徹底分析中古車相場
更新日:2021.12.23 / 掲載日:2021.11.18
トヨタ シエンタ(2代目/P170系)の中古車選びで知っておきたい特徴とグレード構成
トヨタ シエンタ(2代目/P170)ってどんなクルマ?
2015年7月発売モデルのデータ(G ハイブリッド 2WD)
新車時価格帯(2015年7月)
1990年代以降、ミニバンはセダンに変わるファミリーカーの主要ジャンルとなっていった。当初は背が高く、広々とした室内が売りのモデルが中心だったが、ユーザーニーズの多様化でさまざまなタイプのミニバンが登場。そんななか、2003年9月に登場したのがトヨタ シエンタである。全長4.1mの5ナンバーボディに3列シートを装備し、コンパクトハッチバックでは物足りない多人数乗車と実用性の拡張を実現した。今回は、2015年に登場した2代目シエンタ(P170系)の改良遍歴とグレード別装備内容を紹介したい。
2015年7月、シエンタがフルモデルチェンジを受けた。新型は、ミニバン=ハコ型という概念を打ち破り、曲線を多用したスポーティなデザインを採用したのが特徴。インテリアも機能性が重視され、操作系は腕の動きに沿って配置。オレンジのアクセントカラーとサテンメッキ加飾、ピアノブラック加飾を組み合わせることで、明るく質感の高い空間を演出している。ハイブリッドのバッテリーをセカンドシート足元の下、燃料タンクをセカンドシート下に置くことで、低床フラットフロアを実現。これにより室内での移動もしやすくなっている。またスライドドアの乗り込みの高さを先代から55mm低く、ドア開口幅を50mm拡大したことで乗降性も高められた。室内は後席ほどヒップポイントが高くなるシアター式シートを採用し、見晴らしのよさも追求している。サードシートは、シート幅を700mm拡大し、大人がしっかり座れるベンチ風シートを採用。セカンドシートはワンタッチで折りたたむことができ、使いやすく多彩なシートレイアウトを実現した。
パワートレインは、1.5L 直4と同ハイブリッドの2タイプ。駆動方式は2WDと4WDから選択できる。ハイブリッドはTHS IIを搭載し、ミニバンとしてはトップレベルのJC08モード燃費27.2km/Lを実現。「平成32年度燃費基準+20%」を達成するとともに、「平成17年基準排出ガス75%低減」の認定を取得した。安全面では、「トヨタセーフティセンスC」を設定。プリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、オートマティックハイビームなどが盛り込まれた。コンパクトなボディながら、使い勝手、環境性能、そして先進の安全性を兼ね備えた魅力ある1台となっている。
改良遍歴は?
2018年9月、マイナーチェンジを受けた。エクステリアはフロントバンパー、フロントグリル、ヘッドランプ、リアコンビランプ、ホイールキャップのデザインを変更し、質感を向上。またツートーンカラー全6色も新設定した。また、アクセルとブレーキを踏み間違えた時に自動でブレーキをかけるインテリジェントクリアランスソナーを設定。「トヨタセーフティセンス」には、昼間の歩行者検知機能も追加され、安全性を強化。そのほか、パワースライドドア予約ロック機能、荷物の置き忘れを通知するリアシートリマインダーなど、便利な機能も拡充された。同時にアウトドアや車中泊に最適な2列シート車「ファンベース」シリーズも登場している。
2020年6月、新グレード「ファンベース G クエロ」を追加。これは、3列シート車「G クエロ」と同様LEDランプパッケージ、インテリジェントクリアランスソナー、合成皮革×スエード調表皮シートを標準装備する最上級仕様。また「G」、「ファンベースG」のヘッドランプをLED化すると同時に、ハイブリッド車にはアクセサリーコンセント(AC100V・1500W)をオプション設定するなど、装備内容も見直された。
トヨタ シエンタ(2代目/P170)の主要グレード
2代目シエンタのグレード構成は、大きく分けると「X」、「G」が設定される。2018年9月の改良では、それぞれに2列シート車「ファンベース」も設定。パワートレインもガソリンとハイブリッドの2タイプから選べるため、バリエーションは豊富である。ここではグレード別の装備内容を見ていこう。
基本的な装備が揃う標準モデル「X」系
エクステリアは、プロジェクター式ハロゲンヘッドランプ、LEDテールランプを装備。また、ハイブリッド車には高遮音性のUVカット機能付きウインドシールドグリーンガラスを採用(ガソリン車は高遮音機能が省かれる)。インテリアは、ピアノブラックのセンタークラスターパネル/シフトベゼルを採用。シート表皮はファブリックとなる。
より上級の装備が充実する「G」系
Bi-Beam LEDヘッドランプ(マニュアルレベリング機能)、LEDテールランプを標準装備。より装備が充実した「G クエロ」では、オートレベリング機能付きLEDヘッドランプが与えられる。高遮音性UVカット機能付きウインドシールドグリーンガラスは、パワートレイン問わず標準装備。また、デビュー当初は全車オプションだった「トヨタセーフティセンス」は、2018年のマイナーチェンジ以降、「G」系グレード全車に標準化された。インテリアは、ピアノブラック+サテンメッキ調塗装のセンタークラスターパネルを採用。シートは、「G」では上級ファブリック、「G クエロ」では合成皮革+スエード調(ダブルステッチ式)となり、「X」よりも上質感を高めたモデルとなっている。
※上の記述は、2021年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。
まとめ
運転しやすいボディサイズ、ハイブリッドのパワートレイン、そして目を引く斬新なルックスを備えた2代目シエンタは、発売以降たちまち人気モデルとなった。そのため中古車市場には良質な物件が豊富に流通し、選びやすいクルマである。2列シートの「ファンベース」が登場したことで、3列目が不要というユーザーも取り込んでいる。グレード体系は基本的に「X」と「G」の2つとシンプルな構成。年式によって「トヨタセーフティセンス」などの安全装備が標準化されないこともあるので、購入前に要確認を。