故障・修理
更新日:2020.10.28 / 掲載日:2020.10.28
インヒビタOH 中編 スバルサンバーを懐走仕様!
インヒビタスイッチを取り出して、まず行うのは洗浄だ。パーツクリーナーとブラシを使って外観をきれいにすること。インヒビタスイッチはエアクリーナーケースの下部にあるので、ケースから流れ出たオイルミストがここに流れ込んでいるかどうかの判断のためにきっちり洗浄しておく。オイルが付着しているか、流れ込んでしまっているかは洗浄でも判断がつく。
そして筐体をよく見ると、8本の細いネジで固定されている。
プラスドライバーの#1がジャストで、ネジ径は3ミリと思われる。ナメやすいので押し9割、回転1割で抜き始めると、途中で急激に重くなる。抜き留め加工がされているか、ネジロックのどちらかで、この個体はたぶん25歳だろうから相当な熱もかかっているはず。
インヒビタスイッチ本体は2本のボルトで固定されている。若干アジャストができるように長穴加工がされているので位置を確認。
緩める前にシフトを動かしてみると、セレクターの位置から各シフトの位置が判明した。スイッチの接点がこれで分かりやすくなる。
スイッチを外してみると、ミッションに繋がるシフトが露出。インヒビタスイッチに嵌合するように切り欠きがあった。
何度かシフトを動かしている時に気がついたのがニュートラル位置を示す突起があること。これで組み間違えることはない。
本来は非分解のため、接点と電線の接合部分はシリコン系のシーラーでがっちり固められているのが分かる。最悪接点摩耗時は分解か。
スイッチ内部は8本のボルトで固定されているが、ネジロックが最大の難関で、少しでも緩ませるために潤滑剤を注入してしばらく放置。
潤滑剤を入れては放置を繰り返したらようやく蓋が外れた。スイッチの開きが見えるまで約2時間ほど。内部はグリスたっぷり。
接点をよく見るとかなり黒ずんでいる部分がある。セルモーターにかかる電流をすべて受け止めているので、スパークが起きているはず。
回転子をDsの位置で確認したもの。一番外側の3つの端子が電源まわりの導通部分。接点が真っ黒で荒れているのが分かるだろうか。
内側の接点は主にCVT制御のためのもので、大電流がかかっていないために比較的きれいな状態を保っているのが分かる。つづく。