パーツ取付・交換
更新日:2025.05.29 / 掲載日:2018.08.29
カーナビが突然故障したら?よくある症状・原因と対処法、修理費用を解説

カーナビは、運転中の経路案内や周辺情報の提供など、快適にドライブするうえで欠かせない存在となっています。
しかし、毎日使用していると、突然の故障に見舞われることもあります。現在地がずれて表示される、タッチパネルの反応が悪くなる、音声案内が聞こえなくなるといったトラブルを経験したことがある人は多いのではないでしょうか。
これらの故障は、運転の安全性を損なうだけでなく、ドライバーに大きなストレスを与えてしまいます。
そこでこの記事では、カーナビが故障した際にどのような症状が現れるのか、その原因と対処法、修理費用についてくわしく解説します。
よくある7つの症状を取り上げ、それぞれ具体的な原因と対処法を説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. カーナビの故障の症状と原因、対処法7つ
カーナビの故障にはさまざまな症状があり、その症状によって故障の原因も異なります。代表的な症状を以下にまとめましたので、くわしく解説します。
1. GPSの測位不良
2. タッチパネルの不具合
3. 音声の不調
4. 画面の不具合
5. DVD・CD・SDカードの読み込み不良
6. 電源が入らない、すぐに切れる
7. 時計のずれ
順にご紹介しましょう。
(1) GPSの測位不良
GPSの測位不良は、カーナビが現在地を正しく特定できない状態です。
現在地がずれて表示される、まったく表示されない、自車位置マークが動かないといった症状が現れます。
原因としては、GPSの受信感度に問題があるか、GPSアンテナや関連モジュールに故障が発生している可能性があります。
まずはGPSアンテナの接続を確認し、受信しやすい場所へ移動してみましょう。カーナビの再起動も有効な手段です。それでも改善しない場合は、専門業者に相談しましょう。
(2) タッチパネルの不具合
タッチパネルの不具合は、画面に触れても反応しない、反応が遅い、誤作動するといった症状が現れます。
原因としては、タッチパネル自体やそれを制御する回路の故障、内部配線の断線、あるいはソフトウェアの不具合が考えられます。長年の使用による劣化や、強い衝撃が加わった場合にも発生しやすい症状です。
まずはカーナビ本体を再起動し、設定のリセットを試してみてください。それでも解決しない場合は、専門業者への相談が必要です。
(3) 音声の不調
音声の不調は、音が出ない、音が途切れる、音が小さい、ノイズが混じるといった症状です。
スピーカーやアンプの故障、音声出力回路や配線の不具合、ソフトウェアのトラブルなど、さまざまな原因が考えられます。
まずはカーナビを再起動し、音量設定を確認しましょう。スピーカーやアンプの配線に問題がないか確認することも重要です。自身で確認できない場合は、専門業者に相談してみてください。
(4) 画面の不具合
画面の不具合は、画面が映らない、画面がフリーズする、画面が暗い、画面にノイズが入る、画面がチラつくといった症状で現れます。
これらの原因は、バックライトや液晶パネルの故障、液晶パネルを制御する回路の故障、バックライトへの電源供給の問題、映像信号を処理する回路の不具合などが考えられます。
高温多湿の環境や強い振動も原因となることがありますので、車内環境にも気を配りましょう。まずはカーナビを再起動してみてください。改善しない場合は、専門業者に相談しましょう。
(5) DVD・CD・SDカードの読み込み不良
メディアを読み込まない場合、カーナビ本体とメディア両方に原因が考えられます。
本体側の原因としてはレンズの汚れ、経年劣化、機械的故障などがあります。メディア側はディスクやカードの傷、汚れ、挿入不良などが考えられます。
まずはレンズクリーナーでレンズを清掃し(取扱説明書をよく読んで使用し、無理なクリーニングは避けてください)、メディアの状態を確認しましょう。
特定のメディアだけが読み込めない場合は、別のメディアで動作確認し、メディア自体に問題がないか確認します。それでも改善しない場合は故障が疑われるため、専門業者にご相談ください。
(6) 電源が入らない、すぐに切れる
カーナビの電源が入らない、またはすぐに切れてしまう場合は、電源回路の故障、システムの不具合、配線の不具合、バッテリーの電圧低下、ヒューズ切れなど複数の原因が考えられます。
カーナビの電源スイッチ、ヒューズ、バッテリー、配線の接続などを確認しますが、危険を伴う作業になるため、無理せず専門業者に依頼するのが安全です。
(7) 時計のずれ
時計のずれは、カーナビに表示される時刻が実際の時間とずれている状態です。
