新型車比較・ライバル車対決
更新日:2019.12.23 / 掲載日:2019.12.23

激変! 国産コンパクト大革命 HONDA 新型フィット先読みガイド

新世代フィット&ヤリス揃い踏み!

相次いでお披露目されたフィット&ヤリス。ともに価格などは未発表だが、ショー発表やプロトタイプ試乗でその全貌が明らかになってきた。コンパクトカー勢力図に大きなインパクトを与えるに違いない2トップを、新旧/ライバル比較を交えつつ、先行分析する。

まずは東京モーターショーの会場にずらりと並べられ注目を集めたホンダ・フィットだ。これ一台さえあれば、のオールマイティさが身上のフィットは、新世代となってどのような魅力を加えるのだろうか。

「次のホンダのクルマ作りの 標準となるモデルです」ホンダ 八郷社長 スピーチ(抜粋)

 「2001年、コンパクトカーの新たなベンチマークを目指して日本で誕生したフィットは、優れたパッケージング、燃費、走り、デザインを兼ね備えたクルマとして、ご好評をいただいてきました。その後もグローバルで進化を続けた結果、これまでに全世界で750万台以上を販売してきました。

 新型フィットで目指したのは、新しい時代のコンパクトカーのスタンダードを作り上げることです。コンパクトカーに求めるものが特に厳しい日本市場で認められてこそ、新しい時代のスタンダードになるという想いのもと、日本のお客様とまっすぐに向き合い、日本から世界に提案するグローバルモデルとして磨き上げました。

 皆さまの日々の生活に寄り添い、単なる移動手段でなく、生活そのものを、心地よく、豊かにする。そんな存在となることを目指した新型フィットは、新しい時代のコンパクトカーであり、まさに、次のホンダのクルマ作りの標準となるモデルです」

icon SUV風「クロスター」も登場

KEY WORD

e : HEV (イー エイチ イーブイ) 名称変更で適用車種拡大

 ホンダの2モーター式ハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD(Intelligent Multi Mode Drive)」が名称を変更。「スポーツ」の枕詞を外したのは、スポーツ性を特に強調するのではなく、広く適用される基幹テクノロジーという位置付けになった証だ。

  • ホンダの電動化技術の新たな総称が「Honda e:TECHNOLOGY(ホンダ イーテクノロジー)」。今後は電動化関連の技術・製品に統一名称の「e:」を付ける。その第一弾がe : HEVだ。

Honda CONNECT (ホンダ コネクト) 新型フィットが初、専用車載通信機

 新型フィットはホンダ車専用車載通信モジュール「ホンダ コネクト」を日本初搭載し、これを利用した「Honda Total Care プレミアム(ホンダ トータルケア プレミアム)」がスタート。従来のホンダ トータル ケアを超える機能/サービスが提供される。

  • ホンダ コネクトにより車両は緊急サポートセンターやスマホと接続。緊急通報やエアコン等の遠隔操作、ガードマン駆け付けといった様々なサービスが利用可能となる。

Honda SENSING (ホンダセンシング) 運転支援はもちろん最新版出し

 ホンダは先進安全・運転支援機能を上位車種や上位グレードへの誘導に使わず、車の基本性能と位置付けて軽自動車から積極的に標準搭載化を進めている。八郷社長がスピーチで明言した通り、新型フィットにはホンダ センシングの最新機能が搭載される。

  • ACC(追従クルーズコントロール)やLKA(車線維持アシスト)は搭載確実。被害軽減とは異なり、運転支援は事故時に限らず普段からその恩恵を受けられる。

基本情報 イカつさを捨ててイメージ回帰

icon HONDA新型 フィット ●発売予想時期:2020年初春

  • グリルや開口部をことさら強調した威嚇するような方向性と一線を画し、家族や友人の笑顔が想像できるようなやさしい顔付きに。

  • 灯火が現行モデルのタテ配置から横配置となり、グラスエリアは拡大しながら丸みを帯びるなど、落ち着きのあるリヤビューとなった。

現行3代目

新型と比べると、各部の造作がスポーティでシャープ。男性的で若々しい雰囲気だ。

シンプル&フレンドリー路線に

 お家芸のセンタータンクレイアウトによる優れたパッケージングを継承しながらイメージを一新。走りも居住性も積載性もクラス水準を超え、ハイブリッドの好燃費も魅力。そんなフィット本来の、誰にでも親しみやすく使い勝手のいいキャラクターに似合いの外観になった。パワートレーンや先進安全・運転支援機能など、ハード/ソフトともに最新版になることが決定しており、さらに5タイプが揃うこともあって、従来以上に幅広いユーザー層にアピールするのは間違いない。

  • 詳細未定ながら、シートの表皮やカラーがタイプごとに設定されるのは間違いない。くつろげる後席は従来からのフィットの美点だ。

  • 2本スポークのステアリングや水平基調のインパネデザインなどシンプルさ、圧迫感のなさ、広々とした視界が印象的だ。

現行3代目

3本スポークステアリングや厚みのあるインパネ、メーターバイザーなど、ボリューミーなデザイン。Pブレーキはハンド式だ。

視界やくつろぎが向上 性能/機能も最新最良

 キャビンの基本機能は先代と大きく違わないが、新たなプラットフォームによる圧倒的に広い前方視界がこれまでと違った居心地をもたらした。フロントピラーは「柱」よりも「桟」と言えるほど細く、パノラミックな視野をもたらし、前席越しの視界にも影響。また、後席居住性は従来車と寸法的なゆとりは大差ないが、座り心地が向上し、寛ぎは1ランクアップ。一層和気あいあいな空間に。

 e:HEVはアトキンソンサイクルエンジンを核としたシリーズHV+巡航用直動機構だ。基本構成はインサイトと似ているがフィットに合わせて全体を小型化するために工夫されていることだろう。また、キレよく滑らかな加速や、シリーズ走行時の自然なドライブフィールの追求など、性能向上だけでなく従来車からの乗り換えでも違和感ない運動感覚を実現しているはずだ。

 ホンダセンシングも従来車に対してACCの全車速化(渋滞追従機能付)や、衝突回避の横断自転車及び夜間歩行者への対応などの改良が加えられることだろう。N-WGNと基本機能は共通であり、ホンダセンシングの最新仕様かつクラストップレベルの機能を備えるはずだ。

先読みガイド1 ハイブリッドかガソリンか

1モーター→ 2モーターに刷新 ハイブリッドの 優位性が拡大!?

