輸入車
更新日:2020.11.04 / 掲載日:2020.11.04

ジャガー&ランドローバー特集/老舗英国ブランドの今

VISUAL MODEL : LAND ROVER DEFENDER

写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年12月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

「英国」というフレーズには、独特の異国情緒と憧れのニュアンスが含まれています。ヨーロッパ諸国において独自の文化と歴史を形成し、21世紀となった今でも憧れの対象であり続ける英国は、ファッションやカルチャーで世界の最先端を走りつつ、同時に自国の歴史、文化に強いアイデンティティを持つ国。そんな英国では、自動車においてもまた、独自の文化が花開いています。今回は、英国の老舗ブランドであるジャガー、そしてランドローバーの今をチェック。注目モデルの試乗レポートやブランドの最新情報、そして中古車市場の動向まで多角的にお伝えします。

新型ディフェンダーは一種のスーパーカー!? 涼しい顔してどこまでも走る

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。


伝統ある本格オフローダー、ディフェンダーがフルモデルチェンジ。オリジナルを尊重しつつ今風のスタイルに注目。モノコックボディとなったが、走りはディフェンダーの名に恥じぬ仕上がりだ。

新しく生まれ変わったディフェンダー

 ディフェンダーが話題である。あの化石のようなボディワークが、ついにフルモデルチェンジして生まれ変わった。1948年、ブランド誕生とともに発売されたシリーズ1の系譜が新世代に入ったのだ。そして世界はもちろん、日本でも多くの受注を集めている。
 新型車の見た目は、まさにディフェンダーそのものである。これまでのクラシカルなデザインを今風にアレンジした。ヘッドライトやグリル、リアピラーや背面タイヤなどに従来型のイメージをうまく残している。それに全体的な佇まいもそう。無駄に抑揚を入れずスクエアな面構成が保たれた。ディスカバリーが少し現代的になり過ぎた分、こちらはうまい具合にとどまった気がする。
 ベースとなるプラットフォームは新設計。このクルマのためにかなり専用パーツが施された。つまり、これまでのように古典的なラダーフレームを用いているわけではない。しっかりモノコックフレームが採用される。もはや現代のモノコック構造はラダーを凌ぐフレーム剛性なのだ。なので、じっくり見ていくとランドローバーファミリーとの共通項はいくつも見えてくる。同じパワーソースを積むのだから、その辺は類似するであろう。
 そのパワーソースはガソリンエンジン2L直4ターボとなる。最高出力は300馬力。ランドローバー、レンジローバー、それにジャガーブランドでも多用される信頼性の高いユニットだ。低回転から高回転までアクセルワークでしっかり回る気持ちのいい加速とフィーリングの持ち主である。ただ、本国にはこれ以外にもディーゼルの4気筒やV6エンジンもラインアップされるので、いずれそれらも日本導入されるかもしれない。5LV8!なんてのも含めて期待したい。
 それはともかく、インテリアのデザインもなかなか見ごたえがあるのをお知らせしよう。ダッシュボードはオールニューで、モダンかつお洒落に仕上がっている。シフトノブとその横の2つのダイヤルとスイッチ類は個性的だ。ここはエアコン調整やエアサスのコントロール、ヒルディセントのオンオフスイッチが並んでいる。このほかは、その上のモニターで操作したり確認したりする。4つのタイヤのトラクション配分を見ることもできるし、ボンネットが透けて見えるクリアサイトグラウンドビューもそうだ。それと試乗車はメーターも液晶だった。視線を横にずらさず、ナビの案内を見ることができる。
 シートレイアウトは通常の2列5名乗車のほかに3列7名乗車も選ぶことができる。キャビンの天井高はあるほうなので息苦しさは避けられる。それにルーフサイドの窓から陽が入るのもグッドだ。
 といったのが新型ディフェンダーの概要だが、このタイミングでアイコンをフルモデルチェンジできたのは、近年の販売が好調であることが関係する。世界的なSUVブームは老舗オフローダーブランドにも波及しているのだ。そして最新テクノロジーを搭載したオフローダーがこうして生まれた。レンジローバーを筆頭とするこのファミリーの進化から目が離せない。

