中古車購入
更新日:2018.11.22 / 掲載日:2014.06.20
こだわり命!のクルマ「大人買い」

世の中に大量のクルマがあるなかで、あなたは妥協してクルマを選んでいないだろうか。多くの車種の中から自分らしいクルマを選ぶためには、こだわりを持つことが大切。今回は、大人がクルマ選びを楽しめるこだわりのテーマを提案していこう。
男40代、クルマ選びの極意は“人と違うこと”にあり
アラフォー、あるいはアラフィフ世代など、ある程度人生経験を重ねた大人であれば、クルマ選びにもそれなりのこだわりがあるはずだ。家庭や世間体などのプレッシャーに負けて、定番モデルや売れているクルマを選んでしまっては、カーライフがつまらなくなってしまう。
今回本誌では、多少セオリーから外れていても、こだわりを捨てないクルマ選びを提案する。自分らしく、心地よく、楽しく走れて、カッコいい。自分自身がそう思えるクルマ選びを突き詰めていく、「自分スタイル」でクルマを選ぼうではないか!
ということで、9人のスペシャリストに、各人の得意ジャンルに関する、こだわりのクルマを3台づつ選んでもらった。中には、高価であったり、流通台数が少なく探しづらいモデルもある。しかし、ニッチなモデルだからこそ、「クルマを買う歓び」もそれなりに大きいはずである。「大人買い」といえば、幼少期に購入できなかった商品を大人の豊かな経済力で手に入れることだが、ここでは、若い頃にできなかったドラマチックなクルマ選びを大人になった今実現することと定義した。大人のクルマ選びの最大の焦点は、自分を喜ばせることができるかどうかだ。
フェラーリ教の開祖が堪能したフェラーリのような官能を味わえる国産車

「エンジンはクルマの命です」
Profile : 自動車ライター 清水草一
本誌でもお馴染みのベテラン自動車評論家。特に中古フェラーリへの思いは深く、大乗フェラーリ教開祖を名乗り、過去に10台乗り継いできた。
国産車にフェラーリのような快感を味わえるクルマはあるのか?
ある。もちろんフェラーリ並みとはいかないが、同じベクトルの快感があるクルマは、いくつか存在する。
フェラーリのもたらす快感は、まずなによりもエンジン、なかんずくエンジンサウンドにある。国産車で最もすばらしい快音を奏でるのは、文句なしにレクサスLF-Aで、そのサウンドはフェラーリをも超越しているが、価格的にフェラーリよりハードルが高いのが難点。そこでおすすめなのが、そのセダン版とも言うべきレクサスISシリーズのレクサスIS-Fだ。
エンジンは5L V8。サウンド作りにも徹底的にこだわっていて、その男っぽく突き抜けるレーシィな快音を初めて聞いた時は、「こ、これがトヨタ車か!」と震撼した。
続いてエンジン命のメーカー・ホンダの代表として、アコードユーロRを挙げよう。コイツには4気筒のフェラーリエンジンと言ってもいい趣があり、トランスミッションも6速MTのみ。男がこだわりを持って乗るべき、素敵なスポーツセダンだ。
そして3台目は、マツダRX-8。ロータリーエンジンはフェラーリとは別種の電気モーター的な回転感だが、このハンドリングの良さと独創的メカやスタイルには、フェラーリに通じる誇り高さを感じる。
3台とも、わかる人にしか理解されない面はあるが、男のこだわりとはそういうものなのだ。
こんな人にオススメ
エンジンで昔から多くの人を虜にしてきたフェラーリは、レーシングマシンをそのまま売っていた歴史を持つ異端ブランド。
1. アクセルをグッと踏んだ時の快感にこだわる人
2. 運転中聞こえてくる排気音を追求したい人
3. 自動車ブランドの歴史や伝統に惹かれる人
クルマを運転していて「気持ちいい」と感じられる部分は人それぞれだが、エンジンの回転フィールやサウンドを挙げる人は多い。ハイパワーモデル好きや、マフラー交換を施そうと思ってる人に、上記モデルはおすすめとなる。また、フェラーリに限らず欧州車好きは、その歴史に惹かれるという人も多い。マツダのロータリーやスバルの水平対向など、魅力的なヒストリーを抱える日本メーカーも知るといいだろう。
レクサス IS-F
「F」ブランドのプレミアムスポーツ