GPSの受信不良、時計モジュールの故障、バッテリーバックアップの不具合、バッテリーの電圧低下などが原因として考えられます。
まずはカーナビ本体の時刻合わせ機能を使い、現在時刻に再設定してみましょう。GPS信号を受信しやすい場所へ移動するのも効果的です。
再設定しても時刻がひんぱんにずれる場合は、専門業者に相談することをおすすめします。
2. カーナビの故障が直らないとき

カーナビの故障が直らず、自力での対処も難しい場合は、下記の方法で対応を検討しましょう。まず、保証期間内かどうかを確認することが重要です。
(1) 保証期間内ならメーカーに問い合わせる
カーナビが故障したら、まず保証期間内かどうかを確認しましょう。保証書を探して、購入日を確かめてください。
保証期間内であれば、無償で修理を受けられる可能性があります。すぐにメーカーへ問い合わせましょう。修理依頼はディーラーやカー用品店などに委託できます。
メーカーへの問い合わせ方法は以下のとおりです。
1. 保証書を用意する
保証書には、メーカーの連絡先や製品の型番などが記載されています。
2. 公式サイト、または取扱説明書で問い合わせ窓口を確認する
電話、メール、問い合わせフォームなど、都合のよい方法を選びましょう。
3. 問い合わせる
・製品名・型番(保証書に記載)
・故障の症状(例:電源が入らない、画面が映らない、音がでないなど。いつから、どのような状況で発生したかなど)
・購入日(保証書に記載)
・氏名と連絡先
なお、保証期間内であっても、一般的に無償修理の対象となるのは、製品の初期不良や通常使用における故障に限られます。ユーザー側の過失による故障は、保証対象外となる場合があるので注意が必要です。
(2) 保証期間外の場合は修理、または買い替え
メーカー保証期間が過ぎたカーナビが故障した場合、「修理」か「買い替え」の2つの選択肢があります。
どちらを選ぶかは、故障の程度、カーナビの使用頻度、予算、そして最新機種への興味などを総合的に考慮して決定する必要があります。
また、修理と買い替えのメリット・デメリットを、以下の表にまとめました。ただし、買い替えのメリット・デメリットは、購入するカーナビによって異なります。表では、最新機種を購入する場合を記載しています。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
修理 | ・軽微な故障であれば、買い替えより費用を抑えられる ・使い慣れた操作性を維持できる | ・故障の程度によっては高額な修理費用がかかる ・不具合が再発する可能性がある ・修理に時間がかかることがある |
買い替え | ・最新の地図データ、道路情報、渋滞情報などを利用できる ・最新のナビゲーション機能が使える。 | ・新しい機種の購入費用がかかる ・新しい操作に慣れる必要がある |
(3) カーナビの修理を依頼できる業者

カーナビの修理を依頼できる業者には、主にカーナビメーカー、ディーラー、そしてカー用品店があります。
それぞれメリット・デメリットがあり、ご自身の状況に合わせて最適な業者を選ぶことが重要です。
保証期間内であれば、無償で修理を受けられる可能性があるため、カーナビメーカーまたは購入した店舗に依頼しましょう。
保証対象外の故障の場合は修理費用が発生するため、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。修理先によっては、見積もりを取る際に診断料が発生します。
① カーナビメーカー
メーカーの専門技術者による修理なので、高品質な修理が期待できます。純正部品を用いた修理となるため、安心して任せられる点が大きなメリットです。
しかし、カーナビを自分で取り外して送付、修理後取り付ける必要があるため、作業に自信がない場合はおすすめできません。
② ディーラー
カーナビを車両購入時にセットで購入した人は、まずディーラーに相談するのがおすすめです。
ディーラーは、車両だけでなくカーナビに関する専門知識も有しているため、適切な修理や交換を提案してくれます。
カーナビメーカーへ修理依頼する場合はディーラーが代行してくれるため、自分でメーカーに連絡したり、カーナビを取り外して送付したりする手間も省けます。修理後の取り付けもディーラーが担当するので安心です。
ただし、ディーラーは修理の仲介業者となるため、手数料が上乗せされることがあります。
診断の結果、軽微な故障であればディーラー内で修理が完了する場合もあるため、まずは気軽に相談してみるのがよいでしょう。
③ カー用品店や整備工場
カー用品店(オートバックスやイエローハットなど)や整備工場は、カーナビの取り外しから修理依頼、修理後の取り付けまで対応してくれます。軽微な故障であれば、その場で対応してくれる場合もあります。
