車のエンタメ
更新日:2021.05.08 / 掲載日:2021.05.08

インフィニティ Q60のドリフト映像、撮影舞台裏のムービーが到着


 先月公開された、インフィニティ Q60のカスタムマシンによるドリフト映像。今回はその撮影の舞台裏とインタビュー映像が公開された。
前回の記事:インフィニティより「D1グランプリ」出場のQ60 横浜でのドリフト映像を公開

 柴田達寛氏のガレージ「R31HOUSE」は、1980年代後半のR31型日産スカイラインを専門に扱うガレージとして、日本では広く知られている。

 「私はレーシングファミリーに生まれた」と彼は言う。「子供の頃は、オイル、ガソリン、煙、ほこりの匂いに慣れ親しみ、将来はレーサーになるか、レースカーを作るつもりでいた」。


 ドリフトレースは、スピードよりもスタイルを重視する。車がどのように横向きに曲がることができるか、どれだけコントロールを失う寸前までいけるか、ということだ。ドリフトカーは、タイヤとエンジンの音で混沌とする中、ダンスを踊るようにミリ単位の正確さでコースを大きく滑っていく。

 このインフィニティ Q60を柴田氏のガレージに持ち込み、モンスター級の改造を施すのは簡単なことではなかった。

 「簡単に言えば、格好いいクルマで勝負したかった」と彼は言う。「(Q60は)インフィニティのラインナップの中で、最も格好いいクルマ。しかし、日本では販売されていないので、アメリカまで買いに行かなければならなかった」

 柴田氏のガレージのすぐそばには、20代前半から集めてきた車がずらりと並んでいる。何百台もの40年近く前の箱型の日産車の中で、Q60は異彩を放っているかもしれないが、柴田氏が手掛ける車にはすべて目的があるという。彼は、ファンのためにクルマを作り続けており、それは幼い頃に彼が父からもらったものを提供するためでもある。

 「父は毎週末鈴鹿でレースをし、これで私を連れて行ってくれた」。ガレージの外には、インフィニティの最高級ドリフトカーと同じレースカラーをまとったヴィンテージの日産サニーが置かれていた。「親父が乗っていた車に乗りたいと思っていたけど、どうせ乗るならドリフトしてみたいと思ったんだ。それで、インフィニティとスカイライン、このサニーを同じ色に塗って、一度にドリフトすることにした」

 柴田氏のクルマは、そのこだわりと希少性で世界的に知られており、その作品は多くのファンを魅了している。彼のショップでは、詳細なスケールモデルやラジコンを製作し、国内外のファンにドリフトの楽しさを伝えてきた。

 彼が作るラジコンは、決して薄っぺらいおもちゃではない。丁寧に作られたハイパワーのマシンは、タイヤを燃やして煙を出したり、横に滑ったりすることができるのだ。夜になると、ガレージはラジコンカーの小さなレース場となり、スタッフの自慢話に花が咲く。

 ガレージでラジコンを使ったドリフト・グランプリに参加したのは、子供のころの蕎麦切 広大。14歳の時には、日本でのランクを一気に上げた。柴田氏はそんな彼を台湾やマレーシアに連れて行き、そこで圧倒的な強さを見せつけた。

 「彼が14歳になる頃、”大人になったら本物のドリフトカーに乗ってチャンピオンになりたい “と言っていた」と柴田氏は語る。「その後成長した彼をここで雇い、本物のドリフトカーでレースをするようになった。そして昨年、ついにD1グランプリデビューを果たした」

 インフィニティ Q60を操る蕎麦切は、経験に裏打ちされた緻密な走りをするが、それは年齢の若さを感じさせない。20代とは思えないほど、レース当日のチューニングでは1300馬力を超えるQ60のハイパワーを尊重し、巻き上がるタイヤスモークの中を慎重に走行していた。

 柴田氏のQ60に対する情熱に報い、インフィニティは横浜本社の近くで特別なドリフトコースを用意し、撮影が行われた。

 寒い夜、ウォーターフロントでカメラに向かって車を走らせると、柴田が製作したインフィニティがシンフォニックなエキゾーストノートとブローオフバルブのチャープ音を、澄んだ夜空に響かせる。柴田がインフィニティ Q60を選んだのは、見た目だけではなく、そのポテンシャルの高さも理由のひとつだった。赤と黄色の柴田Q60のボンネットの下には、ショールームや道路で見られるものとは異なり、V型6気筒ターボエンジンが搭載されている。柴田のドリフトマシンの心臓部は、カスタムメイドで慎重に組み立てられている。

 「このクルマを手に入れたとき、よくできていて、レースカーになる可能性を秘めていると思った」と柴田氏は言う。「乗った瞬間に “これは戦えるクルマだ “と。そのポテンシャルの高さは別次元のものだった」。

 「撮影は緊張したが、強烈な特別感があった」と、ドライバーの蕎麦切氏は言う。かなりの海沿いを走らせることになるが、「これだけしっかりしたクルマなら、自分がミスをしない限り大丈夫だと思った」とQ60の操作性に信頼を寄せハンドルを握った。

 柴田氏は、撮影体験について「機材なんかもすごくて、撮影スタッフもやる気満々の強烈な人たちだった」と振り返る。「まるで映画のワンシーンを撮影しているような、今まで経験したことのない楽しさだった」。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