ISをベースにスポーツチューニングを施したハイパフォーマンスセダン。423馬力を発揮する5.0L V8エンジンや8速AT、専用サスペンションなどを備える。希少モデルで相場は350万円以上だが、新車時の半分以下で購入できる。
中古車相場:368万~505万円
大人のこだわり
高級セダンの皮を被ったハイパフォーマンスモデルで、極上のエンジンサウンドを奏でながら、高級感も走りもスーパーカー級。
マツダ RX-8
マツダが世界に誇る孤高の存在
最後のロータリーエンジン搭載車として03年に登場。シャープな走りの4ドアセダンで、8年の長きに渡って生産された。ロータリーということで走行距離の少ない物件は高価なまま。
中古車相場:36万~229万円
大人のこだわり
ロータリーエンジンでしか味わえない加速感やエンジンフィールは、それだけで買い。4ドアということで家族のいる人でも購入しやすい。
ホンダ アコードユーロR
ホンダ流スペシャルエンジンを搭載
02年~08年に販売されていた7代目アコードに設定されるスポーティグレード。シビックの「タイプR」同様スペシャルチューンが施された高回転型エンジンに6速MTが組み合わされる。
中古車相場:45万~205万円
大人のこだわり
数あるグレードのなかでもユーロRにのみ搭載される2.0Lエンジンは220馬力のハイパワーを発揮。回して気持ちのいいエンジンだ。
カーデザインのプロも見惚れた“本物”のデザインを持つ美しき国産車

「本物を見分けるのが大人である」
Profile : 自動車評論家 前澤義雄
元日産のデザイナーで、初代プリメーラやZ32などを手がける。退職後は評論家として、国内外の自動車誌においてデザイン評を寄稿している。
自分は現役時代、いくつかのモデルのデザインをまとめたが、そのどれにも納得はしていない。デザイン上の傑作を世に送り出すのは、デザイナーの力量だけでなく、社内事情や運などの要素も大いにかかわってくる。
そんな中、歴代国産車を俯瞰すると、いくつか傑作と言える作品が存在する。
まず、スバルの軽自動車、R1。あのキマリ方、あのデザイン。これほどの傑作はそうない。あの全高でバックの傾斜やフロントへの流れが完璧に仕上がっている。デザイナーは常に自分が一番と思っているから、他人の仕事には厳しくなるものだが、つい惚れ惚れする。スペース性を求める軽自動車市場では受け入れられずに短命に終わったが、名作の一台だ。
続いて、スカイラインシリーズV35のスカイラインクーペ。これはクルマとしてのプロポーションがしっかりしている。具体的には、面構成がクリスプ、つまりパリパリしていながら、張りのある面構成でまとめている。部品も適当に配置されていて、スポーティさも感じる。腰の部分の力がしっかり感じられて、女性の魅力的なヒップを思わせる。レベルの高いデザインだ。
そして真打ちは、トヨタ2000GT。ちょうど自分がデザイナーとしてプリンス自動車に入社したころの作品だが、国産車でこんなものができるのかと、呆然とする思いだった。これ以上のデザインは、未だ出ていない。
こんな人にオススメ
年を重ねると、高級ホテルに愛車を横づけするなんてシチュエーションも。そんな時、美しいスタイリングが本領を発揮する。
1. 周囲に対してそれなりに見栄を張りたい人
2. クルマに対する思いを人にアピールしたい人
3. 常に身だしなみを気づかう大人でいたい人
社会的にもある程度の地位を確立した大人であれば、愛車は人から見られてもそれなりに見栄のはれるモデルを選びたいもの。
また、デザインにこだわりのあるクルマ選びをすることで、クルマへの情熱を感じとってもらえたり、プアな雰囲気を払拭することだってできる。さらに、愛車のスタイリングにこだわり続けることで、ファッションや身だしなみに対する気づかいも忘れないでいられるかもしれない。
日産 スカイラインクーペ(先代型)
伝統を覆したを新世代デザイン
それまでのスカイラインの歴史を覆すような変身を遂げたV35型。そのクーペモデルは、セダンから半年遅れて03年1月に登場した。3.5L V6エンジンに5速ATと6速MTを組み合わせる。流通台数は多くはないが、相場は高くない。
中古車相場:45万~170万円(セダン含む)
