車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.27 / 掲載日:2014.12.19
NISSAN NOTE 使って楽しい!乗ってわくわく!

日産のコンパクトカークラスのなかで、すっかりおなじみの存在となったのが日産ノート。使い勝手にこだわったつくりと広い室内が人気を呼び、平成24年には大幅に進化した2代目が登場。選べるボディカラーも豊富で、女性もお年寄りも運転がしやすいクルマとして人気を集めている。
日産 ノートはこんなクルマ!

新車価格帯 139万9680~224万4240円(全グレード)
日産のBセグメントを代表するノートは、バランスの取れた走りの性能と多彩な機能をウリとするモデル。現行の2代目は、直噴+スーパーチャージャーのエコな心臓を主力とする。
上級モデルに匹敵する広々としたインテリア
日産コンパクトの特徴は、ジューク、キューブ、マーチと、とんがった個性を持つモデルを揃えているところ。これらの3車がターゲットを絞れるのは、幅広いユーザーに魅力を提供することができる、大黒柱のノートが存在しているからだ。
Bセグメントのコンパクトカーというと、パーソナルユースのモデルを思い描く人が多い。だが、全長と全高に加えて、ホイールベースにも余裕を持たせたパッケージを採用するノートは、家族ユースでも満足のいくユーティリティを実現している。
現行の2代目は、後席ニースペースを85mmも拡大したのが見どころで、リヤシートは広々!
Cセグメントのティーダを吸収するカタチで、上級グレードのメダリストを新設したのは、ひとクラス上の居住性を備えているからにほかならない。
そんな「使えるコンパクト」でありながら、日常の乗りやすさにも配慮しているのが、ノートの人気のもうひとつの秘密。全高は立体式駐車場に対応する1525mmの設定で、最小回転半径は14インチタイヤ装着車なら4.7m。高めのアイポイントが生む視界のよさも加わり、運転や駐車をイージーにしている。
また、キビキビした走り味も、先代から引き継いだノートの個性だ。Bセグとしては全長がやや長めだが、上級モデルでも車重は1.1トン以下に収まり、軽やかなフットワークと元気な加速を生むポイントとなっている。このように、ノートはどの項目でも高得点をゲット。だれが、どのように使っても満足を提供する、バランス型のコンパクトカーだ。
RIVAL ライバル
トヨタ ラクティス

新車価格帯 161万5091~195万4800円(※全グレード)
3サイズは似ているが背はわずかに高い
ヴィッツと車台などを共用する、トヨタのユーティリティ系コンパクト。全長は4mを切るが、逆に全高は1585mmと高めで、いわゆる「立駐対応」とはなっていない。心臓は1.3L&1.5Lだが、動力性能は小さい1.3Lでも不満なしだ。
ホンダ フィット

新車価格帯 129万9800~217万9543円(※全グレード)
ノートに存在しないハイブリッドを持つ
ユーティリティ系コンパクトの代表格。余裕あるキャビンと広いラゲッジを生み出すカギは、ホンダ自慢のセンタータンクレイアウトにある。ノートにない武器はズバリ、ハイブリッド。価格はやや高めだが、燃費性能に優れる。
マツダ ベリーサ

新車価格帯 160万4880~173万4480円(※全グレード)
デミオをベースにしたおしゃれな小型車
先々代のデミオと兄弟関係にあるモデル。スリーサイズ設定はノートに近いが、ベリーサのアピールポイントはおしゃれに仕立てた内外装で、方向性は異なる。1.5L+4速ATの心臓からもわかるように、メカはひと世代前のものだ。
HISTORY ヒストリー
PAST MODEL
平成17年1月 初代ノートを発売
NEW MODEL
平成24年9月 2代目ノートを発売
平成25年2月 「アクシス」を追加
平成25年12月 一部改良
平成26年10月 マイナーチェンジおよび「ニスモ」を追加
世代別中古車物件比率