Profile
自動車ジャーナリスト

九島辰也
ファッションにも造詣が深い自動車ジャーナリスト。プライベートでは、アメリカ、ドイツ、イギリスと、各国のクルマを乗り継いでおり、ジャガー車の所有経験もある。

[CLOSE UP-1]ランドローバー ディフェンダー

 ボディタイプは2つで、写真は110と呼ばれる5ドア仕様。もう一台はショートホイールベースの90。そちらは3ドアとなる。

ランドローバー ディフェンダー 110(8速AT) ●全長×全幅×全高:4945×1995×1970mm ●ホイールベース:3020mm ●車両重量:2240kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●総排気量:1997cc ●最高出力:300ps/5500rpm ●最大トルク:40.8kgm/1500-4000rpm ●サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/マルチリンク ●ブレーキ前後:Vディスク ●タイヤサイズ前後:255/65R19 ●新車価格帯:499万円~843万3000円(ディフェンダー全グレード)

室内はガラリと変わりモダンに仕上がった。またキャビンは天井高があり居住性は高い。カーゴスペースも高さが使えそうだ。ゲートが横開きなのが個性的。

[CLOSE UP-2]ランドローバー イヴォーク

こちらの進化も見逃せませんぞ!
 昨年2代目にモデルチェンジしたレンジローバーイヴォークも、ランドローバーファミリーのなかで忘れてはならない1台。SUVクーペとしてのスタイリッシュなフォルムは相変わらず人気。ニュースはマイルドハイブリッドモデルの設定だが、この夏ヨーロッパではプラグインハイブリッドの受注が開始された。それも待ち遠しいが、スタイリングで買っても間違いないモデルだ。

ランドローバー レンジローバーイヴォーク Rダイナミック HSE P300 MHEV(9速AT) ●全長×全幅×全高:4380×1905×1650mm ●ホイールベース:2680mm ●車両重量:1950kg ●エンジン:直4DOHCターボ+モーター ●排気量:1995cc ●エンジン最高出力:300ps /5500-6000rpm ●エンジン最大トルク:40.8kg m/2000-4500rpm ●モーター最高出力:15ps ●新車価格帯:472万円~836万円(イヴォーク全グレード)

あなどれない! ジャガーサルーンの駿足ぶり

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス、ジャガー
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。


スポーツカーのFタイプを除けば、ジャガーのなかで最も走りのイメージが強いXE。コンパクトなボディにより身のこなしは軽く、その走りは、まさに4ドアのスポーツカーだ。

ジャガーマインドを秘めたスポーツセダン

 クルマ好きであれば、ジャガーがスポーツカーブランドであることはおわかりいただけていると思う。日本では高級サルーンの代名詞としてXKが長年君臨していたが、ジャガーの真髄はサルーンではなくスポーツカーなのだ。
 振り返れば戦前のSS100からそうだし、XJ120もスポーツカーとしてカテゴライズされていた。まだエンジンやフレームを他社から買っていた時代から、ボディデザインやらファイナルギア比などでスポーティな走りを生み出していたのである。
 スポーツカーブランドとして象徴的なのは1950年代のル・マン24時間レースでの活躍だろう。レース用に設計したDタイプがそれを色濃くした。1955年からの3年連続優勝は今も語られる。61年にデビューしたEタイプは、そのDタイプをベースにした市販車である。
 なぜ、そんな話をするかというと、久々にステアリングを握ったジャガーXEが想像以上にスポーティだったからだ。試乗したのはRダイナミックHSE P300。文字どおり300馬力を発揮するモデルとなる。昨年XEがリファインされたと同時に追加された4気筒エンジンのハイパフォーマンス版だ。
 そもそもこのクルマには走りを予感させる要素が詰まっている。4ドアでありながらのロングノーズ&ショートデッキプロポーションがそうだし、20インチのロープロファイルタイヤとブレーキ冷却がよさそうなホイールデザインもそうだ。それに細めのLEDヘッドライト、エアをガッツリ取り込むダイナミックなフロントバンパーもそれを物語る。
 インテリアでは運転席と助手席を二分する太いセンターコンソールがスポーツカー的だし、あえてしっかり握らせるシフトノブの形状もそう。ギアチェンジをダイヤル式やボタン式にすることもできるが、彼らはこのクルマにあえてのシフトレバーを与えたのだ。忘れていたが、ステアリングもスポーティ。3本スポーツと真円グリップが操作を楽しくする。
 走りに関しては吹け上がりのいいエンジンもそうだが、シャシーをコントロールするさまざまなデバイスがこのクルマにスポーティさを与えている。トルクベクタリングバイブレーキ、全輪駆動とアダプティブサーフェイスレスポンスなどなど。これらによりドライバーは路面状況に関係なく気持ちのいいハンドリングを楽しむことができる。今回高速コーナーをいくつか攻めてみたが、じつに滑らかに自然に駆けてみせた。個人的には自然な挙動が好みである。
 さらにいえば、ドライブモードをダイナミックにするとスポーツ性はより強調される。ギアのマネージメントが変わり高回転までキッチリ回してくれるのはうれしい。とにかく“速い!”という印象だ。
 といったのが今回改めて試乗した感想だが、クルマを降りてから気づいたことがある。それは4ドアサルーンにして赤いボディ色が似合うこと。このことこそXEがスポーツカーマインドにあふれている証拠ではなかろうか。単なる高級サルーンじゃ赤は似合わない。そもそも赤はスポーツカー用ともいえる色……。なんてことを思わせる一台である。