大人のこだわり
クーペとしてバランスのとれたスタイルで、「ベストバランスのプロポーションにハリのある面と部品の構成はミゴト」(前澤氏)
スバル R1
21世紀の「てんとう虫」として誕生
往年の名車・スバル360のデザインイメージを現代に蘇らせた4人乗り軽自動車。R2の2ドア版として05年に販売開始された。流通物件は少なく、高年式モデルは高値を維持している。
中古車相場:47万~115万円
大人のこだわり
「プロポーションのメリハリと面の構成のバランスのよさは魅力の極み」(前澤氏)という軽自動車としては革新的なデザインを持つ。
【番外編】トヨタ 2000GT
日本自動車史に輝くスーパーカー
1967年から1970年の間に337台のみ生産された高級GTモデルで、日本初のスーパーカーとして映画『007』にも登場している。現在は博物館などにも置かれているクラシックカーだが、市場に出回れば1億は超える価値があるといわれる。
中古車相場:流通物件なし
大人のこだわり
デザインだけでなく存在自体が“本物”で、「スポーツカーの魅力の神髄を日本のクルマの黎明期に生み出した驚き」(前澤氏)
スバルマニアもうならせたマニアが泣いて喜ぶニッチなモデル

「マニアからもマニアと思われるチョイスです」
Profile : 自動車ライター マリオ高野
所沢で極貧生活中の自動車ライター。スバル車をこよなく愛し、20年以上もの間スバル車だけを所有し続ける。
まずおすすめしたいのは、日本でもっとも安く買える6速MT車であるトヨタiQの130G。欧州市場での拡販を狙ったせいか、ドイツ車のように硬質で節度感に溢れたシフトフィールが他のトヨタ車とは一線を画す。
続いて、人気が高い現行型インプレッサシリーズの中でも少数派となるセダンのG4。さらにMTとなると月産10数台程度で、なんとフェラーリよりも少ない台数しか生産されない希少車となる。CVTとの組み合わせでは刺激に乏しいエンジンも、MTだと別モノのように痛快な回転フィールが楽しめる。ほとんど誰にも知られていないため、自分だけが密かに味わえるという喜びも得られる。
さらにマニアックなのは、2代目ロードスターに設定された10周年記念モデル。これはピストンなどの主要部品の重量をより選った手組みエンジンで、そのフィーリングは販売されてから15年が経った今もレーシーで甘美。限定車ながら世界で7500台も販売されたので、今でも程度の良い物件が少なくない。
こんな人にオススメ
1. クルマ好きからクルマ好きだと思われたい人
2. あまり人が乗っていないクルマに乗りたい人
ある程度クルマ趣味をつきつめていくと、希少なモデルが欲しいという人が多くなる。国産車でマニアックといわれがちなのはスバル車だが、通向けの稀少モデルは他にも多くある。
トヨタ iQ
小さいことが贅沢なプレミアムカー
全長3m以下という軽自動車より短いボディに4座を組み込んだ超高効率パッケージが特徴のマイクロコンパクトカー。09年式に100万円以下の物件が集中している。
中古車相場:65万~118万円
大人のこだわり
1.3Lの6速MT車なら、小さ過ぎるくらいの小型軽量ボディを自在に走らせることが可能。希少性もかなり高い。
スバル インプレッサG4
人気モデルの実用的なセダン版
現行型インプレッサのセダンタイプとして11年に販売開始。エンジンは定評のある1.6&2.0Lの水平対向エンジンが設定されている。MTは10台に1台くらいの割合。
中古車相場:120万~203万円
大人のこだわり
希少なMT車なら、少人数だけが味わえる魅力を堪能できる。見た目では区別がつかないところも通好みだ。
マツダ ロードスター(先代型)
走る歓びを流麗なデザインで味わう
代モデルの特徴である「人馬一体感」を受け継ぎ、ボディ剛性を向上し安全装備の充実化した2代目。「10周年記念車」は99年に世界統一仕様で販売された。
中古車相場:21万~120万円
大人のこだわり
名車・ロードスターの10周年記念特別仕様車ということで、その希少性は、マニアをうならせるに十分。
ベンツSクラスオーナーが味わった天国のような乗り心地の国産車

「足まわりでメーカーの実力がはかれます」
