徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.27 / 掲載日:2018.08.21

【トヨタ シエンタ】人気のコンパクトミニバン、気になる中古車相場は?

最新世代のコンパクトミニバンは相場が高い?

 ミニバンと言えば、ヴォクシーノアセレナなどの5ナンバー中型ミニバンが話題になることが多い。しかし新車販売の現場では、それよりもひとまわり小型のコンパクトミニバンの売れ行きも好調で、新車販売の上位にほぼ毎月ランクインしている。とは言え、現在の国産のコンパクトミニバン(3列シートを備えたもの)はトヨタ シエンタホンダ フリード程度しかなく、選択肢が豊富とは言えない状況だ。そんな理由から、このジャンルの中古車は総じて相場が高い傾向にある。

 今回は、今年の上半期販売台数でライバルのフリードを抑えた人気モデル、シエンタの相場を詳しく分析してみた。現行型シエンタが登場したのは2015年7月だから、今年でちょうど丸3年が経つ。最近は手ごろな価格で販売される物件も揃ってきており、そろそろ買いの時期でもあるから、グレードや年式別の相場動向を今一度おさらいしておこう。また、最後にホンダ フリードの相場にも軽く触れてみたい。

トヨタ シエンタってどんなクルマ?

 90年代後半から00年代初期にかけて、コンパクトカー(いわゆるBセグメントカー)は一斉に新世代へと切り替わった。その代表格がトヨタ ヴィッツとホンダ フィット。スペース効率、走り、質感、そしてなによりデザインがグッと新しくなり、このクラスの安かろう悪かろうなイメージを払拭した。それから少し遅れて日産 マーチやマツダ デミオもモデルチェンジを受け、ファミリー層でもしっかり使える商品力を備えたことで人気を博した。そして、そんなコンパクトカーをベースに、各メーカーはさまざまな派生車を続々とリリース。そのひとつが、トヨタシエンタに代表されるコンパクトミニバンである。2003年に登場したシエンタは、初代ヴィッツに採用されたNBCプラットフォームをベースに、全長およそ4mというコンパクトなスライドドア式のミニバンとして仕立てられたモデル。キュートな外観と相まって、たちまち人気モデルとなった。

 2015年7月、シエンタはフルモデルチェンジを受ける。初代の丸目フェイスから一転し、横長のヘッドライトを持つ大人っぽいデザインに進化したのが見どころだ。また一新されたプラットフォームは低床フロアを採用し、ハイブリッド仕様も設定。さらに衝突回避支援パッケージの「トヨタセーフティセンスC」を全車にオプション設定することで、安全性も一段と増している。室内に関しては、2列目シートの膝まわりを25mm拡大することで、ゆとりを確保。また3列目はシート幅を70mm拡大し、大人がしっかり座れるベンチシートを採用している。フル乗員で長時間のドライブには適さないが、いざというとき、例えば駅までの送り迎えなどで、最大7名乗れるというのはやはり便利なものだ。コンパクトカー+αの利便性を備え、燃費、維持費も低く抑えられる現行型シエンタは、ファミリー層を中心に今でも好調な売れ行きを誇っている。

グレード別の中古車相場は?

 シエンタのグレード構成は、大きく分けると標準の「X」と装備充実の「G」。それぞれに、ハイブリッドシステムの有無が選べる。「G」にはワンタッチスイッチ付きのパワースライドドアが両側に採用されるほか、室内の加飾が豪華になっていたり、助手席シートバックポケットなどユーティリティ関連の装備が充実しているものの、機能面ではそれほど大きな差はない。むしろ、ハイブリッドと非ハイブリッドの差が大きく、グレードによって燃費が10km/Lほど違うことも覚えておこう。それを踏まえ、グレード別中古車平均価格をチェックしてみたい。

グレード別中古車平均価格
グレード中古車平均価格
X158万円
G180万円
ハイブリッドX183万円
ハイブリッドG197万円
※中古車平均価格はグーネット2018年8月10日現在のデータによる。

狙うべきは「ハイブリッドG」

 デビューから3年経つが、現行型シエンタの相場は基本的に高値をキープしている。新車価格帯がおよそ170万円から240万円だから、正直言うと、中古車としてそれほどお買い得なクルマではない。グレード別に見ると、もっとも相場が低いのは「X」で、158万円。ただし、物件が多く探しやすいのは「G」と「ハイブリッドG」となっている。一般的に、中古車になると新車時におけるグレードごとの価格差は小さくなる傾向にあるが、現行型シエンタはそれには当てはまらず、上位のグレードは相場も高め。つまり、新車を購入する感覚で選ぶほうがよいだろう。グーネットのオススメグレードは、物件数が充実しており燃費や装備が優れる「ハイブリッドG」。平均価格は197万円ともっとも高いが、走行距離5万km前後の条件ならば160万円の予算から探すことが可能だ。リセールも比較的強いから、妥協せず上級グレードを狙っていきたい。

年式別の中古車相場は?

 現行型シエンタは2015年7月のデビュー以降、大きな改良は一度も行われていない。それゆえどの年式を選んでも、基本的には同じ仕様となる。それを踏まえて年式別中古車平均価格を見ていこう。

年式別中古車平均価格
年式中古車平均価格
 2015年式  177万円 
 2016年式  180万円 
 2017年式  193万円 
 2018年式  191万円 
※中古車平均価格はグーネット2018年8月10日現在のデータによる。

物件数がもっとも充実している2015年式がターゲット

 大幅改良を受けていないため、高年式になるにつれて順当に相場が高くなっている。物件の中心は2015年式で、相場は177万円。3年落ちでも決して安いとは言えない状況であるが、探せば価格が低めの物件もそれなりに流通している。価格の下限はおよそ130万円となっており、たとえば3.5万km/2015年式/車検整備付きで135万円という物件を確認できた。コミコミ150万円が、購入費用のおおよその目安だと考えよう。

ホンダ フリードの相場は?

 トヨタ シエンタの最大のライバルフリードの相場も見ていこう。現行型フリードが登場したのは、シエンタから1年遅れの2016年9月。3列シートのフリードに加え、2列シート仕様のフリード+も同時に発表された。シエンタと同じく1.5L 4気筒エンジンを搭載し、ハイブリッド仕様も選べるなど、両車はよく似たプロフィールを持つ。中古車平均価格は、フリード(非ハイブリッド)が212万円、フリード(ハイブリッド)が241万円となっており、シエンタよりも相場は少し高め。物件も豊富にあるが、シエンタほどではないから、中古車としての買い時はもうしばらく先となりそうだ。購入を検討するなら、新車よりもお買い得な登録済未使用車などを選ぶとよい。なお、衝突回避被害軽減システムの「ホンダセンシング」が、中古車の大半に装備されている点も留意しておこう。

まとめ

 シエンタ、フリードはともに新車販売が好調な人気モデル。だから、中古車相場も基本的には高値安定傾向にある。しかし、裏を返せばリセールバリューが高く、売却時もそれなりの値段が付くということ。しかもこのジャンルはライバル車が少ないから、必然的に選択肢はこの2車に絞られる。そう考えると、買って損はない1台と言えそうだ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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