新型車比較・ライバル車対決
更新日:2020.10.14 / 掲載日:2020.10.14

新型レヴォーグ・同門比較

新型レヴォーグの登場でスバル党のベストバイに変化はあるのか。主なスバル車を再検討だ。

※新型レヴォーグの写真はすべてプロトタイプ。

新型レヴォーグ登場対応版 SUBARU ラインナップ再検討

新型レヴォーグ●価格:280万円台-370万円台(税抜)※写真はプロトタイプ

スバル党のベストセレクトはどれだ!?

新型はベスト・オブ・ スバルツアラーと言える

 OE供給モデルを除いた現在のスバル車ラインナップはスポーツ系とSUV系に大別される。この分類ではインプレッサの立ち位置が微妙になるが、インプレッサスポーツのSUV発展型のXVを対象にすればスポーティなキャラの実用系と理解できる。

 レヴォーグはスポーツ系の主力に位置付けられる。スポーツ性ではWRXやBRZが上位車種となるが、価格や走りのバランスがスポーツ性に偏りすぎて一般性が低い。レガシィツーリングワゴンの血脈とすれば実用性等の一般用途適性も重要だ。しかも、新型は走りの質感を大幅に向上している。レガシィがSUVのアウトバック系のみとなった現在、レヴォーグはスバル車種体系の上でもレガシィツーリングワゴンの後継モデルそのものであり、キャビンスペースはともかく走りではその位置付けに相応以上の実力を備えている。

 SUV系、具体的にはXV、フォレスター、アウトバックの3モデルになるが、言うまでもなく実用性を評価軸にすればレヴォーグを選ぶ理由は極めて弱い。適応用途をアウトドア趣味方向に上乗せしているのだから当然である。高車高が特徴のジャンルのためキャビンスペースや見晴らしの良さも重要。長所を見ればSUVのシェア拡大も納得できる。

 SUV系に対するレヴォーグの特徴はスポーティな走りとキャラ。SUV系にもスポーティなグレードが展開されるが、ドレスアップを主にするタイプ。車体設計からスポーツ&ツーリングに向けて開発されたレヴォーグとは生まれが違う。しかもSUV系は全モデルともにNA仕様だが、レヴォーグはターボを採用。高負荷域での加速のキレが段違い。しかも、新世代プラットフォーム採用モデルの中でも走りの質感も高く、高速走行での安定感や余力はアウトバック以上。高速長距離適性でもスバル車の中で最も優れているのがレヴォーグなのでもある。

 スバル車ラインナップを背景にレヴォーグを置けばスポーティと実用のウェルバランス、グランドツアラーとしての実力が特徴として浮かび上がる。しかも、機能拡張を図った新型アイサイトに、自動運転機能も備えたアイサイトX。安全&運転支援機能においていち早く次世代化を進めている。

 クルマ選びは目的用途によってそれぞれだが、全身次世代化によって対象ユーザータイプは従来車から拡大。悪路走行前提のユーザーはともかく、オンロード全天候ツアラーがスバル車の魅力と考えているユーザーにはベスト・オブ・スバルと言えよう。

インプレッサスポーツ/新型レヴォーグと比べてどう?

●価格:200万2000-270万6000円

好バランスのコンパクトカーだが上位グレードはレヴォーグと競合

 一般的あるいはウェルバランスの実用車を求めるユーザー向けに開発され、FF車をラインナップ。レヴォーグの下位に位置するが、居住性等の大まかな実用性は大きく変わらない。元々レヴォーグに対してはハードウェア面でも近い位置にいたが、レヴォーグが大幅向上を果たしたため、走りの質感等々、車格感の差が拡大した。

 手頃感のある価格がアドバンテージだが、2Lの上級グレードを狙うならレヴォーグのGT系との比較は必須。コスパにおいてもレヴォーグは身内の強力ライバルである。

スバルXV/新型レヴォーグと比べてどう?

●価格:220万-292万6000円

悪路対応の快適なロングツアラー。用途によってはベストバイだ

 インプレッサスポーツをベースに発展したSUVであり、サス周りも悪路走行向けに専用で開発され、最低地上高は本格SUV並みの200mmとなっている。穏やかな乗り心地や高速域の安定性を高めたフットワークは一般用途向けだが、新型レヴォーグに比べると鼻先の挙動の据わりに多少難があり、操縦感覚の締まりが今ひとつ。SUV系では快適なロングツアラーだが、ツーリングカーとしての質や余力を求めると中途半端な印象もある。2L車の価格はレヴォーグ相応であり、悪路対応力の要不要が選択の分かれ目。

レガシィアウトバック/新型レヴォーグと比べてどう?

●価格:341万-346万5000円

 レガシィツーリングワゴンをベースにSUV化されたモデル。現在のレガシィラインナップでは唯一国内展開する。スバル車ラインナップの最上級に位置し、全長4.8m超、全幅1.8m超の堂々とした体躯と悠々としたキャビンは、ひと目でレヴォーグとの車格差を感じさせる。同系の手法で開発されたXVと同様にベースモデルよりも穏やかな乗り味を示し、スポーティなドライブフィールを求めるユーザー向けではない。また、サイズや重量がもたらす走りの車格感では分があるが、振動騒音の洗練感まで含めるとレヴォーグと同等。

フォレスター/新型レヴォーグと比べてどう?

●価格:286万-317万9000円

走りの実力ならレヴォーグ、使って便利なのはフォレスター

 スバルSUVの旗艦車種。車体設計から悪路走行を前提に開発されたスバル唯一のモデル。広く見晴らしのいいキャビンやアウトドアレジャー対応の内装設定など、実用性でもスバル車の頂点。ワゴン専用モデルながらも、先ずスポーツありきで実用性が犠牲になった感もあるレヴォーグとは対照的。ワゴンとしての機能を求めるならフォレスターが圧倒的優位。ちなみに全長はフォレスターのほうが短い。直進安定性や操縦感覚の締まり等々の走りの実力はレヴォーグが勝るのは当然だが、使って便利なのはフォレスターだ。

BRZ/新型レヴォーグと比べてどう?

●価格:247万5000-365万7500円

振り回して楽しめるが性能自体はレヴォーグに譲る

 トヨタとの共同開発によるFRスポーツクーペ。水平対向エンジンを活かしたフロントミッドシップレイアウトを採用し、言うまでもなくスポーツ性能が最大のセールスポイントだ。後輪のスリップアングルに神経質なトラクションなど課題も多いが、振り回すような走り方も比較的簡単に楽しめるのが見所。ただし、搭載エンジンはNA2Lのみ。回す楽しみは濃いがレヴォーグに比べるとトルクの細さは如何ともし難い。また、スリップアングルが大きい状況でのトラクションもレヴォーグが圧倒的。性能の地力が違う。

WRX S4/新型レヴォーグと比べてどう?

●価格:416万9000円

走りのバランスやコスパ度外視でも スポーツ性能を追い求める人に

 引き締まったサスチューンとパワフルなエンジンでスバル4WDスポーツの性能面での象徴だった。WRXの最たるモデルとなるEJ20搭載のSTIが消滅し、現在はS4 STIスポーツのみの設定となったが、ビルシュタイン製のSTIチューニングダンパー等々のアイテムで磨き上げられたスポーツ性能は大きなセールスポイント。スポーツ特化なら迷わずWRXで、となるが、日常域での快適性や420万円近い価格を考えればレヴォーグのSTIスポーツのほうが走りのバランスでもコスパでも遙かに実践的である。

●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之、(株)SUBARU

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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