Profile : モータージャーナリスト 岡本幸一郎
自動車マスコミ業界での下積み歴が長く、その間、ほぼすべてのクルマを試乗してきた。愛車はベンツSクラス。
セルシオの静粛性は世界一といえるレベルだし、乗り心地の快適さについても、正直、Sクラスの上をいっている。むろんSクラスは高速走行時のスタビリティが感動モノだけど、それとひきかえに乗り心地にはちょっと硬さを感じるのに対し、セルシオは路面の凹凸をなめるようにいなす当たりの柔らかさがある。とくに3代目の後期型の走行性能と快適性のバランスが素晴らしい。
次いで初代ティアナ。当時おしなべて足まわりが硬くなっていた日本車の中で、昔のセダンのようなフカフカな乗り心地が、かえって新鮮に感じられた。セダンというのはこういう乗り心地が理想では?と思わせる感じ。ただし初代モデル限定だ。
そして「ゼロクラウン」の後期型。前期型は硬すぎて、クラウンなのにこれでいいのか!と思ったほどだったけど、後期型では味付けが変わって、運動性能と快適性が絶妙なバランスになった。中でも3.5のアストリートは、めっぽう速いし、ハンドリングもシャープだし、乗り心地も十分に快適だし、本当に素晴らしい仕上がりである。
こんな人にオススメ
1. 雰囲気の落ち着いたクルマに乗りたい人
2. 極上の乗り心地で運転中に癒されたい人
紳士な大人であれば、落ち着いたクルマに乗りたいもの。極上の乗り心地と格式を備えたモデルに乗りたい人。そして優しい乗り心地で毎日の通勤時も癒されたい人におすすめ。
トヨタ セルシオ
トヨタの「最高」を突き詰めた高級車
当時のトヨタのフラッグシップとなる高級サルーンで、最終型の3代目モデルは06年まで販売されていた。VIPカーとしてドレスアップされている中古車も多い。
中古車相場:22万~249万円
大人のこだわり
世界を魅了した極上の静粛性と乗り心地。トヨタの技術の結晶ともいえるモデルで、特に後期型がすばらしい。
日産 ティアナ(先々代型)
洗練さと品格を持つミドルセダン
「モダンリビング」と呼ばれた内装デザインを持ち、現代サルーンの新しい形を提案した。初代モデルは03年~08年に販売された。100万円以下で物件を選べる。
中古車相場:23万~127万円
大人のこだわり
やわらかく「フカフカした」(岡本氏)乗り心地で、同時期のセダンでは味わえない、「懐かしさ」が感じられる。
トヨタ クラウン(先々代型)
スポーティな外観と極上の乗り味
03年から08年まで販売された12代目となるモデルで、通称「ゼロクラウン」。それまでの昭和風スタイルからイメージを一新し、新世代サルーンとして登場。
中古車相場:42万~192万円
大人のこだわり
足まわりが硬めだった前期型から、後期型では乗り味を改良。走行性能と快適性の絶妙なバランスがたまらない。
※すべての価格は参考価格です

女性自動車評論家が主婦生活で実感した旦那さまが満足できて奥さまも納得してくれるモデル

「奥さまも運転するならこのモデル!」
Profile : モータージャーナリスト 飯田裕子
東京都出身。自動車メーカーに勤務後、フリーのモータージャーナリストに。人生経験も豊富な女性向けカーライフのオピニオンリーダー的存在。
クルマに疎い奥さまにとっては「コスパ」という現実(燃費は少々視界からはずします)と、夫婦でステキなドライブが楽しめそうという「妄想力」をより強く抱けるモデルが、家計のやりくりに積極姿勢を示すカギ。レジェンドはホンダのフラッグシップモデルとして、上質な内装や当時の最新技術SH-AWDなどを採用し、静かでスマート、かつスポーティなドライブフィールを備えていて、お買い得感が高い。さらに、セダン人気が低迷している今、レジェンドなら街馴染みもよく、ご近所に対しても品よく好感度が保てそう。
また、あまりオーバーサイズでないSUVは、奥さまでも運転しやすく、アクティブな印象もそれとなくアピールできます。スカイラインシリーズのスカイラインクロスオーバーは、国産SUVには少ない、大人が「カッコいいから乗りたい」と言えるモデル。北米ではプレミアムブランド『インフィニティ』で販売されているだけに、内装の質感も文句なし。ドイツ系プレミアムSUVに勝るとも劣らない優れたハンドリング性能も持っています。
