カーライフ
更新日:2020.01.08 / 掲載日:2019.10.25

雪道に適しているのは4WD?それともFF、FR?

雪道に適しているのは4WD?それともFF、FR?

グーネット編集チーム

平地の普段は雪の降らない所に住んでいると、雪道対策としては、タイヤを交換したり慎重な運転を心がけるなどの対応のみになる場合がほとんどですが、雪国で暮らす場合や、冬場にスノーレジャーを楽しみたい場合などでは、雪道に適した車選びが必要となってきます。

ここでは、雪道に適した車がどのような車なのか、4WDやFF、FRなどの駆動方式に注目して見ていきます。

雪道に適した駆動方式は4WD

雪道に適した車として真っ先に挙げられるのは4WD(四輪駆動車)です。
前にエンジンがあり、前輪と後輪を同時に駆動させることが可能な4WDは、駆動力を4つに分散して伝えることができるため、エンジンの出力を効率的に路面に伝える点に於いて非常に優れています。

4WDが山道などの不整地に強いのは駆動方式のおかげで、雪道でも例外ではありません。4WDにスタッドレスタイヤを装着すれば鬼に金棒。雪を踏み固めただけの圧雪路はなんなくクリアし、シャーベット状の雪でも、スリップがしにくいというメリットがあります。

ただし、ツルツルのアイスバーンで無茶をすれば、他の車同様にスリップやスピンを起します。デメリットとしては車体が重いので、下り坂での走行に弱いという点があります。

雪道を走行する際は例え雪道に強い4WDでも慎重を要するという点では、他の駆動方式と変わりがありません。

雪道におすすめの4WD車とは?

雪道におすすめの4WD車には以下の車種の名前が良く挙げられます。

スズキ ジムニー

値段も手ごろで新雪でもベタ雪でも走破性に優れています。

三菱 パジェロ

アウトドア用の車種としても知名度のあるパジェロは、雪道用の車としても人気があります。
車高が高いので、50cm以上の雪が積もってしまった場合でも、立ち往生することなく進めるという強みがあります。

スバル レガシィ

「スバル車は雪道に強い」といわれているほど、スバルの4WDは車乗りの間で称賛されています。フロントの駆動力が大きめに設定されているので、滑りやすい路面などでもスリップする確率が低いとされています。

FF車・FR車で雪道は走行できるのか?

雪がめったに降らない平地でドカ雪が降った場合、雪道仕様でない車で走行しなければならないケースもあります。

元々4WD車に乗っているのならスタッドレスを履くだけで十分対策となりますが、FF(前輪駆動)車やFR(後輪駆動)車の場合、どのように雪道を走れば良いのでしょう?

FF(前輪駆動)の場合

車の中で最も多い方式のFFは、前にエンジンがあり、前のタイヤで動く方式です。

雪道は比較的走行しやすいといわれていますが、カーブでハンドルを切る時に、急に切れ込むタックインという現象が起こりやすくなります。
ハンドル操作には十分注意しましょう。

FR(後輪駆動)車の場合

FR車はフロントにエンジンがあり、後輪が動く方式です。
FR車は雪道に一番適さない方式といわれています。駆動側が重い方が車輪と路面の摩擦が強くなるため推進力が高くなるのですが、フロントにエンジンがあるFR車ではパワーを伝える推進力が伝わりません。

また、坂を上る際には後部が左右に揺れ、下り坂では前のタイヤが滑りやすくなる特徴もあり、FR車は雪道では不利といわれています。

FR車の場合はなるべく外出しないに限りますが、どうしても運転する場合は、砂袋を後輪の位置に一つずつ積んでおくと、おもりの役割と、タイヤが空転した時の撒き砂がわりとなります。

ちなみに、BMWに関しては、FR設計でも雪道の性能は高いようです。元々雪の多い欧州ではFR車の支持が高く、メーカー側のFRの雪道に対する努力が大きいことが背景にあります。

FFにしろFRにしろ4WDにしろ、自分の車がどんな駆動方式で動いているか、必ず知っておくことが重要です。

4WDやFF・FRに共通する雪道を走る時の注意点

4WDやFF・FRに共通する雪道を走る時の注意点

グーネット編集チーム

いくら雪道に強い駆動方式の車に乗っているからといって、一度コントロールを完全に失った車を立てなおすのは至難の業です。雪道を走る上での注意点は、駆動方式にかかわらず基本的に同じなのです。
4WD・FF・FRに共通する雪道を走る時の注意点について解説します。

