新型GR86&BRZの全貌の記事詳細

車種別・最新情報 [2021.05.03 UP]

新型GR86&BRZの全貌

 2009年の東京モーターショーに出展されたコンセプトモデルFT-86で世界の注目を集め、2012年に満を持して登場した現行型初代86とBRZ。スポーツカー復権を掲げた両車の第2世代プロトモデル国内仕様が、先日ついに公開された。その見どころを徹底チェック!

初代の長所が進化した魅力的なスポーツカー

 トヨタとスバルの共同開発で生まれたFRスポーツが2代目に進化。初代はトヨタが企画/デザイン、スバルが開発・生産と役割分担していたが、2代目はより一体感のあるチームで開発を進めたそうだ。ちなみにGR86はネーミングの通り、GRブランドのモデルになっている(初代もGRの血が流れるが、当時はブランドが存在しなかった)。そんな2代目のコンセプトは継承と進化だ。言葉にすると簡単だが、9年の熟成で完成形となった初代のバランスの良さを損なわずにより高みを目指すのは開発陣にとっても至難の業であり、結果として全方位でのレベルアップが必要となった。

 その目玉の一つがエンジンだ。初代は数値を追うモデルではなかったが、「もう少し力が欲しい」と言うユーザーの要望と厳しさを増す環境と燃費の規制に対応するため、高レスポンスや自然な感覚の自然吸気を継承しながらも排気量を2.0Lから2.4Lにアップ。スペックは初代の207PS/212Nmから235PS/250Nmへと引き上げられた。トランスミッションは初代と変わらず6速MT/ATの二本立てだ。

 パワートレーンの進化に合わせてシャシーも大きくレベルアップ。基本構造こそ初代を踏襲しているものの、スバルの次世代プラットフォーム「SGP」で採用された「インナーフレーム構造」と「構造用接着剤」を水平展開。車両重量アップを材料置換(各部をアルミ化)で抑制しながら、より高剛性化。また、初代でアピールしていた低重心もさらに5mm下げられた。サスペンションはフロント:ストラット/リヤ:ダブルウィッシュボーンと形式こそ同じだが、体幹を鍛えた車体に合わせ新たにセットアップ。タイヤは初代の16/17インチから17/18インチと1サイズアップ。18インチ(215/40R18)はミシュラン・パイロットスポーツ4を採用する。

 多くの人が気になっているGR86とBRZの味の違いは初代以上で、今回はエンジン制御、シャシー、サスペンション(バネ/ダンパー/スタビ)、EPS制御などが独自設定だ。筆者は「いっしょにいいクルマつくろう! トークセッション」の参加に際してテストカーに試乗したが、2台の違いは明白。GR86は「ホット/FRらしさ」、BRZは「クール/0:100のAWDのような安心感」が強いと感じた。

 エクステリアは全体的なプロポーションは初代の面影が残るが、よりFRらしく、よりエモーショナルに進化。伸びやかだった初代に対して凝縮されたイメージで、特にリヤ周りの絞られた造形は実際の寸法よりも小さく感じる。また、フロントバンパー周辺も両車で大きく異なる。GR86はGRブランド共通の「ファンクショナルマトリックスグリル」、BRZはスバル共通の「ヘキサゴングリル」を組み合わせるが、初代以上に個性が出ていると思う。

 新型は初代と同じく空力操安にもこだわっている。フロントにはバンパーサイド部分に空力効果を生むシボ加工、リヤはトランクリッドをダックテール形状にしたほか、初代で話題となったエアロスタビライジングフィンも装着。

 インテリアは運転のしやすさを重視した水平基調デザインが特徴で、メーターバイザーも突起を抑えた形状となる。計器類には7インチ液晶+セグメント多機能型デジタルメーターが採用され、直感的な視認性も向上(メーター表示は2種類用意)。また、空調スイッチもブラインドタッチがしやすいように大型化されるなど、細かい部分までこだわっている。

 パッケージングは初代と大きく変わらないので、居住性はほぼ同じ。ただ、フロントシートは刷新されており、ホールド性やフィット感の向上に加えてフレームを含めた剛性アップも行なわれている。初代がこだわった「タイヤ4本搭載可能」なラゲッジスペースも継承されているが、トランク開口部が小さくなっているため注意が必要だろう。

 初代にはなかった運転支援システムも採用され、ATモデルに「アイサイト」を標準装備。カメラの形状から推測するとバージョン3相当のようだが機能は限定(白線認識はしない!?)のようだ。MTへの設定は今回見送られたが、どこかの大幅改良のタイミングで対応されると予想している。