名車ロードスターは、速度に関係なく運転が楽しいと思えるから男性にも女性にもおすすめ。ファンも多いので、夫婦でファンミーティング的なものをドライブがてらのぞくという「いいオトナのクルマ遊び」も楽しめそう。マニアじゃなくてもそういう楽しみ方ができる、大人にふさわしいモデルです。
こんな人にオススメ
1. 家族の理解を得るためにコスパ重視で選びたい人
2. 一家に一台しか所有できなくて奥さまも運転する家庭
家庭を持つものにとって絶対に無視できないのが奥さまの意見である。自分で貯めたへそくりで一括購入するというならまだしも、家計からクルマ購入費を捻出するとなれば、当然奥さまを納得させる理由が必要である。そんな家庭には、ここで挙げたコスパの高いモデルや、ご近所に見栄の張れるモデルというのがおすすめである。
日産 スカイライン クロスオーバー
伝統的名車から生まれた高級SUV
スカイラインをベースに、クーペの美しいルーフラインを組み合わせたクロスオーバーSUV。4WDモデル「370GT-FOUR」も設定される。中古車流通量は少なめだが、大事に乗られている物件が多い。
中古車相場:200万~345万円
大人のこだわり
乗車位置が高いので見晴らしがよく、実は女性でも運転しやすい。アメリカンラグジュアリーな雰囲気も見栄えがいい。
ホンダ レジェンド
独創の豪華装備を備えた高級サルーン
ホンダのフラッグシップサルーン。04年から12年まで販売されていた最終モデルは、V6エンジンや世界初の4輪駆動力自在制御システム「SH-AWD」などを搭載。初期モデルは100万円を切っている。
中古車相場:67万~371万円
大人のこだわり
最上級モデルにふさわしい高級感を備えていながら相場は高過ぎないので、コスパが高い。安全装備も充実しているので奥さまも安心だ。
マツダ ロードスター
世界中にファンを持つ人気モデル
誕生から25年が経ち、90万台以上販売(2011年)した2シータースポーツモデル。「世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」としてギネスにも登録されている。
中古車相場:112万~253万円
大人のこだわり
車両感覚がつかみやすく、パワフル過ぎることもないので、女性でも思いのままに操れる。大人が乗っても似合うスポーツカーだ。
国際派ジャーナリストが見てきた海外で人気の高い メイド・オブ・ジャパン・モデル

「日本車の実力を感じとることができます」
Profile : 自動車評論家 桃田建史
日米を拠点に、海外モーターショーからモータースポーツまで取材し、各国媒体へ寄稿する国際派ジャーナリスト。
欧米、新興国、経済発展後進国。どこにいっても評価ナンバーワンの日本車。それはランドクルーザーだ。SUV大国アメリカではレクサスLXを名乗る。大御所レンジローバーに比べてリーズナブルだが、タフネスを追求した基本性能では世界トップクラス。ロシアや西アジアの富豪たちにも「ランクル信者」が大勢いる。
セダンなら、間違いなくホンダ・アコードだ。日本で12年まで販売されていたインスパイアが、海外でのアコードである。海外でのホンダブランドは、日本人は想像がつかないほど「最先端」、「上質」、「ファッショナブル」というイメージが強い。それらを凝縮し、ホンダのフラッグシップとなっているのがアコードなのだ。そしていま、2モーター式ハイブリッドを搭載したアコードが、日本を含めてハイブリッド車として登場。同車のプラグインハイブリッドは世界で絶賛されている。もう1台人気のセダンといえば、スバルのWRX STI。ライバルであるランエボの進化が止まってしまった今、スーパーサルーンへの期待はWRX STIに集約されている。
こんな人にオススメ
1. 外国人との会話時の題材が欲しい人
2. 日本の先進モデルについて外国人に解説したい人
仕事で外国人と接する機会が多くあったり、海外出張などが多いビジネスマンにとって、海外でも販売されていてビッグネームな国産車に乗っておくことはいろいろと便利だ。
トヨタ ランドクルーザー
世界に誇る「キング・オブ・4WD」
