既存の枠に留まらない遊び心あふれるクルマが次々と登場しました。RVブームの後押しもあり、初代CR-Vは販売台数100万台を達成。都市型SUVの草分けとして自動車史に名を刻むことになったのです。
各部を進化させ快適性を高めた2代目(RD4/5/7)

90年代のRVブームも2000年代に入るとやや下火になっていきました。同時にRVというカテゴリー分類も徐々に使われなくなり、代わりにSUVという言葉が一般的に。時を同じくしてミニバンブームが到来し、大小さまざまなミニバンが登場したのもこの時代。そんななか、2001年9月にフルモデルチェンジを受け、CR-Vは2代目に進化しました。ヒット作となった初代のコンセプトはそのままに、各部を徹底的に進化させたのが特徴です。

グローバル・コンパクトプラットフォームの採用により、初代とほぼ同じサイズながらも室内長や室内高を拡大。広々した居住空間とクラストップレベルの荷室容量(527L)を確保しました。グレードは、スペアタイヤを装着したアクティブなイメージの「パフォーマ」、ボディ同色のバンパーを採用した都会的なイメージの「フルマーク」という2つの個性で展開したのもトピック。エンジンは初代と同じく2.0L 直4を搭載し、FFまたは4WDが発売当初から選べました。奇をてらわない堅実なモデルチェンジは海外市場での評価が高く、ワールドワイドで販売台数を伸ばしたのも2代目の特徴といえるでしょう。
上品なヨーロピアンスタイルが特徴の3代目(RE3/4)

2006年10月、CR-Vは3代目に進化。初代から世界累計販売台数250万台を達成し、ミドルクラスSUVとしての地位を築いていました。前年にはトヨタ RAV4や三菱アウトランダー、同年には日産 エクストレイルやスバル フォレスターもフルモデルチェンジを受け、ミドルクラスSUV戦国時代の幕開けともいえる時代に突入していきます。そんななか発売された3代目CR-Vは、デザインと走りをさらに進化させたのが特徴。エクステリアは、タフなクロカン風から一転しヨーロピアンでスポーティなクロスオーバーに一新。スペアタイヤは床下に配置され、リアゲートは縦開きとすることで使い勝手が高められました。

パワートレインは2.4L 直4DOHCを搭載。低回転時に吸気バルブの片方を休止させる機構のほか、外部EGRの採用などにより、10・15モード燃費11.6km/Lという低燃費を実現したこともトピックです。これに組み合わされるのは5速AT。さらに、通常はFF、滑りやすい路面では後輪にも駆動力を配分するリアルタイム4WDを搭載。エンジンとブレーキの協調制御により、あらゆる路面でもスムーズに走れる走行安定性を確保しているのも見どころ。そのほか、ハイウェイクルーズコントロールなどの先進装備も一部グレードに導入するなど、快適&安全装備もしっかりサポートされました。
2.0Lエンジンが復活!使いやすさを高めた4代目(RM1/4)

2011年11月にはフルモデルチェンジを受けて4代目が登場。ちょうどこの頃、SUVのニーズがミドルクラスからコンパクトクラスにシフトし始めたタイミングと重なります。その先鞭を付けた日産 ジュークは日本でも大ヒット。エコカーブームとの相乗効果で、SUVも小さくてエコなクルマに注目が集まったのです。そんななか発売された新世代のCR-Vは、燃費と乗り心地の向上に注力。特に、流行りのコンパクトSUVでは味わえないくつろぎ感や荷室の使いやすさにこだわったのが特徴といえます。

ボディサイズは先代からわずかに小さくなり、全長4535mm、全幅1820mm、全高1685mmとミドルクラスとしては標準的なサイズとなりました。ヨーロピアンなデザインは先代を踏襲しつつも、広い荷室と躍動感を与えるラウンドしたテールゲートガラスを採用したのが見どころ。ボディサイズを縮小しながらも、室内長と荷室容量を拡大して使い勝手を高めたのがトピック。エンジンは2.0Lが復活し、2.0Lと2.4Lの二本立てになりました。しかし、2013年12月にひとまわり小型のホンダ ヴェゼルが登場し、勢いに乗るコンパクトSUV市場に押されて販売面では苦戦。2016年には日本市場向けの販売が終了しました。
グローバルモデルとして成長を遂げた5代目(RW1/2)

日本では苦戦を強いられているCR-Vも、ワールドワイドでは好調な売れ行きをみせていました。2016年にフルモデルチェンジを受けて5代目となったCR-Vは、日本に先駆けてまずは北米市場で展開。その後アジア、ヨーロッパ市場にも投入。2018年8月から日本でも導入されることになりました。シビックに採用された新世代プラットフォームを導入し、基本骨格から大きく進化した5代目は、「走る」「曲がる」「止まる」といった挙動はもちろん、エンジンサウンドに至るまでダイナミクス性能に磨きをかけたのが特徴。グローバル市場を意識したことで、ボディは先代からさらに拡大。全長4605mm、全幅1855mm、全高1680mmと堂々たるサイズとなりました。後席の足もとスペースは従来モデルと比べて50mm拡大し、後席の快適性をさらにアップ。また、今回は3列シート仕様も選べるようになったことで、幅広いニーズに応えるクルマとなったのも見逃せません。

パワートレインは、CR-Vでは初のハイブリッドモデルを設定(2.0Lモデル)。ホンダ独自のSPORT HYBRID i-MMDを採用し、クラストップレベルとなる25.8km/L(JC08モード)を達成しました。一方、1.5Lターボ+CVT搭載車では2.4Lエンジンに匹敵する高いトルクと高回転まで伸びやかなパワーフィールを獲得。走る楽しさを追求しているのも特筆すべきポイントといえます。そのほか、先進運転支援システムのホンダセンシングを全グレードに標準装備。安全性も大きくアップデートされました。ただし、同クラスのライバルと比べて高価だったこと、ボディサイズが大きくなりすぎたことで日本での販売は低迷。ヴェゼルの後塵を拝した状況は変わることはなく、2022年に国内での販売を終えました。
巻き返せるか?すべてを一新した6代目がデビューへ

日本での販売不調とは対照的に、海外市場では安定した人気を獲得していたCR-V。2022年には北米、そして中国に6代目が投入されました。ボディサイズはさらに大きくなり、クラスを超えた質感を身につけました。2024年には日本市場向けに「CR-V e:FCEV」としてリース向け販売も開始。そして2026年2月、待望のCR-Vの国内向け販売が始まり、新たな高みを目指して展開されることになったのです。

パワートレインは、「e:HEV」と呼ばれるハイブリッドを導入して燃費とパフォーマンスを両立。ラインアップは「e:HEV RS」と「e:HEV RS ブラックエディション」の2本立てとなり、スポーティな「RS」グレードを全面的に押し出したのが特徴といえます。一方、歴代CR-Vならではのライフスタイル重視の懐の深さはしっかりとフォロー。床面と開口部の段差を抑えた使いやすい荷室など、ユーザーの視点に立ったディテールも注目のポイント。ここ最近はライバルに押され気味のCR-Vですが、2025年にちょうど30周年を迎えた節目の年。宿敵RAV4を超えられるか否か、今後の展開に大きな期待が寄せられています。