 このように全方位で進化を遂げた2代目だが、心配なのは「価格がどのくらい上がるか?」だろう。装備面の充実で若干アップすると思われるが、両社共に「手の届く価格」と語っているのでそれほど心配する必要はないだろう。新型の発売時期はGR86が2021年秋ごろ予定、BRZが2021年夏の予定となっている。

新型に搭載されるのは2.4L水平対向エンジン

2.4Lの排気量、ボア94.0×ストローク86.0mmから、SUBARUの北米専売の3列シートSUV「アセント」用がベースと思われがちだが、共通なのは基本諸元のみでほぼ専用設計と言っていい。スペックは初代の2.0Lの207PS/212Nmに対して235PS/250Nm。実用域の扱いやすさと2.0Lと変わらない高回転のキレ(レッドゾーンは7400rpmと不変)を両立させたユニットに仕上がっている。重量も2.0Lとほぼ同じだ。

<エンジン主要諸元>
●2.4L水平対向4気筒(筒内直接+ポート燃料噴射装置<TOYOTA D-4S>)●ボア×ストローク(mm):94.0×86.0 ●総排気量(cc):2387 ●圧縮比:12.5●最高出力[ネット][kW(PS)/rpm]:173(235)/7700 ●最大トルク[ネット][N・m(kg・m)/rpm]:250(25.5)/3700

エクステリアCHECK

複雑な曲線で構成された新型のボディ。初代よりもダイナミックな印象だ

 ボディサイズは初代とほとんど同じ新型だが、エクステリアの趣向はかなり異なる。GR86、BRZともに新型はより抑揚に富んだ面構成となっており、肉感的でダイナミックなイメージだ。新型2車の違いは主にフロント周りの造形。端的に言えば、GR86の方がよりサーキット寄りのスポーツ色が強い印象だ。BRZはストリートがとてもよく似合いそうだ。

icon TOYOTA 新型GR86プロトタイプ

初代のイメージを残しつつ、より密度を高めた筋肉質なフォルムに変身を遂げている。

ギュッと絞り込まれたリヤ回り。ダックテール形状のトランクリッドスポイラーを装備。

開口部の広いフロントグリルと左右2本出しのマフラーがスポーティムードを高める。

ベルトラインが高めのため初代より車高があるように見えるが、ルーフ高は5mm低くなっている。

  • GRブランドの特徴的デザイン「ファンクショナルマトリックスグリル」を採用する。

  • スポーツカーらしい精悍な形状のヘッドライト。導光チューブがベゼル部分を彩る。

  • 足元を引き締めるマットブラック塗装のホイール。タイヤサイズは215/40R18だ。

  • GR86のドアミラーはボディカラーと同色ではなく、グロスブラック仕様になる。

  • トランクハッチには、GRと86を組み合わせた専用デザインのエンブレムが光る。

  • GR86にはプライバシーガラスの設定がなく、リヤとリヤサイドガラスは透明だ。

icon SUBARU 新型BRZプロトタイプ

GR86とは意外なほどに異なる印象を受ける。BRZはよりストリートを意識しているようだ。

フロント部からつながる抑揚に富んだ豊かな面が鍛え抜かれたアスリートのようで逞しい。

凝縮した密度の高さを感じさせる。単なるクーペではない、スポーツカーならではの色香だ。

  • スバルデザインの共通アイコンである「ヘキサゴングリル」を流麗にアレンジしている。

  • ヘッドライトはGR86と同様だが、フロント周辺の意匠違いが異なった雰囲気をもたらす。

  • マットダークグレーのアルミホイール。GR86と同様、ミシュラン・パイロット4を履く。

  • フロントのタイヤハウスからつながったエアスリット。空力効果を本気で追求していることが明らかだ。

  • AT車には先進安全&運転支援機能で評価の高い「アイサイト」を搭載。GR86も同仕様だ。

  • GR86とは異なり、BRZはリヤとリヤサイドガラスがプライバシーガラス仕様になる。

インテリアCHECK

新型はより走りに集中できるストイックな空間に進化

視認性に優れ、車両の状況把握もしやすいシンプルな水平基調インパネや、張り出しを抑えて低く設置されたメーター類など、すべてはスポーツ走行を想定してのもの。初代も同じ方向性のインテリアだが、より運転に集中できるようにシートなども含めて刷新された。GR86とBRZの違いは内装色設定が中心。インナードアハンドルはGR86がブラック、BRZはメッキ仕様だ。