これらの業者がメーカー修理の窓口となるため、自分でメーカーに連絡したり、カーナビを送付したりする手間もありません。
しかし、業者を経由して修理依頼することで、仲介手数料が発生するため、メーカーに直接依頼するよりも修理費用は高くなるでしょう。
(4) カーナビの修理費用の目安
カーナビの修理費用は、故障の原因や交換部品、メーカー、そして依頼する修理業者によって大きく変動します。
そのため、以下の費用はあくまでも目安としていただき、実際に修理を依頼する際には必ず見積もりを取りましょう。
故障内容 | 修理内容 | 費用目安 |
---|---|---|
GPSの測位不良 | GPSアンテナの故障 | 5,000~10,000円 |
タッチパネルの不具合 | タッチパネルの交換 | 30,000~60,000円 |
音声の不調 | 回路基板 | 3,000~60,000円 |
画面の不具合 | 液晶パネル | 30,000~60,000円 |
DVD・CD・SDカード読込不良 | ・CD/DVDドライブ ・回路基板 | 30,000~60,000円 |
電源が入らない/すぐ切れる | 回路基板 | 3,000~60,000円 |
時計のずれ | ・GPSアンテナ ・回路基板 | 5,000円~60,000円 |
上記に加えて、カーナビの取り外し・取り付け工賃として、5,000~15,000円程度が別途必要になる場合もあります。
3. カーナビの寿命と買い替え時期の目安
カーナビの買い替えは、一般的に使用期間5~7年が目安とされています。これは、部品の劣化や地図データの更新サポート終了時期と重なるためです。
ただし、使用頻度や環境、メンテナンス、用途によって寿命やサポートは大きく変わるため、必ずしもこの期間で買い替える必要はありません。
地図データや機能が古くなったと感じたら、買い替えを検討するタイミングといえるでしょう。
新しい道路や施設の情報が反映されていない、ルート検索の精度が低い、渋滞情報が正確でない、などの兆候が見られた場合は、買い替えを検討する価値があります。
4. カーナビの故障を防ぐためにできること3つ
カーナビの故障を防ぐために、日頃からできる対策を3つご紹介します。
1. タッチパネルは強く押さない
2. 乱暴な運転で振動を与えない
3. 車内での喫煙は控える
カーナビは精密機器であるため、丁寧な取り扱いと適切な環境を保つことが重要です。
これらの対策を実践してカーナビの寿命を延ばし、快適なドライブを楽しめるようになりましょう。
(1) タッチパネルは強く押さない
カーナビを操作する際は、タッチパネルを強く押さず、指先で軽く触れる程度を心がけましょう。
カーナビのタッチパネルは、スマートフォンなどと同様に静電容量方式や抵抗膜方式が採用されています。
とくに抵抗膜方式の場合、強く押し続けると画面の劣化を早める恐れがあります。また、爪やボールペンなどで操作すると、画面に傷がつき、誤作動の原因となるため、指先で優しく触れるようにしてください。
また、画面が汚れた場合は、強くこすったり、化学薬品を使用したりせず、柔らかい布で優しく拭き取るようにしましょう。
(2) 乱暴な運転で振動を与えない
カーナビは車載機器のため、常に振動にさらされています。急発進や急ブレーキ、悪路の走行など、過度な振動はカーナビ内部の部品に負担をかけ、故障の原因となる恐れがあります。
乱暴な運転で振動を与えないよう、安全運転を心がけ、カーナビへの負担を軽減しましょう。
(3) 車内での喫煙は控える
車内で喫煙すると、タバコのヤニがカーナビの画面や内部に付着し、故障の原因となります。
ヤニは静電気を帯びやすく、ホコリを吸着するため、画面の反応が悪くなったり、内部の電子部品に悪影響を及ぼしたりするからです。
車内を清潔に保つことはカーナビの寿命を延ばすだけでなく、車内の快適性向上にもつながります。どうしても車内で喫煙する場合は、窓を開けて換気する、エアコンの外気導入モードを利用するなどして、ヤニの付着を最小限に抑えましょう。
喫煙後に濡れたタオルなどで車内を拭き掃除し、ヤニやホコリを取り除くのも効果的です。
5. カーナビのことはグーネットピットにご相談ください。
カーナビの故障は、運転中の安全性や快適性を損なう原因になるため、日頃から大切にあつかい、故障を発見したら早期対処することが重要です。
しかし、カーナビの故障の症状は複数あり、原因も多岐にわたります。そのため、専門的な知識がなければ自分で原因を特定し、修理するのは難しいでしょう。
もし、カーナビの故障に関してお悩みがありましたら、まずはお近くの整備工場にご相談ください。
グーネットピットでは、カーナビの修理や交換に対応しているお近くの整備工場を多数掲載しています。各店舗の口コミや整備事例も確認できるため、安心して依頼できる整備工場を見つけられます。