新型車比較・ライバル車対決
更新日:2021.06.29 / 掲載日:2021.06.29
2021注目SUVバトル【6】CX-5 vs CX-8「マツダ同門対決」
SUV市場は、未だかってないほどの実力モデルが集う超激戦区。それゆえどれを選んでもハズレはないが、できれば大当たりを引きたいのは人情だろう。ここでは気になる対決の行方に迫ってみる。
MAZDA CX-5
価格帯:267万8500~375万1000円
全長は4545mmとミドルSUVとしては短め。手頃な大きさのボディサイズと煮詰めたサスチューンのおかげで、キレのあるフットワークが楽しめることも強みの一つ。
MAZDA CX-8
価格帯:299万4200~ 483万4500円
CX-5のボディ後半を伸ばすことで、キャビンスペースを拡大。最大3列7名乗車も可能になっている。走りのキレはCX-5に一歩譲るが、車格やプレミアムSUVとしての資質は明らかに上。
ショートボディのCX-5か? ロングボディのCX-8か?
CX-8は構造的にもデザイン的にもCX-5のストレッチキャビン仕様といっていい。延長されたキャビンとホイールベースによりサードシートを追加していることが実用面の特徴になっている。 CX-5はミドルSUVに分類されるが、アウトドアレジャー向けに特化した部分は少なく、プレミアム&スポーティを念頭に置いたSUVという印象が強い。プレミアム感を求めるユーザーにとって、デザインや性能面で共通点が多いCX-5とCX-8は、お互いが最大のライバルになっており、実用用途面においてもかなり近いため、選び分けが難しくなるはずだ。
MAZDA CX-5
MAZDA CX-8
チェックポイント1/走行性能
軽快さはCX-5が優れるが、CX-8の重厚な走りも魅力大!
走行ハードはほぼ共通したスペックだが、車重は約200kgもCX-8が重い。NAのガソリン車は最終減速比を下げて対応しているが、ターボ車とディーゼルターボ車は共通のパワーユニットになる。ホイールベースは230mmも異なるため、CX-5のほうが動力性能もフットワークも軽快。ただ、CX-5からみるとCX-8のプレミアム感は魅力的。余力感の減少は多少のレベルであり、それよりも重みやサイズがもたらす車格感がCX-8に格上の印象を感じさせてくれる。
チェックポイント2/キャビン&ユーティリティ
プレミアム感を重視するならCX-8のキャプテンシート仕様
前席周りはほとんど差がない。加飾が多少異なるのみでデザインとレイアウトは共通。同じクルマと言ってもいいほどだ。違いを感じるのはセカンドシート以降。CX-8のセカンドシートの位置は最後端位置にセットしてCX-5と同等。つまり、サードシート使用時のセカンドシートは、CX-5よりも実質的に狭くなる。ただ、キャプテンシート仕様は居心地の面だけでなく、室内の雰囲気アップにも貢献してくれる。これを目当てにCX-8を選ぶのもアリだ。
チェックポイント3/装備&機能
運転支援機能と車載ITは、少々物足りなさが否めない
シート関連を除いた設定は、安全&運転支援装備も含めて基本的に共通設定だが、パワーリヤゲートは少し異なる。CX-5は標準的な仕様だが、CX-8はバンパー下に足をかざして開けられるハンズフリー機能が追加されている。 運転支援装備は最新のCTSよりも一世代前のタイプ。LKAは60km/h以上の速度域で車線逸脱予防を主目的とするシステムになる。車載ITはヘルプネットなど他のマツダ車と共通。プレミアムを求めるとちょっと物足りない。
【最終ジャッジメント】ズバリ、ベストバイは?
MAZDA CX-5
CX-8はやや割高感が否めないバランス良いCX-5も魅力的だ CX-8は外観プロポーションやキャプテンシート仕様のインテリアなどで、CX-5よりも上級感を味わえる。ただし同等グレードで比較すると価格差は50万円以上。さらにロングホイールベースのためボディ寸法以上に大きく感じてしまい、狭い場所での取り回しが良くない。価格とボディサイズが気になるならば、無理をしてCX-8を選ぶ必要はない。CX-5でも最近のマツダ車らしい、スポーティやプレミアム感を十分に楽しむことができるからだ。
●文:川島茂夫/月刊自家用車編集部