[CLOSE UP-3]ジャガー XE

 クーペライクなシルエットながら、キャビンの居住性は保たれる。リアシートに座って天井に頭はつかない。トランクの容量はそれなりだが、3分割可倒式のリアシートが使いやすさを担保する。

ジャガー XE Rダイナミック HSE P300(8速AT) ●全長×全幅×全高:4690×1850×1415mm ●ホイールベース:2835mm ●車両重量:1660kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●総排気量:1995cc ●最高出力:300ps/5500rpm ●最大トルク:40.8kgm/1500-2000rpm ●サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/インテグラルリンク ●ブレーキ前後:Vディスク ●タイヤサイズ前/後:235/35R20/265/30R20 ●新車価格帯:539万円~736万円(XE全グレード)

エンジンは300馬力の2L直4ターボを搭載する。そしてRダイナミックには専用のボディキットが装着される。

サルーンといえども4ドアクーペとしての存在感が強いXE。ノーズは低く、リアデッキは高く設計されているのが特徴だ。迫力あるバンパーは機能とデザイン面で両立される。

[CLOSE UP-4]ジャガー Fタイプ

ジャガーの真髄を知りたいならコレ
 現代におけるジャガーの真髄はこのモデルにほかならない。80年代から90年代頃はXJSやXKシリーズもあったが、それらは4シーター。本格的な2シータースポーツはこのクルマで再現された。その点からもFタイプの名が付けられた意味がわかるはず。ボディタイプはクーペとコンバーチブルがあり、駆動方式はリア駆動と全輪駆動がある。V8の走りは最強と言いたい。

ジャガー Fタイプ Rクーペ(8速AT) ●全長×全幅×全高:4470×1925×1315mm ●ホイールベース:2620mm ●車両重量:1840kg ●エンジン:V8DOHCスーパーチャージャー ●排気量:4999cc ●最高出力:575ps /6500rpm ●最大トルク:71.4kg m/3500rpm ●新車価格帯:865万円~1737万円(全グレード)

[ジャガー&ランドローバーの電動化は今]主力モデルはすでに電動化導入済み

文●ユニット・コンパス 写真●ジャガー&ランドローバー
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。

地球温暖化への対策が必須となっている現在。大きく豪華なクルマが多いジャガー&ランドローバーはどのような対策を行っているのか。ブランドが行う電動化の実情と最新情報をお伝えする。