世界トップクラスの悪路走破性を備えたフルサイズSUV。07年式以降の現行型はまだ高いが、先代型(ランクル100)なら200万円以下で見つけることも可能だ。
中古車相場:334万~648万円
大人のこだわり
センターデフ式のフルタイム4WDなどを搭載し、砂漠の国の人が選ぶほど優秀な悪路走破性の高さを備えている。
ホンダ アコードハイブリッド
世界に名だたるビッグネーム
日本ではフラッグシップサルーンとなった同車の現行モデル。高級車専用の高性能ハイブリッドを搭載する。デビューしたばかりということで、まだまだ高値。
中古車相場:295万~390万円
大人のこだわり
ハイブリッドをはじめとした最新装備や、「最先端」「上質」というイメージが北米のエグゼクティブに人気。
スバル WRX STI
世界トップクラスの加速性能
スバルの象徴的存在で、インプレッサベースのハイパフォーマンスモデル。セダンとハッチバックを設定し、2.0Lターボと2.5Lターボエンジンを搭載する。
中古車相場:35万~410万円(インプレッサ含む)
大人のこだわり
WRC人気の高い英国や、チューンドベースとしてアメリカ西海岸などで人気が高い、世界にも類を見ないスーパーセダン。
レースで活躍する整備士が感心した整備性が高くて壊れにくい国産車

「頑丈なクルマに乗りましょう」
Profile : レースメカニック 稲垣豊治
自動車修理工として47年、レースメカとして30年活躍。現在も「つくばの名伯楽」として関係者から慕われている。
アフターパーツが豊富なマーチはおすすめです。車体も軽いので、タイヤやブレーキへの負担が少なく、部品も長持ちします。もちろん数多く売れたクルマなので中古部品も多く、交換しても安いし、燃費もいい。足グルマとしては最高でしょうね。
あとは、すこし古い軽自動車の良さに感心しています。特にスバルのヴィヴィオなどは、軽量なのにボディ剛性が高いんです。さすがに古さは感じさせますが、4気筒DOHCスーパーチャージャーエンジンもつくりがしっかりしていて頼もしいです。
個人的には日産のキャラバンを、先々代型、先代型、ガソリン、ディーゼルと合わせて4、5台乗り継いでますが、かなりおすすめです。総じて60万kmは走っていますが、壊れたから乗り換えているわけじゃなく、スーパーロングやハイルーフだったりボディ形状を変えて買い換えてきただけです。とにかく頑丈です。動力性能的には2.7Lディーゼルターボが最高ですが、ガソリン車でもよく走ります。走る倉庫としても使えて便利ですよ。
こんな人にオススメ
1. 故障しにくく修理費の安さを求める人
2. 足グルマとして雑に使える2台目が欲しい人
セカンドカーを持てる状況であれば、二台目は家計を考えてランニングコストのかからないモデルを選びたいもの。故障しにくく、修理費用が安いモデルなら、負担も減るだろう。
日産 マーチ(先代型)
基本性能に優れるベーシックモデル
基本性能の高さを誇るコンパクトハッチバック。3代目となる先代型は、老若男女問わないデザインが特徴。01年まで販売されていた先々代型も底値でおすすめ。
中古車相場:13万~109万円
大人のこだわり
長期間、数多く販売されたことで実証されるのが故障の少なさ。また、中古部品が多いので、多少古くても安心。
スバル ヴィヴィオ
業界を席巻したスポーティな軽
98年まで販売された3ドア&5ドア軽自動車。6速シーケンシャルシフト搭載車もあり。派生車の「ビストロ」は、古さを感じさせないレトロなデザインが魅力。
中古車相場:8万~42万円
大人のこだわり
軽量ながら、ボディ剛性の高いしっかりとした走りを持つ。スーパーチャージャー搭載車もキビキビ走れて楽しい。
日産 キャラバン(先代型)
マルチに使える超便利カー
商用バンから乗用ワゴンまで多彩なボディタイプを揃えるワンボックス。12年まで販売されていた先代型は人気が高く、程度の良い物件はすぐ売れてしまう。
中古車相場:72万~202万円
大人のこだわり
頑丈で燃費がいいので、ランニングコストがお得。当然車内も広く、多用途に使えることから、趣味人におすすめ。
COLUMNなぜこだわり派は輸入車を選びがちなのか?
