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更新日:2020.06.09 / 掲載日:2020.06.09
自動運転は免許不要?自動運転のレベルと免許証の必要性
グーネット編集チーム
自動運転技術が搭載された車が車道を走行するのは未来の話ではなく、実際に実用化に向けて着実に開発が進んでいます。
すでに導入されている自動ブレーキやスピードを調節するシステムは、自動運転の一部であることをご存じでしたか?
しかし、自動運転の技術が進み、人間が運転操作に関与しなくなると「運転免許は必要なくなるのでは?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、自動運転のレベルと免許証の必要性について解説します。
自動運転のレベルとは?
自動運転は自動化できる操作の範囲によって、以下のようにレベルが分かれています。
なお、レベル0もありますが、レベル0はすべての運転操作をドライバーがおこなうため、レベル1から解説しています。
自動運転レベル1~2は完全な自動運転ではなく運転支援
冒頭に紹介した、ハンドル操作や加速をサポートする技術は、自動運転レベル1~2に該当します。
基本的な運転操作は人間がおこなうため、自動運転ではなく「運転支援技術」と呼ばれるのが特徴です。具体的な技術は、衝突軽減ブレーキ、先行車との距離を一定にするACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)、LAKS(車線逸脱防止システム)などが挙げられます。
レベル1はどちらか1つの操作を支援、レベル2は両方の操作を支援します。
自動運転レベル3の特徴
自動運転レベル3は、運転操作は自動運転システムがおこない、緊急時やシステムの不具合が起きた際にドライバーが運転操作をするものです。ただし、高速道路などの特定の場所だけで使用が認められており、一般道などの公道は走行できません。
2020年現在の自動運転技術はレベル3に達しています。道路交通法改正にともない、2020年4月以降から一定の条件下で自動運転車の走行が認められました。ただし、自動運転レベル3の対応車種は「アウディA8」のみで、国産車はホンダが年内の発売を目標にしている状況です。法整備は進んでいるものの、一般的に自動運転が浸透するにはまだ時間がかかるといえるでしょう。
自動運転レベル4~5の特徴
自動運転レベル4は、運転操作だけでなく、緊急時の対応も自動運転システムがおこないます。「高度自動運転」と呼ばれる技術で、高速道路などの特定の場所で走行が可能です。
一方、レベル5は運転操作のすべてが自動化され、すべての公道で走行できるようになります。ドライバーという概念がなくなるうえに、アクセルやハンドルが除外された車の開発も可能です。
自動運転のレベルで免許不要になる
グーネット編集チーム
自動運転の目指す先は、人間が運転に関与しない完全自動運転です。しかし、人間が車を運転しないことで、免許の必要性にどのような変化をもたらすのでしょうか?
レベル1~3は免許が必須
レベル1と2は、ブレーキ操作や加減速のコントロールをサポートする運転支援の位置付けです。基本的な運転操作は人間がおこなうため、運転免許は従来通り必要になります。
一方、現在開発中のレベル3の場合、運転操作は自動運転システムが代わりにおこないます。システムが万が一不具合を起こした場合はドライバーが対応するため、現状と同じ運転免許と最低限の運転技術が必須です。
また、自動運転システム特有の操作や注意点を学ぶ講習の導入、高齢者の移動を支援するための取得要件の緩和、といった対策の検討もおこなわれています。
レベル4以降から免許不要の流れに
自動運転で免許が不要になるのは、少なくともレベル4、レベル5が実用化される必要があります。
レベル4では特定の場所という制限は残るものの、緊急時の対応も自動運転システムがおこないます。レベル5に至っては、すべての操作が自動化されるうえに、場所の制限がなく、すべての公道で走行が可能です。つまり、レベル4以降は「ドライバーという概念がなくなる」ため、実用化される頃には免許が不要という時代に突入するかもしれません。
ただし、ドライバーという概念の代わりに、「走行の管理者」として安全を担保する資格が必要という議論が展開されています。
まとめ
自動運転にはレベル分けがあり、自動ブレーキなどの運転支援技術も自動運転に含まれます。ただし、運転操作は人間がおこなうため、本当の自動運転はレベル3以降を指します。
2020年4月からレベル3の自動運転車の走行が認められましたが、レベル3の対応車種は海外メーカー1社に留まり、国産車は年内発売を目標にしている状況です。また、運転免許が不要になるのはレベル4以降と予想されますが、走行の管理者資格の導入など、運転免許のあり方が議論されています。
完全な自動運転までにはもう少し時間がかかるとみられますが、今後の動向に注目しましょう。