導入の効果が大きいSUVから電動化を開始

 歴史と伝統のイメージが強いジャガー&ランドローバー。その印象はある意味で正しく、ある意味で間違っている。ブランドが歩んできた歴史や積み重ねてきたレガシーに対する敬意を大切にする一方で、先進技術の採用に関してじつは積極的なのだ。たとえば軽量化に貢献するアルミ素材の導入もそう。
 自動車の電動化が不可避と見れば、積極的にその技術を取り入れて、それをブランドの強みとしている。
 BEVがまだめずらしかった2018年に、Iペイスを日本に導入したのも多くの人々を驚かせたし、その乗り味がジャガーらしくスポーティで気持ちのいいものだったことも、強く印象に残る出来事だった。
 そして現在、ジャガー&ランドローバーは着実にブランドの電動化を進めている。特にランドローバーは、メイン車種であるレンジローバーとレンジローバースポーツにPHEV(プラグインハイブリッド)を設定。車重が重いSUVと、スタートから最大トルクを発揮するモーターのマッチングはご存じのとおり良好で、わずか2Lという排気量にもかかわらず、PHEVモデルは期待に沿った上質で力強い加速をもたらす。従来のガソリンエンジンでは5Lもの排気量を必要としていたことを考えれば、その効果は明らかだ。
 上級モデルからスタートした電動化は今後さらに広がり、欧州市場向けとしてはジャガーXEにディーゼルエンジンと48Vマイルドハイブリッド機構の搭載も発表された。
 また、電動化と並行して車両ソフトウェアの無線によるアップデートが導入されるなど、進化の勢いはとまらない模様だ。

[ランドローバー レンジローバースポーツ]オンロード性能を高めたスポーティモデル

 伝統のレンジローバーをベースに、力強くスポーティなテイストを与えたモデル。レンジローバーの名にふさわしい卓越した走破性をキープしながら、オンロードでは高級セダンのような安定した走りを披露。PHEVモデルは、2L直4ターボに最高出力142馬力のモーターを組み合わせ、システム合計で404馬力を発生。0-100Km/h加速はわずか6.7秒という俊足。
2020年 ランドローバー レンジローバー スポーツ オートバイオグラフィ ダイナミック P400e(8速AT) ●全長×全幅×全高:4855×1985×1800mm ●ホイールベース:2920mm ●車両重量:2600kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1995cc ●エンジン最高出力:300ps /5500-5900rpm ●エンジン最大トルク:40.8kg m/2000-4500rpm ●モーター最高出力:142ps /2950rpm ●モーター最大トルク:28.0kg m/1000-2900rpm ●新車価格帯:1218万円~1351万円(レンジローバースポーツPHEVモデル)

  • 純正インフォテインメントに走行中のPHEVシステムの可動状況をリアルタイムで表示する。

  • 充電する時間は指定可能。充電しながらでも車内の冷暖房を調節できるため、航続距離にも影響しない。

[ランドローバー レンジローバー]EVモードを備える最上級オフローダー

 ランドローバーの伝統が息づく最高級のラグジュアリーSUV。現行型4代目はボディにアルミモノコック構造を採用することで、大幅な軽量化に成功。悪路走破性は従来どおりに、オンロード走行での実力を大きく高めた。PHEVモデルは「最上級の移動空間」としての能力はそのまま、電動化による環境性能をプラス。EVモードでは最長40.7kmのモーター走行が可能だ。
2020年 ランドローバー レンジローバー ヴォーグ P400e(8速AT) ●全長×全幅×全高:5005×1985×1865mm ●ホイールベース:2920mm ●車両重量:2640kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1995cc ●エンジン最高出力:300ps /5500-5900rpm ●エンジン最大トルク:40.8kg m/2000-4500rpm ●モーター最高出力:142ps /2950rpm ●モーター最大トルク:28.0kg m/1000-2900rpm ●新車価格帯:1550万円~2956万円(レンジローバーPHEVモデル)

  • 精緻な仕上げが施されたインテリアには、最新のインフォテインメント機能を搭載。ステアリングアシスト付きACCなど運転支援も充実。

  • 車両の動きを詳細にモニターして制御、ボディロールを抑えることで長距離走行での疲労を低減する。

[ジャガー Iペイス]ブランドの先進性を象徴するBEV

 ジャガーとして初めて開発されたBEV。1充電あたり438km(WLTCモード)が走行可能。SUVでありながらもスポーツカー並の走行性能を発揮するハイパフォーマンスモデルで、電動化の時代を迎えてもジャガーらしさが共存できることを証明してみせた。4年リースプラン(クローズドエンド方式)も用意し、月々14万8500円からIペイスのある暮らしをスタートできる。補助金申請作業や残価精算が不要という気軽さもうれしい。
2020年 ジャガー Iペイス HSE エアサスペンション仕様(電気式CVT) ●全長×全幅×全高:4695×1895×1565mm ●ホイールベース:2990mm ●車両重量:2240kg ●駆動用バッテリー:90kWh ●モーター最高出力:400ps /4250-5000rpm ●モーター最大トルク:71.0kg m/1000-4000rpm ●新車価格帯:976万円~1183万円(Iペイス全グレード)