先代、現行ともに非常に多くの中古車が流通している。比率は、生産期間が長い先代のほうが多いが、現行型も全体の半数近く存在している。
※すべての価格は参考価格です

2nd 販売期間:平成24年~
ダウンサイジングのエンジンを積み25.2km/Lの低燃費を実現した2代目
動的なデザインをまとって登場した2代目は、先代のコンセプトを引き継ぎながらも、さまざまな性能を大きく進化させて登場。その要となるのが新世代3気筒エンジンの搭載。JC08モード25.2km/Lという低燃費を達成し、エコカーとしての魅力を高めた。
中古車参考価格帯 60万~170万円 (平成24年~平成26年 ※全グレード)
日産 ノートX(CVT)
主要諸元
平成24年式
全長×全幅×全高:4100×1695×1525mm
車両重量:1040kg
排気量:1198cc
エンジン:直3DOHC
最高出力/最大トルク:79ps/10.8kgm
燃費:22.6km/L(JC08モード)
サスペンション前:ストラット
サスペンション後:トーションビーム
ブレーキ前/後:Vディスク/ドラム
タイヤ前後:185/70R14
ダウンサイジングで燃費性能を大幅向上
2代目で大胆な改革を実行したのはエンジン。初代は4気筒1.5L&1.6Lの構成だったが、それを新開発の3気筒1.2Lに切り替えたのだ。ダウンサイジング&レスシリンダーの目的は、言うまでもなく効率の改善。だが、そのままでは走りの性能が犠牲になってしまう。ということで、直噴+スーパーチャージャーを導入したわけだ。グレード名で「DIG-S」を名乗るのがそのモデルだ。
もうひとつの大きな進化は安全。13年末の改良のタイミングで、自動ブレーキを搭載する「エマージェンシーブレーキパッケージ」を設定した。シンプルメカのカメラ式ながら、車線逸脱警報などの機能も備える。また、アクセルとブレーキペダルの踏み間違いによる事故を未然に防ぐメカも同時にオプション設定。たくさんのユーザーから好評を得ている。
EXTERIOR エクステリア
一段とスポーティになったエクステリア
ワンモーションのシルエットは先代の進化型。ボディサイドにキャラクターラインが描く「えぐり」を入れることで、躍動感を強調している。Cd値0.29という優れたエアロダイナミクスも自慢で、高速走行の高い安定性と燃費低減に貢献する。

INTERIOR インテリア

上質感を演出するポイントは、ピアノブラックのパネルやシルバー加飾。丸型スイッチパネルが印象的なオートエアコンも目を引く要点だ。
収納力を高めてさらに使いやすく進化
タイからの輸入に切り替えたマーチが、質感不足で不評を買ったこともあって、ノートの内装は質感重視で仕立てられる。だが、ピアノ調センターパネルやファインビジョンメーターが標準なのは中上級グレード。ベースグレードの印象は異なる。

助手席前の収納は上下2段の構成。どちらも大容量で、身のまわりの小物をスマートに収納できる。ラゲッジも330Lと十分な容量。

幅広いユーザーをターゲットとし、欧米でも販売を行うモデルだけに、基本のデザインはオーソドックス。開放感のあるキャビンが特徴で、クラスを超えた広い後席空間を最大のウリとする。
MECHANISM メカニズム

エコ性能を高めた新パワートレイン
心臓は3気筒の1.2L。79馬力/10.8kg m自然吸気の場合は正直、性能は「必要十分」のレベルにとどまる。だが、直噴+スーパーチャージャーは98馬力/14.5kg mと性能に余裕があり、どんな場面でもストレスのない走りを味わわせてくれる。

自車を中心とする360度の俯瞰画像を提供するアラウンドビューモニターを設定。ナビ画面を利用するタイプのほか、ルームミラー内蔵型も設定し、幅広い対応を取っている。
NISMO

走りを存分に楽しめる5速MT搭載のNISMO
マイチェンを機に追加された生粋のホットハッチ。注目は、専用チューンの1.6L(140馬力/16.6kg m)と5速MTを組み合わせた「S」で、高度なサスチューンに加えて専用のボディ補強も施す。「クルマは辛口に限る」というマニア向けだ。
MARKET REPORT 市場レポート
相場はやや高めだが、数が多くて選びやすい
デビューからそれほど時間が経過していないものの、中古車はかなり豊富に存在する2代目ノート。デビューした平成24年式は一部100万円を切る物件も存在するが、大半は100万円前後が価格の目安となる。グレード間の価格差は大きく、上級のメダリストは平成24年式で127万円が相場。人気のライダーはまだ数が少ないようだ。
走行距離に注目すると、5000km未満では平成24年式が109万円、平成25年式が123万円という価格帯。走行距離を考えると平均的と言えよう。基本的に低走行車が多く、程度良好な車両がほとんど。グレードは、先代から人気のライダーが今回も高値で取引されている。
グレード×年式別相場
平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | |
---|---|---|---|
S/DIG-S | 94万円 | 109万円 | 117万円 |
X/DIG-S | 104万円 | 109万円 | 119万円 |
メダリスト | 115万円 | 127万円 | 145万円 |
ライダー | 127万円 | 138万円 | 166万円 |
走行距離×年式別相場
平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | |
---|---|---|---|
5000km未満 | 109万円 | 123万円 | 130万円 |
5000km~1万km | 114万円 | 118万円 | 131万円 |
1万km~3万km | 107万円 | 111万円 | 106万円 |
3万km以上 | 101万円 | 102万円 | – |
年式
平成24年9月の発売のため、デビュー年式の物件はやや少なめ。もっとも多いのが平成26年式で47%、次が平成25年式で37%となる。高年式ばかりの状況なので、程度も良好。走行距離
登場から2年が経過して中古車の数が増加傾向。それゆえ低走行の物件の割合が非常に多くなっている。5000km未満の物件は41%、1万km未満だと7割近くも存在している。