文/輸入中古車研究家・伊達軍曹
北米はそうでもないが、欧州の道路は日本のおおむね1.3倍以上の速度で流れているという。そういった速度レンジを主眼とする欧州車は、さすがに高速域で何かと余裕がある。そのあたりが、クルマ好きが輸入車に乗りたがる理由のひとつだろう。またデザインも、特に内装は「輸入車のほうが圧倒的にハイセンス」とする者が多い。
しかし、速度というのは常にぶっ飛ばすものでもないし、最近の国産車もほとんど遜色はない。またデザインも「好みの問題」という面が強い。ということで、結局は「少数派である」ということが、輸入車の本質的魅力なのだろう。要するに「他人と同じなのがイヤ」ということだ。
しかし個人的には、わざわざ輸入車で少数派を気取るのも疲れたというか、カッコ悪いような気もしてきている。国産車にも魅力的な、「個性派」「少数派」が存在するのだから。

欧州はクルマ発祥の地であるほか、ドイツ車などは速度無制限道路「アウトバーン」を走行することを基本に開発されている。異文化への憧れから輸入車に惹かれる人も多い。
※すべての価格は参考価格です

プロカメラマンが認める 被写体として美しいフォトジェニックな国産車

「名車は写真にも映えます」
Profile : フォトグラファー 池之平昌信
「走る芸術」と呼ばれるF1を25年以上撮ってきたレースカメラマン。現在はF1のほか、自動車専門誌や一般誌などでレース以外の撮影もこなす。
クルマは外見重視で選ぶべきだと思う。「美しい」、「カッコいい」と思えるクルマは、洗車にしろメンテにせよ、愛情を注ぎ大切にすることができるからだ。そして、毎日見ても飽きない、見るたびにときめくようなクルマというのは、写真に撮っても当然美しく「フォトジェニック」だと言える。
三菱のランサーエボリューションを見ると、かつて撮影したWRC(世界ラリー選手権)が思い出される。世界の檜舞台で戦い、大成功をおさめたランエボのスタイリングは、戦闘的でありながらまぶしく輝いている。WRCの名場面に思いを馳せながら、自分で操ることができるというのも、ファンにとっては最高の体験だろう。
また、ロードスターのようなオープンカーも撮影に映える。ちょっとしたカメラを積んで、美しい草原など絶景ポイントまでのドライブだって楽しめる。もちろん助手席にフォトジェニックな美女もいたら言うことなしだが、美女をゲットしたからオープンカーを買う、という順番でもいいだろう。やはりオープンカーは他人にも見られるクルマだから。
レースや女性には興味がないストイックな方なら、SUVがおすすめだ。風景写真業界には「暑い時は南へ行け、寒い時はより寒い北へ行け」という格言がある。極限の風景のなかでは、たくましいクルマが映える。そこまでの道中も心配のない4WDモデルがいいだろう。
こんな人にオススメ
富士山だけの写真なら誰でも撮れるが、愛車とともに撮れば世界で一枚の写真ができあがる。写真映えのいいクルマを選びたい。 撮影/池之平昌信
1. カメラが趣味で愛車を美しく撮りたい人
2. 美しい風景を探して頻繁にドライブをする人
3. 伝統や歴史を持つクルマこそ美しいと思う人
クルマ好きでカメラが趣味という人は多い。多種多様なデザインがあるクルマは被写体として映えるし、撮影の際の移動の手段としても使えるなど、クルマとカメラは親和性が高いのだ。また、「ファインダーのなかでより美しく輝くクルマ」となると、デザインとともにヒストリーが必要となってくる。ただカッコいいだけでなく、そのクルマが持つ伝統や歴史が、同車を被写体としてより輝かせてくれるのだ。
マツダ ロードスター
世界を魅了した2シーターオープン
ライトウェイトオープンの魅力を世界に気づかせた名車。05年登場の現行型は、初代をモチーフにしたデザインに回帰。05~07年式であれば200万以下で程度のいい物件が見つかる。
中古車相場:112万~253万円
大人のこだわり
草原など広がりのある風景にぴったりなオープンモデル。オープン状態での走行は、雨さえ降らなければその風景を堪能できる。
三菱 パジェロイオ
ジャストサイズの名SUV
パジェロの5ナンバー版で、98年にデビューして、07年まで販売されていたコンパクトSUV。手頃なボディに本格的4WDを備えており、いまだにファンから人気が高い。
三菱 ランサーエボリューション
戦闘的ルックスが男を魅了する
ランサーベースのハイパフォーマンスセダンで、2.0Lターボエンジンを搭載する。価格と程度のバランスがいい、01年のVII、03年のVIII、05年のIXといった第三世代が狙い目となる。
