新型車比較・ライバル車対決
更新日:2020.04.03 / 掲載日:2020.03.27

HONDA 新型フィットvsライバルモデル 注目の3台対決

スモールコンパクトは実力モデルが揃うが、見比べると得意分野が微妙に異なることが分かる。3台のライバルと新型フィットの関係を改めて確認しておこう。

HONDA 新型フィット

価格帯:155万7600~253万6600円

5つのグレードの中で最もフィットらしいのは、価格と装備機能のバランスに優れるホームだろう。スモールコンパクトの王道路線を楽しめるはずだ。

  • 乗員快適性を高める様々な工夫が盛り込まれているが、多彩なシートアレンジなどユーティリティも高いレベルが与えられている。実用車としての適性は新型もかなり高い。

ライバル対決 その1 TOYOTA ヤリス

価格帯:139万5000~ 249万3000円

横方向に広がりをもたせた開放的なインパネ周り。用いられる素材や仕立てもこのクラスの平均を大きく凌駕するなど質感も申し分なし。

  • 高速道路上で運転支援を行うことでドライバーの負担を軽減させるレーントレーシングアシスト(LTA)は、ヤリスの目玉装備の一つ。

ヤリス

ここが “O” 世界基準で仕上げられた走りの実力は本物ここが “X” キャビンの広さや使い勝手はスモールクラスの平均レベル

広さやユーティリティでは一歩譲るが 有力ライバルになるのは間違いない

 スモールクラスの国際基準に準拠したモデル。つまり、居住性や積載性などファーストカーに求められるユーティリティはあまり重視されていない。むしろこのクラスでファミリー&レジャー用途に傾倒しているフィットの方が異色であり、実用性をモノサシにすればヤリスは及ばない。安全運転支援を核とした装備面は新型フィットと同様にトップレベルだが、後席の居心地や積載性などを求めるユーザーだと物足りなさも感じるだろう。

 ただし走りの質感や燃費面はヤリスが一枚上手。腰の据わったフットワークも見所だが、3気筒の新世代エンジンの出来がかなり良い。特にガソリン車は価格と装備、走りのバランスが高いレベルでまとまっている。2名乗車+αで十分というユーザーにとってはこちらが最適な選択になるだろう。

  • ラゲッジスペースはクラス相応。シート格納はシンプルな左右6:4分割式だが、生じる段差を解消するためラゲッジボードが別に用意される。

  • 新開発のパワートレーンに注目が集まるが、シャシーや足回りも最新設計。フットワークの良さは特筆モノだ。

  • ボディシャシーや足回りなどにも最新改良が施されたことで、乗り心地やドライバビリティも大きく進化。走りの質感の向上も見逃せない。

  • 価格こそ相応に上がってしまったが、ハイブリッドシステムの大幅強化も新型の見所の一つ。従来型との違いは走りにも明確に現れる。

ライバル対決 その2 NISSAN ノートe-POWER

ノート e-POWER

ここが “O” e-POWERがもたらす電動走行は唯一無二の存在ここが “X” キャビン設計の細かな部分に少々物足りなさを感じる

キャビンスペースはクラス最大級で、特に後席のゆとりは1クラス上のモデルすら凌ぐほどだが、シートアレンジに物足りなさも。

  • 高速走行時の燃費の低下は弱点だが、ちょっと重みを感じさせる乗り味や操縦感覚は大きな武器。一度味わうとヤミツキものだ。

  • ラゲッジの奥行きは相応に確保されるが、シート格納機構は前倒式のため、格納時は段差ができてしまう。設計年次の古さを感じる部分だ。

キャラはかなり近いが 総合力は少々及ばない

 先代ノートはファミリーカーとしてフィットのライバルとなる存在だったが、現行型はプレミアム志向を強めてダウンサイザー志向に舵を切っている。そのコンセプトを最も体現するのがハイブリッドのe-POWERである。ダッシュの利いた加速感覚やエンブレ回生を強化した1ペダルドライブなど、電動モーターで駆動するシリーズ式の特徴を活かした走りの演出は今も新鮮だ。

 とはいえフィットのハイブリッドもシリーズ式。ノートと同様の特性にしないのはドライバビリティの考え方の違いが大きい。また、フィットは直動機構を持つため巡航時の余力感と高速燃費は明らかに上。高速走行に強いことはe-POWERに対して大きなアドバンテージだ。広々としたキャビンを持つハイブリッドモデルと共通点も多いが、便利な工夫がより多いフィットのほうが寛いだドライブを楽しめる。

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ライバル対決 その3 HONDA フィット(従来型)

※写真はフィット モデューロ スタイル

フィット(従来型)

ここが “O” 活発な走りを好むユーザーならばその走りはまだまだ魅力十分ここが “X” 装備&機能では勝負にならず設計年次の古さは歴然

  • 上級志向を高めた新型に対して、従来型は小気味良い軽快さを武器にしていた。好みの問題だが従来型の方が好きというユーザーも多いはず。

  • シャシーや足回りは一世代前だが、ハイブリッドはそれ以上の差を感じてしまう。1モーターのi-DCDと2モーターのe:HEVの差は歴然だ。

  • 歴代フィットはいずれもキャビン&ラゲッジの広さとユーティリティを売りとしている。従来型と新型との差はほとんど感じない。

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装備&機能は新型が 断然上だが走りは従来型が 好みという人も……

 ハードウェアや装備に関わる部分は新型が優れていて当然。フィットの場合も例外ではない。ただし、クルマのキャラや嗜好的な部分も含めると、結論はそう簡単ではない。

 以前に試乗した新型フィットのプロト車と従来型の走りを比較すると、新型は細かな振動の減少やゆったりとしたストローク感を積極的に用いる印象。さらにハイブリッド車となると余力感とドライバビリティが高まり、世代の差が大きいことを実感できる。

 しかし、フットワークに限定すれば従来型の方がスモールコンパクトらしい軽快感があり、さらに粗さもスポーティな味わいと言えないこともない。従来のホンダ車のファントゥドライブ路線を気に入っていたドライバーにとっては、新型の走りはファミリー向け過ぎると不満に思うかもしれない。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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