新車試乗レポート
                    
          更新日:2018.11.30  /  掲載日:2013.11.21      
フォルクスワーゲン ゴルフ GTI 試乗レポート
                                                  よくできた新型ゴルフそのハイライトがこれだ!
素材レベルから大刷新を行った新型ゴルフ。大幅な軽量化と効率性が突き詰められたニューモデルに早くもスペシャルモデルの「GTI」が登場!デキのよさを披露した。
 予定どおりと言ってしまえばそれまでだが、新型ゴルフにもGTIがラインアップされた。発売開始は9月25日で、すでにその前からの受注を含め800台のオファーがあったというのだから驚きだ。ゴルフのスペシャルスポーティモデルといえるGTIだが、街で多く見かける日は近いだろう。笑顔で誇らしげなユーザーの顔が目に浮かぶ。
 さて、新型の中身だが、そこもまた予定どおりである。エンジンは既存の2Lユニットをスープアップしたもので、シリンダーヘッドのみ手を入れた。昨年のパリモーターショーでコンセプトカーを、今年のジュネーブショーで市販車を発表してきたものとほぼ同じ内容だ。
 逆に言うとそれはすごいことである。予想どおりのことが行われながら、これだけの注目を集めるからだ。つまり、それだけ多くの人が待ち望んでいたクルマということになる。
 その2L直4ターボは、220馬力を発揮する。従来型が211馬力だから進化の跡は見える。トルクも35.7kgmとなり、こちらは7.1kgmの向上となった。燃費もそもそも高効率のTSIユニットに6速DSGを組み合わせ、さらにアイドリングストップ機構や回生ブレーキをつなげたのだからすごい。JC08モードは15.9km/L。従来型が10.15モードで13km/Lだったことを考えても効果は大きい。
                                                                 こいつの真骨頂は走りにつきる。インポーターもそれをわかっていて、メディア向け試乗会は富士スピードウェイのショートサーキットを使って行われた。よって、このページのメインカットはこうなる。なかなかの迫力だ。その意味からも、ハンドリングを堪能するのが今回のメインテーマであることは間違いない。
 そのハンドリングだが、走り出した1周目からスタンダードとはちょっと違う気がした。ステアリングのギヤ比が高くクイックさが増している。あとで聞くとプログレッシブステアリングというシステムが付いていた。切り角が大きくなるとギア比が高くなるようにし、スポーツ性を高めるものだ。そのためロックトゥロックも異なる。
 なので、タイトコーナーではそれほど大きく切る必要がなく、はじめは切りすぎてしまった。だが、それも慣れると扱いやすさを感じる。こいつはこのクルマに見合った装備だ。
 それじゃどこまでもスポーティかと言えばそうともかぎらない。4リンクを使ったリヤサスは乗り心地がいい。フロントの荷重を抜いてリヤサスに荷重をスライドさせても、ビクともせずフラットライドに持ち込もうとする。粘り腰でありながらの快適性はさすがといいたい。
 もちろん、そこには電子デバイスがしっかり介入する。ESPのなかに含まれるXDSプラスがどんな状態でも姿勢を立て直そうとする。アンダーステアを消して、よりニュートラルにするこういったシステムで、運転が何倍もうまくなった気になるだろう。意図的にとんでもないことをしなければ、デバイスを上まわって破綻させることは難しく思えた。
 パワートレーンに関してはエンジンレスポンスなどに不満はない。DSGも反応がいい分、パドルを使わなくともそれなりに速く走れる。というか、全体的なトルクバンドの広さとクロスレシオのギヤ比がオートマモードをじつに扱いやすいものにしている。アクセルとブレーキの反応でアップとダウンを繰り返すシフトに大満足だ。それにしても新型は不満箇所を見つけるのが難しいとさえ思えた。あくまでもゴルフらしく真剣に走る楽しみを追求している。
文●九島辰也 写真●GooWORLD
問い合せ フォルクスワーゲン カスタマーセンターTEL:0120-993-199
Detail Check
エクステリア
            エクステリア
電子デバイスが満載されるのも新型の特徴。安心、安全なクルマだ。それでも走りの楽しみを残している仕上がりはさすがのひと言だ。
            フロントグリル内にはもちろん、ボディサイドにも付くGTIのエンブレム。ロゴ自体が大きく変わっていないため懐かしく思える。
コックピット
            コックピット
GTI専用のレザー3本スポーツステアリングを装備するGTI。専用パーツはコレ以外にもシフトノブやドアシルプレートなどが用意される。アクセル&ブレーキペダルがアルミ製と言う演出もある。とにかくスポーティな味付けが印象的だ。
インテリア
            インテリア
シートはもはや伝統的となったチェック柄のファブリック地。どこか懐かしささえ感じるカラーリングだ。レザーシートはオプション。8ウェイのパワー調整もオプションから選べる装備。
ラゲッジスペース
            ラゲッジスペース
分割可倒式になっているのはもちろん、トランクスルー機構も備えるリヤシート。使い勝手に抜かりがないのは言わずもがな。お見事!
エンジン
            エンジン
今回ヘッド部分をメインに変更を行ったTSIユニット。懐の深いユニットであることが今回わかった。
タイヤ
            タイヤ
標準は225/45R17。オプションで18、19インチをそれぞれ装着できるほど懐が深い。
主要諸元:フォルクスワーゲン ゴルフGTI(6速AT・DSG)
| 全長×全幅×全高 | 4275×1800×1450mm | 
|---|---|
| ホイールベース | 2635mm | 
| トレッド前/後 | 1535/1510mm | 
| 車両重量 | 1390kg | 
| エンジン | 直4DOHCターボ | 
| 総排気量 | 1984cc | 
| 最高出力 | 220ps/4500-6200rpm | 
| 最大トルク | 35.7kg m/1500-4400rpm | 
| サスペンション前/後 | ストラット/4リンク | 
| ブレーキ前後 | Vディスク/ディスク | 
| タイヤサイズ前後 | 225/45R17 | 
全国メーカー希望小売価格(発表・発売 2013年9月)
| ゴルフ GTI(6速AT・DSG) | 369万円 | 
|---|
Body Color
|  ■トルネードレッド ■タングステンシルバーメタリック ■ナイトブルーメタリック □ピュアホワイト ■ディープブラックパールエフェクト ■リフレックスシルバーメタリック □オリックスホワイト マザーオブパールエフェクト  | 
個性豊かな走りの魅力は足まわりの懐の深さにある
                                                                小気味のよい走り、力強い走り、そして快適な走り・・・。新型ゴルフGTIは、あらゆる状況でドライバーを魅了する質の高いパフォーマンスを見せる。そして、それを実現しうる高度な足まわりを備えている。サスペンションは、フロント、リヤともに高強度鋼を使用しながら、それぞれ1.6kg、4.0kgもの軽量化を同時に実現している。