中古車相場:60万~370万円
大人のこだわり
F1は実際に乗れないが、WRCはベースモデルに乗ることができる。戦闘的なスタイルからは、WRCの名シーンが思い起こされる。
プロのバイク乗りが実感した バイクのような走りの爽快感を味わえるモデル

「クルマでも刺激的な走りを味わえます」
Profile : モータージャーナリスト 西村直人
バイクとクルマに精通し、2輪界のF1と言われるMotoGPマシンへの試乗経験を持つ。東京二輪車安全運転推進委員会の指導員も務めている。
「バイクのような~」というテーマに則して3つの評価軸をおいた。
まずは、リッターバイクのような豪快な加速が味わえる爽快感だ。2世代前のインプレッサにラインナップされていたS203がこれに当てはまる。461万円という価格ながら発売から約1ヶ月で完売した555台の限定車で、完全重量バランスが図られたピストンと手組みのエンジンに加え、ボールベアリング式タービン、専用ピロ足など、もともと豪快な走りをみせるインプレッサに緻密な塊感が与えられた。
次に挙げたいのが、風と戯れることのできる爽快感。これはダイハツ・コペンで味わえる。世間では登場間近の2代目に話題が集まっているが、適度なユルさが残された初代の走り(オープン時)も捨てがたい。今はなき直列4気筒ターボは、同じく直4エンジンの600~750ccバイクが奏でる高周波の金属音と低音が入り交じったようなメカニカルサウンドを発し、積極的にアクセルを踏みたくなる。
最後の評価軸は、手足のように動く爽快感である。これを実感できるモデルといえば、スイフトシリーズのスイフトスポーツだ。CVT仕様はトランスミッションと補機類がかさむため車両重量が20kg重く、フロントサスの減衰特性も違う。そのため回頭性では鼻先の軽い6速MT仕様が上。曲率のきついコーナーであれば、さらにそのメリットは大きくなる。
こんな人にオススメ
1. 若い頃にバイクに乗っていた人
2. 走りの爽快感を追求したい人
アラフォー以上の世代といえば、若い頃にバイクにハマっていた人も多いはず。上記モデルはまるでバイクに乗っているかのような「走りの気持ち良さ」を味わえるクルマで、これらを選択することで、あの懐かしい快感を、もう一度味わうことができる。もちろんバイク乗りじゃなくても、走りの爽快感を味わいたいならおすすめだ。
スバル インプレッサ S203
高回転域の加速フィールが魅力
先代インプレッサWRX STIをベースに、05年に発表された限定車で、コンセプトは「グローバルピュアスポーツセダン」。欧州プレミアムスポーツセダンと競合できる走行性能と洗練さの両立を目指した設計としている。
中古車相場:240万~290万円 ※写真はWRX STI
大人のこだわり
320馬力を発揮するチューンドエンジンが生み出す加速感は、まさにバイクのように刺激的。高回転域の気持ち良さも追求されている。
スズキ スイフトスポーツ
コンパクトスポーツの国内最高峰
走りの良さに定評があるスイフトのスポーツ性能をさらに向上。専用チューニングを施した1.6Lエンジンを搭載する。流通量があまり多くないので、相場も高値を維持している。
中古車相場:137万~157万円
大人のこだわり
軽量かつスポーティな6速MTモデルを選択すれば、まるでバイクのように自在に操ることができ、コーナリングが楽しくなる。
ダイハツ コペン
最小オープンという唯一無二の魅力
軽のハードトップオープンモデルで、5速MTと4速ATを設定。12年4月の生産終了以来高値を維持してきたが、2代目モデルの登場により、7月以降相場に動きがあるかも。
中古車相場:54万~190万円
大人のこだわり
軽量ボディに適度にパワフルなターボエンジンの組み合わせで、風を感じながら気持ちのよいドライブを堪能できるのが魅力。
まとめ
人と違うモデルを選ぶという大人ならではの余裕とプライド
冒頭で、大人のクルマ選びの最大の焦点は「自分を喜ばせることができるかどうか」だと述べたが、ここまで紹介してきた中で、心にひっかかるテーマはあっただろうか。もちろん、ここで挙げたクルマを購入する必要はまったくないのだが、やはり大人である以上、自分らしさを追求してクルマ選んで欲しいものである。
人と違うクルマに乗れることも、大人の余裕である。また、好きなクルマにこだわることは、大人のプライドでもある。自分ならではの、「こだわり命」のクルマ選びを楽しんでほしい。
※すべての価格は参考価格です