急ブレーキ、急発進、急ハンドルは避ける

雪道に限った話ではありませんが、急ハンドル、急発進や急加速、急ブレーキは厳禁です。車というのは、タイヤとアスファルトの摩擦に頼る部分が大きく、乾燥した道路ではできたとしても、雪道ではすぐに車がトラクション(牽引力)を失います。

発進する時は、クリープを上手に使いながらのスタートが重要です。マニュアル車では、1速ではなく2速発進の方が良い場合もあります。ただし、上り坂などは、一旦スピードに乘ったら、あまり速度を落とし過ぎないことも重要です。また、急ハンドルは控え、十分に速度を落としてから、進路を変えることを心がけてください。

普段よりも前の車との車間距離をとる

乾燥路などに比べると雪道では制動距離が伸びますし、ブレーキを強く踏むということ自体もリスクが高くなるため、車間距離を十分にとることが必要です。雪道では普段以上に車間距離をとって運転するようにしましょう。

自分が前の車にぶつからないようにすることも重要ですが、雪道の上り坂のような場面だと、前の車がスリップして後退してくる可能性もあります。そうした時も車間距離が空いていれば、左右に車線を変えて回避することができます。

車線変更はできるだけ避ける

雪道では、轍ができて、車線変更をすると車がバランスを崩すことも考えられます。もちろん必要最低限の車線変更は問題ありませんが、先を急ごうと無理な車線変更を繰り返すのは控えるべきです。車線変更をしようと急ハンドルを切った瞬間に、車がスリップしてしまう可能性も捨てきれません。

フットブレーキではなく、エンジンブレーキで止まるようにする

エンジンブレーキを有効に使うことも雪道では重要となってきます。最近の車はABSが付いているとはいえ、フットブレーキを強く踏み過ぎると、タイヤがロックしやすくなり、ABSが作動しただけでパニックに陥るドライバーもいるからです。

長い下り坂や前方の車まで距離がある場合は、エンジンブレーキを使って速度を落とすようにすることも重要です。例えば4速AT車なら3速、2速というようにギアを落としていくようにします。ただし、MT車などで突然低いギアに無理やり入れようとするとシフトロックといって、タイヤがロックしてしまうので、注意が必要です。

雪道の種類によって走り方に気を付ける

雪道といっても、場面によって走り方に気を付けるポイントは異なります。あらかじめ気を付けるポイント知っておくことが安全運転の第一歩といえるのです。
雪道における走行場面ごとの注意点について解説します。

カーブを曲がる場合

カーブを曲がる際には、コーナーの中でタイヤに「曲がる」動作に専念させるために、手前で減速しておくことが必要です。コーナーの中でアクセルやブレーキ操作を多用すると、タイヤが対応できずに、スリップしてしまうことがあります。特に、FR車でコーナーの途中で急にアクセルを強く踏むとスピンしやすくなる可能性が高まります。

上り坂や下り坂を走る場合

雪の降っている坂道を走る場合、上り優先というルールを覚えておきましょう。というのも、下りであれば一旦停止しても、車の重力によって自然に再スタートができますが、雪道の上りで一度止まってしまうと、再発進の際にスタックして登れなくなってしまうリスクが大きいためです。
狭い坂道で対向車に遭遇した場合、下りの車が避けて上りの車を通してあげるようにしましょう。

トンネルを走る場合

トンネルでは、入口よりも出口での走り方に注意が必要です。
雪道でも、トンネルの内部は乾いていることが多く、それまでよりもスピードを出しやすくなるため、どうしても出口にむけて速度が上がる傾向があります。しかし、トンネルの出口では再度雪が降っている可能性が高いだけでなく、入口側とは雪の降り方や質、道路状況が全く異なることもあります。そのため、トンネルの出口では十分に速度を落として慎重に車を走らせるようにしましょう。

交差点を走る場合

雪道の交差点も実は危険が潜んでいます。というのも、交通量が集中する交差点の雪は溶けやすくなりますが、夜間や早朝になると、溶けた雪が氷になる可能性があるからです。雪道よりも、アイスバーンや凍った路面、少し溶けかかった状態の方が危険度が増します。
交差点でも気を抜かずに丁寧な運転が必要です。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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