インテリアは上質さと先進イメージが融合。フローティングセンターコンソールなど、ディテールにまでジャガーらしいこだわりが貫かれている。

全モデル電動化に向け開発は加速を続ける

ジャガーの歴史あるフラッグシップセダンであるXJは、現在次世代モデルを開発中。内燃機関は搭載せず、BEVになるといわれている。

全モデルの電動化に向け歩みを進めているジャガー&ランドローバー。欧州ではFペイスとレンジローバー ヴェラールのPHEVモデルが登場予定。

[ジャガー&ランドローバーのペットプロダクト]愛犬との旅行を楽しむためにも

文●ユニット・コンパス 写真●ジャガー&ランドローバー

コロナ禍におけるニューノーマルとして、クルマを使った旅に注目が集まっている。家族の一員であるペットとクルマで旅行に出かけるならば、こんな純正オプションにも注目したい。

愛犬の「居場所」をもっと快適にするために

 人と人との距離を適切に保つ新しい日常が始まり、プライベート空間のまま移動できるクルマのメリットに、注目が集まっている。
 そんななか、旅行に出かけるにあたって気になるのがペットの存在。ペットを自宅に残したまま数日家を空けることは難しいため、多くの愛犬家たちが旅行においてもペットと行動を共にしている。だが、人間にとって快適なクルマが、ペットにとっても同じとは限らない。そこでオーナーに愛犬家が多いジャガー&ランドローバーでは、純正オプションとしてペット用品を取り扱っている。
 特に荷室への移動を助けてくれる「ペットアクセスランプ」は、寸法と角度が各車種に合わせた設計となっており、荷室までのアクセスが問題となりがちなSUVユーザーにぴったりのアイテム。
 ペットを運転手の膝の上などに乗せて運転することは、法律違反(乗車積載方法違反)であるだけでなく、重大事故にもつながる恐れも。大切な家族であるペットを守るためにも、正しい乗車を心がけたいものだ。

カーシェアリングサービスの「カレコ」とのコラボレーションで、ペットが同乗可能なXFスポーツブレイクを11月30日までの期間限定で提供している。

  • ペットを持ち上げることなくラゲッジに上がらせることができる折りたたみ式スロープ「ペットアクセスランプ」。

  • 「フォルダブルペットキャリア」は、ドライブでの安全と快適さを提供。水がはねたり、こぼれたりしにくい「ウォーターボウル」も便利。

  • キルティング生地を使った「キルティングロードスペースライナー」は、ラゲッジ全体を保護しながら、ペットのための空間を作り出す。

[次世代車にリサイクル素材を採用し、地球温暖化への影響を低減]これからの時代を見据えたインテリア

文●ユニット・コンパス 写真●ジャガー&ランドローバー

持続可能性のある社会を目指す現代では、天然素材を贅沢に使うことが必ずしも高級車として称賛されるとは限らない。ジャガー&ランドローバーは、次世代モデルにナイロン廃棄物からリサイクルされた新素材を採用すると発表した。

石油由来のナイロンと同等性能のリサイクル材

 かつて、革や木といった天然素材をふんだんに用いた豪華なインテリアは高級車の証だった。その筆頭でもあったジャガー&ランドローバーは、次世代モデルの内装素材、フロアマットやトリムの一部に、プラスチック廃棄物からリサイクルされた素材を使用すると発表した。
 次世代モデルへの採用が発表された「ECONYL」は、合成繊維業界大手のアクアフィル社が開発した商品で、世界中から集められたナイロン廃棄物をリサイクルしたもの。化石原料から作られたナイロンと同じように使うことができるため、クルマの内装材としても適している。アクアフィル社では、1年間で約4万トンの廃棄物を再生することで、従来品に対して地球温暖化への影響を9割低減できるという。
 すでに高級ファッションを中心に採用が広がっている「ECONYL」。これからの高級車は、高品質なだけでなく、環境への負荷をどれだけ抑えられるかも重要な要素になる。新しい時代の高級車はどのような形なのか、今から楽しみだ。