icon TOYOTA 新型GR86プロトタイプ

GR86のインテリアカラーは2タイプ。ブラック/シルバーとブラック/レッドから選べる。

  • ホールド性を追求した新シート。シート座面アクセントはガンメタリックとレッドの2種。

  • シートバックを畳めばトランクスルーできるのは初代同様。タイヤ4本の積載が可能だ。

  • 6MT仕様のシフト周辺。ブラック/レッド内装のステッチはレッド。シルバー仕様もある。

  • アルミプレートがスポーティな6MT仕様のペダル。頑丈な作りのフットレストも装備。

7インチTFT液晶に表示されるOPアニメーションは水平対向エンジンの動きをイメージ。

icon SUBARU 新型BRZプロトタイプ

BRZの内装色はブラックが基調。ドアトリムなどのレッドステッチが差し色で効果的だ。

  • シンプルでいて高揚感を掻き立てるOPアニメーション。走り出す前のワクワクする一瞬だ。

  • 7インチTFT液晶を中心にしたメーター。必要な情報を即座に把握でき視認性に優れる。

  • 6AT車にはパドルシフトを装備。進化したスポーツモードの制御がダイレクト感を高める。

  • 6AT仕様のシフトまわり。シフトブーツやシートなどBRZはレッドステッチのみの設定。

  • 操作性にこだわった空調関連スイッチ。ボタン類が大きめでブラインドタッチもしやすい。

  • 6AT仕様のペダルにもアルミプレートを装着。大型フットレストでスポーツ走行に備える。

気になるポイントQ&A

注目が集まる新型GR86と新型SUBARU BRZだが、正式デビューはまだしばらく先のこと。 ここでは新型について気になることを、現時点で判明している情報を基にしてみていこう。

【Q】新型は現行型とどんなところが異なるの?

【A】
走りは確実に進化!エクステリアもメリハリの利いた最新スポーティスタイル


新型は基本的パッケージやサイズは初代を踏襲しているが、車両全高とドライバー着座位置を低くすることでさらなる低重心化を実現し、運動性を高めている。エクステリアも初代より抑揚に富んだエネルギッシュでグラマラスな造形になったが、インテリアの方向性は新型も初代と同じ。ドライバーオリエンテッドな運転に集中できるストイックな空間に仕上げられている。

初代86

 エクステリアは2020年5月に発売された特別仕様車GTブラックリミテッド。2016年8月の仕様変更でフロントグリルが拡大され、空力性能を向上させるフィンなどが追加されたほか、インテリアも一部リファイン。エンジンもパワーアップした。前期モデルはフロントフェンダーに水平対向エンジンをイメージした86エンブレムが付く。

初代BRZ

 初代BRZの生産はすでに終了。写真は専用の内外装をまとったSTIスポーツグレードで、ブレンボ製ブレーキやSTIチューニングのザックスダンパーを標準装着。215/40R18の大径ハイパフォーマンスタイヤを履くが、STI製のフレキシブルVバーやフレキシブルドロースティフナーなどでしなやかな乗り味と高い車両応答性、安定性を両立している。

【Q】GRシリーズのなかでの位置づけは?

【A】
「官能性能」をとことん追求!走りの楽しさにこだわったモデル


 初代は孤軍奮闘だったが、新型は兄貴分となるGRスープラが登場。更にスーパー4WDハッチGRヤリスもラインナップされているため、役目が明確だ。それは初代から大事にしている「意のままの操縦性」、「コントロールの愉しさ」と言った数値に表れにくい「官能性能」。特に“味”を大事するGRだからこそ、今まで以上にこだわりが盛り込まれている。

  • GRスープラ

  • GRヤリス

【Q】走りが気になります!どのくらい期待できる?

【A】
初代の走りが進化!GR86とBRZの走りの味の違いが妙味


 パワートレーン/シャシーの進化で絶対的なグリップやコーナリングスピードは向上しているのは言うまでもないが、初代の操縦性や乗り味は不変。GR86とBRZ、基本性能は共通で限界も変わらないが、そこに辿りつくまでの過程が違う。一言で言えばGR86は「ホット」、「野性味」、BRZは「クール」、「GT思想」が強い走りに仕上がっている。

<まとめ>新型GR86&新型SUBARU BRZの魅力

「深化」という言葉がまさにピッタリな2代目
初代の良さをより伸ばした注目モデルだ!


 発表以降、2.4Lエンジンや見た目の部分に“賛否”が聞かれるが、そもそも86/BRZはスペックに表れない部分に魅力があると思っているので、「結論は急がなくてもいいのでは?」と思っている。一足先に味見させてもらった筆者としては「より研ぎ澄まされた」、「初代ユーザーは嫉妬するな」と感じた。人気モデルには「2代目ジンクス」と言う言葉があるが、この2モデルに関しては心配は不要だ。2代目はそのようなクルマに仕上がっていると断言しよう。

●文/山本シンヤ

提供元:月刊自家用車

グーネット編集部

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