車のメンテナンス
更新日:2025.08.05 / 掲載日:2025.08.05
三菱パジェロ復活へ。見えてきた“本気のクロカン”の輪郭

その名を聞いて心が騒ぐ人も多いはずだ。三菱の名門SUV「パジェロ」が、ついに再始動する。編集部が独自に掴んだ情報を総合すると、開発は最終段階に入っており、2026年内の市販化が有力。すでに欧州や東南アジアでのプロトタイプ走行テストも確認されており、満を持しての復活劇が現実味を帯びている。
目指すのは「らしさ」の再定義だ。近年のSUV市場は乗用車ベースのモノコック構造が主流となってきたが、新型パジェロは明確にその流れに抗っている。採用されるのは、三菱の新型ピックアップ「トライトン」と同じラダーフレーム構造の採用が濃厚だ。
加えて、三菱がアジア市場で投入したコンパクトSUV「エクスフォース」や、ミッドサイズSUV「デスティネーター」といったモノコック系とは異なり、新型パジェロはまったく別ラインの開発車両だ。過去のパジェロと同じく、悪路も本格的に走れる道具として生まれ変わろうとしている。
パワートレインも注目ポイントだ。現時点で有力視されているのは、2.4リッター直4ディーゼルターボ(204ps/47.9kgm)。耐久性と実用トルクを重視したこのユニットは、最新のトライトンにも搭載されている。組み合わされるスーパーセレクト4WD-IIは、路面状態を問わず確実に駆動を伝える“生粋の四駆機構”であり、かつてのパジェロファンを納得させる要素が揃う。
ボディサイズも一回りスケールアップする見通しで、全長は5100mm級、全幅は1930mm前後。ホイールベースも3000mm超とされ、ランドクルーザーやパトロールに近いパッケージを持つ。
見た目もまた、原点回帰と刷新のハイブリッドだ。スクエアな輪郭と直立したフロントグリル、力強いフェンダー造形に、現代的なLEDランプやフローティング風ルーフラインが組み合わされる。武骨でありながら洗練されており、名門の帰還にふさわしい表情を備える。
開発の初期ターゲットは海外市場だが、日本導入についても社内では「大いに前向き」とされている。エクリプスクロスやアウトランダーでは届かなかった層へ、ブランドを再び根づかせるには、パジェロという名前が必要なのだ。
「懐かしい」だけでは終わらせない。走破性・実用性・存在感、すべてを背負って戻ってくる新型パジェロ。その姿が見える日が、確実に近づいている。