衣料メーカーが廃棄する生地の切れ端や養殖業の魚網などをリサイクルし、次世代モデルのフロアマットやトリムに活用する。

  • リサイクル素材から製造される「ECONYL」は、すでにファッション業界で洋服や時計、カバンなどに活用されている。

  • ジャガー&ランドローバー車の魅力であるクオリティの高いインテリア。その品質を守りつつ、環境負荷を軽減する。

ジャガー&ランドローバー人気先代モデルを探る

VISUAL MODEL : LAND ROVER RANGE ROVER EVOQUE Convertible

文●ユニット・コンパス
※中古車参考価格、物件相場はグーネット2020年10月調べ。 ※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


現行型はもちろん魅力だが、先代だからと言って色あせることがないのがジャガー&ランドローバー。現在では手頃な価格で入手できるので、これからジャガー&ランドローバーへの乗り換えを考えている人は必見!

[ランドローバー レンジローバー イヴォーク(先代)]フルオープンで楽しめるSUV/スペシャルな雰囲気が強いコンパクトSUV

 ランドローバーのなかでも異彩を放つのがレンジローバーイヴォーク。同社のSUVのなかでも特に小型で、スペシャルティカー的なポジションと言ってもいい。なかでもコンバーチブルはSUVとしては希少なオープンモデルも選べるから驚きだ。
 気になる中古車相場は500万円以上で、物件もごくわずか。一方で、一般的な5ドアであれば、新車価格の概ね半額程度で買えるようになった。改良で9速AT化された2014年以降のモデルは相場が高めなので、価格重視で探すなら初期型がねらい目。また、2018年式以降の低走行物件も目立つので、コンディション重視ならこちらを探してみるのもオススメだ。
中古車参考価格帯:250万円~700万円(12年~19年 ※イヴォーク全グレード)

インテリアは、5ドアや3ドアと共通のデザイン。スポーティなデザインは外観とベストマッチ。

ベースがSUVのため、後部座席に大人が座ることも可能。時速48km以下なら走行中でもトップの開閉ができる。これに要する時間は21秒。手軽なのも◎。

撮影車には、2L直4ガソリンターボが搭載される。5ドア/3ドアはこれに加えディーゼルも選べる。

全長4385mm、全幅1900mm、全高1650mmとコンパクトなボディサイズで取りまわし性も良好だ。

ルーフの開閉を問わず、ラゲッジのスペースは251Lを確保。オープン状態でも積荷に干渉しないのが美点。広くはないが、日常使いにも十分応えてくれる。

[5DOOR]豊富で買いやすいスタンダードな5ドア

 コンバーチブルは華やかだが、実際に買うとなれば実用性の高い5ドアが一般的なチョイスになるだろう。実際、物件数は5ドアが圧倒的に多く、グレードの選択肢も豊富である。ガソリンのほか、ディーゼルエンジンも選べるのもうれしい。中古車購入の際、オススメグレードはレザー仕様の「プレステージ」。エントリーモデル「ピュア」と相場の差も大きくない。

上級なレザーシートが与えられたインテリア。小柄なボディだが、前後シートに大人が座っても十分快適性を確保。あらゆるシーンで活躍できるはず。

[ランドローバー レンジローバー(先代)]100万円台で探せるラグジュアリーSUV

 2002年にデビューし、10年以上も生産された先代レンジローバー。年式によって相場はピンキリだが、初期型ならば100万円台の予算でも十分探せる。高年式でも200万円~300万円の予算だから、かなりリーズナブルになった。物件数は以前と比べて減っており、最近は入手し難くなっている。特に5万km以下の低走行物件が少ないので、欲しい人は早めに検討を。
中古車参考価格帯:140万円~550万円(02年~13年 ※先代レンジローバー全グレード)

