徹底分析中古車相場
更新日:2020.07.23 / 掲載日:2020.07.23
【トヨタ シエンタ】人気ミニバンの相場がさらにダウンし、いよいよ買い時に!?

ミニバンのなかでもとくに小さなトヨタ シエンタは、今ではトヨタの売れ筋モデルと言ってもいい存在。自販連のデータを見ると、車種別では多くの月でベスト5入りを果たし、その人気ぶりはデビューから5年を迎えた今年も健在だ。およそ2年前、現行型シエンタの中古車事情を調査したが、その時は100万円台半ばの予算があれば広く探せることをお伝えしている。あれから2年、2020年7月の中古車データを探ってみたら、さらにリーズナブルに買えることがわかった。
今回は、いま一度現行型シエンタのヒストリーと魅力に触れつつ、最新の中古車動向を探ってみたい。
トヨタ シエンタってどんなクルマ?
トヨタのスモールミニバンとして2003年9月に発売されたシエンタ。この時代、ミニバンの小型化がブームとなっており、ホンダ モビリオがその先鞭をつけていた。それに対抗すべく、トヨタからシエンタ、日産からキューブキュービックが登場。これらはヴィッツやフィットなどコンパクトカーのプラットフォームを使いつつ、室内に3列シートを備えることで、いざという時の利便性を高めたのが共通項。普段は広い荷室を持つ2列シートのワゴンとして使えるため、プラスアルファのゆとりと安心が売りとなっている。
日産キューブキュービックの後継車は登場しなかったが、トヨタシエンタは一時期カタログラインアップから外れたものの、後に復活して10年を超えるロングセラーモデルとなった。ライバルのモビリオは、後継のフリードが登場し現在も販売されている。しかし、販売面ではシエンタが優勢で、中古車市場でも非常に人気の高いモデルとなっている。
そんなシエンタは2015年7月にフルモデルチェンジを受け、現行型となった。愛らしい丸目の先代に対し、新型は凛々しいフェイスと曲線的なボディフォルムが特徴的。5ナンバーをキープしつつもボディサイズは拡大され、全長4235mm、全幅1695mm、全高1675mm(デビュー時の2WD車)となった。それゆえ室内スペースにもゆとりが生まれ、ミニバンとしての快適性をアップ。また、ハイブリッドモデルを新たに設定したこともトピックだろう。デビュー時でJC08モード燃費27.2km/Lと、ミニバントップクラスの性能を実現している。安全面では、トヨタセーフティセンスCがオプション設定されたことも話題となった。
トヨタ シエンタの年式別中古車平均価格は?

現行型シエンタの登場は、2015年7月のこと。グレードは大きく分けると「X」、「G」の2つで、それぞれに1.5Lガソリンとハイブリッドを設定。さらに1.5Lガソリンエンジンは、2NR-FKE、1NZ-FEという2機種を設定している。これに加えて2WDと4WDが選べるほか、車いす仕様車(福祉車両)を用意するなど、豊富なバリエーションを誇る。デビュー時の新車価格帯は168万9709円~232万9855円。
およそ2年後の2018年9月にはマイナーチェンジ。従来は3列シートのみだったが、今回より2列シート車「ファンベース」を追加。アウトドアや車中泊をしたいというユーザーの需要に応えた。また、アクセルとブレーキ踏み間違え時の被害を軽減する「インテリジェントクリアランスソナー」、歩行者検知機能を追加した「トヨタセーフティセンス」を設定。さらに外観デザインもよりスタイリッシュな意匠となるなど、魅力を大きく高めている。
2020年6月、シエンタは一部改良を受けた。「G」、「ファンベースG」のヘッドランプをLED化するとともに、スマートエントリー&プッシュスタートシステムの機能にウェルカムスライドドアを追加。これはスライドドアに近くだけでドアが自動開閉するという便利なアイテム。また、「ファンベースG」をベースに、LEDランプパッケージ、インテリジェントクリアランスソナー、合成皮革×スエード調表皮シートを標準装備した「ファンベースG クエロ」というグレードも加わった。それらを踏まえ、2年前の中古車平均価格とデータを比較してみたい。
年式 | 2018年8月 | 2020年7月 |
2015年式 | 177万円 | 145万円 |
2016年式 | 180万円 | 151万円 |
2017年式 | 193万円 | 162万円 |
2018年式 | 191万円 | 178万円 |
2019年式 | ー | 188万円 |
2年前と比べて相場は30万円ほどダウン
およそ2年前のデータと比べると、現行型シエンタの年式別中古車平均価格は、概ね30万円ほど下がっていることがわかる。2018年9月以降の後期型は178万円と依然高値ではあるが、前期型は100万円台半ばが相場。2015年~2016年式ならば100万円以下の物件も目立つようになってきた。
物件数は2016年式、2017年式が中心で、次に2015年式が豊富。つまり前期型が中古車の大半を占めている。ただし初期型は多走行な物件も流通しているようなので注意。
トヨタ シエンタのグレード別中古車価格相場は?

シエンタは、標準の「X」、装備内容が充実した「G」というグレード構成が基本となっている。後者はワンタッチスイッチ付きのパワースライドドアが採用されるほか、内装の仕立てが上質になり、助手席シートバックポケットなどのユーティリティ面も充実する。なお、それぞれのグレードで1.5Lガソリンまたはハイブリッドが選べる状況。こちらも2年前のデータと比較してみたい。
上級グレード「ハイブリッドG」も積極的に狙える
グレード別中古車平均価格を見ても、前回の調査から30万円ほど安くなっている。とくに2年前は200万円に迫る相場だった「ハイブリッドG」も、今回の調査では165万円にまで下がった。探せば100万円台前半の物件も目立つから、今なら積極的に狙いたいグレードとなっている。なお、「X」と「G」は後者のほうが物件豊富。パワートレイン別で見ると、1.5Lガソリンのほうが充実している。なお、2列シート車「ファンベース」の中古車はかなり少なめだ。
トヨタ シエンタの中古車価格相場のまとめ

以上をまとめると、シエンタは2年前と比較すると30万円ほど相場がダウン。まだ現行型のコンパクトミニバンが100万円台前半の予算でも十分探せることがわかった。後期型はまだ高めなので、リーズナブルに探すなら2018年9月以前の前期型がオススメ。グレード別による価格差はそれほど大きくないから、積極的に上級グレードを狙っていきたい。