グレード
もっともベーシックな「S」、標準の「X」、上級の「メダリスト」など豊富なグレード構成だが、中古車の大半は「X」で構成され、「メダリスト」がそれに続く。「ライダー」もわずかに流通。
1st 販売期間:平成17年~平成24年
スペース系コンパクトのブームで幅広いユーザーに支持された初代
もっと広いコンパクトカーが欲しいというニーズに応えたのがノート。既存のマーチよりも居住性を高め、フル乗員でも快適な空間を実現。ライダーやアクシスなど多数の特別仕様を設定し、バリエーションが豊富なのも魅力のひとつ。1台でなんでもこなせる万能選手だった。
中古車参考価格帯 10万~150万円 (平成17年~平成24年 ※全グレード)
日産 ノート 15X(CVT)
主要諸元
平成20年式
全長×全幅×全高:4020×1690×1535mm
車両重量:1100kg
排気量:1498cc
エンジン:直4DOHC
最高出力/最大トルク:109ps/15.1kg m
燃費:19.4km/L(10・15モード)
サスペンション前:ストラット
サスペンション後:トーションビーム
ブレーキ前/後:Vディスク/ドラム
タイヤ前後:175/65R14
ライバルに対して走りのよさをアピール
初代(E11系)のデビューは平成17年。対抗意識を燃やしていたのは、ユーティリティの高さを武器に大ヒットを飛ばした初代フィットだった。「立駐」に対応する全高設定はライバルとの共通項で、バランスを追求したパッケージを特徴とする。
その中で、ノートが強くアピールしたのは走りのよさ。一時はCMで「ビュンビュン系」を名乗ったほどだ。カギとなるのは、余裕の性能を持つ1.5Lユニットの搭載で、1.3Lを主力とする宿敵に差をつけた。
その延長線上にあるのが、1.6Lユニットを積む16RZや、専用チューン1.5Lを積むライダーだったというわけだ。基本的には、ファミリーを中心とする幅広いユーザーをねらいながら、マニアックな要求にも応えたのが、ノートの車種構成の妙味。日産車らしい個性が光っていた。
EXTERIOR エクステリア

シャープな造形で質感あるデザイン
注目はロングルーフを特徴とする2BOXスタイル。そこに余裕のある2600mmのホイールベースと1535mmの全高を組み合わせ、大きなキャビン空間を稼ぎ出すことに成功した。車幅感がつかみやすいヘッドランプマーカーも造形の見どころだ。
INTERIOR インテリア

内装色はベージュ系のほか、ブラック系やバーガンディ系も設定。当時のモデルとしては質感も納得のレベル。
広々した空間は大人4人もOK
ポケット付きのグローブボックス・リッドを見ればわかるが、初代ノートの内装は機能に根ざしたデザイン。上級イメージをウリとするティーダとの棲み分けを図っていた。だが、安っぽい印象はなく、全体として魅力ある仕上がりとなっている。

シルバー加飾を多用することで上級&スポーツグレードは質感をアップ。

豊富な小物収納が、使い勝手のいいコクピットのカギ。とにかく実用的だ。

10年末の改良時にエンジンとCVTを協調制御するECOモードを採用した。
MECHANISM メカニズム
実用重視のトルクフルなパワートレイン
主力ユニットは109馬力/15.1kg mの性能の1.5L。FF車はCVTを組み合わせ、軽快な加速フィールと低燃費を追求している。4WDは現行型と同様の電動式で、こちらのミッションはCVTではなく4速ATとなる。

UTILITY
使い勝手にこだわった2段トランクルーム
多彩なシートアレンジをウリにするフィットに対抗するため、ノートが採用したのは2段マルチトランク。深さ250mmのアンダートランクをリッドで仕切ることで、いろいろな使い方を実現した。シートを倒せばご覧のとおり広く、フラットな荷室を生み出せる。


IMPRESSION
森野恭行の歴代モデルインプレッション
2nd 熟成が進んだ現行型は走りのフィーリングも上質

3気筒特有の振動やこもり音、あいまいな操舵フィールがネガな要素で、デビュー当初のE12系の印象はあまりよくない。だが、改良ごとに熟成が進み、フェイスリフトを実施した最新型ではバランスがより向上した。スーチャーを効かせたときの加速の力感、自然なハンドリング、質のいい乗り心地が魅力だ。
1st ライバルよりパワフルなエンジンで余裕十分な走り
印象に残るのは活発と表現できる加速フィール。約1.1トンの車重に対して、1.5Lの心臓は十分以上の余裕があり、高速でも、峠道でもスポーティな走りを楽しませてくれた。また、サスのしつけやステアフィールも、兄弟車のマーチと比べればずっとしっかりしたもの。走りの総合力は、クラスの中の上位にあった。
※すべての価格は参考価格です
※中古車市場データは、Goo-net 2014年12月調べ