中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.22 / 掲載日:2015.12.25
トヨタ エスティマハイブリッド(2014年9月~)中古車購入チェックポイント
トヨタ エスティマハイブリッド (2014年9月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:G7人乗り(DAA-AHR20W)
初度登録:2014年9月
追加装備:〈メーカーオプション〉パノラミックビューモニター、クリアランスソナー&バックソナー、プリクラッシュセーフティシステム+レーダークルーズコントロール+レーンキーピングアシスト、HDDナビ&パノラミックスーパーライブサウンドシステム(11スピーカー+後席ディスプレイ付)、G-Book mX Pro専用DCM+盗難防止エンジン/モーターイモビライザー+オートアラーム
■全体のチェックポイント
2006年6月から発売してるAHR20W型が、2012年5月に2回目のマイナーチェンジをした後のモデル。車体まわり・室内・装備機器などの状態をしっかりチェックするのはもちろん、肝心なハイブリッドシステムや走行機能も問題がないか確認。参考車両は、追加している安全装備もチェックしたい。
走行機能のダメージにも注意しながらチェック
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、外装に異常がないか観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、ロアグリル、フォグランプ、下側にあるエアスパッツ(タイヤの前にある整流板)などに損傷がないかチェックし、立て付けも調べる。アッパーグリルやヘッドライト、ボンネットもチェック。フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側にあるフェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェックする。
3.関連部の状態もチェック
3.関連部の状態もチェック
ドアは、外面だけでなく、内側(側部のパネル接合部など)も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、車体側のピラー(柱)やサイドシル(梁)なども慎重にチェックする。
4.車体の内側もチェック
ボンネットの内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡などがないか見て、固定ネジやブラケット(支え金具)をチェック。同時に、車体パネルもチェック。最前部で左右に繋がっているラジエターサポート)および関連部品なども、異常がないか要チェック。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラーなどの状態をチェック。バックドア上部リアスポイラーやバンパー下のマフラーの損傷などにも注意。
バックドアは、開閉具合とロッドダンパーの効き具合もチェック。バックドアの内側やヒンジ、ルーフ側ヒンジ固定部周辺もチェック。開口部も、溶接やシーラー、塗装などの異常に注意しながら修理/交換跡などがないか調べる。
6.スライド動作もチェック
スライドドアは、ブラケット(支え金具)やローラー、レール(車体側にあるスライド金具)などをチェック。スライド動作や閉めた時の合わせ具合もチェック。パワースライドドアは、電動開閉機構のほか、イージークローザーや挟み込み防止機能などもチェック。
7.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、ドアとフェンダーに設置しているサイドクラッディングパネルに損傷や修理/交換跡などがないかチェック。車体側のサイドシル(車体の梁)も、損傷、腐食、修理/交換跡などがないか必ずチェック。特に床下側のパネル接合部に注意。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も慎重にチェックする。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
215/60Rタイヤ&17x7Jアルミホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や亀裂などがないかチェック。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体の歪みにも要注意。タイヤの状態によっては、車両安定制御などが正常に作動しなくなることにも注意したい。
アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、縁石などに接触することがあるリムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じる歪みや割れなどにも注意してチェックする。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバー類など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の状態を調べる。
★損傷と修理/交換歴の有無を確認する
エスティマシリーズの「エスティマハイブリッド」は、5ドア・両側スライドドア・ミニバン。エンジンルーム内に2.4Lガソリンエンジン+ハイブリッドユニット。センターコンソール内に駆動用高電圧バッテリー。リアトランスアクスル(後輪駆動装置)内にリアモーター。車両下部およびエンジンルームに高電圧ケーブル。後部デッキルーム(ラゲッジスペース)左側に補機用12Vバッテリーがある。
ディスチャージヘッドランプ、フロントフォグランプ、LEDウインカー付電動格納ドアミラー(左側補助ミラー付)・リバース連動機能付、LEDハイマウントストップランプ付リアスポイラー、LEDテール/ブレーキリアコンビネーションランプなどを全車装備。「G」は、可変配光AFS付ヘッドランプや両側電動スライドドア+電動バックドアなどを装備。参考車両には、フロントグリル下部レーダーセンサー(プリクラッシュセーフティシステム+レーダークルーズコントロール)、フロントウインドウ上部カメラ(レーンキーピングアシスト)、フロント/リアバンパー内センサー(クリアランスソナー&バックソナー)、フロントエンブレム/左右ドアミラー/バックドアカメラ(パノラミックビューモニター)も付いている。
衝撃吸収構造なども注意ポイントといえるのだが、車体構造はともかく、外装だけでなく、走行機能にもダメージがないか注意したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換した箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器類の機能・作動をチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、汚れや傷、損壊などがないか。シートからドア、床、天井まわりまでチェック。ボックスやトレイなどは、内部も見る。シート表皮の染み、破れ。本革部分の擦れ、剥げ。装飾パネル類の割れ、浮き。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などの可動部破損にも注意しながらチェック。