価格は手頃だが、内外装の佇まいはプレミアムSUVにふさわしいレベル。室内は広いが、意外と取りまわし性は悪くない。

[ランドローバー ディスカバリー4]物件数は少なく中古車市場では希少

 ランドローバーの中核モデルであるディスカバリー4は、2009年にデビューした。当初は5LV8のみのラインアップだったが、2013年のマイナーチェンジで3LV6+スーパーチャージャーに置き換えられた。中古車は初期のV8モデルはかなり少なめで探しにくい。ねらうなら後期型のV6がオススメだが、ほかのランドローバーに比べると物件数は全体的に少ない。
中古車参考価格帯:300万円~690万円(09年~17年 ※ディスカバリー4全グレード)

どっしりと構えるエクステリアはSUV好きにはたまらない。全長およそ4.9mもあるから、居住空間もゆとりがある。

[ジャガー XK(2代目)]安くなった今こそ乗りたいハイパフォーマンスGT/200万円台の予算で乗れるジャガーのクーペ

 ジャガーのスポーツカーといえばFタイプだが、その前任となるのがXK。2座のFタイプに対し、XKは後部座席を備えた2+2で、実用性も重視した高級GTとなる。2代目XKが登場したのは2006年で、当初は4.2LV8を搭載したクーペとコンバーチブルを設定。翌年にはスーパーチャージャーを組み合わせた高性能版XKRも登場した。2010年モデル以降は、排気量を5Lに拡大し出力を高めている。
 中古車市場の平均価格はXKが230万円、XKRが250万円とほぼ同程度。カブリオレは物件数が少ないのでやや探しにくい。ねらい目は2012年以前の前期型だろう。
中古車参考価格帯:200万円~500万円(06年~15年 ※2代目XK全グレード)

ホワイトのレザーシートが装着される。サイドサポート性に優れ、高性能クーペらしいスポーティな走りにも対応。後部座席は荷物を置くのに便利。

  • 高さのスペースにはゆとりが少ないものの、奥行きと幅が十分あるので、意外とたくさんの荷物が積める。GTカーらしく泊まりのロングドライブも可能だ。

  • 写真は2013年式のXKRで、510馬力の5LV8スーパーチャージャーを搭載する。トランスミッションは6速ATが組み合わされる。

[Convertible]ゆったりと乗るならコンバーチブル

 ジャガーは昔からオープンカー作りが得意で、往年の名車Eタイプもオープンが選べた。そんな血筋のXKコンバーチブルは、ソフトトップの開閉状態を問わず美しいフォルムを持ち、快適なオープンドライブを約束する。中古車市場はクーペのほうが豊富だが、あえて美しいコンバーチブルを探すのも手。クーペと相場に大きな差がなく、200万円台前半の予算から探せる。

写真は5LV8を搭載したXKコンバーチブル。「R」のようにハードな乗り心地ではないから、ラグジュアリーカーを求める人にオススメの1台。

[ジャガー XF(先代)]初期型は100万円!? 格安のプレミアムカー

 Sタイプの後継車種として2007年にデビューしたのがジャガーXF。メルセデスEクラスやBMW 5シリーズがライバルのプレミアムセダンである。2011年にはヘッドライト形状が刷新されるマイナーチェンジを受けた。中古車相場は大幅に下がり、前期型フェイスなら100万円以下の格安物件が揃う。後期型でも200万円台が中心なので、現在入手しやすいモデルのひとつだ。
中古車参考価格帯:60万円~360万円(07年~15年 ※先代XF全グレード)

先代XF以降のジャガーはモダンな内外装にチェンジ。ジャガードライブセレクターと呼ばれるダイヤル式の変速装置も特徴。

[ジャガー XJ(先代)]最後のクラシカルなジャガーデザイン

 丸目4灯のヘッドライトを持つ、古き良きクラシカルジャガーデザインは、先代XJが最後となった。エンジンはV6、V8両方が存在するが、中古車市場に多いのは後者。どちらも相場に大きな差はなく、100万円以下の予算で購入できるほど安くなっている。ただし登場から時間が経過しているため、走行距離が伸びた個体も多く、購入の際は状態を見極める必要がある。
中古車参考価格帯:50万円~260万円(03年~10年 ※先代XJ全グレード)

この世代以前のXJは車高が低くタイトな室内だったが、アルミボディになったこのモデルはゆとりのあるスペースが確保される。

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