新車試乗レポート[2014.05.22 UP]

アウディ A3セダン 試乗レポート

アウディ A3セダン

「ちょうどいい」サイズでアウディクオリティを満喫

主力モデルのA4が大型化を続けた結果、よりボディサイズの小さな「アウディセダン」に対する需要も生まれた。日本では「ちょうどいい大きさ」となるA3セダン。その魅力はサイズだけではない。

 A3シリーズに新たに加わったのは、クーペ風の流麗なルーフラインを特徴とするセダンだ。ゴルフにはジェッタ(ヴェント、ボーラを名乗った時代もある)という兄弟の存在があったが、A3はこれまでハッチバックとカブリオレ(日本未導入)の構成だっただけに、ちょっと意外に思う人も少なくないだろう。

 カギを握るのは中国を代表とする新興国で、こうした市場ではセダン人気が根強い。拡大する市場でシェアを伸ばすには、コンパクトセダンの存在が不可欠というわけだ。

 でも、この新展開は日本市場にとっても朗報といえる。注目は、全幅を1.8m以下に収めたボディサイズと、334万円を起点とするリーズナブルな価格の設定。「全幅1825mmのA4ではマンションの機械式駐車場に入らない」と悩むセダン派は、とくに大歓迎するはずだ。

 ちなみに、全長もA4セダンより255mm短い設定で、A3セダンは取り回しのしやすさもウリのポイント。それでいて、キャビンやラゲッジの空間は、家族ユースを十分カバーするゆとりを持つのだから、「ジャストサイズのセダン」と言ってもいい。対抗馬のメルセデスCLAはよりスタイル指向が強く、後席スペースに割り切りが感じられるだけに、実用性とのバランスを考える人はアウディに心が傾くことだろう。

 母体は言うまでもなく、新型A3から導入された「MQB」。さまざまなサイズや車型に対応するモジュラーコンセプトを掲げる自由度の高い設計だけに、セダンにすることなど朝飯前といった印象だ。スタイル面では、全高をスポーツバックより低く抑えた点が見どころで、安定感あるプロポーションを形成している。

アウディ A3セダン(背面)

 そんなA3セダンの構成は、スポーツバックでおなじみの4種。抜群の高性能が光るS3を筆頭に、1.8TFSIクワトロ、1.4TFSI、同CODを展開する。シリンダーオンデマンドを意味する「COD」は低負荷時に2気筒を休止して効率アップを図るメカ。ゴルフVIIのACTと同様といえば、わかりやすいはずだ。

 標準1.4TFSIを18馬力/5.1kgm上まわる性能を持ちながら、JC08モード値で0.5km/L優秀な燃費を達成できたのは、このCODのおかげ。4気筒と2気筒の切り替えは体感ではわからないほどスムーズだから、走り味の洗練度にこだわる人にとってもネガな要素はない。

 2気筒走行の場面は想像するよりも広範囲におよび、とくにエコランを心がけなくてもCODの効果が実感できる。しかも、右足に力を込めれば瞬時に4気筒に切り替わり、直噴+ターボならではの爽快な加速感を味わうことができるのだから、CODの魅力の幅はいたって広い。

 そして、セダンならではの魅力といえるのは、ひとクラス上を感じさせる重厚かつ快適な走行フィーリング。キビキビした身のこなしを特徴とするスポーツバックと比べると、セダンの動きは明らかにより落ち着いた印象。タイヤのあたりもマイルドに感じられ、セダンらしい快適な走り味で包み込んでくれる。

 というと、退屈な走りを連想するかも。だが、COD仕様は15mmローダウンのスポーツサスを採用し、17インチタイヤを履くのだから、鞭を入れればスポーティな走りもきちんとこなす。足を締めすぎていないのがいいところで、操安性と快適性のバランスは理想的なものだ。

 もちろん、より高性能を望むファンには、1.8TFSIクワトロやS3という選択肢がある。でも・・・A3セダンのベストバイはやはり、1.4TFSIのCODだと言っていい。

文●森野恭行 写真●内藤敬仁(メインカット)、北川泉
問い合せ アウディコミュニケーションセンター TEL:0120-598106

Detail Check

エクステリア

アウディ A3セダン エクステリア

5ドアのスポーツバックと比べ、全長が140mm長く全幅が10mmワイドな設定だ。逆に全高は45mm低く、伸びやかで安定感あるプロポーションを強調。

アウディ A3セダン コックピット

コックピット

過飾を廃した洗練のデザインと、世界トップレベルの質感が融合。確立された「アウディワールド」が、A3セダンのコックピットでも展開される。シフトセレクター手前には、MMI(マルチメディアインターフェイス)の操作系を配置。

アウディ A3セダン エンジン

エンジン

COD仕様1.4TFSIは140馬力/25.5kgmの性能。ミッションは7速Sトロニックを採用する。

アウディ A3セダン インテリア

インテリア

天井はスポーツバックより低めだが、後席ニールームは十分に広く、大人4人が快適に過ごせる居住性を確保している。CODはフロントスポーツシートやスポーツステアリングを標準装備。

アウディ A3セダン ラゲッジスペース

ラゲッジスペース

FF車は425L、クワトロは390Lの容量。長尺物の積載に対応する分割可倒機構を採用する。

アウディ A3セダン タイヤ

タイヤ

エコ&スポーティの位置づけのCOD仕様は、225/45R17サイズのタイヤを標準装着する。

主要諸元:アウディ A3セダン 1.4TFSIシリンダーオンデマンド(7速AT・Sトロニック)

全長×全幅×全高 4465×1795×1390mm
ホイールベース 2635mm
トレッド前/後 1550/1520mm
車両重量 1340kg
エンジン 直4DOHCターボ
総排気量 1394cc
最高出力 140ps/4500-6000rpm
最大トルク 25.5kg m/1500-3500rpm
サスペンション前/後 ストラット/4リンク
ブレーキ前/後 Vディスク/ディスク
タイヤサイズ前後 225/45R17

全国メーカー希望小売価格(発表・発売 2014年1月)

A3セダン 1.4TFSI(7速AT) 334万円
A3セダン 1.4TFSIシリンダーオンデマンド(7速AT) 374万円
A3セダン 1.8TFSIクワトロ(6速AT) 422万円
S3セダン(6速AT) 577万円

Body Color

 □グレイシアホワイト メタリック  スクーパブルー メタリック  アイスシルバー メタリック
 ファントムブラック パールエフェクト  ダコタグレー メタリック  ブリリアンレッド
 ベルーガブラウン メタリック

自慢の4WDメカを積むクワトロモデルも選べる

アウディ A3セダン

 180馬力/28.6kgmの1.8TFSIモデルや、280馬力/38.8kgmの高性能を誇る2.0TFSIを積むS3には、アウディを象徴するフルタイム4WDのクワトロをドッキングしている。前後のトルク配分を状況に応じて最適化する電制カップリング式で、悪条件下でも高度な安心感と高性能をもたらす。

グーネット編集部

ライタープロフィール

グーネット編集部

クルマの楽しさを幅広いユーザーに伝えるため、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど 様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。 みなさんの中古車・新車購入の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

クルマの楽しさを幅広いユーザーに伝えるため、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど 様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。 みなさんの中古車・新車購入の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

グーネット SNS公式アカウント