 パワートレーンについての詳細なアナウンスはまだないため、ここからは予想になる。従来のi-DCDは加速性能は1.5L車プラスα程度だったが、新型のe : HEV(i-MMD)はインサイトなどの動力性能傾向からすればエンジン排気量を大きく上回る余力と加速性能を発揮することだろう。つまり、従来車以上にガソリン車とハイブリッド車の差は拡大する。価格差が従来車と大差なければハイブリッド車は買い得感も向上するわけだ。

  • 従来型 ●1モーター (i-DCD)

  • 新型 ●2モーター(e:HEV)

    エンジンメインでモーターがアシストする従来型と異なり、新型はモーター駆動がメイン。トルクフルでエコな走りが期待できる。(写真はi-MMD)

先読み ガイド2 タイプ別 おすすめポイント キャラの違いを早わかり!

icon ベーシック

実用的でお買い得!

 エントリーグレードながらホンダセンシングは全グレード標準装備なので機能は十分。廉価版にありがちな残念感は薄いだろう。

icon ホーム

  • ホーム

ナチュラル&リラックス

 目立つキャラ付けはせず、装備面がベーシックより充実。本革ステアリングやインパネのソフトパッドが上質感をもたらす。

icon ネス

軽快&ファッショナブル

 差し色でオシャレに仕立て、若々しいイメージ。フィット ネスの名の通り、撥水シートなどアクティブ派、スポーツ派向け装備も。

icon クロスター

  • クロスター

ちょっぴりSUV気分

 バンパースポイラーやルーフレール、フェンダーアーチモールなどにより、タフ&アクティブなSUVイメージを楽しめる。

icon リュクス

先読み ガイド3 クラス最良のユーティリティに新採用ハイブリッドの走りが加わる

先行ライバルとの 差別化ポイント

 先代からユーティリティ志向は弱まったとはいえ、ユーティリティがクラス相対でのフィットの大きなアドバンテージなのは変わらない。高速巡航での圧倒的な強味を示すディーゼルをラインナップするマツダ2が走行性能面での強力なライバルとなるが、ユーティリティではライバルには到底なり得ない。スイフトは実用面もウェルバランスだが車格下の印象は拭えない。

 最も近い位置にいるのはノートだ。フィットほどファミリー志向ではないが、ちょっと上の車格感の演出など共通点も多い。また、ハイブリッド車がシリーズ式というのも要点。電動感を前面に出した走りが見所だが、エンジン直動機構や油圧協調回生ブレーキは採用されず、性能的にはフィット優位と予想される。

icon ライバル1 NISSAN ノート

  • ●価格: 144万7600ー268万9500円

販売面でも実力面でも新型フィットのライバル筆頭格となるのがノートe-POWER。ガソリン車やスーパーチャージー搭載車もラインナップ。排気量はいずれも1.2Lだ。

icon ライバル1 MAZDA マツダ2

  • ●価格:165万ー266万7500円

icon ライバル3 SUZUKIスイフト/スイフトスポーツ

  • ●価格:148万3900ー198万5500円/187万ー194万1500円

スイフトは1.2L中心のスタンダードコンパクトでマイルドハイブリッドも設定、同スポーツは1.4Lターボを搭載。MT車はスイフトが5速、スイフトスポーツは6速だ。

デミオから改名した、パーソナル志向のプレミアムコンパクト。1.5Lのガソリンorディーゼルを搭載、6速MT仕様も設定。足まわりを含め、走りに定評のあるモデルだ。

新型フィット攻略法 by 松本隆一

まつもと・りゅういち 本誌連載でおなじみ、販売現場に精通した値引きの神様。「値引き生情報」(P.74)にも新型フィットの値引き記事あり!

年内に予約スタート!? 10万円引きなら合格だ

 正式な発売は年明け(2月?)になるが、12月下旬には予約販売がスタートしそうだ。ディーラーでは「なんとしても初売りには間に合わせたい」としている。値引きの基本は3~5万円という店が多い。最初の商談では「新型ヤリスも魅力的なので迷っている」などとやること。交渉が煮詰まったら経営の異なるホンダ同士の争いを明らかにして一気に決着を。車両本体と付属品の値引き合計が10万円を超えたら合格。15万円なら特上クラスだ。

好反応な競合車は!?

TOYOTAヤリス ●発売予定:19年12月中旬 (P.73に値引き 記事あり)

ヴィッツが一新され、グローバルネームのヤリスに。新型フィット最大の強敵だ。

従来型はまだ買える?

ほとんど残っていない。ただしキャンセル車が出ることもあるので最寄りのホンダに問い合わせてみること。もし見つかったら付属品の値引きを含めて30万円前後を狙いたい。

同士討ちは経営違いで

競合は別経営の店で! 「ホンダカーズ○○・××店」の○○がひと文字でも違えばOKだ。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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