前席周辺だけでなく、セカンドシートのスライド・リクライニング・オットマン、サードシートの床下収納なども試しながら、後部ラゲッジスペースまでチェックする。
2.追加装備の機能も確認
ヘッドランプ、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器。スマートキーの機能と各ドアの解錠・施錠。オートエアコンの自動調整機能や各種調整・設定機能などの具合もチェック。
「G」はHDDナビ&サウンドシステム+バックガイドモニター+ETCを標準装備しているが、参考車両には11スピーカー+後席ディスプレイ付のHDDナビ&サウンドシステムとパノラミックビューモニターが付いている。ナビ機能やAV機能はもとより付随・連携する機能の作動状態を確認したい。
★細部は販売店で調べてもらう
スマートエントリーシステム(運転席・助手席・バックドア)、左右独立温度調整フロントオートエアコン・ナノイー空気清浄機能付、ハイブリッドコンソールボックス、AC100V 1500Wコンセントなどを全車に装備。7人乗りセカンドシートは、リラックスキャプテンシート(ロングスライド・リクライニング・横スライド・オットマン付)。「G」は、リアオートエアコン(リアクーラー+リアヒーター)、本革シート表皮、運転席/助手席パワーシート+快適温熱シート、本革巻き&木目調ステアリングホイール(ステアリングスイッチ付)/シフトノブ、木目調パネル、電動サードシート(6:4分割リクライニング・床下格納)などを標準装備。参考車両は、メーカーオプションのHDDナビシステム&パノラミックスーパーライブサウンドシステム(11スピーカー+後席9型ワイドVGAディスプレイ・リモコン付)、DCM(通信サービス/盗難追跡/ヘルプネット対応)+盗難防止システム(オートアラーム付)、パノラミックビューモニターなどを追加している。
いずれにしても、チェックする車両の装備内容を販売店でまず確認する。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、細部は販売店で点検してもらおう。特に電装機器に異常がないか確認したい。
走行関連機構と制御機能の具合を必ずチェック
1.システムを始動してみる
ハイブリッドシステム始動時は、電子キーとパワースイッチの機能をチェック。表示/警告灯、メーター/インジケーター/ディスプレイの表示なども見る。システムが始動するとREADYインジケーターが点灯するが、状況によってガソリンエンジンが始動することにも注意。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
シフトレバーを操作して、各レンジへのシフト具合をチェック。可能なら、電子制御無段変速、走行制御(坂道発進・登坂・駆動輪空転制御)、ハイブリッド制御、EVドライブモード、SNOWモードなどの機能動作をチェック。各走行機構および車両運動制御VDIMなどの作動・制御具合もチェック。参考車両は、追加している安全装備や運転支援機能なども、異常がないか確認したい。
とはいっても、正常かどうか判断するのはまず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★点検整備状況を確認する
2.4L直列4気筒エンジン+フロントユニット(モーター、動力分割機構、発電機、減速機)+リアユニット(電気式4輪駆動)、ニッケル水素バッテリー、パワーコントロールユニット、電気式無段変速+走行制御機能などで構成したTHS II(トヨタハイブリッドシステムII)を搭載。ハイブリッド作動表示付メーター/ディスプレイ、[EV]ドライブモード、[SNOW]モード、車両接近通報装置・[♪ OFF]、車両運動制御VDIM(EBD付ABS、ブレーキアシスト、電子制御ブレーキシステム、横滑り抑制VSC、空転抑制TRC、THS II、電動パワーステアリングなどを統合制御)・VSC/TRC[OFF]などを装備。参考車両は、メーカーオプションのクリアランスソナー&バックソナー・[SONAR]、ミリ波レーダー方式プリクラッシュセーフティシステム・PCS[ON/OFF]+レーダークルーズコントロール+レーンキーピングアシスト・[LKA]なども追加装備している。
各機構の構造などはさておき、それぞれの機能に異常がないか確認したい。とりあえずエンジンルーム内だけでも見て、走行機構各部の具合と整備状況を販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、走行関連機能をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカー/ディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。走行機構の整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして2006年1月に発売したガソリン車「エスティマ」に続いて、2006年6月に発売したハイブリッド車「エスティマハイブリッド」。2008年12月と2012年5月にマイナーチェンジし、内外装・仕様装備を一部変更。2013年5月に装備設定を一部変更。
●2014年9月に一部装備を変更している。7人乗りは、セカンドシート左右リラックスキャプテンシート・オットマン付。“サイドリフトアップシート装着車”は、7人乗りセカンドシート左席を回転スライドシートに変更。8人乗りは、セカンドシートに6:4分割チップアップシートを装備。
「X」7人乗り/8人乗りは、左側パワースライドドア、フロントオートエアコン+リアクーラー、ウレタンステアリングホイール、オーディオレス・6スピーカーなどが標準装備のベーシックタイプ。
「G」7人乗りは、両側パワースライドドア+パワーバックドア、本革巻&木目調ステアリングホイール/シフトノブ、本革シート表皮、運転席/助手席パワーシート+快適温熱シート、リアオートエアコン、電動サードシート、HDDナビ&パノラミックライブサウンドシステム+音声ガイダンス機能付バックガイドモニター+ETCなどを標準装備した上級タイプ。
「アエラス」7人乗り/8人乗りは、フロントエアロバンパー&グリル、メッキサイドモール、専用アルミホイールなどを装着し、両側パワースライドドア、専用トリコットシート表皮、本革巻ステアリングホイール/シフトノブ、サテン調シルバー加飾付パネルなどを標準装備したスポーティタイプ。“レザーパッケージ”は、アエラス7人乗りに、パワーバックドア、リアオートエアコン、本革シート表皮、電動サードシート、HDDナビ&サウンドシステムなど、Gと同様の装備を追加する。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 定員 | 型式 | シフト | 駆動 |
X | 8人 | DAA-AHR20W | ECVT | E4WD |
X(1) | 7人 | DAA-AHR20W | ECVT | E4WD |
G | 7人 | DAA-AHR20W | ECVT | E4WD |
アエラス | 8人 | DAA-AHR20W | ECVT | E4WD |
アエラス(1)(2) | 7人 | DAA-AHR20W | ECVT | E4WD |